私の名前は「      」   作:捻くれ餅

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85話です。

文字数少ないです。
やることとやりたいことが多すぎて……コレ(小説)がおざなりになる日々……。
私は取捨選択が出来ない。


()号作戦➀

 空は薄紫色に染まり薄暗くなってきた頃、俺たちは目的地に到着した。

 

 すれ違う人たちが俺たちの方を見てはスマホを取り出して撮っているのが陰キャの本能として判ってしまった為、敢えて少し離れた場所を歩かずに艦娘たちの輪の中に入ってカメラに写らないように隠れる。カメラは嫌いなんだよ……。

 

 って言うかそこ、那珂ちゃんさん! カメラにポーズ取らない!

 うえぇ……金剛さんもぉ? 勘弁してくれ……。

 

 お土産屋コーナーに吸い寄せられた睦月を連れ戻すように三日月に指示を出し、ズキズキと痛む頭を抑える。

 

 どうしてこうなったんだっけ……?

 

 

 

◆――――――――――

 

「そういえば、慰労の件だが……」

 

 深海棲艦が警備府沖に現れた事件が一段落したある日。

 書類仕事で互いに無言になっていた執務室で提督が呟いた。

 

「慰労? ……そう言えばありましたね」

 

「ああ、この間持ってきた紙は青葉が調べたのか?」

 

 ……何のことだっけ? 慰労で青葉さんが……あっ、アレか。

 

「そうですね……それは青葉さんがやってくれました」

 

「助かるな……艦娘のやりたいことはちょっと私には難しくてね……勝手に決めるよりは良いと思う。ありがとう」

 

 おい、ありがとうじゃねぇよ。少しは自分の意見を出せよ……。いや、大多数を満足させるって意味では多数決に頼るのは間違ってないけど……。

 普段から艦娘とのコミュニケーションを大事にしろって言ったじゃん。海にしろ温泉にしろ、どう考えたってイベントが目白押しだろ? 各艦娘覚の好きな事くらい把握して恋愛フラグ建てまくってやるって欲望に塗れた気合を見せて、『艦これ』の『艦これっぽい』提督らしく艦娘たちと節度を守りつつイチャイチャしてみれば?

 

 まぁ、俺の目が届くところでR指定(年齢制限)が付きそうなことはさせるつもりは無いし、俺をその対象に選ぶようだったら全力で逃げさせてもらうけど。

 

「……お礼なら青葉さんにどうぞ」

 

「それもそうか」

 

 そりゃそうでしょ。っていうか俺を通してお礼を伝えるなんて不誠実極まりない……会うのに数日掛かる程離れてる訳でもないのに……探せば数分だろ。バカなの? ワンチャン俺より常識無いんじゃないの?

 アホなこと言った提督を白い目で見ていると、今度は何だ? 何を言いたいのか提督は視線を彷徨わせていた。ホラ、何を隠してる? ハケッ(吐け)! ハクンダ(吐くんだ)

 

「……先日の件を大本営に報告したんだ。運営を始めて一月ちょっとなのに健闘したということで、報酬として資材が届くことになってるんだけどね……その時に大本営の艦娘が派遣されて、一週間程度滞在するらしい」

 

 あ~……その一週間の間に慰労もやろうってことね。把握把握。

 それにしたって、艦娘が来るなんて今初めて聞いたんだけど……?

 ……で、来るのはいつ? それなりの人数なら来週くらい? 受け取りとかの準備は大丈夫なの?

 

「それで……大本営の艦娘が来るのはいつですか?」

 

えっと……明日……」

 

「……」

 

 ……書類仕事してる場合じゃねぇ!?

 

「ちょっ!? 何で言ってくれなかったんですか!?

 

「サプライズをと思って……」

 

 畜生! この提督はバカだ! 悪意が無いから余計に性質が悪い!

 そういうのはサプライズって言わないんだよ! ハプニングって言うの!

 

ああ~っ! チッ……提督はその書類の整理やってて下さいね!? 準備してきますっ!」

 

◆――――――――――

 

 確かこんな感じだったかなぁ……。

 

 あの会話が午前中で本当に助かったんだよなぁ……。

 あの後、警備府全体に周知させた後に、警備府に残ってた少ない人数で警備府の大掃除を敢行して、誰とは言わないけど二人の駆逐艦の生活スペースが特に汚くて、苦戦して終わったのが真夜中で、泥のように眠ったのだけは覚えてる。

 

 そして今日の朝には大本営から艦娘たちがやってきたんだよなぁ……。

 憎たらしい事に午前九時ピッタリに。しっかり時間を守る人は好感が持てるけど、今回ばかりは遅刻して欲しかった……

 

 やって来た艦娘で見覚えがある顔としては不知火と鹿島だけだった。

 

 他の人達は自分と同じ艦娘とドッペルゲンガーしてた人も居て面白かった。やっぱり場所が違うと個性も出てくるんだろうなぁ……。大本営の響ってなんかカッコよかったし……。

 同じ艦の艦娘だからって共感してもらえると踏んだのか、川内さんが川内さんに夜戦を止められて~とか言って騒ぎ始めて、大本営と警備府の両陣営からタコ殴りにされてたのは面白かった。でも、実際夜は五月蠅いからしょうがないね。

 

 俺の方はと言うと、不知火と佐島さんが二人して俺の自室に入って、「クリア」だの「何でこんなに殺風景なんですか! 信じられません!」だの……言いたい放題言ってくれた。しょうがないじゃん……休みはあっても警備府の外には出てないんだから……増える物が無いんだし。

 

 その後にも別に運ばれてきた資材の整理、提督に細々とした説明、準備が終わってない人達の支度を待って……それから移動を始めた。

 

 俺は車酔いしやすいから、さっさと寝ようと思って早々にバスに乗り込んだが、二台あるバスの内提督がどっちに乗るかで騒ぎ出した人達のあまりの段取りの悪さにイライラして眠ろうにも眠れず、乗ったら乗ったで騒がしくて寝れず……結局バス酔いして頭が痛い。

 

 普段はしっかりと駆逐艦をを纏めてくれる長良さんや摩耶様も、どこかウキウキしているように見えるからこんなところでもわざわざ苦労は掛けたくない。

 ……まぁ、警備府の中に居る訳でも無いし、羽を伸ばしてリフレッシュできるならそれに越したことは無いか……。

 

 どう考えても駆逐艦と海防艦の子が騒ぎまくるだろう。

 だけど誰もそれの世話をしようとしないだろうし……やっぱり俺がやるしかないの……?

 

 一つ溜息を吐いて、提督に続いて旅館の中へ。

 

「いらっしゃいませ。大湊警備府の皆さまですね?」

 

「ああ、数日の間よろしく頼む」

 

 提督の挨拶で始まった温泉旅館宿泊。

 俺はしっかり休めるのかなぁ……。

 




次回から温泉回。 需要は……無さそうですね……(でもやる)。
温泉なんて行ったこと殆ど無いから記憶から抹消されて、描写が出来ないですねぇ……。さてどうしようか……。

頑張れ提督! 艦娘とフラグを建てるのだ!
頑張れ主人公! 隙を見つけては休むんだ!
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