愛衣ちゃん√でうるっときたので執筆しました。
なのでぐちゃぐちゃかもしれませんが許してください。
これ書きながら『失意』聞いてたらものすごく悲しくなってしまった。
ごめん。昂晴君。愛衣ちゃん。
もしもあの時本当のことを言っていなかったら。
明月さんと別れ、駆け出す。
駅前を見て見ると多くの車が事故を起こし、多くの人が倒れていた。
救急車もやってきていたが、隊員たちも車から降りるたびに体調を崩していた。
まるで地獄絵図だ。
それでも、俺は愛衣に会わなければならない。
途中で宏人と出会い、愛衣の場所を聞く事が出来た。
待ってろ、愛衣。今、行くから・・・・・・。
息を切らしながら辿り着いたのは人気の無い裏路地。
宏人の話だとこのはずだが・・・もう移動したか?
いや、蝶の数はどんどん増えている。ならこの辺りにいるはず・・・・・・。
「あっ‥‥‥!」
視界を遮る蝶の大群。
その中にうずくまる、小柄な人影。
__見つけた!
「愛衣ッ!」
「ぁ、ぁ‥‥‥、はぁ‥‥‥ぁ‥‥っ」
「愛衣、しっかりしろ!」
「‥‥‥うっ‥‥ぁ‥‥‥」
抱き寄せて、彼女の名を何度も呼ぶ。
「あっ‥‥‥ぁ‥‥‥」
「こー、くん‥‥‥?」
肩を揺らしてようやく反応があった。
目は虚ろで、顔色も悪い。蝶を放出して消耗した?
その上、自身の放った蝶に負の感情を増幅されている?
「ごめ‥‥‥アタシの、アタシのせいだ‥‥‥全部、アタシの‥‥‥」
愛衣の視線の先には彼女の友達が力なく倒れていた。
どう見ても愛衣より症状が重い。
「おい、大丈夫か!?おいっ」
「‥‥‥」
「聞こえているか?おいっ、しっかりしろ!」
声を掛けても反応がない。涼音さんの時とは比べ物にならない。
まるで廃人のようだ。
愛衣もこの子も、このままじゃまずい・・・
明月さんが蝶を回収すればこの事態も何とかなるかも知れないが・・・数が多すぎる。待てない!
俺が回収できるのか?自分の意志でできるのか?
やるしかない。愛衣たちの方が大事だ。
「‥‥‥ッ!クソッ!なんでだ!?なんで蝶が捕まらない!?」
さっき蝶がいた時は逆だった。確かに俺の心に吸収された。
愛衣に会うという目的を果たしたからなのだろうか?逆に蝶は俺から逃げるように飛んでいる。
練習する時間も惜しい。ならば、残された方法は・・・
「愛衣!」
辛そうに、愛衣は顔を上げる。
「ごめ‥‥‥こんな力なければよかったって思ったら‥‥‥目が、痛くなって‥‥」
「今まで捕まえた蝶が‥‥‥全部、アタシから出て行っちゃった‥‥‥」
「何があったかは後で聞く。今はこの状況を解決するのが先だ」
「愛衣、もう一度、蝶を捕まえられるか?」
愛衣は首を横に振って唇を開いた。
「ごめん‥‥、できない‥‥‥じっと見つめても‥‥‥消えてくれない‥‥‥」
「それに‥‥‥捕まえても、どうせ出て行っちゃう」
声には力がない。こんな愛衣を見るのは初めてだ。
‥‥‥もしかして蝶の制御は愛衣の精神状態がかかわっている‥‥?
宏人の話だと二人は喧嘩していた。
その結果、愛衣は深く落ち込んでしまった。
蝶から伝わってきた感情からもそれは明らかだ。
その負の感情がトリガーになって蝶が放出された・・・?
そしてその蝶たちが持つ負の感情は愛衣の精神を蝕みながら周りの人を悪化させている。
そのせいで、蝶を捕まえる事が出来なくなっているのではないか?
・・・残された手段は・・・・
「愛衣。俺の事を強く考えろ。強く、思ってくれ。」
「そうすればその思いに反応して蝶が俺に寄って来るはずだ。」
「寄ってきさえすれば‥‥・・あとは俺が何とかする。」
「なんとかって‥‥‥」
「俺も、愛衣と似たような体質で、蝶を吸収しても悪影響を受けず、自分の魂にする。」
「そういうことができるんだ。」
「蝶さえ寄ってくれば、吸収できる。だから、愛衣、俺を、強く想ってくれ。強く」
「吸収しちゃったら、どう、なるの?」
さすが、勘が鋭い。それとも俺の表情で察したんだろうか。
だが、俺は心を鬼にしなければならない。
「言っただろ?悪影響は受けないんだ。」
その結果、俺がいなくなることになっても。
「こんなことは前にもあったんだ。気にしなくても大丈夫だ」
この世からいなくなることが、どんなに怖くても。
「心配するな。俺を信じてくれ、愛衣」
‥‥‥大切な恋人を裏切ってしまっても。
「‥‥‥でも‥‥‥私には‥‥‥でき‥‥‥ない‥‥」
「できないよ!こーくん!」
「________ッ!!」
「これは私の問題なの!こーくんに‥‥迷惑かけられない!!」
__________________ああ、俺の彼女はこんなにも‥‥‥俺のことを‥‥考えてくれるんだな‥‥‥
素直に嬉しかった。彼女の優しさが。彼女の思いやりが。
「だから‥‥だからッ!」
「‥‥‥ありがとう。俺のことをこんなにも想ってくれて」
「なんで‥‥‥なんで蝶が‥‥‥こーくんのところ集まっているの!?」
‥‥‥彼女は負の感情に呑まれながらも昂晴のことを『想って』しまったのだ。
我ながらかなりひどい方法だな。
「やめて!行かないでよ!これは私の問題‥‥‥」
「もういいよ、愛衣」
そっと、愛衣の頭を撫でる。まるで母親が子供の頭を撫でるように。優しく。
「この蝶たちで、俺は『奇跡』を起こす。」
きっとそれこそが、俺が今ここにいる意味。
何の変哲もないただの大学生だった俺が起こさなければいけない『奇跡』
「奇跡って、一体どういう・・・?」
「愛衣さん!ここにいたんですか!」
そこに、明月さんがやってきた。きっと大方蝶は回収したのだろう。
「え・・・?なんで・・・?高嶺さんが蝶に囲まれて・・・?」
「明月さん。愛衣たちのことは任せます。」
蝶たちの中心にいながら俺は明月さんにそう言った。
仕方がないのだ。こんな大惨事を引き起こしてしまったのなら。
もう一度、『世界を戻す』しかない。
「そんなことをしたら高嶺さんが!!」
「充分。充分幸せだった。」
つい先ほどまで死ぬのが怖かったのにそんな言葉がすらっと出てきた。
「皆と出会ったこと、ステラで働いたこと、愛衣と出会ったこと‥‥」
「それ全てが奇跡。本当に奇跡だったんだ」
蝶が俺の周りを激しく飛んでいる。
明月さんが鎌で蝶を回収しているが間に合わないだろう。
「やめてください!高嶺さんッ!!貴方が!死んでしまう!」
「こーくん!やめてッ!!!」
ああ、本当にごめん。愛衣、希、四季さん、涼音さん、明月さん、皆‥‥
神様、こんな大罪を犯す俺だけどどうか叶えてほしい。
皆に『幸せ』がありますように‥‥‥願わくば‥‥‥
青年は蝶に囲まれて姿が見えなくなった。
そして‥‥‥すべての蝶が空に還る時には‥‥‥もう‥‥‥いなかった。
痕跡ひとつ残さずに。まるで‥‥‥そこには最初から何もなかったかのように。
「う・・・そ・・・」
「こう‥‥せい‥‥さん‥‥‥」
今はもういない青年の名を呼ぶ。
しかし、答える者などいない。
「ぁぁ・・・・あっ、あああああああああッッッ!!!!!!」
恋人『だった』彼女は泣き叫ぶ。
彼女の叫びだけが・・・・虚しく、響き続けた。
一見バッドエンドにしか見えないけどタグにもある通りです。
絶対!ここから!幸せにします!
長くなるかもしれませんがよろしくお願いします!