全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく 作:クリス&シェリー全力投球
評価やコメント、誤字報告をいただきありがとうございます。更新頑張っていきますので、これからもこの作品をよろしくお願いします。
<偵光side>
「はい、もしもし?」
「・・・・・・・・・・・バカ。ぐすっ」
「いきなり涙声で罵倒されるとか予想外なんですけど!?」
「・・観覧車に乗ってるの?」
「ああ、クリスも一緒にな」
「・・・そう。逃げれないの?」
「無理だな。ゴンドラのドア開けた瞬間ドカンだな」
「解体はしないの?」
「他の場所に仕掛けられてるってメッセージが表示されてそれが爆発三秒前だから無理だな」
「そう、もし偵光がいなくなったりしたら・・・」
「やっぱりそれを一番心配してるんだな。昔から俺が危険な目にあうとすぐ泣くもんな、美和子は」
「しょうがないじゃない! あなたのことが心配なのよ! お願いだから・・・」
「死ぬつもりは無いって。俺が死んだら悲しむやつばかりだし、お前が絶対に後追ってきそうだからますます死ねないっての」
「ふふ、何よそれ」
よし、少しだけど笑ったな。女の人に泣かれるのは前世も含めて苦手なんだよ。ベルモットさん、さっきより機嫌が悪くなってますよ? お願いですからそんな怖い笑顔で睨まないでください。
「悪いかよ」
「大丈夫なのよね?」
「ああ。お前との約束破ったことあったか?」
「無かったわね。偵光、今度遊園地に連れてって」
「え? 遊園地?」
ヤバ! ベルモットさんの睨みつけるが発動したよ。俺の防御力がガクッと下がりました
「何か文句でもあるの? 私と遊園地行くのは嫌?」
「いいえ、無いです」
「約束よ、約束したんだから絶対に死なないで。お願い」
「ああ」
「外で待ってるから」
「へえー。美和子とも遊園地行く約束したのね。ふーん、女性とデートしてる途中に他の女性とデートの約束するなんてね・・・」
だから怖いですって! クリスが怒ってるのを怖がってると、おれの携帯が鳴った。表示されてる名前を見て俺はすぐに電話に出た。
「偵光! 萩原が米花中央病院で爆弾を発見し解体していてあと数分で終わるそうだ! 残り五分しかないがいけるか!?」
「もちろん。ありがとな零。萩原さん達にもお礼言っておいてくれ!」
「俺も今ショッピングモールに向かっている。絶対に死ぬなよ!」
「ああ。それじゃあ後でな」
良かったー! 原作と同じ場所に爆弾あって! ってことは保険かけとかないとまずいな。電話を切り水銀レバーを解除した。
「クリス、頼みがある。俺のカバンからゴム弾が入ってるおもちゃの銃でゴンドラのガラス割ってもらってロープを観覧車の柱にかけてもらえるか?」
「爆弾見つかったのね。動いて大丈夫なの?」
「ああ、水銀レバーは解除したから問題ない」
「なるほど。もし遠隔で発動した時の保険ってわけね。それにしてもまたアナタが作った発明品を使うことになると思わなかったわ。人を気絶させて鉄に打った場合破壊できる水鉄砲と投げたら勝手に巻くだけでくっつく伸縮性ロープとかね。どういう原理でできてるのかしら?」
「仕方ないだろ。博士に手伝ってもらったら作れたんだから。その二つとロープとトランプが出る銃、伸縮型爆弾解体キットとかめちゃくちゃ便利なんだぞ?」
「アナタはどこを目指してるのかしら。まあ、良いわ。脱出できるように準備していれば良いのね。解体がんばって」
「ああ」
博士と発明品つくるのめちゃくちゃ楽しいんだからしょうがないだろう。あっ、そうだ。今度防弾、防刃チョッキを博士と作ろう。爆発に巻き込まれても軽い怪我ですむような強力な奴。
背後からパン、パンと銃の音とガラスが割れた音がするから大丈夫だな。ベルモットだし、ちゃんとやってくれるだろう。俺の考えもすぐに読み取ってくれるし。隠し事もすぐにバレるけど。
「終わったの?」
「ああ、これで大丈夫だ」
「ホント凄い技術ね。あとはゴンドラが下に降りたら警察に任せて脱出するだけね」
「そうだな」
その瞬間ピッと音がしてタイマーが再び動きだした。ホント保険かけたらその通りに物事起こるよね! やっぱりこの世界は全力で俺を殺そうとしてくるね!
「ちっ、やっぱ遠隔で起動させやがったか! クリス!」
「ええ!」
俺はベルモットを近くに抱き寄せて身体にロープをまいた。ゴム銃も持っておくか
「絶対に俺の身体から手を離すなよ!?」
「もちろん。アナタに命を預けたし、私のことを守ってくれるんでしょ?」
ベルモットは俺に抱き着き不敵に笑っているんで俺も同じ表情で
「もちろん! 飛び降りるからしっかり掴まってろよ!」
ベルモットを抱えゴンドラから飛び降りた瞬間、爆弾が爆発した。背中に爆風を感じ、すごい勢いで広場の方に向かって飛んでいる。
ちっ、木が邪魔だな! ゴム銃で邪魔な木の枝に弾を打ち折っていった。
よし、これで・・・不味い、風でぶつかる! 俺はとっさにベルモットを庇い木に腕をぶつけた。
「ぐっ!」
「きゃっ!」
よし、ベルモットには当たってないな。完全に左腕やったな。あともう少しで着地できる! ぶちっ!
ちっ! ロープが火で切れやがったか! 高さが少し高いしこのままだとベルモットが怪我しちまう!
俺は痛む左腕も使い地面側に俺の身体が来るようにし、彼女を守るようにして地面を転がっていきフェンスにぶつかった!
「かはっ!」
「偵光!?」
やべえ、体中が痛い。こんな大けがしたのとか久しぶりだな。目の前は赤い液体が流れてて見にくいし。 俺の血だな。
「はあっ、はあっ。だいじょうぶか、クリス?」
「ええ、すり傷程度で大きな怪我は無いわ! しっかりして偵光!」
「それは・・・良かった。危ない橋渡ったが成功してよかった」
「アナタ、私をかばってこんな怪我を! どうして・・・」
「救うって・・・約束したからな。だから泣くなって」
何とか動く右手でベルモットの涙をぬぐった。やべえ、そういや俺の血ついちまったじゃねえか。綺麗な顔をよごしちまった。
「!? アナタを絶対死なせないわ!」
いたた! 何してるんだ? ああ、応急処置か。
「俺の血がついちまう」
「そんなの関係ないし、アナタの血なら嫌じゃないわ! いい!? 死ぬことだけは絶対に許さないから!」
「分かってるって。だから、そんなに・・・・怒るなって」
ん、何か三人の足音が近づいてきている?
「・・・・偵光?」
「ちいっ! おい、早く救急隊員を中央広場に派遣しろ! 大けがしてるのが一人いる! 良いから急げ! すぐに病院に運ぶぞ!」
「落ちつくんだ、佐藤くん!」
「いやっ、偵光! 死なないで!」
この声は美和子と零か?
ああ、美和子大泣きじゃねえか。零にしてもいつもの冷静さはどうしたよ?
「ふう、少ししたら救急隊員が来ます。クリスさん、偵光の容態は?」
「私は軽い怪我だから大丈夫。急いで止血しないと不味い状況よ。血が結構流れているし、右手以外全身の骨も折れてるかヒビが入っているはずだわ。降谷くんは止血と骨の固定を手伝って。美和子は偵光に話しかけ続けなさい! 救急隊員が来るまでに気を失わないように。良いわね? そこの警部さんは」
「ワシは救急隊員を誘導してくれば良いんじゃな!」
「よろしく、頼むわ。私の家族を救うのを手伝って」
「分かりました」
近くで零たちがせわしなく動いているな。何してるんだ? 死亡フラグ回避しようとしてるのに死ぬとかマジ勘弁だぞ。
誰かが右手を握っている? 暖かいな。
そちらを見てみると美和子が泣きながら手を握っていた。
「偵光! しっかりしなさい!」
「はは・・・何泣いてるんだよ」
「うるさい! こんな無茶して、心配かけるからよ、バカ」
「結構・・・頑張ったつもり・・・なんだけど」
「ボロボロじゃない」
「俺の血で・・・汚れるぞ」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!」
「どうやったら・・・泣くの止めて・・くれるか?」
「そんなの決まってるじゃない。偵光が元気になって一緒に遊園地に行ってくれるなら泣くの辞めるわよ。」
「はは・・・それは頑張らないと・・いけないな」
「当たり前よ。約束したんだから死なないでよ、お願い」
昔から泣き虫だもんな、お前は。サイレンの音か?
「救急隊員の者です!けが人はどちらですか?」
「こっちよ! 止血できる所はしたわ。早く病院に! 私が付き添うわ!」
「運ぶの手伝うので急いでください!」
「偵光、救急隊員が来たわよ! これでもう大丈夫よ!」
美和子が安心したようにそう言ってくる。やべえ、安心したら眠くなってきた。
「そうか・・・」
「ねぇ、偵光? いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「っ! 早く急いで!」」
美和子達の叫ぶ声を最後に俺の意識は途切れた。
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<降谷零side>
俺が所属している組織の幹部に呼び出され現在集まっていた。
「急に呼び出してごめんなさいね、バーボン、スコッチ。貴方たちに協力して欲しいことがあるの」
「アナタから。呼び出されたら行かない訳にはいきませんから、ベルモット」
「最近この三人の集まり多いよな」
「スコッチ、お前という奴はもうちょっと危機感をだな!」
「あら良いじゃない。いつも通りで、私は嬉しいわよ。その方が安心できるわ」
「ほらベルモットもこう言ってるじゃないかー。バーボンが真面目すぎるんだよ」
「お前はアイツに毒されすぎじゃないのか?」
「平然と事件の中心に突っ込んでいく奴と同じにされたくはないな」
「ふふっ。ホントにね。毎回注意しても聞かないんだから」
「こほん。それで貴女が呼び出したのはまだ目を覚まさないホワイトシルバーと貴女が巻き込まれた爆弾事件のことについてですか?」
「ええ。貴方たちには犯人を捜してほしいの」
「ほう、見つけてどうするつもりですか?」
「殺すのか?」
「いいえ、警察に突きだすつもりよ。彼は復讐なんか望んでないだろうし、殺しをすると怒られてしまうわ。彼と出会ってからは情報収集役にまわって殺しは他の人に任せてるわ」
「へえ、なるほど。彼の何がそこまで貴女を変えたんですか? 彼との出会いを聞いてみたいものですね」
「それは確かに。ベルモットとの出会いだけは教えてくれないもんな、アイツ」
「あら、レディの秘密を探るなんてナンセンスよ。彼との出会いについては秘密だけど、彼の良さについては貴方たちもよく分かっているでしょう?」
「そうだな」
「ええ、まあ。付き合いも長いですしね。世間話はこれぐらいにして犯人捜しについてですね。彼の会社のメンバーと警察も追っていますね。僕も心当たりがあるのでそちらを当たってみます」
「俺も伝手があるからそっちで探ってみるよ」
「ありがとう、二人とも。あら、こんな時間に誰かしら怜子? 失礼。はい、もしもし」
「ちょっとアンタ今どこにいるの!? あのバカがようやく目覚ましたわよ! 美和子や由美達にも連絡したから早くアンタも来なさいよね!」
「ほんとうなの・・・?」
ベルモットが泣いている? まさか・・・彼の身に何かあったのか!? 意識を失って一週間以上たつし容態が急変したのか?
「嘘言ってどうするのよ! 良いから早く来なさい!」
「ええ、分かったわ。本当に良かった。バーボン、スコッチ今日の予定は変更よ! ホワイトシルバーが目を覚ましたって怜子から連絡あったわ」
「マジか!? 急ごうぜ、バーボン!」
「ああ!」
俺たちは急いで彼の入院している病院に向かうのだった。
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彼が目覚めてから一月がたち彼に呼び出され病室に見舞いに来ている。怪我も完治して数日中に退院できるそうだ。彼の怪我の治り具合が早く病院の先生や俺たちは驚いたが。
ああ、あと女性陣に締められていたな。泣きながら抱き着かれて。クリスさんいやベルモットが感極まってアイツにキスした時なんか凄かった。組織の人間が怖くなくなるぐらい怖かった。
あのベルモットがアイツのことを溺愛しているのだ。
そのおかげか知らないが俺と景が組織に潜入してベルモットにバレた時は流石に驚いたが。ベルモットは俺たちの正体に気づいても黙ってくれている。
むしろ、彼の傍でもっと助けてちょうだいと言われた。組織の幹部として大丈夫なのか? 交換条件としてベルモットが組織にいることは黙っておくように言われたが、アイツは気づいているだろうな。
裏の世界からアイツを守る役割を、俺、景、ベルモットの三人でやっている訳なのだが効果があまりない。俺たちの知らない所で組織の連中とやり合っていることがあると報告を受けた時は頭を抱えた。ベルモットも真っ青だったからな。
それで俺の公安の部下を監視につけるようになった訳だが、アイツは何故か察知して監視網から逃げるのだ。それで、ベルモットに報告したら「公安でもダメなの? 彼を監視できる人がいる組織がもうないじゃない」と言っていた。詳細を聞いたら、FBI・CIAにも頼んだことがあるそうなのだが同様だったらしい。
アイツはバカか? 余計に目を付けられる状態になっているじゃないか! ベルモットも諦めたらしく、休みの日とかは誰かといれば大丈夫よねと言い、デートに行った結果があの爆弾事件だ。あれは流石に堪えた。ベルモットも相当ダメージが大きかったようで女性陣に協力を取り付け、彼の行動を制限するようになったようだ。
だと言うのに・・・・・・
「おい、もう一度聞いても良いか? さっき何て言った? 聞き間違いでなければ京都に行きたいって聞こえたんだが」
「おう、聞き間違いじゃないぞ。退院したらちょっと京都と、ついでに四国も行ってくるわ」
「お前はバカか!? この間事件に巻き込まれたばかりで怪我が治った瞬間京都に行くって正気か!?」
「うん。京都は、結構前からかるたの先生が俺に話したいことがあるって言ってたんだけど、忙しくてに会いに行けなかったからこの際行こうかなと。四国は休暇の旅行だな。野山さん達に二人とも仕事しすぎだから萩原さんと一緒に休んで来いって言われたからな。この間の爆弾事件が良いキッカケになったんだろう」
この男という奴は・・・・・
「クリスさん達はなんて?」
「萩原さんと夏美ちゃんが付いて行くなら大丈夫だって。萩原さんはクリス達になんか言われて顔を真っ青にしてたけどどうしたんだろう? 夏美ちゃんは俺が無茶しないように頑張ります!って意気込んでて可愛かったけど」
萩原は釘を刺されたんだろうな・・・。このバカの身と夏美さんと距離を縮めないよう守れと。
まあ、夏美さんの言うことは比較的に聞く方だから正解だと思うが、ベルモットからのメール?
嫌な予感がするな・・・
「バーボンに指令よ♪ 偵光の旅行に付いていき身の安全を守りなさい。組織の仕事と本来の仕事は、私とスコッチでカバーするから心配しないで。良い?
もし、偵光の身に何かあれば分かるわよね?」
どうやら俺が付いて行くことは確定しているようだ。
「おい、俺もその旅行についていく。この間みたいな無茶をしないようにな。もし無茶したら分かるよな?」
「・・・・はい」
俺はベルモットにメールを返し、萩原と旅行について打ち合わせを開始して準備をして、偵光が退院してすぐに京都へと向かっていった。
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今回組織に所属している三人の掛け合いも少し入れました。主人公のおかげで三人は良好な関係を築いています。
次回から旅行編に入ります。絶対何かが起こる(笑)