全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく 作:クリス&シェリー全力投球
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<水無怜奈side>
私はあのクマ? いや、組織の裏切り者との一件の後すぐに組織からキールというコードネームを渡された。どうやら一緒に潜入していた父と、あのクマから拷問されても情報を喋らなかったという功績が認められたらしい。
真実は、あのクマが父を殺しただけで私は何もしていない。発信機を付けられたのにも気づかず自分たちの身を危ない目にあわせ父が死んだだけだ。あのクマに関しては裏切り者として組織の最重要ターゲットとなった。
今頃、組織内ではその情報が広がって、着ぐるみの中の人物が誰なのかあぶり出しをしている頃だろう。
私はいつの間にかポケットに入れられていたメモに書いてあった場所に向かっている。コードネームを与えられて幹部となったことで私の監視も無くなったようだ。
目的の場所に着き、中に入り銃を構えた。
「ここね。さて私をここに呼んだ理由を教えてもらいましょうか?」
「遅かったな」
「そんな、お父さん!? 撃たれたはずじゃ」
「どうやらあのクマに助けられたようだ。強力なゴム弾が当たって気を失ったんだ。それと血糊だな。俺の死体が分からないようにあの倉庫は仲間に頼んで爆破させておいた」
「良かった・・・組織ではクマの中の人の足取りを追っているわ。それに私もキールというコードネーム持ちになったわ」
「そうか。アイツはおそらくこの展開まで読んでいた可能性が高そうだな。俺は一度本国に戻り潜伏する。組織の情報は頼むぞ。あのクマの足取りを追いたいからな」
「え、ええ。彼女はいったいどこの所属なのかしら? NOCなのは間違いないけど」
「彼女?」
「お父さんが気を失った後、人質に取られてね。色仕掛けしたんだけど、全然興味もしめさなかったわ」
「鍛えられている男性のパターンもありそうだな。おそらく・・・」
「FBI?」
「いいや、MI6だと俺は睨んでいる」
「そんな!? MI6も介入してきているというの?」
「おそらくな。その辺りの裏を取るために俺は潜伏して調べてみる」
「ええ、分かったわ」
私は父と再会し、今後どうするかを話して取り決めていった。
いったい何者なのかしら? 味方か敵か全然分からないわ。
でも、今度会った時にはお礼言わないとね。あのクマのおかげで父は生きており、私は組織の幹部になることができたのだから。
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<ベルモットside>
私は今バーボンと合流し情報交換をしていた。
「あら、スコッチはどうしたの?」
「少し前から特別な任務についているらしく連絡が取れないんですよ。まあ、アイツの場合元気にやっていると思いますが」
「・・・そう」
「それより、先日の一件聞きました? キールとジンたちのことについて」
「ええ。組織の裏切り者とらしき人物がクマの着ぐるみをきてジン達と戦ったことについてね。余程のアホか、顔をばらしたくないんでしょうね。ボスもそのクマのことをすぐ調査するように言ってきたわ」
「さすが、ベルモットですね。余程のアホって聞いたら一人の顔が浮かんだのですが・・・」
「私も一人の顔が浮かんだわ」
私の大事な人でいつも無茶をする余程のアホがね。バーボンも同じ人物を浮かべたみたいね。
「そのアホですが、その日は会社の男性陣と寮で飲んでいたそうです。裏も取れています」
「もちろん、分かってるわ。私も本人にちゃんとオハナシして聞いたもの♪ その時のあの子って涙目になって凄く可愛いのよ? 私の言うこともちゃんと聞いてくれるし」
「相変わらずですね・・・・。今度は何をお願いしたんですか?」
「一緒に添い寝して、彼には抱き枕になってもらったの♪」
「そ、そうですか」
「寝顔の写真もバッチリ撮っているわ♪」
「・・・・・・・・・・・・・」
あら? バーボンが引きつった顔をしてるわね。いけないわ。彼のことになるとついつい暴走してしまうのよね。恥ずかしいわ。
「こほん。それで何か情報は掴めたの?」
「い、いえ。外部組織のNOCであることは間違いないでしょう。日本警察側にそのような動きは無かったので、外国の諜報機関あたりが怪しいかと」
「FBIかCIAね。それとも・・・・」
「MI6、ICPOか・・・。何にしても情報が足りません。詳細が分かったらまた連絡します」
「よろしく。それにしても最近組織内にNOCがやたら入ってきてるわね。大きくなりすぎた反動かしら」
「さあ、どうでしょうね。もしかしたら今回のクマの人物のように牙を研いで、組織の頸を刈ろうとしている人物がいるのかもしれませんね」
「そうだとしたら面白いわね。まあ、何にしてもホワイトシルバーに危険が及ばないようにするのが最優先よ」
「無茶なこと言いますね。アイツが危険な目に合わない時って怪我して病院内にいる時なのですが・・・・」
「そのとおりね・・・・いつも心臓が止まりそうになるのよ。あの子のあれはどうにかならないかしら?」
「最近は夏美さんが言っても効果なくなりましたからね。越水さんと水口さんが頑張ってくれてるおかげで、少しは軽減していますが時間の問題ですね」
「・・・はぁ。また無人島に連れていきましょうか」
「・・・それは最終手段ということにしましょう。それではまた」
「ええ、よろしく頼むわ」
私はバーボンと別れ再び情報収集を行った。
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私は急いでスコッチがいるであろうビルの階段を急いで駆け上っていた。
お願い、無事でいてスコッチ!
スコッチがスパイという情報が組織に出まわったのだ。
不味いわ! あの子やバーボンの為にも彼を絶対に消させるわけにはいかない!
屋上の扉を急いで開けると、そこには気を失ったバーボンがいた。
「バーボン!? しっかりしなさい! いったい何があったの!?」
「ううん・・・アイツの死体は!?」
「落ち着きなさい! 何があったの?」
「すみません、取り乱しました」
「幼馴染のことだから心配して当然よ」
「それで何があったか教えてもらえるかしら?」
「アイツがスパイだとバレた情報が組織にまわってすぐに、ここにいることを突き止めて来ました。階段を駆け上がっている途中に銃声が聞こえて、この場所に来てみるとクマの着ぐるみがいてアイツを拳銃で撃ちました。それを見て僕は飛びかかったのですが、
気を失わされたみたいですね。アイツは・・・」
「バーボン、貴方の近くには血痕があるだけよ。彼の死体は、どこに行ったというの? まさか・・・?」
「そのクマが持ち去ったとみるべきでしょう。おそらくどこかで死体を処分しているはずです。もう大丈夫です。すぐに周辺を探しましょう」
「でも、貴方酷い顔よ?」
「貴女の今の顔色に比べればマシですよ。貴女こそ大丈夫ですか?」
「そうね。あの子が大事にしている物が守れなかったんだもの。流石に堪えるわ。あの子の周囲の幸せだけはどうしても守りたかったのにできなかった・・・・真実を知ったら悲しむでしょうし、自分を間違いなく責めるわ。俺は何をしていたんだって・・・」
「そうですね。あのバカは何でも抱え込んでしまう奴です。もしアイツがホントに死んだとしたらその秘密は僕が墓場まで持っていきます」
「そうね・・・・・」
その時近くで爆発音が聞こえた。あれは海の近く?
「バーボン!」
「ええ! すぐに向かいましょう!」
私達が爆発音がした場所に向かうとそこには、血の跡が海へと続いており、近くでは車が燃えていた。
周囲を確認していると壊れた携帯電話を見つけた。
「これは・・・?」
「アイツの携帯です」
「そう・・・貴方が持っていなさい。彼の形見でしょう」
「そうですね。クマの中の奴を絶対暴いてみせます。もう僕の身の周りの奴には絶対手を出させません」
「私もよ。あの子の身の周りは絶対に護ってみせるわ」
私達はそう決意して、その場から立ち去った。
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<諸伏景光side>
んん、ここは・・・どこかの部屋か・・?
俺は確か組織にスパイだとバレてビルの屋上に行き、携帯と一緒に心臓を打ち抜いて自決しようとしてクマが目の前に降りてきたんだ。
そこから・・・・どうなったんだ? ってクマ? 確か組織のジンとやり合って、裏切り者だから探しだせって来ていたな。はは、まさかな。
ドアを開ける音がしてそちらを向くとクマが入ってきた。
「お前は!? 何者だ!? 組織に命令されて俺を消しにきたのか・・・・いたっ!」
クマに頭をいきなり叩かれた。
なに? クマの行動の理由が分からない。
クマは呆れたように頭の被り物をとった。そこに現れた顔は俺のよく知っているものだった。
「・・・・は?」
「は、じゃねえーよ。あんな所で何しようとしてたんだお前は? 空をハンググライダーで飛んでたら、ビルの上に景光が見えて自殺しようとしてるように見えたから咄嗟に飛び降りて止めたが、何をしてたんだ?」
「いや、こっちが何をしていたか聞きたいんだが。お前何してたの? ってかそのクマってなんだよ!?」
「うるさい、落ち着け」
「いてえな、もう! 落ち着いてられるか? こっちは色々なことが起きて混乱しているんだ!」
「そうか。コーヒー淹れてきたから飲むか?」
「そうじゃないだろ!?」
「ぶー、せっかく美味しく入れれたのに。夏美ちゃんがフランス土産で買ってきたぐらいの奴で美味しいぞ?」
「ああ、もう! お前はホント昔からマイペースで、人の話とか聞かない奴だったよな! お前のおかげで帰ってきて生きてるんだって気がするよ」
「当たり前だ、バカ。ようやく、落ち着いたか?」
「・・・ああ。俺は生きてるんだな」
「そうだ、バカ。俺が助けてやったんだぞ」
「うるさい、バカ。いつも無茶するお前には言われたくない」
「そうかよ。んで、組織に公安の人間だってバレたか? 景光があそこまで追いつめられる理由ってそのぐらいしか浮かばないんだが」
待て、今なんて言った? 組織に公安・・・
「まさか、知っていたのか!?」
「うん。零も公安の人間で組織の幹部だろ? それにクリスのバカも」
「いつから知ってたんだ!?」
「昔からだな。だいたいお前ら、俺に隠し事するのが下手糞すぎるんだよ。中でもクリス、いやベルモットか? アイツが一番下手だ。完ぺきに誤魔化しすぎて逆に怪しかったし」
「分かっててどうして・・・・俺たちは潜入とはいえ、汚いことをしてきた。公安でも同様だ。お前とはもういれない。みんなに迷惑がかかってしまう」
「そんなん俺の親友と大事な家族だからに決まってるだろ。お前たちが悪いことしてきた? それなら頭ひっぱたいて、一緒に謝ってやるし償いたいならそれに付き合ってやる。それに悪いことしてきたから一緒にいられない?
笑わせんな。そんなんで俺が離れていくかよ。クリスのバカもそうなるのを一番怖がってるんだろうな。ったく、出会った時に約束したのにそれも分からないのかよ。
それで、お前はクリスと同じバカなことをまだ言うのか?」
ホントかなわないな、コイツには。こうやってたくさんの人を救ってきたんだろうな。だからこそ、ベルモットも含めあれだけの女性が好きになる訳だ・・・・
偵光は昔から2、3手先を読んでいた奴だ。おそらく今回も何か考えているはずだ。
「もう言わないよ。お前のことだから俺のことをどうにかできる方法も考えているんだろう?」
「ああ、もちろん。諸伏景光には死んでもらう」
俺の幼馴染はあくどい顔で笑いながら告げた。
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此奴の変装技術には昔から驚かされるな。零や佐藤さん達から逃げ回る時は逃走手段として使っていたのが懐かしい。
「じゃーん、どうよ?」
「驚いたな、完全に別人の顔だな。これで声を変えれば完全に分からないだろうな」
「俺の変装術はクリスでさえ見抜けないからな。クリスに見ぬかれなければ、誰にも見抜かれることはないから安心しろ。声を変える方法は少し叩きこめばすぐに慣れるだろう。後は名前だな」
「そうだな・・・
「了解、山川光ね。司さんに頼んで養子縁組として戸籍作るよう手配してもらうから大丈夫だぞ。別姓でな。司さん達の時より戸籍作るの楽だから良かったわー」
「は? 野山さん達の戸籍作ったってどういうことだ?」
「宮野明美ちゃんと志保ちゃんのことは知ってるよな?」
「ああ、組織の構成員とシェリーって呼ばれていている幹部だ。シェリーは確か組織が独自で開発している毒薬の開発を前任から引き継いで責任者になっているって話だがそれがどうした?」
「そこまでは掴んでるのね。野山さん達の正体ってその薬の開発前任者。明美ちゃん、志保ちゃんの実父の宮野厚司さん、実母の宮野エレーナさんなのよ。
俺が10歳のころかな? 組織から不要になって消されそうになった二人を助けて、お前と同じように変装させて匿ってた訳だ。
ちなみにこのこと知っているの俺とお前だけだから。野山さん達にはお前も同じ存在になると話通しているから心配しなくて大丈夫だぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ!?
組織の人間をガキの頃から匿っていただと!? ここまでバカだと思ったのは初めてだぞ!
「ああ、そう。それと組織が開発していた薬のデータもエレーナさん達が作っていたころまでは復旧出来てるぞ。それ以降改良されてたら分からんけど。まあ、このデータは組織に対する最大の爆弾にもなるな♪
うちでは、野山さん達がその元データから薬改良して病気に効く薬に変えたけどな」
「・・・・・・・何やってんの!? 俺達公安でもつかめてない情報だぞ!?」
「こんだけで驚いてたら俺とは付き合っていけないぞー」
「もういい。それで俺の死の偽装(ぎそう)は完ぺきなんだろうな?」
「ああ。ちょうど零が来てたからその前で、血糊入りゴム弾を撃ったからな。まあ、その後襲ってきたから気絶させた。
そして、お前の車爆破させて、海に落ちたように血塗りでカモフラージュして景光の携帯破壊してその場に置いていったから大丈夫なはずだ。
海に落ちたら組織の連中もそこまで探さないだろうしな」
「・・・・待て。ってことは降谷の奴は、着ぐるみ着ていたお前を恨むんじゃないのか? ベルモットもおそらく俺を殺した奴となればとことん追ってくるぞ?」
「ですよねー。うん、零とクリスには着ぐるみ着てなくても追いかけられるのがほとんどだし大丈夫だといいなぁ・・・・
仲が良い奴に銃向けられて、攻撃されるのはキツイなぁ」
「降谷とベルモットをこちらに引き込むのは無理だな・・・・」
「まあ、なんとかなるだろ。あのスーツ着ておけば怪我することは無いし大丈夫だ。お前の命に比べれば安いもんだ」
「俺のせいですまない・・・・
ところであのクマは何なんだ?」
「俺が無茶するからどんなことに巻き込まれてもケガをしないスーツ作ろうぜ!って、俺、萩原さん、松田さん、博士で作った奴がそれだ。最近は司さんまで加わって改造している。機能については、今度見せてやるよ。
どうせ一緒に作ってもらうようになるだろうし」
「今からそのスーツのスペックを見るのが恐ろしいんだが・・・・」
「確定事項だからな。山川さんには俺のサポートをたくさんしてもらう予定なんで♪
それで、情報が漏れた理由は分かったのか?」
「分かったよ、社長。それが分からないんだ。公安から一月以上前に連絡を絶てって命令が来て、任務の関係で二週間以上連絡取れなかったんだよ。
それが終わったら広まっていたって感じだな」
「山川さんって警視庁の公安部だったよな? で、零は警察庁の公安部で良かったよな?」
「・・・あ、ああ」
「となると、警視庁公安部に組織の人間が入っている可能性が高いな。おそらくそこから情報がリークされたか? 警察庁の方は可能性低いな。零がそこを徹底管理しているだろう」
「やはり・・・そうか・・・」
「ああ。警察内部にもいるとは厄介だな。こうなりゃあ、野山さん達に勧められていた探偵事務所作るか。
人脈を広げて優秀で信頼できる人材を取り込んでいきたいし」
「お前、探偵って大丈夫なのか? 探偵で目立てば組織に目を付けられるぞ」
「確かにな。だが好都合だ。俺が目立って懐に組織の人間送りこむとしたら誰を送りこんでくると思う?」
「なるほど。ベルモットかバーボンか」
「正解! 懐に来てくれた方が守りやすくなるし、攻めにも転じやすい。それに、俺が事件によく巻き込まれるから、会社の社長より探偵って方が都合良いんだよ。
そこはしきりに司さんや七槻ちゃんから言われてたんだよ」
「確かにその方が良いだろうな。あらゆることに対処できるように、俺、萩原、松田を鍛えるつもりなんだろ?」
「もちろん」
「・・・・ったく。お前は組織より恐ろしい男だよ、偵光。これからもよろしく頼む」
「こちらこそ!」
俺たちは握手を交わし、笑い合うのだった。
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次回からようやく原作編に入る予定です。
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