全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく   作:クリス&シェリー全力投球

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 ※コナンオリ主ハーレムものです。原作&CP&キャラ崩壊してますのでご理解くださいm(__)m
 
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今回からようやく原作編に突入です。バーロ高校生探偵も登場です。


原作開始
13話


<偵光side>

 

 景光ってか山川さんの一件で探偵事務所を作って早くも三年が経った。27歳で探偵事務所の所長ってホント目立つよなー。

 うん、まあ色々とありました。事件解決したり、クリス、美和子、由美、怜子さん、夏美ちゃん、七槻ちゃん、明美ちゃん、志保ちゃんに買い物付き合わされたり、遊びに行ったりして、香奈ちゃんに癒されたり、夏美ちゃんの店手伝ったり、野山さん達の研究や仕事手伝ったり、景光、萩原さん、松田さんを鍛えたり、博士や会社の男性陣みんなでスーツの改造したり、零の捜査に付き合わされたり、怜子さんのマネージャーしたり、事件に巻き込まれたり、黒の組織連中とバトルしたりしてあっという間の三年間でした。何個かおかしいのがあったって? 気にするな!

 いやーよくここまで生きてこれたなあ。死神とエンカウントしてないおかげかな? うん、原作から大きく逸れてるような気がするけど俺は精一杯やってきたんだ!

 探偵事務所建てて頑張ってきたもんね! 事件解決しまくったおかげで全国的に有名になりすぎたけどね! 目立つ気なんて無かったのに、どうしてこうなった!?

 だって探偵事務所の人員ハイスペックすぎるんだもん! もう俺いらないよね? 俺いなくても各自で事件解決できるし。人員が誰かだって?

 ここで会社と探偵事務所の人員を紹介しよう。

 

 

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 白銀探偵事務所

 

 所長 白銀偵光

 

 副所長 山川光(諸伏景光)

 

 所員 萩原研二

 

    松田陣平

 

    越水七槻

 

    安室透

 

 マスコット ライト(ミニチュアダックスフンド)

    

    

 

 

 株式会社ホワイトシルバー

 

 社長 白銀偵光

 

 副社長 野山司(宮野厚司)

 

 専務 野山リサ(宮野エレーナ)

 

 会社員 秋庭怜子 ソプラノ歌手

   

     香坂夏美 パティシエ、レストランの店長

 

     水口香奈 秘書

 

     クリス・ヴィンヤード 女優

 

 マスコット ハトソンくん(鳩)

 

 

 

 発明品開発部

 

 白銀偵光

 

 阿笠博士(外部協力者)

 

 萩原研二

 

 松田陣平

 

 野山司

 

 山川光

 

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 となっている。俺だけ働きすぎじゃない? 探偵事務所と会社の兼任ってしんどいよ? まあ、忙しくて手が取れない時は野山さんか山川さんに仕事丸投げしてるけど。

 探偵事務所の人達には、仕事振りまくってるってか皆が率先して俺の仕事取っていくんだよなぁ。なんか俺が動くと依頼のこと以上のことが起きるからだって。そんなにトラブル起こしてるかな?

 俺にとっては平常運転なんだけど。楽できるから感謝してるけど。

 山川さんの一件から探偵事務所を作ったらすぐに、透(バーボン)とクリス(ベルモット)が事務所と会社に入ってきた。おそらく例の組織からスパイとして入り込めみたいな命令がでて来たんだろうけど、二人ともすごく乗り気なのよね。え、黒の組織の仕事忘れてない?

って思うぐらい楽しんでいる。

 透は、降谷零の名は捨てて安室透と名乗ることにしましたのでそう呼ぶようにと言われた。間違えて呼んだら分かりますね?って脅迫されたので従っている。他の人達も三年でようやく慣れたようだ。美和子も由美も同様だ。

 クリスに関しては、俺を専属マネージャーにして仕事によく付き合わされる。受ける仕事のほとんどが俺と一緒じゃないとダメらしい。怜子さんもクリスと張り合うような形になっている。どうして張り合っているのか理由は分からないけど。

 黒の組織は、クマの着ぐるみを着ていた人物を追い続けているらしい。スーツはあの時からだいぶ改造されてるからな。いかつかったのが今では可愛らしい容姿に変わってるからなー。日中でも怪しまれないようにする為なんだが、あれ着て風船持ってると子供がすぐに集まってきて囲まれて大変なんだよなぁ。

 今はクマ以外の動物も開発中で何体か近いうちに完成する予定になっている。どこを目指しているのだろうか・・・・・・。

 計画通りに事が進みすぎて逆に怖い気はするけどな。原作の主人公とエンカウントした時からが本番だな。どう未来が転ぶか分からないし。

 考え事をしていると、頬を引っ張られた。

 

「にゃにするんだよ?」

 

「アンタが私とデートしに来てるのに、若い女の子達に見惚れてるからよ。せっかく久しぶりに休みが合ったのに」

 

「ふぁあ?」

 

 そう言われ前の方に注意を向けてみると、女子大生のグループがいた。ああ、そういうことか。見惚れてたわけじゃなく考え事してただけなんだが・・・

 頬を引っ張っている手を掴み頬から離した。

 

「ちげぇよ。見惚れてたんじゃなくて、考え事してたんだよ。確かに可愛らしいが、由美の方が普通に可愛いと思うぞ? 格好もいつもと違って綺麗で可愛いって感じだし。それにデートじゃなくていつものように遊びに来てるだけだろうが」

 

「うぐっ、男と女が二人で遊びに来たらデートなのよ、バカ。手を掴んでいきなりそういうことは反則でしょうが・・・・。これを無自覚で言うんだからホントたちがわるいわ。美和子や他の人もこれでやられるって言ってたし・・・」

 

 そう、俺は今由美とトロピカルランドに遊びに来ている。お互いの休みが合ったら行こうとずっと言われており、長いことお互いの休みが合わず、ようやく休みが合ったので遊びに来たという訳だ。

 由美の奴顔真っ赤だし、俺が褒めたのが嫌だったのか? 由美の格好気合が入ってて綺麗だなって思ったのを正直に伝えただけなんだが、手を掴んだのがまずかったのか? そういえば、こういうのってセクハラになるんだよな・・・離すので訴えないでください。

 手を離すと寂しそうな顔をして、すぐに俺の手を掴んできた。

 

「こら! 私が許可してないのに勝手に手を離すんじゃないわよ。離したら許さないからね?」

 

「お前、そんなに手繋ぎたかったのか? 由美って寂しがりってキャラじゃないだろ」

 

「ああ、うるさいわね! 私は昔からお転婆でしたよーだ! 私が離すなって言ってるんだからアンタは黙って私の言うことを聞いていれば良いの!」

 

「はいはい。それで、次はどこ行くんだ? 昼も食べたし、何かアトラクションに行こうぜ。でないと時間がもったいない」

 

「そうね。偵光は行きたいとこ無いの?」

 

「お化け屋敷「ダメよ」・・・言ってみただけだよ。ホント由美ってお化け系が全然だめだよな。あと私生活も」

 

「私生活は関係ないでしょ!?」

 

「由美って美和子以上にズボラだろうが。部屋は汚くて、徹夜で麻雀したりとかあるし。掃除に行かされて、麻雀に毎回付き合わされる身にもなって欲しいんだが・・・・何でか知らないが刑事さん達には目の敵にされてるし」

 

「うぐっ・・・・やっぱりさ、こんな女は嫌・・・・? クリスさんや夏美ちゃん、七槻ちゃんのように私生活もしっかりしてる女性の方が良いわよね・・・私に比べて全然綺麗で可愛いし」

 

 はあ? 由美は泣きそうな顔でそんなこと言ってやがるんだ? そんなんで軽蔑する訳が無いし、昔からの付き合いで分かりきってるからな。それに麻雀付き合うのも楽しいし、掃除も嫌じゃないから気にする必要は無いんだが、言わないと分かんないんだろうな。

 

「あほか、お前は」

 

「いたっ! 何するのよ?」

 

「あのなぁ、お前がズボラなのは昔から分かってるし、今更幻滅しねえよ。由美には由美の良さがあるし、世話やくのって好きな方だから気にならないしな。麻雀付き合うのも楽しいし、掃除も嫌じゃないしな。それにクリスなんかも外面良いだけで、家だとズボラだぞ?

俺に全部丸投げしてくるしな。麻雀行った時に、俺が行かないと由美が来ないって刑事さん達から文句言われて、睨まれるのは困るけど、気にならないレベルだ。嫌ならお前からとっくに離れてるよ」

 

「・・・・・・・・ばか」

 

 由美はそう言って腕に抱き着いてきた。

 

「急にビックリするだろうが。はいはい、バカですよ」

 

「昔からホントバカなんだから」

 

「流石に酷すぎませんかね!?」

 

「ふふっ。私をこんな気持ちにさせる偵光が悪いのよ。ねえ、ジェットコースター行きましょ!」

 

「なんだよ、それ。はいはい、分かりましたよ」

 

「早く行くわよ!」

 

ったく、元気になったみたいだし良しとするか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 俺はジェットコースター乗り場が見える位置に来ていた。人がやたら集まってるな。何かあったのか?

 ん? この草に引っ掛かってるのは、ピアノ線と真珠の球? 上は・・・ジェットコースターで通るトンネルが近くにあるな。 少し離れた所にはベルトのバックルも落ちてるし。ピアノ線にはなんか血痕っぽい物も付いてるし・・・・・・非常に嫌な予感がする。

 これに関わったらもう逃げれない気がするんだが・・・・見つけたし、そうもいかないよなあ・・・・・

 くそう。最近原作の話思い出すのが事件終わった後がほとんどなんだよな。思い出せたら絶対関わらない事件のはずな気がするのだが、この世界は俺を逃がしたくないらしく絶対に巻き込まれるようになってるはずだ。

 もう、諦めよう。諦めてトラブル発生したらそれに全力で対処しよう。絶対に死んでたまるか。

 とりあえず、現場の写真を撮影して保存して指紋が付かないように回収しておくか。俺の予想なら事件があの人が集まってる所で起きた可能性が高いし。事件に関係ありそうなのは、血痕ぽいものが付いてる物だと思うが、念のためバックルも回収しておこう。

 

「あら? 遠くに見えるジェットコースターの所に人が集まってない? って何してるのよ偵光?」

 

「あ、ああ。何か落ちてる物が気になってな。赤い血痕ぽい物も付いてるみたいだし」

 

「血痕!? ・・・・本当ね。ネックレスの線に赤いシミみたいなのが付いてるわね。それにベルトのバックル?」

 

「たぶんな。バックルは関係無さそうな気がするな。破損もしてないし、ベルトの革が少し付いてるから外れて落ちたってところか? でも念の為回収しておこう」

 

「アンタの勘ってやつ? それにしても、もしそれが血痕なら、あそこで事件があったっぽいわね。人も集まってるし」

 

「だろうな。どうする?」

 

「そう聞いてきた所でどうせ行くつもりなんでしょ? 証拠品っぽいもの見つけたから警察の人間としては放っておけないし」

 

「確かにそうだな。まあ、爆弾見つけたりするよりかはマシだな」

 

「アンタがそういうとシャレにならないわよ。私も行くのには賛成よ。ただデートどころじゃなくなるわね」

 

「今度またの機会に遊びに行くってか埋め合わせする形でどうだ?」

 

 デートの訂正? もうあきらめたよ。訂正すると由美のやつ機嫌悪くなるし。

 

「良いの・・・?」

 

「今更遠慮なんかするなよ。空いてる休みの日が分かったら連絡してくれ。その日に休みが合うように調整する」

 

「そっか・・・ふふっ。ありがと♪ それじゃあ、早く行きましょう! ~♪」

 

「あっ、おい! 急に引っ張るなって! コケるだろ!?」

 

 由美に引っ張られながら、人が集まっている場所へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 人が集まっていたジェットコースターの入場口に来てみると予想通り警察の人達がいた。集まっていた人に聞いてみるとジェットコースターに乗っていた一人が首を切断され死んだそうだ。最初は事故かと思われたが、同乗していた高校生がこれは殺人事件だ!と言って事件の調査をしているらしい。その高校生というのが最近話題の工藤新一なんだそうだ。

 うん、知ってる。名前よく聞いてたし関わらないようにしてたんだが、ここで関わっちゃうかぁ・・・

 この事件もぼんやりとだが思い出してきた。歩く死神が生まれる日じゃねえか。どうやら神様は俺達を引き合わせたいらしいな。となると、さっき拾ったネックレスって完全に証拠品じゃねえか。ベルトのバックルは無かったはずだから関係ないはず・・・・やばい、自信がない。

 俺という存在がいることによりどう転ぶかわかんねえ。え、サインください? ああ、どうぞ。ただ、プライベートで来てるので秘密で。騒ぎになると厄介なので。

 さて、どうするか?

 

「アンタって事件が絡むと本当にいつもよりカッコよくなるわよね、人気者の探偵さん。可愛い女の子にサインせがまれてたし」

 

「好きでやってるんじゃねえよ。怜子さんやクリスのせいで知名度があがりすぎただけだ。普通テレビとか記事のインタビューで俺の名前出すか? あれ以来、テレビ出演のオファーとかめちゃくちゃ来るようになって大変なんだぞ?

 二人のマネージャーする時は変装する羽目になるし。透にはお前はどうして目立つことばかりしかしないんだ!?って説教されるし、散々なんだよ。

 サインは事件の詳細を教えてくれたお礼だ。聞いてもいないのに詳しく教えてくれたしな。ただ、プライベートで来てるって言った後に肩落としてたけどどうしてなんだろう?」

 

「アンタって奴は・・・・。バカでトラブルメーカーかつ鈍感よね。まあ、良いわ。それにしても人が死ぬなんてね。だから、目暮警部や高木君、千葉君が来てるのね。美和子は来ていないみたいだけど」

 

「なんで唐突にディスられなきゃいけないんだよ。知り合いばかり居て、見つかっても大丈夫なのか?」

 

「非番だし問題ないわよ。それに見つかった方が、美和子へのけん制になって都合良いし♪」

 

「どういう理由なんなんだよ・・・・」

 

 由美とそんなやり取りをしていると大きな声が聞こえた。

 ・・・!? おいおい、どうしてアイツらがいるんだ!? 

 ちっ、こんな所で暴れられたら不味いことになるな。ウオッカはどうにでもなるが、ジンの場合は厄介だ・・・・

 ここには由美もいるし一般人に被害をださせる訳にはいかない・・・・・

 俺が危ない橋渡るしかないか。

 それが一番最適だし、被害は俺一人だけで何とかなるか。

 

 

「目暮警部!」

 

「ん? どうした千葉君?」

 

「この女性のバッグからこんなものが!」

 

「それは!?」

 

「嘘!? 私そんなもの知らないわよ!」

 

「あ、愛子!? どうしてそんなことしちゃったのよ。岸田くんと上手くいっていると思っていたのに」

 

「違うわ! 信じて! 私じゃないわ、お願いだから信じて!」

 

 その声を聴き周囲の人達は、おいおいもう犯人みつかったのかよ、なんかあっさりね。などと話し始めている。

 いやいや、普通に考えて女性の力で首を完全に切断するとかどう考えても無理だろ? 俺の力でも首ちょんぱとかできないよ! どう考えても道具やジェットコースターの力借りないと無理よ?

 どこぞのジェ〇〇〇とか〇〇〇〇マンとかでもない限りできないよ? 

 いや、あの空手の日本チャンピオンならできそうだわ・・・・

 それにあの人が犯人なら、凶器を外に投げ捨てるはずだよ? 警察が来るの分かってて持ち歩くとかアホだよ? 笑っちゃうよ?

 まあ、ジェットコースターに乗るジンとウォッカもシュールすぎて笑えるけど。

 

「凶器が見つかったならそのアマが犯人で決まりだ! 早く俺達を帰してくれよ、刑事さんよぉ!」

 

「フッ」

 

「うむぅ・・・・・よーし! その女性を容疑者として連れていけ!」

 

「ではこちらに」

 

「そ、そんな!?」

 

 ジンとウオッカは、この混乱に乗じて逃げるつもりだな。

 

「それと念のため、ジェットコースターの他の乗客の身元も確認させていただきます。問題はありませんな?」

 

「「クッ」」

 

 おいおい警部さんそいつらに対して完全に悪手だぞ。ジンのやつポケットに手に入れやがったし、不味いことが起きるじゃないか!

 俺は被っていた帽子を由美にかぶせ顔が分かりにくいようにして話かけた。

 

「わぶっ。急に何するのよ?」

 

「良いから、しっかり被ってろ。あの女性は犯人じゃないから事件に介入してくる。それと何があっても俺の側から離れるな」

 

「ちょっと、どういうことよ・・・・分かったわ。アンタの邪魔にならないようにして、傍から離れなければ良いのね?」

 

「ああ、察してくれて助かる」

 

「付き合い長いんだから分かるわよ、それぐらい。事件終わったらまた腕組ませてもらうからね」

 

 そう言って由美は組んでいた腕をとき、帽子を深くかぶり俺の側に待機した。

 理解が早くて助かるよ。

 

「真の凶器もまだ見つかってないのに、判断を出すのには早いんじゃないんですかね? 目暮警部?

 どうやら、そこの少年も犯人は別にいると考えているみたいですよ?」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

「君は!?」

 

 俺は大声を出して、不敵な笑みを浮かべ客の前へと出ていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「白銀くんじゃないか! そちらの方は・・・!? 失礼、先ほど言ったことはどういうことなんだい?」

 

 おーおー怖いね。ジン、ウオッカ、少年、薄紫のカチューシャした女性に睨まれてるよ・・・。

 ってか、睨んできたってことは、あの人が犯人か。犯人釣れればラッキーて思ってたが、あっさり釣れるとはな。

 あ、目暮警部は由美のことに気づいたな。まあ、よく会う機会がある人は気づきますよね!

 白銀って名前を聞いて、客の連中がめちゃくちゃ騒いでいるな。気にしないようにしよう。

 

「どういうことも無いですよ。そこの女性が犯人の可能性はないです。理由は二つあります。

 まず、一つ目は包丁のみで首を斬ってとばすのは無理だからです。女性の力ならね。一般男性の力でも不可能でしょうけど。

 二つ目についてですが、もし犯人だとしたら、警察来るのが分かっててわざわざ凶器を残しますかね? 俺なら外にでも投げ捨てますよ。外に落ちてたら、犯人として疑われる可能性が低くなりますし。

 そこにいる探偵少年も同じ考えじゃないのかな?」

 

 

「確かにそれはそうだが・・・・」

 

 

「アンタはいったい・・・?」

 

 おうおう、めちゃくちゃ怪しまれてますね。まあ、ジンの拳銃抜くの阻止できたし、問題ないだろう。おかげで俺への警戒度が上がったが・・・・

 あの女の人、俺が話し始めてからめちゃくちゃ睨んできてるなー。犯人ってバレちゃうよ? 上手く隠してるつもりかもしれないがバレバレだからね? 気配の消し方とかウチの保護者様の足元に及ばないよ? 

 

「ただのしがない探偵だよ。君の推理を教えてくれるかな? あいにくと事件については軽くしか聞いていないんだよ」

 

「探偵・・・・・まあ、良いでしょう。その人の言うとおりにあの人は犯人ではありません。犯人は貴女だ!」

 

「何言っているのよ!? 愛子のバッグから刃物が出てきたでしょう!?」

 

「先ほどあの人が言ったとおりに、刃物で女性の力で首を切断するのは無理ですし、彼女が凶器を捨てるチャンスがあったにも関わらず捨てずにバッグに持っているのはおかしい。貴女が事前に入れたものじゃないんですか?」

 

「馬鹿なこと言わないで!? 女性の力で無理だと言っていたじゃない! それに私は岸田君の前の前の席よ? どうやってこの私が岸田君の首を切れるというの?」

 

「鋼鉄の輪か、ピアノ線みたいな物があれば貴女でも可能です。コースターのスピードを利用したらね! 警部! 警察の方に協力して」

 

 なるほどね。だから少し離れた位置にベルトのバックルが落ちていたのか。彼女のベルトのバックルと一致したら確定だな。

 さてと、探偵君の推理を聞かせてもらうとしましょうかね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 彼の推理ショーの準備をする間に、由美が小声で話しかけてきた。

 

「犯人が誰かもう分かって、証拠も持ってるのにどうして彼に推理させたの?」

 

「彼が間違った推理をしないかどうか確かめるためだな。推理するのは構わないけど、責任が伴うんだよ。下手すれば誰かを追い詰めたりして殺すこともあるからな。香奈ちゃんの一件なんか俺が間に合わなければ、彼女は死んでいた。

 探偵の間違った推理でな。推理して犯人を暴くことに満足したらいけないんだよ。犯人を追い詰めることもあるってことを理解しておかないと人殺しになってしまうからな」

 

「そこまで考えてるからこそ、アンタは無茶なことばかりするのよね・・・今回は無茶しないでよ?」

 

「心配するなっての。しっかり被っとけよ、それ」

 

「はいはい。それとアンタの傍を離れなければ良いんでしょ? 分かってるわよ」

 

「ああ。彼の推理をしっかりと聞いておこうぜ」

 

「ええ」

 

 由美と会話を終えて、彼の推理が始まった。

 安全レバーをおろす時に、バックをはさみ外れるようにして、安全レバーを外した。その後、レバーに足をかけて鋼鉄の輪またはピアノ線に輪っかを作って彼の首にかけて反対側にはフックか何かを付けレールに引っかけて、

コースターのスピードとパワーで首を飛ばしたと。体操部にいる彼女のバランス能力ならできると。それに、コースターに乗る前に付けていたネックレスが消えたからおかしい訳ね。その作業をトンネル内の十秒近くでやったと・・・・

 一見可能そうに見えるが、それだけだと不十分だな。バランス能力あったとしても流石に振り落とされる可能性が高い。さて、少年探偵君はそこに気づくかな? 気づいてくれると俺が目立たなくて済むから楽なんだけどなぁ。

 あ、これ気づかずにネックレスだけで追い詰めるつもりっすね。

 だって、まとめに入ってるもん。証拠警部に探せば見つかるだろうって言ってるもん。

 すみません、証拠は俺が回収したので見つからないです。由美にもまだ言わないのか? って見られてるし・・・・ええいままよ!

 

「少し助言しても良いですか?」

 

「何でしょうか?」

 

「どうしたんだ白銀君?」

 

「先ほど、証拠品を見つけていたので提出したいと思いまして。真珠の珠の付いたピアノ線とベルトのバックルです。ちなみに隠しておいた訳では無いので。事件に関係ある物だとは彼の実証見分を聞くまで分からなかったのですみません」

 

「「バックル?」」

 

「それは!?」

 

「どうやら貴女はこれが何か分かっているみたいですね。貴女のベルトのバックルではありませんか? 安全レバーを外して足をかける時に安全帯と使用したはずのね」

 

「っ!?」

 

「まさか!?」

 

「白銀くん、どういうことだね?」

 

「彼の推理について補足を。体操部でバランス感覚を人より持っていたとしても凄くスピードの出るコースターの上で何もせずに行動するのは自殺行為です。振り落とされる可能性が高いです。そこでベルトを安全レバーと自分の体のどこかにに結び安全帯として使用したはずです。

 ピアノ線があった場所の少し離れた位置にバックルが落ちていたので、誰かのベルトが壊れて捨てた物かとも思っていたのですが、彼の推理を聞いて確信しました。先ほどの反応を見たところ、貴女の物ですね?」

 

「あ、ぁぁ・・・・みんな・・・みんなあの人が悪いのよ! あの人が私を捨てるから!」

 

「ひとみ!? あんた、まさか岸田くんと付き合ってたの!?」

 

「そうよ! 大学で貴方たちと出会う前からずっと愛し合っていたのよ!それを愛子に・・・こんな女に盗られるなんて! だから、あの人と最初にデートした場所で、初めてもらったプレゼントで愛子に罪を着せてやりたかったのよ! 全部バレたのだし、私にはこの道しか無いわ・・・」

 

 彼女はそう言って、バッグから包丁を取り出し自分の首に当てた。

 

「なっ、やめろ!?」

 

「何をしているんだ!? 君がそんなことしても為にならない! やめるんだ!」

 

「ひとみ、何してるの!?」

 

「来ないで! 貴方たちが近づいてきたらすぐに首を切るわ!」

 

 少年と友人、目暮警部が止めてるが彼女は聞く耳を持たない。

 ああ、もう。どうしてこうなるんでしょうかね!? 迷ってる場合じゃねえ!

 俺は一瞬で彼女に詰め寄り、包丁の刃の部分を右手で動かせないように掴んだ。

 いてぇな。血も出てきてやがるし、後で由美にめちゃくちゃ怒られるだろうな・・・

 でも、今は彼女の自殺を止める方が先だ。

 

「いつっ・・・おい、バカなことはやめるんだ」

 

「いつの間に!?」

 

「偵光!?」

 

「白銀君!?」

 

「何してるんだ、アンタ!?」

 

「うるせぇ! 周りは少し静かにしてろ! 君は死んだらダメだ」

 

 俺は周りを怒鳴って黙らせて、彼女が自殺しないように右手で止めながら話かけた。

 

「どうして・・・?」

 

「君を捨てた彼を恨んでいたのは分かる。だけどな、命を奪って良いことにはならないんだよ。人の命を奪ったなら責任が伴うし、その責任から逃げたらダメだ。

 君は彼の未来を奪ってしまったんだ。それを自覚しなきゃダメだ。生きている限り、償って新たな未来を歩める可能性もある。その可能性があるにも関わらず、目を背けて死んで逃げることだけは君の友人や両親を裏切ってしまうようになる。

君を捨てたからという理由だけで、君の今まで過ごしてきた人生を全て無かったことにしたいのか? 生きることから逃げるんじゃねえよ」

 

「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

 彼女の手の力が抜けて、彼女は大声で泣いた。

 

「逃げるのを辞めて偉いな。警部、もう大丈夫です」

 

 ふう、これで安心だな。左手で泣いてる彼女の頭をポンポンして、包丁を近くに置き警部に話かけた。

 右手は血が結構でてるなー。血が結構出てるし由美の奴に怒られるだろうなあ。ん、その由美は・・・

 

「大丈夫じゃないでしょ!? アンタはまた無茶をして! その子を助ける為とはいえ、アンタが怪我して良い理由にはならないでしょ!」

 

「うおっ、びっくりした。かすり傷みたいなものだから大丈夫だって」

 

「どこがかすり傷よ!? 血が思いっきり出てるじゃない!」

 

「そうだぞ! 白銀くん! なんて危険なことをするんだ、君は!?」

 

「いやあ、爆弾事件の時の怪我に比べれば軽いもんですって」

 

「怪我してることには変わりないでしょ!? 警部! すみません、コイツの手当をした後に事情聴取受けますので! 早く遊園地の医務室に手当しに行くわよ!」

 

「う、うむ。後で医務室に向かわせてもらうよ」

 

「あっ、おい! 引っぱるなって! 俺けが人よ?」

 

「うるさいわね! 早く行くわよ!」

 

 由美は俺を引っ張り、医務室に連れていこうとした。めちゃくちゃ目立ってるから! ジンとウオッカの奴なんか、いつの間にか消えてるし。そのおかげで由美が大声出しても安心していれる訳だがってめっちゃ涙目じゃねえか、由美の奴。

 少年探偵君とそのガールフレンドなんかポカンとしてるよ?

 早く医務室に向かうとするか。由美の奴泣きそうだし・・・・。

 俺のメンタル的に泣かれるのはキツイ。

 あ、そうだ! これだけは彼に言っておかないと!

 

「工藤君! 探偵が推理するってことは、責任が伴うってことを忘れないでくれ! 今回みたいに犯人を追い詰めたり、推理の間違いで冤罪を生み関係ない人を死に追い込む可能性があることを忘れないでくれ! それと、事件を追い続けるのも良いが引き際を間違えないように。

 でないと、痛い目見るぞって痛いよ!? あっ、おい!」

 

「いつまでも話してるんじゃないわよ!」

 

「いったい何なんだよ、あの人は・・・・」

 

「新一・・・・・」

 

 俺は少年にそう忠告し、医務室に連れてかれて由美から説教され続けた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 




 ジェットコースター殺人事件をようやく書けました。
 私が気になった部分を少しアレンジしています。
 賛否両論あるでしょうが、ご理解くださいm(__)m

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