全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく   作:クリス&シェリー全力投球

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※コナンオリ主ハーレムものです。原作&CP&キャラ崩壊してますのでご理解くださいm(__)m
 
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アイドル密室殺人事件編&黒の組織10億円強奪事件編
15話


<江戸川コナンside>

 

 俺の身体が縮んで早くも三日がたった。黒ずくめの奴らの取引を目撃し、背後から殴られ毒薬を飲まされ目が覚めたら身体が縮んでいた。その後、二人の男性が俺の正体をすぐに見抜き阿笠博士と合流した後に俺の家で集まり、今後どうするかを話し合った。

その時、俺を探すために来た蘭に見つかりとっさに背後の本を見て江戸川コナンと名乗り蘭の父親が探偵をしている毛利探偵事務所に転がりこむことになった。

 探偵のおっちゃんの所に居れば黒ずくめの奴らの情報が入ってくる気配はないし、おっちゃんはダメダメだし、いったいどうすれば良いんだよ。博士から蝶ネクタイ型変声機ってのをもらったが役に立たないだろうな。

 やっぱり白銀さんの所へ無理してでも行くべきだったか? 白銀さんからは、

 

「俺の所へ来ると危ないからやめておけ。黒ずくめの奴らはこちらでも追ってみる。何か分かったら連絡する。それと、毛利探偵事務所にも仕事をまわすようにしておくわ。その方が色々と都合が良いだろう? ただし、目立ち過ぎるのは注意しろ。黒ずくめの奴らに感づかれる可能性が高くなるからな」

 

 と言われた。あの人はおそらく、黒ずくめの奴らの情報をなにかしら掴んでいるはずだ。だが、何も教えてくれなかった。アイツらの仲間では無いことが分かったが、謎な部分が多すぎる。博士とは昔からの知り合いで信頼できる人だって言われたが、白銀さんや山川さんには何か裏の顔がありそうなんだよな・・・。

 まあ、今はいい。それより、どうやってアイツらの情報を集めようか・・・・・・ん、チャイムの音? こんな時間に誰だ?

 

「はーい。こちら毛利探偵事務所、今日はもう閉店で・・・・・!? まさか、貴女は!? 沖野ヨーコ!?」

 

「嘘っ!? どうして家にアイドルが?」

 

 おっちゃんは、急いで着替えて彼女の話を聞く準備をしていた。おいおい・・・・・誰だよ。

 

 

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 おっちゃんが沖野ヨーコさんの話を聞いており、俺と蘭も近くで聞いている。

 

「それで沖野ヨーコさんが何の依頼で家に?」

 

「はい。実は最近、監視されている気がするんです。家に帰ったら、家具の配置が変わってたり、隠し撮りされた写真が送られてきたり無言電話なんて毎日かかってくるんです!」

 

「おのれぇ! ヨーコさんに何てことを!」

 

「できれば内密に調査を」

 

「アンタは誰だ?」

 

「彼女のマネージャーの山岸です」

 

「マネージャーね。分かりました。極秘にお受けします」

 

「すみません、それともう一件お願いがありまして」

 

「何でしょうか?」

 

「毛利さんって白銀探偵事務所の所長さんとはお知り合いでしょうか?」

 

「白銀探偵事務所といいますと、偵光君のことですか?」

 

「はい・・・・」

 

「ええ、まあ。彼のことはよく知っています。妻と一緒に世話になってましたし、よく飲みに行くのに付き合ってもらって仲良くしてますね」

 

「そうなのお父さん!? 私初耳なんだけど! あれだけ飲みに行ってたのって、女の人の店に行ってたりじゃないの?」

 

「馬鹿、お前。そんな訳ないだろう!? そういう店に行くと、偵光君が大変な目に合うし英理にすぐ報告されるからな・・・・」

 

 おいおい、マジかよ。おっちゃん、おばさんとも知り合いなのかよあの人は。どういう交友関係しているんだ? 蘭の奴は知らなかったみたいだが・・・

 

「なんなのよ、それ!? 依頼が終わったらちゃんと聞かせてもらうから!」

 

「分かったって! こほん、すみません。それでどうして彼のことについて聞いたのですか?」

 

「ええ。実はもう一つのお願いが、彼と会えるように話を通してくれませんか?」

 

「理由をお聞きしても?」

 

「それは・・・・」

 

 彼女はそう言って、顔を赤くして黙り込んでしまった。どうしたんだ?って、蘭の奴の目がキラキラしだしたぞ?

 おっちゃんは反対に顔が真っ青だ。

 

「わぁ! もしかして、沖野さんってその人のことが好きなんですか?」

 

「・・・は、はい。中学生の時にある事件に巻き込まれたんですけど、彼が助けてくれて。たまたま通りかかった彼が見ず知らずの私を助けてくれたんです。そのカッコいい姿見てから一目ぼれしてずっと好きなんです。高校の修学旅行の時にも再会してまた助けてもらったんです。

 その後、アイドルになって上京してきて、彼が探偵していることと名前がようやく分かったんですけど会いに行くことが出来なくて。おそらく白銀さんは私のことなんて覚えてないでしょうけど・・・」

 

 あっ、おっちゃんが燃え尽きてる。そして、再び真っ青になった。なんか面白いな。

 

「ヨーコ!? いったい何を言ってるんだ!?」

 

「すみません、山岸さん。たとえ、スキャンダルになろうとも私の気持ちに嘘をつきたくないんです」

 

「ヨーコさん! 私応援しますね! あれ? どうして白銀探偵事務所に行かずに家に来たんですか? 会う口実もできたでしょうし」

 

 うわあ、蘭の奴感極まってヨーコさんの手を握って共感してやがる。マネージャーの人は真っ青で、おっちゃんはぶつぶつ言ってやがるし、なんだこのカオスな空間。

 

「ありがとう。白銀探偵事務所に行ったんですけど、所長が依頼で不在で、副所長の方にこちらの事務所を紹介されたんです。所長の信頼できる方がやっている場所なので大丈夫だと」

 

「そうなんですね。ちょっとお父さん!? 何ぶつぶつ言ってるの?」

 

「くそう、アイツめ! ヨーコちゃんまでも・・・・よし、佐藤刑事と栗山ちゃんに新たな女の影ありって報告してと。こほん、それではこちらに名前と住所を。こちらにはサインをよろしくお願いします」

 

「は、はい・・・・」

 

「ありがとうございます。それでは行きましょうか」

 

「ねえ、私も付いていって良い? アイドルの家ってどんなのか見てみたかったんだ。ねえ、コナンくん? それにヨーコさんから白銀さんについてもう少し聞いてみたいし」

 

「分かったから絶対に仕事の邪魔だけはするなよ!」

 

「はーい! 行こう、コナン君!」

 

「う、うん」

 

 俺は蘭に手を引っ張られながら彼女の家へと向かい、ヨーコさんが家のドアを開けた瞬間悲鳴が聞こえた。

 

「どうして鍵が開いてるの?・・・・・きゃああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

「どうしたんだヨーコ?」

 

「何があったんですか、ヨーコさん!?」

 

 おっちゃんとヨーコさんに近づき部屋の中を見てみると、そこには背中に包丁が刺さって倒れている男性と、男子の傍には二日前俺を助けてくれた白銀さんが立っており、

 

「偵光君!?」

 

「白銀さん!?」

 

「あ、これ今までで一番ヤバいパターンだわ」

 

 

 おいおい、嘘だろ!?

 彼はそう言い、汗を流しながら言うのだった。

 

 

 

 

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<偵光side>

 

 俺は事件の重要参考人兼容疑者として目暮警部の質問に答えている。

 

「なるほど。この部屋の持ち主の彼女の依頼で毛利君達が来たのは分かった。白銀君、君はどうしてここにいたんだ? ここは彼女の部屋で君の知り合いという訳ではないんだろう? 佐藤君からもそんな話は聞いたことないし。君が犯罪をするとは疑いたくないんだが・・・」

 

「偵光君! どうして君がここにいるんだ? 何があったのか詳しく教えてくれ!」

 

 毛利さんなんか真剣に俺の話聞いてくれようとしているよ。あと、コナンの奴も。

 ん? 毛利さんの娘さんとこの部屋の持ち主の女性がやたら俺のこと見てくるな・・・女性の方なんか泣きそうな顔で見てくるんですけど。

 え? 憐れんでくれてるの? 

 

「落ち着いてください、皆さん。そんなに焦っても良いことにはならないですよ? ここにいたのは、探偵の依頼ですね。依頼者と依頼内容は守秘義務があって明かせませんが、その依頼を受けてここに来てみたんですが玄関のドアが少し開いていました。おかしいと思い、インターホンを押したのですが反応が無かったので、悪いと思いながらも部屋の中に入りました。

 そこで、死体を発見した直後に毛利さん達が来たわけです。まあ、あの状況で信じろと言うのが無理だとは思いますが」

 

「ふむう。君の証言は分かった。これから事件を捜査する間、君にも付き合ってもらうよ」

 

「容疑者候補としてですね。分かりました」

 

「偵光くん・・・・絶対君が犯人でないことを証明するからな」

 

 俺がそう言うと、目暮警部と毛利さんは警察の捜査に加わった。

 さて、俺も捜査を観察して無実の証明と事件の真相をとっと暴きますかね。強力な味方もいることだしな。

 協力してもらうぞ、小さな探偵君。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 捜査も進み、被害者はこの部屋の持ち主、沖野ヨーコさんの高校時代の同級生だそうで凄く仲が良かったそうだ。彼女に彼氏だったのか?って聞くと、彼女には「違います!」って泣かれて、蘭ちゃんやマネージャーさんには怒られ、毛利さんとコナンにはこいつバカだろうって冷たい目で見られた。解せぬ。

 そんな騒動の後に、新たな容疑者が浮上した。池沢ゆう子と呼ばれる女性のイヤリングが部屋の中から見つかったそうだ。そして、この部屋に呼ばれ、この部屋には初めて来たから自分は事件に関係ないと言った。いや、貴女、トイレ直行したし、今自由の女神人形でタバコの火付けましたよね? ホントよく分かったよね、部屋に初めてくる人が。

 この人アホなんじゃないのかな? ほら、コナンに突っ込まれてるし、それに最後の最後にとんでもない爆弾発言をしやがった。俺が私の恋人なんだから事件に関係ないと言いはりだした。おいおい、マジかよ? 目暮警部や毛利さん、蘭ちゃんの俺を見る目が凄く冷たくなったよ? 沖野さんに関しては、座り込んで大泣きし始めたからね。 あれれーおかしいぞ?

 沖野さんは更に泣き出して、蘭ちゃんとマネージャーが慰めてるし、毛利さんは携帯でメール打ってるし、警部はジト目で更に見てくるし・・・・

 メール着信二件って誰からだ? えーと、美和子に栗山さん? どうしてこのタイミングで? 非常に嫌な予感がするんだが・・・・?

 

「偵光くん・・・・強く生きろよ。ヨーコちゃん泣かしたのは許さない」

 

 あっ、メール終わったんですね・・・・ってこのおっさん何しやがった!? 絶対何かしたでしょ? 美和子と栗山さんからメール来たことが語ってるもん! まずい、早く誤解とかないと俺が死ぬ!

 だいたい池沢さんも沖野さんがあの状態なのが分かって煽ってるよね? 

 

「池沢さんは恋人ではありません。ただ知り合いなだけです」

 

「あら? 私の隅々まで知っておいてよくそんなことが言えるわね、ねえ? それにみんなの前だからって照れなくて良いのよ、いつもみたいに名前で呼んで」

 

 ああ、もうしなだれかかってくるな! アンタ絶対この状況楽しんでるだけですよね? 確かに貴女のプロフィールは仕事でいろいろと聞きましたよ? それを勘違いさせる言い方はどうかと思いますよ?

 あんまりしつこいと、アンタが依頼人だってばらすぞ、こらあ!

 ほら、コナンにもめっちゃ睨まれてるよ貴女? あ、睨まれてたの俺だわ・・・・。

 コナンのヒントで貴女のボロが出始めましたよ? 犯人てめっちゃ疑われてますよ?

 

「違う! 私じゃないわ! ヨーコのスキャンダルのネタが欲しくて、彼女の部屋の合い鍵を盗んでこの部屋に侵入したのは認めるわ! 今日の昼間に来た時に被害者の人に背後からいきなり襲われて、逃げてきたの! お願いだから信じて! 

 彼には、スキャンダルの種を掴むために嘘の依頼をして利用しただけなのよ」

 

 そう、この人は犯人ではない。部屋の状況、死体の状態を見たら分かることだ。さて、これをどうやってコナンに伝えるかだが・・・・この方法でいくか。

 

 ってか、叫ぶのは良いんですが、手だけは離さないんですね。まあ、殺人事件の容疑者にされたら怖いもんな・・・。

 ああ、もうこの人に一つ貸しだな。

 

「おや、おかしいですね。俺に依頼してきたのは別の方ですよ? 彼女はおそらく俺を犯人にしない為に庇っているんでしょう」

 

「どうして・・・?」

 

 池沢さんは驚き、俺の腕をようやく離してくれた。

 

「すみません、少しトイレに行きたいのですがよろしいでしょうか?」

 

「あ、ああ。おい、そこの君」

 

「はい!」

 

「わざわざすみません」

 

 目暮警部が警察官を一人俺に付けた。あとはこの人に聞こえないようにアイツに伝えるだけだな。

 コナンの横を通り過ぎる時に彼にだけ聞こえる声で

 

「イス、イス近くの床、エアコン、死体が握っていたものと部屋の状態」

 

 お、驚いてやがるな。後は頼んだぜ、小さな探偵君!

 コナンに要件を伝えトイレへと向かった。

 

 

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 トイレから戻ってくると毛利さんがイスに座って推理ショーを始めた。うわあ、灰皿蹴って気絶させるとか容赦ないしタンコブできてるじゃないか。コナンの奴ももうちょい上手く隠れろよ・・・・

 ってか戻ってきた瞬間、沖野さんが隣に近づいてきた。どうしたの? なんで俺の隣にきて俺の服の袖ちょこんと掴んで黙ってるの? また俺が白い目で見られるよ? 今更同じかははは。涙出そう。

 あ、この子のこと思い出した。俺が高校生の時と、大学生の時に助けた子だ。うん、面影があるし間違いないはずだ。

 俺が考え事をしている間に毛利さんってかコナンの推理ショーは、続いて行き俺の予想したトリックと同じだった。さすがコナン。あれだけのヒントをすぐに掴んでくれるとは助かるな。

 動機についても予想できるが、間違えられたぐらいで死を決意するほどの何かが彼にはあったってことか? コナンはその辺も何か掴んでそうだからしっかり聞いておこう。

 

 

「今回の事件の動機は、おそらく彼がヨーコさんのことを好きだったからだと思いますよ。彼女への思いが強くなりすぎて、告白でもしようとして貴女に会いに来たのに、何も言わせてもらえず拒絶されたと思い、好きな気持ちが一変して憎むようになり、他殺に見せかけて貴女に罪をかぶせるつもりだったんでしょう」

 

「そんな・・・どうして? 彼は私に好きな人がいることをずっと知っていたのよ? それなのに・・・・」

 

「それは・・・・」

 

 そういうことか・・・・。

 

「たとえ振り向いてもらえなくても好きって気持ちは抑えられなかったんでしょうね、彼は。だから、行き過ぎた行動をしてしまった。ストーカーや不法侵入ということをね・・・・・・・・

 探偵という仕事をしていたらこういうケースによく出会います。その度に思うことがあるんですよ。自分がもう少し早く気づいていれば自殺させることは無かったのではないか? 事件を未然に止めていれば悲しむ者はいないのではないか? ってね。

 そんなこと思っても後のまつりですし、仕方ないんですけどね」

 

 部屋の中は、しばらく静寂に包まれた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 あの事件から一月近くたった。事件解決してからは大変だった。

 毛利さんがメール送っていたせいで、美和子と栗山さんに電話で説教された。

 英理さんには偵光君のせいで栗山さんの機嫌がすごく悪いのだけどどうしてくれるの? と、お小言をいただいた。俺何もしてないですよね!? なんか理不尽じゃね?

他の人にバレたわけじゃないから良かったけど・・・・

 

「偵光くーん、お客さんだよ。まさか偵光君がいつの間にか女優さんとお知り合いになってるなんてボクは思わなかったよ。偵光君はご指名されたんだからしっかり相手しなさい。ボクはここのデスクで仕事してるから」

 

 おおっと、七槻ちゃんの不機嫌メーターがいきなりクライマックスだぞ? これは、この後正座で説教コースかな? ってかお客さん? しかも女優?

 

「お仕事中にすみません」

 

「失礼するわね」

 

 ああ、沖野ヨーコさん、池沢ゆう子さんの二人か。いったいどうしたんだろう?

 

「いえいえ大丈夫です。こちらのソファにどうぞ。紅茶とコーヒーどちらが良いですか?」

 

「えっと、紅茶で」

 

「私はコーヒーで」

 

「分かりました。少し待っててください」

 

 俺は紅茶とコーヒーを準備しに行った。決してデスクから俺の背後を睨んでくる七槻ちゃんが怖くて逃げだした訳ではないのだ・・・・・

 

「お待たせしました。はい、紅茶とコーヒーとお菓子になります。どうぞ」

 

「ありがとうございます。わあ、このお菓子おいしい!」

 

「ありがと。本当ね、おいしいわ」 

 

「そう言っていただけて何よりです。作った側としては嬉しい言葉です」

 

「白銀さんが作られたんですか!?」

 

「嘘でしょ!?」

 

「ええ、サマーライトって店の手伝いでお菓子作って出したりもしているので」

 

「す、凄いです! 私あそこのお菓子大好きなんですよ!」

 

「とんでもない才能ね。探偵してたり会社の社長してたりお菓子作ったり・・・・」

 

「好きでやっていることなので。それで今日はどうしたんですか?」

 

「私はアンタに聞きたいことがあったの。この前の事件の時、アンタは疑われてたじゃない? 私が依頼主だとばらせばアンタが疑われることは無かったはずよ。どうして黙って私を庇ってくれたの?」

 

「守秘義務がありましたし、貴女が沖野さんに対して色々とやっていたのは分かっていました。だけど、人殺しまでするような人では無いと信じていましたから。それにトイレに行きたかったので、理由作る為に池沢さんを利用してしまいました。すみません」

 

 こんな所でどうだ? 流石にコナンにヒント出すために利用したとは言えないしな。

 

「ふふっ。そっか。アンタのこと気にいったわ! 確かアンタの会社って芸能事務所もあったわよね?」

 

「ええ、ありますが・・・・・・」

 

「私をその事務所に所属させて欲しいの。アンタの元で仕事をやらせてちょうだい」

 

「はあ。うちとしては問題ないですが、そちらの事務所は大丈夫なんですか?」

 

「話付けてあるから大丈夫よ。まあ、アンタの事務所に入りたいと思ってるのは私だけじゃないみたいだけど」

 

「なあっ!? ゆう子さんずるいです! 私だって入りたいんですからって・・・・急に大きな声だしてしまってすみません」

 

「い、いえ大丈夫ですよ」

 

 背中は全然大丈夫じゃないけどね! 七槻ちゃんから凍てつく視線感じるよぉ。しかも、ビリって音がしておっと、いけないいけないって小言が聞こえるんだよぉ。

 

「ヨーコも話があって来たんでしょう? ちゃんと言わなきゃ気づかれないわよ」

 

「ゆう子さん・・・・・はい! 白銀さん! 私を二度も救っていただきありがとうございました。ずっとお礼を言いたかったんです!」

 

「ああ、俺が高校生と大学生の時に助けた時の事ですね。お礼言われるほどのことではありませんよ。こちらも貴女に再会してから事件を思い出しました。

 それまで忘れていて、すみません」

 

「良いんです! 思い出してくれただけでも凄く嬉しいので! それと、さしでがましいのですが、白銀さんのサインと貴方の事務所で私も働かさせていただけないでしょうか? 

 山岸さんにも話を通していて事務所移るのはかまわないと許可を得てます。ダメでしょうか・・・・?」

 

 おっと更に俺の背後の気温が下がったしビリビリってまた聞こえたぞ? ちくしょう、そんな泣きそうな顔で言われたら断れないじゃないか。

 

「こちらとしては会社の人員が増えるのは嬉しいことですから、大丈夫ですよ」

 

「白銀さん・・・! ありがとうございます! 私凄く嬉しいです!」

 

「良かったじゃない、ヨーコ。この唐変木振り向かせるってなかなか大変そうよ? まっ、がんばりなさいな。仕事ではライバルだけど、それ以外では相談に乗ってあげるわ」

 

「ゆう子さん!? いったい何言ってるの!? 私は別に・・・・」

 

「ああ、はいはい。アンタの気持ちは分かってるから、今日は帰るわよ。また詳しいことは連絡するわ。私達を雇ってくれてありがとね。お菓子美味しかったわ。またね」

 

「ゆう子さんったらもう! 白銀さん、また今度お話しましょう! 今日はありがとうございました! お菓子美味しかったです! それでは失礼します」

 

「これをどうぞ。私の名刺です。仕事用ですが連絡先が書いていますのでそちらに連絡してください。それでは、また」

 

 二人に名刺を渡した。沖野さんの方にはサインを書いて渡した。すごく嬉しそうにしていたので喜んでくれたみたいだ。本当、台風みたいだったなー。司さんに連絡して受け入れ準備始めないと・・・

 

「随分と綺麗な人達だったね、偵光君。アイドルと女優が会社に増えてよかったね♪ と・こ・ろ・で、お話があるんだけど良いかな?」

 

 俺の命はどうやらここまでのようだ。俺は全てを諦めて正座して、七槻ちゃんとのお話をした。

 一時間たってお話が終わり、俺は自分のデスクでのんびりとしている。今日の七槻ちゃん、三割増しで怖かったなー。死ぬかと思ったもん。七槻ちゃんは満足して帰ったよ。

 うん? 明美ちゃんからメール? メールの内容は・・・・・

 

「お久しぶりです、偵光君。お変わりなくお過ごしでしょうか? 私や志保は元気です。偵光君に報告です。次の仕事が落ち着いたら、志保と一緒に君がいる街に引っ越しできそうです。偵光君…君がいる街に引っ越せたら…私と二人っきりでデートしてくれませんか? 明美

 

 P.S.もし志保だけが偵光君の所に行ったら守ってあげてください………偵光君、ずっと貴方のことが好きでした」

 

 やれやれ、次の仕事の予定が決まったな。ったく、助けてって言葉も言えないのかよ。

 レストランでした約束どおりに絶対助け出してやるよ。

 

「もしもし、山川さん?」

 

「どうした?」

 

「久しぶりにクマちゃんスーツの出番だ。組織に喧嘩吹っ掛ける。それと山川さんには当分俺と一緒に動いてもらうから」

 

「何!? 分かった。お前がそう言うってことは、組織に所属してる知り合いの誰かが危ないんだな?」

 

「ホント、俺の考え分かってくれて助かるよ。明日から色々と動くつもりだからよろしく」

 

「ああ、分かった。探偵事務所の方はどうする?」

 

「萩原さんに指揮権渡すから大丈夫」

 

「了解。それじゃあ、また明日」

 

「うん、明日」

 

 さてと、これから忙しくなるぞ。

 俺は沖野さん達の受け入れについて司さんと打合せした後、明美ちゃんを助け出す為の準備を行って次の日に備えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 沖野ヨーコちゃんも主人公の会社に入ることが決まりました。
 次回は、明美さんが出る回です。主人公は本気なので、全力出します。
 クマちゃんスーツが久しぶりに火を噴くぜ!

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