全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく 作:クリス&シェリー全力投球
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<偵光side>
俺は着ぐるみを片付けてきて、明美ちゃんの所へ戻ってきた。
「明美ちゃん、落ち着いたかい?」
「・・・・・れてください」
「え?」
「さっき私が言っていたことは忘れてください! メール送った内容も同じく忘れてくださいね。ってか消してください・・・お願いしますね?」
「あっ、はい・・・・」
怖いよ! 逆らうことは許さないって目だったもん!
「あらあら♪」
「やれやれ」
「くくくっ」
「そこ煩い! それで、説明してもらえますよね? 偵光君」
「ああ」
俺は今回の計画の全貌と今後どうするかも含めて明美ちゃんに説明した。
「となる訳なんだが、どうだい? 俺の所で変装して生活するか、FBIの伝手を頼って証人保護プログラムを受けるのどちらかかな? どちらかと言えば後者の方が明美ちゃんの身は安全だよ」
「偵光さんの所で生活する方を選びます。お父さん、お母さんとも離れたくないですし」
「あら? 一番は偵光君と離れたくないんじゃないのかしら、ねえアナタ?」
「お母さん! もう、何言ってるのよ!」
「ははは、明美を虐めちゃだめだよエレーナ。私からしたら偵光君の所にいる方が賛成かな。彼の近くは事件に巻き込まれやすいってのはあるが、所長が絶対に守ってくれるからね。副所長や他の所員、会社にいる従業員の方々も信頼できるかな。
まあ、女性率が高いって所と、組織の人間が二人ほどいるってのは気になるが、その二人は偵光君の周辺の安全を守る動きをしてるし心配ないだろう」
「組織の人間がいるんですか!?」
「ベルモットとバーボンがな。ベルモットは俺の保護者で家族だし、バーボンも俺や景光の幼馴染だから信頼はできるよ。あいつら本当に組織の人間か? って行動しかしてないしな。まあ、見える所ではなんだろうけど、俺の周辺の人物を組織に巻き込まないようにしようとする動きがあるし大丈夫なはずだ」
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「俺も同感だ。ベルモットとバーボンらしくない行動しかしてないしな。それだけ偵光のことを大事にしてるってことだろ。ベルモットの奴なんか、偵光に組織の魔の手が伸びるなら、組織に敵対してでも守るって豪語していたからな」
「聞いてたのかよ・・・・」
「あんだけ大声でやり取りしてればな。バーボンもそれ聞いて、僕の気持ちも同じですって言ってたし安心できるはずだ」
「分かりました。お二人の言葉を信じます。ベルモットが羨ましいな・・・・」
「ありがとう、明美ちゃん。ん? 最後何か言った?」
「な、なんでもありません! それで私の仕事はどうしましょう?」
「そうだなあ。俺の手伝いってことで秘書兼調査員ってことでどうかな? そうすると香奈ちゃんを会社の方の事務仕事に専念して夏美ちゃんの店の手助けもしやすくなるし、もう一人組織のことを知りながら動ける人が欲しかったんだよ。あ、身の心配はしなくて大丈夫だ。
基本的に俺か景光とマンツーマンで動いてもらうようにするから」
「分かりました。所で香奈ちゃん、夏美ちゃんって誰ですか? 偵光君と随分親しいようですけど・・・?」
あれれー? 突然寒くなってきたし、明美ちゃんがすんごく怖いよ?
「えっと、香奈ちゃんは俺の秘書やサポートしてもらってる子で、夏美ちゃんはサマーライトの店長してる子です」
「へー、そうですか。他にも仲が良い女性がいそうですね。後で詳しく教えてくださいね♪」
「・・・はい。それで、さっきの話に戻るんだけど、変装術と色々な技術は俺が叩きこむつもりだから心配しなくて大丈夫だ。変装術を教える時にどんな顔にするかは決めといてくれ。あと名前はどうする?」
「そうですね・・・灰原美樹でお願いします。お父さん、お母さんと同じ姓は難しいでしょうし、関係ない苗字の方がリスクも少なくなると思うので。偵光君、私のことは美樹って呼んでくださいね♪」
「あら大胆ね♪」
「景光君、今後の展開が読めてしまったんだが。わが娘ながら強かだなぁ」
「そうですね。アイツ死ぬんじゃないですかね・・・」
何三人でこそこそ話してるんですかね? 私気になります!
「ああ、これからよろしくな美樹ちゃん。君のことも絶対守るから心配するな」
「・・・はい!!」
そうして宮野明美は灰原美樹という人物になった。
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<ベルモットside>
ここは、車の中? 私はたしかあのクマと戦って・・・
「目が覚めましたか、ベルモット?」
「バーボン、アナタが助けてくれたの?」
「いえ。貴女をあのクマが気絶させた後に、僕に渡してきて見逃してもらいました」
「どういうこと?」
「本心は分かりませんが、貴女を連れて逃げろと言われたので僕はそうしたまでです」
「そう・・・あのクマとウサギは何者なのかしらね。敵か味方か・・・」
「組織に敵対していますが、私達とは敵対するつもりが無いように感じました。敵対するつもりなら、僕も貴女もすでに死んでいます。それにあのクマ本人も偵光には手をだすつもりは無いと言ってました。ウサギにも確認しましたが同じことを言ってました」
「そう。それが本当ならね・・・バーボン気になったことがあるんだけど、あのクマには私の動きを完全に見切られてたわ」
「それほどの達人ということですか?」
「いいえ、私がどう動くかを完全に分かっていた動きだったわ」
「それは、おかしいですね。組織内に貴女の戦闘スタイルを熟知している人間はいないでしょう。偵光を鍛えている時にあみ出したものでしょう?」
「そうよ・・・・組織内にはいないけど、組織外には私の動きを完全に見切れる人物が一人だけいるわ」
「まさか・・・・!?」
「そう、ホワイトシルバーよ。彼ならおかしくはないのだけれど、信じたくはないわね」
「それはありえません! 僕が集めた情報で、あの時間帯に杯戸町で山川さんと歩いていたという目撃情報がありました。これは確かな情報です」
「そう・・・」
ということは、偵光ではなくなるわね。では誰なの? 私の動きを完全に見切れるのは偵光しかいないはずよ。でも、目撃情報が信頼できるなら武の達人の可能性も出てたわね。
「バーボン、あのクマとウサギの中身は武闘家の可能性もでてきたわね。それなら私の動きを予想されてもおかしくないわ」
「そうですね。その方向で情報を集めていきたいと思います。何か分かったら連絡します。今日は家に帰ってゆっくり休んでください」
「そうね。偵光に癒されるとするわ」
「ジン達のほうにも話しておきます。それでは」
「悪いけど、よろしくね」
まあ、何にしても今日は早く帰って偵光の顔を見て癒されましょう♪
私はバーボンと別れ急いで自宅へと向かった。
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<江戸川コナンside>
広田雅美さんの事件から数日がたち俺は白銀さんの事務所へときていた。俺と越水さん、萩原さんは何者かに気絶させられ広田雅美さんを助けることができなかった。警察から聞いた話によると、彼女は倉庫で死体となって発見され仲間を殺した後に自殺したという見解になったらしい。
ちくしょう。あそこで俺が気絶させられなければ、あんなことにはならなかったはずだ。それにあの場にいたのが俺ではなく、あの人がいたなら助けることができたんじゃねーのか・・・
「どうした辛気臭い顔をして?」
「白銀さん・・・」
「もっと早く気づいてれば、広田雅美さんが死ななくて済んだのじゃないのかってとこか?」
「・・・うん」
「七槻ちゃんも同じこと言ってたな。それと俺がいたら助けれたんじゃないのかってな」
「そうだ! アンタさえいれば・・・」
「あのなぁ、何か勘違いしてないか? 俺は誰でも助けることができるスーパーマンじゃねえぞ。俺がいたら広田雅美さんが助かってたと言えるのか? 俺は自分の目の前で起こることを、命がけで全力で対処してきたからたまたまそうなっただけだ。
俺でも救えなかったことはたくさんあるよ。火事に遭遇して娘さんしか助けれなくて、どうして両親を助けてくれなかったのか!って責められたりもした。事件を解決しても、事件が起こる前に分かってくれてたら、被害者は死ななくてすんだとかな。前にも言ったと思うが、俺や探偵って職業は、何でもできる万人じゃねーんだよ。
助けれない命の方が多い。それに真実を暴くことによって、犯人や被害者を追い詰めたりもする。下手したらそこらの殺人者と変わんねーよ。俺はな、そういうのひっくるめて受け止めた上で覚悟して歯を食いしばりながら前に進むってのが探偵だと思うんだよ。探偵だって人間だ。人間に神みたいなことをやれって願うのが間違えてんだよ。っていうのが、俺の持論だ。
それを言ったら七槻ちゃんは顔を上げたぜ? お前はどうするんだ?」
はは、この人の足元にも及ばねーじゃねえかよ。何が名探偵だ。この人の方がよほど探偵らしいし、人間らしいじゃねえか。この人はそういうの全部ひっくるめて覚悟して行動するからあんなに無茶もするし、みんなに慕われていくんだな。俺もこの人を見習おう。
「広田雅美さんのことも背負った上で生きていく。それが俺の役目だからな」
「そうか。そういうお前に情報だ。広田雅美さん組織の関係者だった。お前の追っている鴉のような黒ずくめの組織のな。追うっていうなら、周囲の大切な人達を巻き込んでしまうかもしれないという相当な覚悟を持てよ、工藤新一」
「・・・・!!」
上等じゃねえか。絶対にアイツらを表舞台に引き出してやる! 俺は白銀さんから聞いた話で決心して、黒の組織を追い詰めると決めて家に帰った。
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<偵光side>
七槻ちゃんもコナンもなんとか立ち直ったみたいだな。ってか恥ずかしい! 何語っちゃってんの俺!? ドヤ顔で語るとか痛すぎる! ああ、もう穴があったら入りたい・・・・
「大丈夫そうだな、七槻ちゃんやボウズも」
「そうですね。偵光君の言葉聞いて目に光が戻ってましたから。まあ、私の一件であんな顔させたのには申し訳ないですけど」
「萩原さんや美樹ちゃんも聞いてたのかよ」
「そりゃあ、うちの所長のかっこいい演説だもんな、灰原さん」
「そうですね。凄くカッコ良かったです、偵光君♪」
「恥ずかしいから、やめてぇぇぇぇぇ!」
「あら? 電話ですね? はい、こちら白銀探偵事務所ですが・・・
はい、所長ですね。少々お待ちください。偵光君、長門さんって人から電話だよ」
ん、長門さん? あの子の件で何かあったのかな?
「はい、もしもし。所長の白銀です」
「おお! 久し振りだね、偵光君!」
「お久しぶりです、道三さん。お元気ですか?」
「いやあ、体の調子が悪くなってきてベットで療養しているがまだまだ死ぬつもりはないよ。偵光君は相変わらずやんちゃしてそうだね」
「いえいえ。事件に巻き込まれることが多いだけでそれ以外は普通ですよ。あの子は元気にしてますか?」
「そうじゃ・・・実は日向君のことで相談があるんじゃが・・・」
「・・・どうされましたか?」
「あの子のことを助けてやってくれんか? あの子はもう限界でのう。近いうちに秀臣と光明を殺してしまうやもしれん」
「・・・復讐ですか?」
「そうじゃ。日向君を火事から助け出してくれた君なら分かるじゃろ? あの子の復讐心は相当根強い。それに助け出して、その後も励まし続けた君のことを彼女は慕っていたのに、ワシの都合で離ればなれにしてしまってすまんのう」
「いえいえ。十年前は、色々なことをしていて家を空けることの方が多くて、長門会長の所にいた方が彼女も安全でしたよ。彼女はそこまで追いつめられてるんですか?」
「ああ。二週間後にワシの誕生日パーティーがあっての。その時に親戚一同集まるから、その時に決行するつもりじゃろう。
そのパーティーでワシは、あの子を長門家から解放して、君の所に行ってもらおうかと思っておるんじゃがどうかの?」
「こちらとしては受け入れるのは問題ないですが、両親のことを助けれず、あの子の傍から離れてしまった僕のことを恨んでいませんかね?」
「君は彼女を救った。それだけでも十分すぎる。君のせいではない。君は見ず知らずの彼女の命を救えたことを誇るんじゃ」
「そう言っていただけると少し楽になります。あの子に罪を犯させる訳にはいきませんね。分かりました。道三さんの誕生パーティーに合わせてそちらにお伺いすればよろしいでしょうか?」
「ああ。招待状を送るようにしておくの」
「ありがとうございます。それとお願いなんですが、部下を二人ほど連れて行ってもよろしいでしょうか? 女性一人、男性一人ずつなんですけど」
「もちろんかまわんよ。君の仲間から普段君がどんな生活をしているかワシや日向君は聞きたいじゃろうしのう」
「お手柔らかにお願いします」
「おっとそうじゃ。もう一つ依頼があったんじゃ。ワシの初恋の人を探して欲しいんじゃが、偵光君の知り合いで誰か探してくれそうな探偵がおらんかのう? ワシも一人当っておるんじゃがもう一人欲しくてのう。
本当は偵光君にたのもうかと思ったんじゃが、日向君の件を優先して欲しいし」
「ああ、一人伝手があるんでその人に頼んでみます。その人がオーケーならば直接道三さんとやり取りしてもらう形で良いですか?」
「ああ、かまわんよ。何から何まですまんのう」
「いえいえ。それと道三さんに幸ちゃんの依頼についての詳細を聞きたいので、誕生パーティーの日の二日前ぐらいにお伺いしてもよろしいですかね?」
「大丈夫じゃ。その日程で話を進めていこう。それじゃあ、またのう」
「はい、失礼します」
ふう。さて、萩原さんと美樹ちゃんがこっちめっちゃ見てるなー。
「さっきの電話で言ってた、両親助けれなかったってのは七槻ちゃんとボウズに対して話していたことか?」
「偵光君・・・」
ありゃりゃ。逆に心配させちゃったみたいだな。
「うん、そうだね。十年ぐらい前にさ、たまたま通りかかった近くの家で火事が起こったんだ。その時にね、高校生の娘さんしか助けれなかった。それで、助けた後にどうして両親を助けてくれなかったのって責められたよ。それで、その娘さんには身寄りが無くて、さっき電話があった道三さんと色々サポートしたわけさ」
「そうなんですね・・・その子はこっちに来たがったんじゃないの?」
「そうだな。だけど、道三さんが家で面倒を見たいって言って引き取ってもらった。その子には、一緒にいてくれるって言ったのに、嘘つきって散々文句言われたよ」
あの時のことは今思い出してもキツかったな・・・・いや、あの件があったからこそ、今の俺が出来上がったといいうべきか。
「でもよ、どうして関係ないその長門?って人が、身寄りのない子を引き取ったんだ?」
「それは・・・長門さん本人しか分からない」
「そうなんですね。その火事の原因は何だったんですか?」
「俺がその火事について徹底的に調べて分かったことはこれだ。ファイルは確かここに・・・ほら」
俺はその火事について調査したデータをまとめたファイルを二人に見せた。
「ストーブの火から発火ですか」
「ん、それにしては徹底的に調べてるな。気になった点でもあったのか?」
「俺も現場にいたんだが、中から火が燃え上がったって感じじゃなかったんだよ。だからおかしいと思い調べたんだが、見事に証拠が出てこないし、その娘さんから証言があれば違ったんだろうが、火事がトラウマになって立ち直るのもだいぶかかったんだよ」
「あっ、ここ見てください!」
「なるほどな。うん? 長門家長男が同時期に全身に火傷を負い、義理の息子も火事に遭遇って・・・まさか!?」
「そう。その火事の現場で鉢合わせたのがその長男と義理の息子だ。おそらく何か知っていると思い、話を聞こうとしたんだが、今まで避けられていて聞けてないんだよ。道三さんもそれに気づき話を聞こうとしたがずっと黙ったままらしいんだ。もしあの火事に関係していることをその娘さんが知ったら・・・」
「間違いなく、ヤバいことになるな。最悪のパターンだと、火事を起こしたのがその二人だった場合、娘さんにとっては両親の敵になる」
「そんな!? もしそうなら急いで止めないと!」
「ああ。現にさっきの電話は彼女の復讐を止めてくれって内容だった。おそらく最悪の状態で事態が動き始めている」
「それなら止めましょう。偵光君もそのつもりなんでしょう?」
「俺も同感だ。そういうのを見過ごすつもりは無い」
「もちろん。分かっていて罪を犯させてやるほどバカじゃない。って訳で、萩原さんと美樹ちゃんには付いてきてもらいだいんだけど良いかな?」
「はい!」
「ああ!」
俺は道三さんから頼まれた依頼に向けて準備を行うのだった。
ベルモット全力救済フラグ建てました。
主人公はさらに仲間を増やしました。
次回は私がコナンの中でも好きなキャラを出します。ヒロインにもします。
好きなんだからしょうがないじゃないかぁぁぁぁぁ!
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