全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく 作:クリス&シェリー全力投球
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22話
<コナンside>
盗聴器を仕掛けジン達の殺人計画を知った、俺と灰原は杯戸シティホテルで行われる映画監督追悼式に潜り込んだ瞬間、知り合いに捕まって
部屋の外に連れ出された。周囲に人は少ない所を瞬時に選ぶ所は流石だな、白銀さん。
「おい、ここで何してんだ? お前ら?」
「え、白銀さん!? どうしてここに?」
「どうしてここにいるの!? 貴方はこんな所にいてはいけないわ!」
「静かに。少し落ち着こうぜ、哀ちゃん。俺がここにいる理由だったよな。招待されてたんだよ、追悼式に参加してくれってな。それで来たわけだ」
「・・・早くここから立ち去りなさい」
「おい、灰原!?」
「どうして?」
「どうしてって貴方ね! ここにはもうすぐ彼らが・・・」
「哀ちゃんが焦ってるってことは例の人達関係か、コナン?」
「ああ。ジン達が動き出した・・・」
「ちょっと江戸川君!?」
「なるほどね。ジン達も来ちゃったか・・・面倒くさいことにしかなりそうにないな。ったく、こんなプレゼントはいらないっての」
「ジン達も来ちゃったかってどういうこと、白銀さん?」
「おお、流石に気づくか。今回俺がここに来たのは、組織の幹部もこの会に参加するだろうと当たりつけて来たんだよ。おそらく、出席者の中の誰かを殺害って予想をしている」
「凄いね、白銀さん。僕達もその殺害計画を聞いたからここに来たんだ」
「おい、どうやって知った?」
「彼の車に盗聴器を仕掛けてよ」
「おい、灰原!?」
「それって大丈夫なのか?」
「アイツらに気づかれて追跡は断念したよ。俺達が仕掛けたってのはバレないように細工してあるよ」
「哀ちゃんは奴らの車に近づいたかい?」
「・・・どういうこと?」
「灰原なら俺を追って一緒にきたけど・・・まさか!?」
やばい! 灰原がいた痕跡が気づかれでもしたら不味いことになる・・・しかし、髪の毛だけで気づかれる可能性は低いはずだ。灰原の幼少の姿を知る者でなければ大丈夫なはずだ。
「彼女の痕跡が車内に落ちて気づいたとしたら、ジンは志保ちゃんがいるかもしれないと予測する可能性が高い。それに今回の作戦が誰が計画して動いているかが問題だ」
「そんなっ!? わっ!」
「これ被っとけ、哀ちゃん。俺の帽子で悪いけどな。それで少しは顔を隠せるはずだ」
「・・・ありがとう」
白銀さんはそう言って、バッグから帽子を取り出し灰原に被せた。確かに帽子があるだけでも違うな。白銀さんにイチかバチかで確認だけしてみるか。どうせ教えてだろうが。
「ピスコか・・・どういう人なのか知ってるんだよね?」
「知らないって言っても信じてくれそうにはないな・・・」
「どうして・・・貴方がそこまで首を突っ込んでいるの!? 貴方はこっち側にきてはいけない人じゃない!」
「灰原・・・・」
「俺のことを心配してくれてありがとう、哀ちゃん。でもな、俺のある目的の為には、アイツらから逃げる訳にはいかないんだよ」
「そのある目的って何なのよ!? 貴方の命が狙われることよりも大事なことなの!?」
「ああ・・・命が狙われそうになったとしても、その目的だけは守りたいんだよ。もちろん、その目的の為に、死ぬ気なんてさらさらないけどな」
「そうなのね・・・なら、私とも約束しなさい。何があっても絶対に死なないで。お姉ちゃんが悲しむから・・・」
「ありゃ? 哀ちゃんは悲しんでくれないのかい?」
「私は別に・・・・・今、私のことは関係ないでしょ! ふざけるのもいい加減にして!」
「ごめんな。それでコナン、ピスコに関しては言えないが頼みがある。哀ちゃんのこと守ってやってくれ。俺も目を離さないようにしておくが・・・」
白銀さんが俺にこう頼むってことは、自由に動けないって可能性が高いな。ピスコについても何か知ってそうだし、何か手を打たれた可能性もあるな。
「だいたいお前が考えてる通りだ。俺の会場内の知り合いがいることによって動きがだいぶ制限されるんだよ。会場内にいると、見られ続けて息が詰まってやれなかったんだよ。ちょうど良いタイミングでコナン達が来たから
助かったよ。おそらく、その人物もピスコが呼んだんだろうが、余計なことをしてくれるよ。ちなみにその人物についても聞かないでくれよって言っても会場内で俺に話かけてくるのは、アイツぐらいしかいないしすぐバレるとは思うが、
そいつが近くにいるから、俺との接触は避けてくれ」
「分かったよ、今は何も聞かないでおくよ・・・」
「ありがとな。俺も哀ちゃんに危険が及ぶ時は、無茶して貴方にそうでも動くつもりだから安心してくれ。っと、そろそろ中に戻ろうか。俺は先に行くわ、それじゃあな、コナン、哀ちゃん」
「分かったよ」
「え、ええ」
灰原はまだ納得していないようだったが何も言わず、会場内に一緒に入った。
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<ベルモットside>
私はピスコからの要請で、映画監督の追悼式に参加していた。周囲を観察していると、先ほどトイレに行ってくると出て行った人物が室内に戻って来たので、すぐに彼の元に行った。
すると、彼は私の手を取り、出入り口から離れた位置に移動した。
「あら、随分と積極的じゃない。それにしても長かったわね? 一人で心細かったわよ」
「出入り口で話していたら邪魔になるだろうが。ちょっと休憩してたんだよ。どいつもこいつも仕事関係の話しかしてこないからな・・・あんだけ話かけられたら流石に疲れる。お前のおかげで助かったよ。
この会場に来ているとは思わなかったが・・・・」
そうなのだ。偵光を会場内で発見し色々な人から絡まれていたので、私が話しかけ助け出したという訳だ。私が彼の隣にいることにより、寄ってくる人は減った。
まあ、私が雰囲気で他の人を極力近づけないようにしているってのが大きいでしょうけど。
「私も貴方が来ているとは思わなかったわよ。それで休憩していた時に偵光と話していたのは、あそこで此方を見ている子供達かしら?」
少年と眼鏡で帽子をかぶった少女が私達が話している様子を見ていた。
「どうしてそう思うんだよ。外人であるお前に興味があるパターンもあるじゃねえかよ。ただでさえ、お前って綺麗で美人だしな」
「ふふふ。そう言われると嬉しいわね。でも残念、あの子達の視線で誰を見ているのかが分かるのよ。あの女の子は特に貴方の方を見ているわ」
「女優って怖いな・・・ん? あの人は、政治家の・・・どうしてあんなに緊張してるんだ?」
彼の目線の先にはピスコから聞いていたターゲットがいた。不味いわね・・・彼の注意を逸らさないと、ピスコが動けないわ。
「あら気のせいじゃないかしら? 私にはそうは思えないけど」
「いや・・・・気のせいだったみたいだ」
ふう、どうやら彼の注意は無くなったみたいね。彼を何とかこの会場から遠ざけたいのだけど、ピスコもいるし好きに動けないわね。私が側で目を離さないようにしておくのが一番ね。
どうしてこのタイミングで話しかけてくるのよ・・・ピスコ
「おや、これはこれは。白銀君も来ていたんじゃの。そちらはあの有名な女優のクリス・ヴィンヤードさんだね。二人は仲良さそうに見えるし、もしかして白銀君の恋人かのう?」
「これはどうも、枡山さん。クリスは、私の会社の事務所に所属していて歳も近いので仲が良いだけですよ。恋人とそんな関係では・・・いっっ!」
ふふふ。そこまで否定しなくても良いんじゃないのかしらね。
「おや、どうしたんじゃ?」
「いえいえ。別に何でもありません。クリスの通訳とボディガードも兼ねてるので二人で行動している訳です」
「ほっほっほ。そうじゃったか。年寄りになると色々と詮索したくなるからいけんのう。すまんかった。それじゃあ、二人の邪魔をして悪いし、またのう」
ピスコは一瞬こちらを見た。おかしなことをするなよって感じね・・・彼に危険が及ばない限りはするつもりはないわよ。
「あっ、そうそう。枡山さん、ピスコの美味しいお酒が入ったので今度持っていきますね。確かピスコ好きでしたよね?」
私は彼があっさりと放った言葉に驚いて反応してしまった。ピスコも反応したみたいで、その一瞬の動揺を彼は見ていた。
「おお、そうか。それは楽しみじゃのう。じゃが、どうしてワシがピスコを好きだと分かったんじゃ?」
「枡山さんが飲みの席で、いつもピスコ飲んでたから好きなのかなって思ったんですよ。当てずっぽうだったので、正解してて良かったです」
「恐ろしい人じゃのう、白銀君は。君の目はいったい何を見据えておるんじゃ?」
「いえいえ、私よりも恐ろしい人物はたくさんいますよ。枡山さん、欲をかいてその恐ろしい人物達に足元を掬われないように気をつけてくださいね」
「・・・ワシは白銀君が一番恐ろしいよ。そろそろ会も始まるじゃろうから失礼するの、白銀君、クリスさん」
「それでは、また」
そう言って、ピスコは去っていった。偵光はどこまで知っているの? もしかして私のことも掴んでいるの・・・? あの言いぶりは、ピスコについて知っているはずよ。ということは私のことも・・・
そう考えていると、頭を軽く叩かれた。
「・・・痛いわ」
「お前が泣きそうな顔してるからだろうが。だから放っておけないんだよ」
「・・そうね。貴方はいつも私に優しくしてくれるわね。どうしてなの・・・?」
「はあ? そんなもん、俺の家族だからに決まってるじゃねえか。20年近く暮らしてきたんだ。死に別れるとかそうでもない限り、離れてくこととかねえよ」
「ふふ、そうね。出会った時約束してくれたものね。そろそろ会が始まるから集中しましょう」
彼はおそらく私の正体を知っているはずだ。それでも私から離れることは無いと言ってくれている。本当に優しい人なんだから。いずれ、私の気持ちが整理できたら、彼に私の正体について話そう。
それまで、待っていなさい、私のプリンス。
私は彼の優しさを感じて嬉しくなりながら、会の始まりを待った。
会が始まり、監督の秘蔵フィルムのスライドショーが始まった。ピスコの仕事が始まるわね。ここまで協力したんだからヘマをしないでちょうだいよ。
カメラのフラッシュがたかれた後に銃声が二発聞こえた。
二発・・・? ターゲットを殺すだけなら一発で十分なはずよ。どういうことかしら?
その直後、隣にいる彼の声が聞こえた。
「・・・!? 危ない、クリス!」
彼の方を見てみると私に向かって飛び込んできていて、衝撃が来た後、会場にはガラスの割れるような音が響き渡った。
ーーーーーーーーーー
<偵光side>
俺は、上からシャンデリアが降ってくる前にクリスにむかって飛び込み、シャンデリアの落下地点から離れた。危ねえ、俺とクリスの真上のシャンデリアの鎖に蛍光塗料付いてるの気づかなかったら死んでたぞ。
「おい! 大丈夫かクリス!?」
「ええ、私は大丈夫よ。それよりも何が・・・?」
クリスがそう言った瞬間、室内の照明が点灯した。
「きゃああああああああああああああああああ!」
ちっ、とうとうやりやがったかあの狸爺。
みんながそちらに注目してる間に、俺はクリスの状態を確かめた。
・・・怪我が無くて良かった。
「大丈夫か、クリス?」
「さっきの悲鳴は何なの? これは、血・・? 偵光! ちょっと大丈夫なの!? 血が出てるじゃない!」
「俺の血で服汚してしまって悪いな。シャンデリアの破片ってあんなに飛ぶんだな」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!? 早く手当を」
「小さい傷だから心配するな。止血すれば大丈夫だ。そこまで大きな怪我をしなくてラッキーだったよ」
「そういう問題じゃないでしょ!?」
「だから落ち着けって。俺は大丈夫だから。お互いシャンデリアの下敷きにならなかっただけでもマシだろ?」
「・・・そう。落ちてきたシャンデリアから私を庇った為に怪我したのね・・・」
クリスの奴、マジギレモードじゃねえか。ホント、あの狸爺余計なことしかしないな。
「怪我で済んだだけでもマシだろ。あっちに比べればな」
「・・・そうね」
俺達が見た先には、シャンデリアの下敷きになっていた議員がいた。そのすぐ後に現場にいた目暮警部が俺達を見つけて駆け寄ってきた。
「大丈夫か、白銀君!? 二人とも怪我しておるのか!?」
「どうも、目暮警部。すみませんが、誰かにクリスを病院に連れて行ってもらえますかね?」
「君もケガをしておるではないか! 君も一緒に病院に行くんだ!」
「シャンデリアの破片で擦った程度ですから。応急処置道具持ってきているので、それで止血すれば大丈夫ですよ」
「そういう問題じゃないだろう!? 病院に行って手当してもらうんだ!」
「病院に行くのは勘弁してもらえませんかね? クリスの奴を狙ったやつを引きずりだしたいんですけど・・・」
「ダメよ。病院行って手当してもらってから戻ってきましょう。近くに病院があったはずだから一時間以内には戻ってこれるはずよ。どのみち事情聴取もあるでしょう? だから行くわよ。
警部さんすぐに戻ってきます」
「あ、ああ。分かったよ」
「あっ、ちょっと!? おい!」
俺はクリスに病院に連れていかれ、手当を受けて現場へと戻るのだった。
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手当を受けて現場に戻ってきて、警察の事情聴取を受けた後、事件の捜査を開始した。
クリスが病院の先生に診てもらっている間に、萩原さん達に連絡して状況を確認したら作戦は順調に進んでるみたいだ。
残る問題は・・・
「それで、俺から離れるつもりは・・・」
「無いわよ。貴方の側にいるわ。どうせ事件を追うつもりなんでしょう? 私もこの事件の犯人には用があるのよ。私の大事なものに手を出したのを身にしみてもらうつもりなの」
「怖えよ・・・」
「それだけ私は怒っているのよ」
「そうですかい」
「貴方は怒っていないの?」
「そりゃあ、怒ってるよ。クリスが死にかけたんだからな。絶対に犯人を引きずり出してやる」
「ありがとう、偵光。それで、証拠については何か分かったの? 警察に何か聞いてたみたいだけど」
「まあな。鎖のカケラと式典でもらった紫のハンカチが落ちてたって聞いたんだよ。おそらく、拳銃かなんかをハンカチで覆って、蛍光塗料を付けたシャンデリアの鎖を撃ったってとこだろうな。
俺とクリスの真上のシャンデリアの鎖にも蛍光塗料付いてたの見えたしな」
「なるほどね。それでこんなトリックを実行した犯人に心当たりは?」
「お前だって既に分かってるだろうが・・・・。枡山会長だよ。紫のハンカチを持っている人物で、
「爺さんというと彼ね・・・・。まさか、マスコミに写真を撮られているとはね・・・それでどうするの? 警察に話すの?」
「それもありなんだが、さっきからその人が見あたらねえんだよ。俺達を狙った理由も聞きたいから、直接問い詰めたいんだがって何だこの人の勢いは・・・っと」
「きゃっ!」
「あ、すみません・・・って哀ちゃん?」
「あなたは・・・白銀さん?」
「コナンとははぐれたのか?」
「え、ええ。そちらは・・・?」
「俺の会社の事務所にいるクリスだ。確か初対面だったよな? ってクリス、どうした?」
「・・・・・・・え、ええ。初めまして、クリスヴィンヤードよ」
やっぱり、ここで顔を合わせるのはまずかったか? 哀ちゃんの顔見て驚いてやがるし、バレたか?
バレたとしたら対処しなければいけないが、俺が哀ちゃんに付きっきりでいれば変なことしないだろう・・・って見つけた!
「っ!?」
「灰原哀よ。それで彼を見なかったかしら? きゃっ! 急にどうしたの?」
「俺の傍から離れるなよ、哀ちゃん。クリス、見つけたぞ」
「ええ。どうやら、この子が狙いみたいね。こっちに気づいた瞬間逃げ出したわね。先に行ってるわね!」
「あっ、おい待てって! ああ、もう! 哀ちゃん、悪いんだけど、クリスの後追うから君は早く安全な所に・・・」
「ダメよ! 貴方は絶対に行ったらダメ!」
「哀ちゃん?」
「早くここから逃げるのよ!」
「しかしなぁ、クリスのことも心配だし、逃げるってのはな。何かそこまでして行かせたくない理由でもあるのかい?」
「それは・・・・・」
「流石に意地悪だったかな。哀ちゃんが俺の事を心配してくれてることも分かってる。だけどな、クリスのことは放っておけないんだよ。俺の面倒見てくれた家族だしな」
「家族・・・・・・・分かったわ。私も付いていくわ。ただし、危なくなったらすぐに逃げること? 良いわね? 約束しなさい!」
「了解。ありがとね、哀ちゃん。逃げることに関しては任せろ! それじゃあ、はぐれないように手繋いで行くか」
「ちょっと!? 子供扱いしないでって聞いてるの!?」
「良いから、良いから」
俺は哀ちゃんと共にクリスの後を追った。
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ベルモットの票数が凄いことになってますねΣ(・□・;)
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