全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく 作:クリス&シェリー全力投球
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<灰原哀side>
私達は昼ご飯を食べておらず、事件が終わるまでは食べれないから、何か軽く食べようということで米花駅近くの喫茶店のテラス席で休憩をしていた。
「貴方に言われた通り、事務所を出る前に彼に米花シティービルへ向かうと送っておいたわよ」
「ありがとな、哀ちゃん」
「それで、食べ終わったことだしすぐにでも向かうの?」
「そうしたいのはやまやまなんだが・・・」
「何か気になることでもあるの?」
「あそこの線路のレールの横にある黒い箱みたいな奴がな」
「黒い箱?」
私は彼と同じ方向を見てみると、線路の横に黒い塊?みたいなものが見えた。
「よく見えるわね。鉄道会社が付けたものじゃないの?」
「おそらく違うな。形が似すぎてるんだよ、昼前に俺が持っていたものとな」
「それって、まさか!?」
「ハズレなら良いんだが・・・。会計して近くで見てみよう」
「ええ、そうね」
私達は会計を終えて、その箱が見えるフェンスに近づいた。すると、彼が私の身体をいきなり持ち上げた。
「きゃっ! ちょっと、何するの!?」
「後で謝るから、ちょっと今は我慢してくれるか? あの箱の上側がどうなってるか見えるか?」
「あなた急に女の子の身体触るなんてセクハラよ」
「分かってますから。あとで文句は聞くから。で、どんなだ?」
「全く・・・!? 赤いモニターで数字が書かれてて、青と黄色の線も見えるわ。数字は13って書いてるわね」
「やっぱりか・・・急に抱き上げてごめんね」
彼はそういって私の身体を下した。まさか、この歳にもなって男の人に抱き上げられるとは思わなかったわよ。恥ずかしいじゃない・・・
私は彼をジト目見ながら訪ねた。
「それでどうするの? あれって爆弾でしょう? 環状線がさっきから止まらないのもおそらくあれが原因ね」
「解体は無理だな。爆発条件が分からんし、環状線があれだけ走ってる間に解体しようものなら俺達の方が電車に轢かれてしまうからな。
仕方ないか。ちょっと110番してくるわ。爆弾が線路の間にあるってな」
「大丈夫なの?」
「こんな風に声変えるし、爆発すると怖いので避難しますって誤魔化しておくさ」
「なるほどね。相変わらず凄いわね、それ」
「昔から鍛えれたもんでね。そこの公衆電話で連絡し終わった後に、米花シティービルに向かうぞ」
「ええ、分かったわ」
彼は警察に電話をかけ、彼のバイクに一緒に乗り米花シティービルへと向かった。
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「まさか、貴方の単車もハーレーだとは思わなかったわよ」
「ハーレー好きなんだよ。貴方もってことは哀ちゃんもそうだったのか?」
「ええ、そうよ。それにしても駅からここの駐車場に来るまで結構かかったわね」
「警察がやたらいたからな。回避してたらめちゃくちゃ遠回りになったな。警察があんなに動いていたってことは萩原さん達も動いてるってことなんだろうな。
捜査一課だけじゃなく、公安の刑事さんも動いてたし、交通課の人までいたぞ。警察大判ぶるまいだな」
「貴方の仲間が動いてる証拠でしょう? 貴方が病院から脱走する前に会っていた四人なんか特に動いてるのでは無いのかしら?」
「ですよねー。誰にも会わないことを願っておきたいんだが・・・無理そうだな」
「ああ! やっと見つけた!」
彼はその声を聞いた瞬間、顔を青くしていた。どうしてあの人がここにいるのかしら? 萩原さんの連絡では環状線の対策本部室にいるって聞いてたはずなのだけど、匿名の通報者が彼だと予測して、その公衆電話の位置から、この場所に来ると読んだみたいね。
彼の部下って、今思ったけど、無駄に行動力ある人ばかりよね。
「そのようね。彼女がここにいるのは私も予想外だったわ」
「まさか哀ちゃんと一緒にいるとは思わなかったよ。それでちゃんと説明してくれるよね、偵光君?」
「はい・・・・・」
「はあ、やれやれね・・・」
彼への追及が終わる頃を見測り、私は声をかけた。
「そろそろ動いた方が良いんじゃないのかしら? 説教は後回しにして爆弾を探しましょう」
「それも、そうだね。全く、僕達を巻き込ませないようにするってので無茶するのは辞めて欲しいかな・・・凄く心配したんだよ?」
「悪かったって。だからそんな顔するのは辞めていただけると助かるのですが・・・」
「僕がどれだけ心配したか分かってないよね? 佐藤刑事達も凄く心配してたんだよ?」
「はい、承知しております」
「はあ、まあ偵光君のことだからこれだけ言ってもどうせ無駄なんだろうけどね。だって今まで言うこと聞いてくれたためしないし」
「そうっすね・・・」
この二人は私の存在忘れてないかしら? 何、二人だけしかいないみたいな感じで世界作ってるのよ。何か腹立つわね・・・
「こほん! ね・え・し・ろ・が・ね・さ・ん? 早く行くんでしょ?」
「ひゃ、ひゃい! 急ごう、七槻ちゃん。早く見つけてとっとと帰ろうぜ、哀ちゃんも」
「・・・・・・・・・・」
「そ、そうだね!」
「あのー哀ちゃん?」
「サマーライトのパフェセット」
「ん?」
「それで手を打ってあげるわ。何か文句でもあるかしら?」
「いいえ、とんでもございません!」
「そう♪ なら早く行くわよ」
「哀ちゃんって怒ると怖いんだね・・・。偵光君があっさりやり込められたよ」
「ははは・・・。今は事件の方に集中しようぜ」
「そうだね。あっ、ちょっと待ってよ、哀ちゃん! ほら、行くよ、偵光君!」
「了解」
「~♪」
私は、少し機嫌も直り二人と共に爆弾の捜査を開始した。
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<安室透side>
「これでショッピングモールのあった爆弾は全部です、降谷さん!」
「ああ、ありがとう風見。ふう、流石に爆弾を連続で解体するのは疲れるな。萩原や偵光ならもっと上手くやるんだろうがな」
「少し休まれては? 処理班も、もうじき来るでしょうし、降谷さんが解体する必要は無いのでは?」
「いや、コイツで最後だしやらせてもらうさ。急いで次の場所に向かわないといけないからな。後のことは処理班とお前達に任せるさ」
「分かりました。ショッピングセンターの方の爆弾解体は既に終わったそうで、処理班が後片付けをしています」
「早いな。米花シティービルの方は? どうなってる?」
「そちらも次々に見つけ、白銀偵光が解体しているそうです。ただ、仕掛けられている数が多く、全部把握できてないです。
しかも、そこに仕掛けられている爆弾の方は、今までの奴と違って一つ一つ仕様が違うみたいで、手こずってるそうです」
「偵光の奴、米花シティービルに向かってたのか・・・ちいっ、爆弾処理班はまだ動けないのか?」
「環状線、米花ショッピングモール、ショッピングセンターの方での対応が終わり次第そちらに向かうことになっています」
「先に見つけた二か所の方の対応を優先させすぎたか・・・よし、これで大丈夫だ。
俺は急いで米花シティービルへと向かう。後のことは任せたぞ、風見」
「はっ! お気をつけて!」
俺は風見に後のことを任せ、解体道具を持って米花シティービルへと向かった。
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米花シティービルに着いて、店員に爆弾を集めてる場所を聞きそちらにむかうと萩原が既に解体を行っていた。
「遅かったじゃねーか」
「お前より素人なんだよ、こっちは。佐藤刑事はどうした?」
「目暮警部から要請があって、そっちに合流したよ。コナンと毛利さん、目暮警部達が森谷のことに関しては上手くやってくれるだろうよ」
「そうか。偵光の奴はどうした?」
「四階より上の爆弾を探しながら解体してるよ、灰原ちゃんと七槻ちゃんも一緒にな」
「越水さんも来てるのか!?」
「白銀がここに来るとふんで、見つかったらしいぜ? 白銀の傍にいる限り、あの二人が大きな怪我することは無いだろうよ。あの二人はな」
「確かにそうだな。んで、俺は何をすればいい?」
「ここに置いてある奴の解体手伝ってくれ。俺だけだと追い付かないしな。タイマーは切ってるから時間の心配はいらないぞ」
「遠隔機能は?」
「一通り調べたけど無かったから、おそらく無いと思いたいが、見つかってない奴に関しては何とも言えないな」
「それにしても凄い数だな。ざっと、三十個近くはあるか? それほど森谷はこの建物を爆破したかったのか」
「だろうな。面倒くさいことに、爆弾の構造も一つごとに違うから余計にだるいんだよ。
おかげで解体に時間がかかっちまう。もうそろそろ八時か・・・九時になるまでには終わらせたいな」
「そうだな。早いこと終わらせて偵光の方を手伝おう」
俺は萩原と一緒に爆弾を解体し始め、その場所にあった爆弾をすべて解体した直後に、上の階か轟音が響き、ビルが大きく揺れて辺りの壁が少し崩れ暗闇に包まれた。
「なんだ!?」
「この音・・・もしかして!? 萩原、外の様子を見るぞ! ここの爆弾の機能は全て停止させたから衝撃受けても爆発することは無いよな?」
「ああ、大丈夫だ! それにしても今の音は上の階からか?」
二人で爆弾を集めていた部屋から出ると、ビル内は真っ暗だった。
「ライト持ってるか、萩原?」
「ちょっと待ってろ。あった、あった。ビルの電力完全にやられてるな」
「ああ」
二人で周辺を調べてみると、出口への道は塞がっており、階段で上に行く道しか残されてなかった。周囲のお客を避難させておいたおかげで、俺達二人以外は巻き込まれなかったようだ。
その時、萩原の携帯の音が鳴り始めた。くそっ、このタイミングでの電話は嫌な予感がする・・・
「灰原ちゃん? はい、もしもし?」
「一階だが、そっちは大丈夫なのか? 爆弾がさっき爆発したみたいだが・・・」
「もしかして怪我人が出たのか!?」
「もしもし? 救急車と消防を米花シティービルに急いでお願いします! ビルで爆破事件が起き怪我人が・・・・」
俺は萩原の様子から察して、救急車と消防にすぐに連絡した。状況を消防に説明している間にも萩原の声が耳に入ってきた。
説明を終えて電話を切ると萩原は歯を食いしばっていた。
「ちくしょうが!」
ただごとじゃない萩原の様子に、俺はすぐに問いかけた。
「いったい何があった!?」
「五階で爆弾が爆発したそうだ。蘭ちゃんが持っていた荷物に入ってたそうでな。その近くに、灰原ちゃん、七槻ちゃんがいたそうだ・・・」
「誰か巻き込まれたのか!?」
「ああ、巻き込まれた。ただ、蘭ちゃん、灰原ちゃん、七槻ちゃんは無事だ。軽い擦り傷程度で済んだそうだ」
三人は軽い擦り傷で済んだなら、萩原はこんな状態にはならないはずだ。まさか・・・
「お前の考えてる予想通りだ。三人を白銀がとっさに庇って、白銀が大けがして意識が無いそうだ。出血や骨折もしていて、この後応急処置するそうだが救急車で病院に連れていかないと危ない状況だそうだ。
それにそのフロアにはまだ、爆弾が二つあるそうだ。それで解体するのに手助けがいるって連絡だった。どうにかして五階まで上がるぞ」
「ちいっ! どうしてアイツはいつも一人だけ無茶するんだ!? 急いで上に向かうぞ!」
「ああ!」
頼むから絶対に死ぬんじゃないぞ、偵光! お前まで死ぬことは絶対に許さないからな!
俺達は道具を持って、五階のフロアへと向かうのだった。
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<佐藤美和子side>
私は、工藤君の推理によって今回の一連の事件の犯人である森谷を逮捕した後に、一足先にまだ爆弾が残っている米花シティービルへと来ていた。
目の前にあるビルは赤く燃えていた。車から降りて、呆然としていると私がよく知っている声が聞こえた。
「そんな・・・・・」
「美和子、大変よ!」
「由美! 状況はどうなってるの!?」
「私もさっき来たばかりなんだけど、どうやら五階で爆弾が爆発したみたい。
レスキュー隊員に聞いた話なんだけど、軽傷者が数名いて重傷者が一人いるみたい」
「偵光や安室君達は大丈夫なの!?」
「分かんないわ。さっきから電話してるけど繋がらないのよ・・・みんな無事だと良いんだけど」
私は凄く胸騒ぎがしていた。誰かが怪我をしたんじゃないかと。偵光は大丈夫よね・・・流石にこのビルの中に来てるってことは無いわよね?
私が不安になってると、近くで無線で通信を行っていたレスキュー隊員の声が聞こえた。
「何だと!? まだ五階のフロアに爆弾が残っているって本当なのか!?」
「はい! さきほどまで爆弾解体をしていたという成人男性二名が、フロア内に残っている人と連絡を取りそう聞いたそうです」
「ちっ、爆弾処理班はまだ時間がかかるそうだ! 一般人に頼るというのは・・・」
「すみません、捜査一課の佐藤です。その二名なんですが私の知り合いで1人は元警察官なので信頼できるかと思います」
「そうですか、分かりました。おい! 五階のフロアには救助にいけそうなのか!」
「さきほど崩れてきた瓦礫をどかせば可能かと思われます」
「分かった。先ほどの男性二人はそこにいるのか?」
「いえ、瓦礫が崩れてきて分断されました。安否確認をしたら、先に向かうとのことでした」
「そうか! 急いで瓦礫をどけて救助に向かえ! 分かったな!?」
「はっ!」
「急に横から口をはさんでしまい申し訳ありませんでした」
「いえ、大丈夫です。情報ありがとうございました。
知り合いがあの中におり、心配でしょうが絶対に助け出しますので待っていてください」
「すみませんが、よろしくお願いします」
私はレスキュー隊員から離れ、萩原君に電話した。
「ダメね、通話中になってるわ」
「こっちも安室君にかけたけど繋がらないわ」
「あとは、越水さんね・・・・・・ダメだわ」
「萩原君達は爆弾処理するのに忙しいのかもね。あの人達なら大丈夫よ! 偵光のバカもきっとどこかでピンピンしてるわよ。
だから笑いなさいな、美和子。ひどい顔になってるわよ?」
「そういう由美だって不安そうな顔じゃない」
「アンタの方が、この世の終わりみたいに酷い顔よ。かわいい顔が台無しになるわよ?」
「ふふっ、なによそれ」
思ったより不安になっていたみたいね。爆弾が関わるとどうしてもダメね。萩原君、安室君、越水さん、偵光・・・大丈夫よね、四人とも。
お願いだから無事に帰ってきて。
「佐藤刑事! 蘭の奴を見なかったか!?」
「毛利君! おう、佐藤君に由美君もここにいたのか!」
「毛利さんに目暮警部!? どうしてここに? それに蘭さんもここに来ているんですか!?」
「ああ! さっきから探してるんだが見つからないんだ。コナンの奴にも他の場所を探してもらっているんだが・・・」
「携帯は繋がらないんですか?」
「ダメなんだ。何度かけても出ないんだ」
「ふん。お前の娘が吹き飛ぶまで、まだ二時間近くある」
「貴様!?」
毛利さんがここに連れてこられていた森谷の胸倉につかみかかった。
「あそこの爆発に工藤を巻き込めなかったことだけが後悔だ」
「ちょっと、待ちなさい。どういうことかしら?」
「知らなかったのか。先ほどレスキュー隊員が言っていたぞ。五階で意識不明の重傷者が一名いるとな。それは二十六歳の成人男性だそうだ。
爆弾解体に取り組んでいる二人の男性の一人から、そう救急に連絡があったそうだが・・・そこの女刑事にには当てはまる節があるのでは無いかね?」
「そんな・・・・・・・二十六歳の成人男性ってまさか!?」
「いい加減、黙りたまえ! 佐藤君も落ち着くんだ!」
「ん、コナンからの電話? 蘭が見つかったのか・・・・・・・・・・・・・・なんだと!? くそが!」
「毛利君、どこに行くんだ!? その先は危険だ!」
「離してください、警部! あそこには蘭と偵光君がいるんですよ! 蘭達を庇って、偵光君が大けがして意識が無いそうなんです!
それに爆弾もまだ残っているらしく、急いで行かないと手遅れになってしまう!」
偵光が大怪我して意識不明・・・・・? 毛利さんの言葉を聞き私は頭が真っ白になり膝をついて座り込んだ。嘘よ・・・そんな訳無いわ。
だって大けがするような無茶しないって私と約束したじゃない。私は呆然としながらも偵光の携帯に電話をかけた。お願い、電話に出て。もう病院に戻ってるって証明してよ・・・
「どうして出ないのよ・・・!」
「それは本当なのか毛利君!?」
「そんな・・・本当なんですか、毛利さん!」
「ああ、だから早く行かないと」
「落ち着くんだ、毛利君!」
「らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「行かないと・・・・・・」
「ちょっと、美和子!? 落ち着きなさい!」
「離して! 早く行かないと偵光が死んじゃう!」
「ふん、どうせ爆弾も爆発するからもう助からん。私の失敗作を壊すという計画を邪魔した罰だ。それで死ねるなら奴も本望だろう」
私は森谷の言葉に頭に血が登り、拳銃を取り出して奴に向けた。周囲の人間は私の行動に驚き固まっている。
「こんな奴に・・・・・」
「おいおい、貴様の愛する者が死ぬからといって、私に逆恨みか? とんだ迷惑なんだが・・・・・」
「うるさい! どうしてそんなくだらない目的の為に、関係の無い偵光が死ななきゃならないのよ!」
「くだらない? 凡人には分からんさ。お前も白銀と一緒で馬鹿な凡人だ」
「ふざけるな! アイツは、人の為にいつも無茶して自分が怪我しようが、誰かを助けて・・・それで人を笑顔にして身近な者の為には努力を怠らない。
貴方みたいな人より余程の天才だわ!」
「くだらん。そんなアホは死んで当然だ」
「・・・っ!」
「やめるんだ、佐藤君! 銃を下すんだ」
「どいてください、警部。此奴は罪のないたくさんの人間をくだらない私情で巻き込みました! 生かしておくのは危険です!」
目暮警部にそう言いどかせようとしていると、パン!という音が辺りに響き、頬に衝撃が来た。
「このバカ! 目を覚ましなさい! アンタだって今、そこにいる犯人と同じで私情で犯人を巻き込もうとしてるじゃない! いい加減、目を覚ましなさい!
そんなことをしても誰の為にもならないし、偵光だって望んでないわよ! アンタは、今偵光の一番嫌いなことをしようとしたのよ!」
「由美・・・・」
「それに辛いのはアンタだけじゃないわ! 今五階で、アイツの傍にいるあの子達だって辛い思いしてるのよ! 萩原君達だってそうよ。
親友が危険な状態ですぐにでも助けたいはずなのに行けなくて、悔しい思いをしながらもあのバカを助ける為に頑張っている。アンタだけが辛いって思うんじゃないわよ!」
由美は涙を流しながら、必死に訴えてきた。アイツがいなくなると思って、目の前が真っ暗になって犯人にあおられカッとなって・・・・
拳銃を地面に落とし膝をついた。
「私はいったい何を・・・・・」
「それで良いのよ、バカ。簡単にアイツが死ぬわけ無いでしょ? 私達は信じて待ちましょう。安室君達がきっと助けだしてくれるわよ・・・」
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
由美に抱きしめられ、私の泣き声がその場に響き渡るのだった。
今回は佐藤刑事にスポット当てました。原作の揺れる警視庁編でもこうだったよなと思い、今回の話に入れました。賛否両論あると思いますが、ご理解ください。
次回は偵光にいったい何が起こったのかを書いていきたいと思います!