全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく   作:クリス&シェリー全力投球

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※コナンオリ主ハーレムものです。原作&CP&キャラ崩壊してますのでご理解くださいm(__)m
 

 ご指摘があったので、文を修正して再び投稿しました。
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 これからもこの作品をよろしくお願いします!


 この話も早くも三十話目です。
 ここまでこれたのも皆さんのおかげです!
 これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!




30話

<偵光side>

 

 

 俺は哀ちゃんと七槻ちゃんと一緒に萩原さん達と別れてすぐに見知った顔に遭遇した。

 

 

「あれ、お兄ちゃん達どうしてここにいるの? スタッフの人に避難するように言われて降りて来たんだけど・・・

 そういえば、お兄ちゃんってまだ入院してたんじゃあ?」

 

「人違いじゃないでしょうか?」

 

「それは流石に無理があるんじゃないかな、偵光君」

 

「誤魔化し方が下手ね」

 

「言われなくても分かってるよ! 蘭ちゃんも早く逃げるんだよ。

 ここには爆弾が仕掛けてあるからね。哀ちゃんも一緒に連れてってもらえると助かるんだけど・・・」

 

「爆弾!?」

 

「しー! 蘭ちゃん、声が大きいよ」

 

「す、すみません」

 

「私、最後まで付き合うって言ったわよね? それに美樹さんからも頼まれてるんだけど、それでも帰すって言うのかしら?」

 

「いや、哀ちゃんの身を心配してそう言ったんですけどね」

 

「あら、貴方が側にいれば最後まで守ってくれるんでしょ? そのお礼に私も貴方を守りたいのだけど」

 

「ああ、はい・・・。だから、さっきスタッフの人に止められてたのをやたらごねたのね。

 ってな訳で、悪いんだけど蘭ちゃんは避難してもらえるかな?」

 

「お兄ちゃん達はどうするんですか?」

 

「被害者が出ないように爆弾を解体していくつもりだ。

 本当なら、萩原さんに哀ちゃん達預けて一人で解体するつもりだったんだけど、二人とも言うこと聞いてもらえなくて」

 

「当り前だよ! 偵光君だけ危ない目に遭わせる訳にはいかないよ! 爆弾の解体なら偵光君達から叩きこまれたし、手伝えることがあるはずだよ」

 

「私もサポートするつもりよ」

 

「そうなんですか・・・お兄ちゃん、新一は見ましたか?」

 

「新一君は見てないよ。外は警察がそろそろ来るだろうし外部から来ても人は入れるようになってないと思うよ? 

 だから、外にいるんじゃないかな?」

 

「そうですか・・・私もお兄ちゃん達について行っても良いですか?」

 

「ダメだ。爆弾があるのは間違いないから危険が及ぶ。そんな所に連れていくことはできない」

 

「そんな! 哀ちゃんや七槻さんは良くて、私はダメなんですか?」

 

「七槻ちゃんや哀ちゃんは解体技術の知識があるし、それ以外でも俺が叩きこんでるからな。何があってもすぐに動けるはずだ。

 蘭ちゃん、君は爆弾が怖いんじゃないのかい? もし爆弾が爆発したら死ぬかもしれないよ?」

 

「それは・・・・・・」

 

「だからこそ君には来て欲しくないんだよ。ここは、俺達に任せてくれないか?」

 

「・・・・・それでも私はついて行きたいんです。お兄ちゃん達が危ない目に遭うって分かっていて、何もせず見てるだけなんて嫌なんです。

 そのままお兄ちゃんには会えなくなってしまうような気がして・・・・・」

 

「偵光君、連れて行ってあげても良いんじゃないかな? 蘭ちゃんや哀ちゃんのことは僕がちゃんと面倒見るからさ。ダメかな?」

 

「私からもお願い。彼女のことをちゃんと見ておくわ」

 

「二人とも・・・・・・」

 

「・・・・・・・・はぁ。分かったよ。ついてきても良いよ。

 ただし! 俺が危ないと判断したら三人ともすぐに逃げてもらうからな?」

 

「もちろんだよ」

 

「分かってるわ」

 

「ありがとう、お兄ちゃん!」

 

 こうして俺達は四人で爆弾の回収を行いながら解体をしていくのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 五階について、残ってくれていたスタッフに説明をして、スタッフルームを借りてそこに爆弾を集めるようにした。

 その後、四人で場所を分担し五階の爆弾の探索を開始した。探索をしているとすぐにいくつもの爆弾を発見した。おいおい、どんだけ仕掛けてんだよ、あのおっさん。

 ここまで数が多いのは流石に予想外だぞ・・・。よし、俺が担当したエリアはここまでだな。

 まさか、五個も爆弾があるとは。哀ちゃんと七槻ちゃんの方も結構あるだろうな・・・・・。早いとこ終わらせるか。

 部屋に戻ってくると、みんな戻ってきていた。

 

「偵光君お帰りなさい。この階も結構な数の爆弾が仕掛けられているみたいだね」

 

「そうだな。俺と七槻ちゃんですぐに解体に入るから、蘭ちゃんと哀ちゃんは二人で協力しながら持って来てもらえるか? 持ち運びには注意するようにな」

 

「分かったよ、お兄ちゃん」

 

「重そうな物もあったのだけど、それはどうすれば良いの?」

 

「それは後で俺が持ってくるから、軽くて持ってこれそうな奴だけ持ってきてくれ」

 

「分かったわ」

 

「行こうか、哀ちゃん」

 

「ええ」

 

「僕はどれからやっていけば良いのかな?」

 

「簡単なタイプの奴をやっていってくれるか? 俺は面倒くさい奴をやっつけていくから。分からなかったらすぐに聞いてくれ」

 

「了解」

 

 俺達は協力しながら、フロア内にある爆弾の解体を行っていくのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「ふう。だいぶ片付いてもう少しで終わるな」

 

「そうだね」

 

「お疲れ様です、二人とも。見てるだけですみません」

 

「貴女が気にする必要は無いわ。私も見てるだけだもの」

 

「そうそう。哀ちゃんみたいにふてぶてしくしてれば良いんだよ、蘭ちゃん」

 

「どういう意味かしら?」

 

「ごめんなさい」

 

「まったく、偵光君が哀ちゃんに口で勝てたことなんて無いだろうに。偵光君、蘭ちゃんとちょっと休憩してきて良いかな?」

 

「おう、良いぞ。残ってるのは面倒くさいタイプの奴ばかりだからな。休憩して他にも爆弾が無いか、スタッフの人と協力してもう一度確認してもらえるか?」

 

「分かったよ、行こう、蘭ちゃん! 偵光君のことは哀ちゃんが見てるから大丈夫だよ」

 

「でも・・・・・・」

 

「ほら、いいから行くよ!」

 

「あ、七槻さん! 押さないでくださいよー」

 

「流石ね。リラックスさせる為にああ言ったんでしょ?」

 

「ああ。表向きは元気なように見えていても内心は不安だろうからな」

 

「そうね。早く終わらせて彼女達を安心させてあげましょう」

 

「そうだな。哀ちゃんもあれだったらガールズトークに加わってきても良いんだよ?」

 

「私はそんなキャラじゃないし、貴方から目を離さないようにって言われてるもの」

 

「そうか・・・。よし、それじゃあとっとと終わらせようぜ!」

 

「ええ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふう。これで全部終わったぞ」

 

「ごくろうさま。九時になる前に何とか終わらせることができたわね。後は最終確認をしている彼女達次第ね」

 

「そうだな。もう爆弾が無ければ良いんだが・・・・。それにしても疲れたな。当分爆弾なんか見たくないぞ」

 

「同感ね。後は爆弾処理班に任せましょう。ここにあるのは終わったことだし、彼女達と合流しましょう」

 

「行くか。哀ちゃんも休憩しようぜ。何か飲み物奢るよ」

 

「そうね。ありがと」

 

 俺と哀ちゃんは解体を終えて、部屋の外に出て七槻ちゃんの所に向かった。

 

「お疲れ様、二人とも。解体は終わったの?」

 

「ああ」

 

「ええ」

 

「蘭ちゃんはどうしたの?」

 

「スタッフの人と残りのエリアを確認してるんだけど・・・・あ、ほら戻って来たよ」

 

「あ、お兄ちゃんに哀ちゃん! 終わったの?」

 

「終わったよ。それよりその小さい荷物はどうしたんだい?」

 

「さっき見つけたの。紙袋に入っていて置かれたからお兄ちゃんに聞こうと思って、すぐに持ってきたの」

 

「荷物はこれだけだったか?」

 

「いや、これとまだ二つほどあったよ。そっちは重かったから非常口の近くに置いてるよ」

 

「そうか。ありがとう、蘭ちゃん。まずは持ってきてくれた奴から確認してみるか・・・・・!?」

 

 蘭ちゃんから荷物をもらい中身を確認した。その爆弾のタイマー時間は30秒と表記されていた。

 くそがっ! 叫んで蘭ちゃん達に逃げるように促した。

 

「早く俺の周辺から逃げろ! 爆弾がもうすぐ爆発する!」

 

「何ですって!?」

 

「何だって!?」

 

「そんな!?」

 

「何やってんだ、三人とも早く逃げろ! スタッフの方も逃げてください!」

 

 ちいっ、時間がもうない。スタッフは離れてるから問題ないが、このままじゃあ、三人が巻き込まれる! あと十秒か・・・ええい、いちかばちかだ! 俺は誰もいない場所に向けて爆弾を思いっきり投げた。

 少し離れた距離で爆弾が爆発し、辺りは爆風に包まれ真っ暗になり、上から瓦礫が俺達のいる場所に降ってくるのが見えた。俺は近くにいた三人を瓦礫が当たらない位置に動くように突き飛ばした。

 

「「「きゃああああああああ!」」」

 

「ははっ、コイツはヤバいな・・・・」

 

 瓦礫がこちらに落ちてくるのを見ながら、俺の意識はその言葉を最後に途切れるのだった・・・・・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

<灰原哀side>

 

 ううん、私は確か・・・・・そうよ、爆弾! どうやら軽い擦り傷で済んだようね。確か爆発してから誰かに突き飛ばされたような・・・・!?

 三人は無事なの!?

 私はすぐに周囲を見渡し、近くに蘭さんと越水さんがいて状態を確認した。良かった、気を失ってるだけみたいね。目立った外傷も無いわね。

 白銀さんは・・・・!? 小さい瓦礫が何個も体に乗っており、血を流している白銀さんを発見し急いで駈け寄った。

 

「ちょっと! しっかりしなさい!」

 

 瓦礫をどけながら声をかけ続けた。

 

「聞いてるの!? しっかりして!」

 

 私の大声にも反応しない。脈は・・・弱ってきてる。それに所々出血して、骨折もしてるわね。早く病院につれていかないと不味い状況だわ! 

 私はすぐに二人に呼び掛けた。

 

「二人とも大丈夫!? しっかりしなさい!!」

 

「いたた、ここは・・・」

 

「ううん・・・」

 

 私の声に反応し、越水さんと蘭さんが目を覚まし私はすぐに声をかけた。

 

「手伝って欲しいの! 白銀さんが瓦礫の下敷きになってるの! どかせるのを手伝いなさい!」

 

「・・・嘘だよね、ねえ、偵光君!」

 

「・・・お兄ちゃん? いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「ショックなのは分かるけど、泣き叫んでいる暇は無いわ! 彼を助けたいなら早く動きなさい! 

 蘭さんはスタッフの人に包帯やガーゼみたいな物が無いか確認して持ってきなさい! 越水さんは私と一緒に瓦礫をどけるのを手伝いなさい!」

 

「・・・・・う、うん!」

 

「・・・・・あ、ああ!」

 

 三人で行動していると、スタッフが手伝いに来てくれた。良かった。彼以外は小さい怪我で済んでるわね。

 

「すみません! 瓦礫をどけるのを手伝います!」

 

「ありがとうございます! お願いだから死なないで、偵光君・・・」

 

「悪いけど、ここをお願い。私は萩原さんに連絡してくるわ。

 それと応急処置の道具が揃ったら連絡しなさい。すぐに処置するから」

 

「うん。分かったよ・・・」

 

「しっかりしなさい。そんな顔していたら白銀さんに怒られるわよ」

 

「はは、そうだね。ありがとう、哀ちゃん」

 

 越水さんにそう告げて、電話をするために非常口の近くに向かってると、紙袋を二つ発見した。

 これねさっき蘭さんが言っていたのは。さっきの衝撃で爆発しなくて良かったわ・・・・タイマーは、あと三時間ぐらいね。三分って何か理由があるのかしら? まあ、良いわ。詳しいことが分かる人に聞くまで触らない方が良いわね。

 近くにいたスタッフを呼び、この二つの紙袋みたいにおかしな荷物が無いか、確認してもらうことと袋に誰も近づけないように頼んで探してもらった。どうやらあの二つ以外におかしな荷物は無かったようだ。

 爆弾の個数も確認できたので萩原さんに電話をかけた。

 

「はい、もしもし?」

 

「私よ。電話に出たってことは無事なようで良かったわ。今どこにいるの?」

 

「今、一階にいるが、そっちは大丈夫なのか? 爆弾がさっき爆発したみたいだが・・・」

 

「ええ、五階でさっき爆弾が爆発したわ」

 

「もしかして怪我人が出たのか!?」

 

「かすり傷などの軽傷者が四名で、重傷者が一名・・・奇跡的に死人は出ていないわ。その重傷者一名のおかげでね」

 

「おい、まさか・・・・?」

 

「あなたの予想通りよ。重傷者一名は、白銀さんよ。私と、蘭さんと越水さんを庇ってね。彼は小さい瓦礫の下敷きになって出血と骨折もしていて意識が無い状態よ。脈はあるけど、弱まってきてるから早いとこ病院に連れていかないと危ない状況よ。

 これから応急処置とかできるだけのことはするつもりよ。お姉ちゃんの大好きな人を死なせるつもりなんかないしね」

 

「・・・くそっ! 悪いが頼む。俺と安室もどうにかしてすぐにそっちに向かう!」

 

「そうしてもらえると助かるわ。まだ、爆弾が二つほど残ってるのよ。爆破予定時間は、どちらも明日の0時3分になってるわ」

 

「なんだと!? それは本当か!?」

 

「ええ。だから急いでちょうだい」

 

「分かった。救急と消防には今安室が連絡してるから心配すんな。哀ちゃんも辛いだろうに無理すんじゃねえぞ」

 

「ありがとう。それじゃあ切るわね」

 

「ああ」

 

「哀ちゃん、準備できたよ!」

 

「それは助かるわね。急いで取り掛かりましょう」

 

 私は越水さんと白銀さんの所へ向かい、応急処置を協力して行った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ。とりあえず今できることはここまでね。後は病院に行って治療しないとどうしようもないわね。彼の体力が持つかしら・・・・」

 

「お兄ちゃん・・・・・」

 

「偵光君・・・・・」

 

 二人は相当まいっているみたいで、さっきからずっと泣いている。無理もないわね。この二人が冷静ではないおかげで私はなんとか冷静を保っている。一人だと絶対冷静でいられないわね・・・

 こんなに思ってくれる人達がいるのだから、絶対死んではダメよ、白銀さん。そんなの私が許さないわ。組織関係で最後まで守ってくれるって約束したんだから、守りなさいよ、バカ・・・・・・・。

 私まで沈んではダメね。あれから三十分、萩原さんからの連絡はまだなのかしら? 考えてごとをしていると、近くにある非常ドアから声が聞こえた。

 

「蘭姉ちゃん! 大丈夫!?」

 

「この声は・・・!?」

 

「コナン君!?」

 

「無事だったんだね、蘭姉ちゃん!」

 

「コナン君・・・お兄ちゃんが・・・」

 

「白銀さんがどうかしたの!?」

 

「江戸川君、聞こえる?」

 

「灰原!? お前までどうしてここにいるんだ!?」

 

「蘭さんだけではなく越水さんと、白銀さんもいるわよ。あと、協力してくれていたスタッフの人ね。白銀さんは私達を庇って重傷で意識失ってるわ。

 応急処置をしたけど危ない状態よ。他のみんなは軽傷よ。それと爆弾が二つも残ってるの」

 

「なんだと!? 森谷教授が持っていた設計図が二枚あったのはそれが理由か! ちょっと待ってろ・・・・・くそっ、ドアがひずんでいてダメか! おっちゃんに連絡して助け呼ぶから待ってろ!」

 

「コナン君がどうしてここに・・・・」

 

「貴女を助けにきたんでしょうね。越水さん、白銀さんの容体はどうかしら?」

 

「脈は今のところ安定してるよ。止血のおかげで血も止まってきている。意識は全然もどらないけど・・・・・」

 

「そう。爆弾を袋から出して準備するわ。私達が解体することになるでしょうしね」

 

「処理班が来てからじゃダメなのかい?」

 

「ダメね。もし処理班が来るまでに何かの瓦礫が崩れてきて爆弾にぶつかったりした衝撃で爆発したらここに閉じ込められている人は助からないわ。

 爆弾の機能を無くす方がまだ生存率が高いわ。それは貴女だって分かってるのじゃないかしら?」

 

「そうだね・・・分かったよ。蘭ちゃんは偵光君の傍にいて手握っててもらえるかな? その方が偵光君も安心して、頑張ってくれるだろうから」

 

「・・・いえ、その役目は哀ちゃんにお願いできますか?」

 

「私・・・?」

 

「うん、お願い。私が七槻さんを手伝います」

 

「大丈夫なの、蘭ちゃん? それにそんなこと偵光君は許さないと思うよ」

 

「はい。それはもちろん分かってます。怖いけど、助けてくれたお兄ちゃんの為に頑張りたいんです」

 

「・・・そう。心配しなくても大丈夫だし、今度一緒に怒られよう、蘭ちゃん。私達を置いて死んじゃう人じゃないから絶対大丈夫だよ」

 

「・・・そうですね。二人で怒られましょう。それに、お兄ちゃんにどうしてこんな無茶したの!?って言わないと気がすみません」

 

「良いね。遠慮なく説教してあげようね、一緒に。ということで良いかな、哀ちゃん?」

 

「ええ、構わないわ」

 

 ホントに彼女は強いわね。二人とも辛いだろうに、白銀さんの為に動いている。怖くて逃げたいだろうに、逃げずに頑張ろうとしている。そういう所、お姉ちゃんによく似ているわね。

 私とは大違いね・・・・・ 

 

「蘭姉ちゃん! おい、灰原、聞こえるか!?」

 

「どうしたの?」

 

「救助が来るまではもう少し時間がかかるそうだ! それまで白銀さんは持ちそうか?」

 

「五分五分って所ね」

 

「そうか・・・爆弾の方は?」

 

「これから蘭さんと越水さんで解体していくつもりだから、指示をもらえるかしら? 設計図持ってるんでしょ? このフロアの状態から考えて処理班なんて待ってるほど余裕が無いわ」

 

「分かった。ただ二種類を見ながらってなると時間がかかりやがる。どうするか・・・ん、足音?」

 

「はあ、はあ、はあ。安室! こっちのドアからならフロアに入れるぞ!ってコナン!?」

 

「でかしたぞ、萩原! コナン君、どうしてここに?」

 

「萩原さんに安室さん!?」

 

「ようやく来たわね! 江戸川君から設計図をもらってこちらに指示をもらえるかしら? 蘭さんと越水さんの二人で処理していくから。

 ちなみにそこのドアは爆発の衝撃でひずんで開かないから何か機械が必要よ」

 

「何だって!? コナン! 設計図持ってるって本当か!?」

 

「う、うん」

 

「貸せ! このタイプは・・・・二種類とも構造は同じで振動検知は無いから動かしても大丈夫だぞ! 悪いが、4~5分もらえるか、灰原ちゃん? 

 図面把握したら指示をすぐに出す。解体に取り掛かれるよう、七槻ちゃん達にも準備するよう伝えてくれ」

 

「分かったわ。すぐに準備してちょうだい! 越水さんは蘭さんに教えてあげて。爆弾はそこの二つの紙袋の中に入ってるから」

 

「うん、分かったよ! 蘭ちゃん、手伝って」

 

「はい!」

 

「萩原、ここは任せれるか? 俺は救急隊員がここに来れるようにルートを確保するのと、ドアを壊せる物が無いか探してくる。良かったらコナン君も手伝ってもらえるかい?」

 

「でも・・・」

 

「蘭さんが心配なのは分かる。彼女は偵光のおかげで無事だが、まだ危険なことに変わりはない。中に居る人達を助ける為に他にできることがあるはずだ。

 ここは萩原に任せれば大丈夫だよ」

 

「うん、分かったよ。萩原さん、灰原、悪いが頼む。すぐに救急隊員が来れるようにするから」

 

「ああ、任せろ」

 

「私達の方こそ頼んだわよ、小さな探偵さん」

 

「灰原さん、偵光のこと頼む・・・。萩原も後は任せたぞ」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

「私は白銀さんの傍についてるわね」

 

「頼む。こっちも急ぐ」

 

「・・・お願いだから死なないで」

 

 そうして二人はドアの外から去っていった。私は白銀さんの近くに座り、不安な気持ちを押し殺し、彼が助かるように願い、両手で彼の手を握りながら萩原さんの指示を待つのだった。




 哀ちゃんの出番が予想以上に多くなってしまった(;・∀・)
 好きなキャラだから出番多くなっても仕方ないんです・・・
 あと1~2話で時計仕掛けの摩天楼編は終わる予定です。
 次回は明日更新予定です。

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