全力で死亡フラグを回避しようとしたら、事態は加速していく 作:クリス&シェリー全力投球
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70話
〈偵光side〉
蘭ちゃんが記憶を失った事件も無事に解決し、その時の怪我も完治し退院することができた。入院生活中には、ホント色々なことがありすぎて大変だったけど。蘭ちゃんで思い出したけど、見舞いに来てくれた時の帰りに頬にキスされたけど、あれは驚いたなー。まさか蘭ちゃんにあんなことされるとは思わなかったな。うーん、完全に蘭ちゃんまでもあれだよなぁ。新一君だとは思ってたんだが、どうしてこうなった? 俺の日頃の行いのせいだよな。蘭ちゃんもクリスや美和子達を見習ってガンガン攻めてくるタイプだし、事務所や会社の人達からはコイツまたかよ。って感じで見られるし、俺の肩身はどんどん狭くなってきてるよ? コナンの奴には、蘭ちゃんのこと頼むって言われたし、萩原さんには何故か千速さんのことも頼むって言われたし、なんなんだろうな。蘭ちゃんのことは分かったが、千速さんまで頼まれる理由がマジで分からん。ドタバタしてて、あの事件以来千速さんとは話せてないんだよな。まあ、そのうち話す機会はあるか。
それと、新しく入ったエレニカさんなんだけど完全に訳ありだよなぁ。一目見て何か抱え込んでるのがすぐに分かったし、違う目的の為にうちに入社したって感じだな。クリスと似たタイプだからすぐ見抜けたってのもあるが、聞いてみてもはぐらかされそうだし、どうするかな?
って、今はそれより月影島の依頼に集中しないと!
それにしても、月影島に着くまで結構かかるなぁ。船に乗ってからだいぶ経つけどまだ着かないなー。
「何か考え事でもしてるの、シロガネ?」
「いや、海を眺めてぼーっとしてただけだよ。エレニカさんも入社してそうそう連れ回してごめんね。あれ? キャメルさんと水無さんはどうしたの?」
「全然大丈夫よ。白銀探偵事務所に入ることは私の夢だったもの。日本語もその為に勉強したしね。それにこうして探偵の仕事で、すぐに現場に来れるなんて私からしたらありがたいしね。キャメルは船に酔ったみたいで休んでるわ。レナは彼の様子を心配して付き添ってるわ。それで私はシロガネがぼうっとしてたから様子を見に来たのよ」
「なるほどねー。エレニカさんがやり甲斐を感じてくれてるなら良かったよ。うちの事務所に入るのが夢って言ってもらえてこんなに嬉しいことはないよ。ねえ、エレニカさん。一つ聞いても良い?」
「ええ、良いわよ。急に真剣な顔になってどうしたの? シロガネが真剣な顔してるなんて珍しいわね」
「それって酷くない? もし違ってたら悪いんだけど、エレニカさんってどうしてそんなに生き急いでるの? ある目的があって、それが達成できたら死ぬつもりでしょ?」
俺の言葉にエレニカさんは一瞬動揺していたが、すぐに平静を装っていた。ちくしょう、やっぱり当たりかー。当たって欲しくなかったんだが、知ってしまった以上、放っておくことはできないな。教えてくれそうにはないが、集めれるだけ情報を集めますかね。
「っつ!? そんな訳ないでしょう。シロガネも面白いことを言うわね。どうしてそう思ったの?」
「エレニカさんみたいな目をした人を、身近で知ってるからね。それだからすぐに気づいたんだ。うちの事務所に入ったのも、その目的の為に情報を得やすかったからとかって思ってたんだけど、そっちの方は考えすぎだったみたいだよ。さてと、さっき言ったことは忘れてよ。俺の勘違いだったみたいだからね。キャメルさん達の様子も心配だし、行こう」
俺はそう言い歩き始めると、背後から服を摘まれた。エレニカさんが何か言い出すまで待っていると彼女はポツリと話はじめた。
「ねえ、シロガネ?私からも質問良いかしら? どうして得体の知れない私を雇ってくれたの? 顔に火傷もあって汚い顔だし、ロシア人である私が急に貴方の事務所に面接希望してきたってなると貴方ほどの人たら疑うわよね?って何笑ってるの?」
「その言い方はちょっと良くないかな。エレニカさんを雇った理由は、俺が雇いたいって思ったからだよ。それにエレニカさんみたいに事情を抱えながら入社するって人は珍しくないからだよ。うちに入社した人のほとんどが、それぞれの事情を抱えてるからね。でも、みんな良い人ばかりだから心配しなくても大丈夫。こう見えて、人を見る力だけはずば抜けてあるからね。その俺がエレニカさんは雇っても大丈夫だと思ったんだから、自信持って良いよ!
そ・れ・と! エレニカさんは凄く綺麗な顔してるんだから、自分を卑下するのは良くないよ! 火傷があるから、何なの? 俺なんか身体中傷だらけになることばかりだよ? 俺はそういう特徴的な外見とかは気にしないし、差別するのが大嫌いで、絶対に内面で人を判断するからね。それで、エレニカさんには生き急いでる気持ちと共に、優しさを感じることが出来たから、実際に会ってみて雇って良かったって思ったんだよ。
それが理由じゃダメかな? あ、キャメルさん達が手を振ってるよ!
ほら行くよ、エレニカさん!」
俺は驚いている彼女の手を引いて、キャメルさん達と合流するのだった。
〈偵光side out〉
〈エレニカside〉
私は、旦那と息子を殺したプラーニャという正体不明犯罪者に復讐をする為に、兄や私と同じ被害者達を集め『ナーダ・ウニチトージティ』という組織を立ち上げた。組織で情報を集めているうちに、プラーニャが日本に出入りしてると言うことを聞き、日本でプラーニャの情報を得る為には、爆弾に詳しい人物がいるのと、情報が集めやすい場所に潜入する必要があり、白銀探偵事務所がベストであると判断し、何とか潜り込むことができた。しかし、まさかシロガネがそんな私の目的を見抜いた上で、雇ってくれるとは思わなかったわ。それに旦那と同じ笑顔で、あんなことを言われるとは不意打ちを食らったわね......
私の気持ちを知らずにぐいぐい引っ張っていく所なんか、旦那や息子あにソックリじゃない。って、私にはそんなこと考える資格は無いわね。プラーニャに復讐する為に、今はシロガネ達に怪しまれないように馴染まないと。今は仕事を真っ当にしましょう。島に着いて船から降り、役場に行き麻生圭二という人物について尋ねたら、既に亡くなっていると聞き、村を周った後、公民館のアソウが亡くなる時まで弾いていたピアノがある現場に来て、これからどうするのかを私は白銀達に尋ねてみた。
「ねぇ、シロガネ?これからどうするの? アソウはもう死んでいたんでしょう?」
「そうだなぁ。流石に依頼人が12年も前に亡くなってたのは予想外だったな。何者かが、麻生圭二のフリをして俺達をこの月影島に呼んだってのと、文脈から間違いなく殺人事件が起こるだろうな」
「殺人事件って、そんな呑気にしていて大丈夫なんですか、所長!?」
「落ち着きなさい、キャメルさん。白銀君が慌ててないってことは、ある程度対策を考えて、手を打とうとしているんでしょ? それとももう打ってるのかしら? さっき誰かに電話してたみたいだし」
「殺人事件については、メッセージにも書いてあった満月が出る今夜にならないと動きようが無いかな。誰がどこで狙われるかも分かんないしね。電話は透に、麻生圭二と浅井成実について調べてもらうよう頼んだんだよ。夜にはだいたいのデータが揃うって言ってたから、ホントありがたいよ」
「ちょっと待って。麻生圭二について調べるのは分かるんだけど、どうして、さっき会ったばかりの成実先生まで調べる必要があるの?」
「彼女が美人なのもありそうね。無自覚に美人と関わることが白銀君の得意技ね」
「あー、所長のいつものですか」
「浅井成実については、ちょっと気になったからかな。水無さんにキャメルさんの言い方に棘を感じるんですが!? ってかあの人、女性のフリをしてる男性だよ? 動き方で、すぐ見抜けたよ?」
「ちょっと待って、あの人男性なの?」
「そうなんですか!?」
「相変わらず、凄いわね。私も全然気づかなかったわ。気になる点ってのは、何なの?」
「麻生圭二って人の写真をさっき役場で見せてもらったでしょ? あの人の面影があるなって思ったんだよ。親戚かどうかの裏が取れたら、色々と調べやすくなるからね」
「なるほどね。麻生圭二については、知り合いの記者に聞いてみるわ。確か彼について記事を書いていたはずだから。ちょっと連絡してくるわ。3人は引き続き調べておいて」
「ホント? 助かるよ!」
レナはそう言い、外に出ていった。白銀はお礼を言った後、ピアノをじっくりと調べた後、音を鳴らした。
「所長、そのピアノがそんなに気になるんですか?」
「そうだね。ずっと使われてなかったにしては、綺麗すぎるんだよね。音も綺麗になるし、誰かが調律してるのかな?」
「言われてみればそうね。ピアノの脚も全然綺麗だし。床に白い粉みたいなのが落ちてるわね。ホコリかしら?」
「エレニカさん、ちょっと待って! この白い粉は・・・!? やっぱりか。キャメルさん、この粉見てみて!」
「この匂いは・・・麻薬ですね! どうしてピアノの脚元にこんなのがあるんでしょう?」
「貴方達って凄いのね。匂い嗅いだだけで、麻薬って分かるなんて。その粉が麻薬だとして、どうしてこんな所にあるのかしら?」
「事件にまき込まれすぎて、色んな知識がついたからね。いよいよきな臭くなってきたな。麻薬がある理由までは分かんないけど、このピアノが関わってるのは間違いないかな。このピアノは麻生圭二の物だって言ってたから、彼も関わってそうだね。あとは、2年前に亡くなった前村長の亀山さん、現村長の黒岩さんも関係ありそうな気がするな。この2人については、クリスに後で頼んでみるか。ここに麻薬が落ちてるってことは・・・ビンゴ♪」
「ピアノの裏板が外れたわね。この場所に隠して取引が行われてたってことかしら?」
「間違いなくそうでしょうね。麻生圭二は、コンサート時にこのピアノを使ってたそうですから、麻薬をピアノに入れて色々な場所に持って行き取引していたということでしょう、白銀さん?」
「そうだね。俺もキャメルさんと同じ考えだね。さてと、ここでいつまでも調べてると、黒岩村長とかこの件に関わってる人達が来そうだから、そろそろ退散しようか。水無さんと合流して、旅館に荷物置きにいこう」
「それは賛成ね。それにしても、シロガネは凄い大荷物ね? 私より多いじゃない。いったい何が入ってるの?」
「事件対策で爆弾解体セットとか発明品とかの便利な道具を色々とね。俺が外に出ると絶対何かしら事件が起こるからね。ちくしょう、なんか泣けてきた」
「所長、強く生きてください。早いこと旅館に向かいましょう。エレニカさん、行きますよ」
「ふふふ、そうね」
肩を落とし、キャメルに慰められている白銀を見ながら、私達はレナと合流し旅館へと向かうのだった。