どうぞ!
転校してから最初の5日間が過ぎた。樹は、島津寮のメンバーは勿論、2-Fのクラスメイトとも打ち解け始めていた。金曜日の夕方、樹は帰る準備を進めていると、翔一から、
「今日、金曜集会やるんだ。樹も来るだろ?」
と言われた樹は、
「了解。でも、俺場所知らないぞ。」
と返答すると大和から
「島津寮に戻って着替えたら案内するから安心してくれ」
と、案内してくれることになった。
島津寮に戻ってから各自着替えて、風間ファミリー男子メンバーは合流して、集会の場所に向かい始めた。樹は、大和や翔一にどう言う場所か聞くが着いてからのお楽しみとしか言われなかった。そして、しばらく歩くととある廃ビルが目の前に立っていた。
樹は、廃ビルを見て、
「すげー!真剣で秘密基地みたいじゃん!」
と、テンションが上がってしまった。翔一も
「そうだろ!男のロマンだよな!」
と同調しながら廃ビルの中に入っていった。
廃ビルの中のある一室の前に着き、扉を開けるとその中は、廃ビルの中の部屋とは思えないすごい空間になっていた。家具は、しっかりとした物を使用されており、クッキーが掃除をしてくれている。
樹は、誰も居ないように見える部屋の中に5人の気を感じた。
「本棚の影に隠れているのがモモ先輩、窓際の影がまゆっち、中央のソファの後ろにクリス、その隣のソファの後ろにワン子、そして、後ろの出入り口の影が京だね」
というと、女子5人は、驚いた顔をしながら出て来た。特に百代は、
「私は、本気で気配を消して隠れていたのに…」
というので樹は、
「気配だけではダメだよ。」
と言いながら、笑顔で百代の方に顔をむけた。
そして、クッキーが
「みんな、飲み物いる?」
と、声をかけてきたので、各自飲み物をもらい、全員の手に飲み物が届いた時に、キャップが、
「では、改めて樹との再会を祝してカンパーイ!」
と高らかに宣言すると他のメンバーも合わせて乾杯をする。
乾杯を終え、ひと段落ついた時に百代が樹に、
「それじゃあ、樹の修行の旅に出ていた3年間について話してもらおうか。」
と切り出してきたので、樹は旅先でのエピソードを話をしてもいいだろうと思えた物だけ、言葉を選びながら話をした。その時、アジアのある国に寄った時にドイツ軍の赤髪の女軍人に勝負を挑まれた話をすると、樹以外のメンバーはクリスを見た。クリスも樹に、
「多分、それはマルさんだ!2ーSにいるぞ!強かっただろう!」
と聞いてきたので、
「ツヨカッタゾー」
と棒読みで返答するのだった。そして、百代に、
「修行の旅に出て楽しかったで終わったことはないんだろ?クリスとの決闘の時、最後何をしたんだ?」
と、聞かれた為樹は説明を始めた。
「俺は、3つの覇気を使えるようになった。一つ目は、見聞色の覇気。相手の次の攻撃とかを感じ取れて、かわしたりすることができる。二つ目は、武装色の覇気。武装色硬化。」
と言いながら、右腕を黒くして見せ、説明を続けた。
「これは、体を固くすることで攻撃力、防御力を上げることができる。三つ目は、覇王色の覇気。これは才能が無いとできない技なんだけど、相手を威圧することで気絶させることができる。クリスとの時は、これを使ったんだよ。他にも、変身を3つできるようになったけど、ここでやったらビル壊れるから、またの機会に」
と、軽く説明すると聞いていたメンバーは、驚くしかなかった。しかし、百代は、驚いた顔をした後、悩んだ顔をし始めたのだった。
少し長くなったのでここできります。
では、次回のお話で!