レミリア・スカーレットの挑戦   作:Amur

32 / 39
第16回東方Project人気投票が終了しましたね!
初の世界1位おめでとう! 魂魄妖夢!!!



第三十二話 『天界一武道会(エピローグ)』

 天界一武道会・宴会場――

 

「納得いかないぜ」

 

「ん? どうしたの魔理沙?」

 

 見るからに不機嫌ですよといった魔理沙にレミリアがコテンと首をかしげる。

 

「天界一武道会の結果だよ! 私が初戦負けっておかしいだろ!」

 

「そこはトーナメントだからそういうこともあるでしょ。霊夢だって初戦負けだし」

 

「霊夢はお前と激戦を繰り広げたじゃないか。私なんて戦闘シーンカットだぞ!」

 

 混乱した魔理沙は訳の分からないことを口走った。

 

「今日が結果発表の第16回人気投票でも、この魔理沙様が4位だと!? 私は常に3位以内にいないとダメだ! でなければ宇宙の法則が乱れる!」

 

 大宇宙の意思により魔理沙は訳の分からないことを口走った。

 

「まあ、魔理沙の相手は準優勝の幽香だったしねー。他に相手が悪かったといえば妖夢か」

 

 妹紅に敗れた妖夢も初戦負けだが、チラリと彼女を見ると特に騒がずに静かに酒を飲んでいた。

 その姿からは余裕を――圧倒的勝者(人気投票1位)の気配を感じさせる。

 

「人気なんてどーでもいいわよ。その分、お賽銭でも入れてくれれば感謝するけど」

 

 霊夢は今日も平常運転である。このクールさも長年にわたり支持を集める要因なのだろう。

 そのあたり、熱い魔理沙とよい感じで対比となっている。

 

「魔理沙はまだ参加できただけマシさ。私なんてちょっと地底に行ってる間にこんな面白そうな祭りへの参加を逃したんだよ!」

 

 伊吹萃香はやけ酒を飲んでいた。

 

「どうどう、落ち着きなさいよ萃香」

 

 レミリアが目が据わっている鬼を落ち着かせようとするが、かなり酔っぱらっていて話が通じそうにない。

 

「あんたが戻る前に参加枠が埋まっちゃったから仕方ないでしょ」

 

「参加枠が8人って少なすぎるよ~」

 

 うわあああと酔っ払いが絡みついてくるが、可哀想に思っていたこともあり、邪険にも出来ず、抱きとめるレミリア。

 鬼と吸血鬼がわちゃわちゃやっていると、紫とパチュリーが二人のもとにやって来た。

 

「相変わらず仲がよいですね、あなたたち」

 

「まあ、心の友だし?」

 

「ねえ実際のところさ、その心の友の存在を忘れてなかった? ねえ?」

 

萃香が絡みついたまま聞いてくるが、無言でそっと視線を外すレミリア。

そしてさり気なく話題を変える。

 

「……しかし、解説にゆかりんを呼んでてよかったわ。決勝戦は場合によっては観客に被害が出てたかもしれないしね」

 

「本当ですよ。感謝してください」

 

 もう“ゆかりん”呼びにツッコミをいれなくなった紫。

 

「まさかあの結界が壊れるとは……。相当、強力なやつだったんだけど」

 

 観客席を守る結界にはそれなりに自信のあったパチュリーがやや落ち込み気味だ。

 

「決勝戦までは攻撃の余波を完全に抑え込んでたし、十分な強度はあったわよ。ただ、このレミリアは日々、進歩しているというだけね」

 

 胸を張って自信満々に答える吸血幼女。

 

「それも計算に入れて余裕を持った設計だったんだけどね。ま、私もまだまだってことか」

 

 魔法研究者として更なる精進を決意する紫の魔女。

 第二回大会が開催されれば、改良型の結界を披露することだろう。

 

 

「覚えてなさい! 今回は特別に花を持たせてあげたけど、次はこうはいかないわ!」

 

「あらあら。私に花を持たせるって、上手いこと言うのね」

 

「くうう、いつかその余裕な顔を歪ませてやるわ!」

 

 天子が幽香に突っかかっているが、優雅に躱されて歯噛みしている。

 

「飲んでいるかしら?」

 

 酔っぱらった小鬼に絡みつかれたままのレミリアが花の妖怪と天人のところに近づく。

 

「ええ。おかげさまで楽しく飲ませてもらっているわ。あれだけ暴れることが出来たのは久しぶりよ」

 

「ふん……(優勝おめでと)」

 

 何だかんだで楽しんでいるが、素直じゃない天人。

 天子の仇をレミリアが取った形でもあるので、そのことを喜んでいるのだが、お祝いの言葉は絶妙な小ささで呟かれていた。

 幽香にはそれが聞こえているが、空気を呼んで指摘しない。その代わりにレミリアに質問を投げる。

 

「ねえ、レミリア。第一回ということは今後も武道会は開催されるのよね?」

 

「そうね。紫とも話したんだけど、通常の弾幕ごっこよりもこの武道会みたいな闘いを好む妖怪も多いわ」

 

「あなたにくっついてる小鬼みたいにね」

 

「そうね」

 

「それがわかってて~」

 

「はいはい。悪かったわよ。次は優先的に参加枠を取っとくわ」

 

「約束だよ~」

 

「……(幼女をあやす幼女)」

 

「――それで、そういう武闘派連中のガス抜きも兼ねて武道会の開催は継続することになったわけよ」

 

「そう。それは楽しみが増えるわね」

 

 レミリアと天子の思いつきで始めた武道会だが、幻想郷的にも良い効果が見込めるとして、今後も妖怪の賢者たちが協力してくれることとなっていた。

 

「次こそ、この比那名居天子が優勝してみせるわ!」

 

「いやいや、次はこの伊吹萃香が出るからね。優勝はいただきさ」

 

「う!? ……こ、小鬼め。また私の前に立ち塞がるというの」

 

 早くも次の武道会の話題で盛り上がる参加者たちを見ながら、レミリアは次に起こる異変について考えていた。

 

 ――時系列でいえば次は星蓮船かー。思えば多くの人妖たちと出会ってきたものねえ。命蓮寺一行に会うのが楽しみだわ。

 




今年の東方の人気投票も楽しませてもらいました。
今回のように予想外の結果も、例年通りの安定した結果もどちらも面白いですね。
我らが紅魔館勢はいつも通りの安定した順位でした。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。