このすば+α 作:Argo
あの日から6年経った。私は現在15歳。高校1年生だ。そして、その間に分かったことだが私はどうやら転生したらしい。
そして、【蒼葉彩香】に憑依したのではなく青葉彩香の記憶を思い出しただけだということも。ま、ここら辺は置いとくとしよう。
歴史や社会の動きに1つもズレは無く。死ぬ前と全く同じな世界。ただ、近年自然災害で大規模な地震は一切起こっていない。それと、前世で有名だったラノベやアニメ、マンガが無かった。軽く絶望したよ☆
だが、その程度だ。違う世界ではあるが意識しなければその差異には気付かないだろう。
さて、私の話をしよう。私の2度目の人生に特筆すべきことはない。強いて言えば前世の知識と今世持ち前の頭の良さ故にテストで満点を取り続けるだとか、前世に比べ身体能力が急上昇して、スポーツ全般ができる程度だ。自慢できる事と言えば剣道等の武道において優秀な成績を修めていることくらいだろう。奏とは、幼馴染で親友のまま。奏も奏で学力が高く、武道においてもいい勝負をしている。流石私の幼馴染。
しかし!今私は辺り一面真っ白な空間にいる。あるのは小さな机と椅子。目の前には銀色の長い髪を持つ見たことのある女の子。どうしてこうなったのか。思い出すとしよう。
【にゅうぺーじ】
それは1度目の人生と同じく突然の事だった。デパートに葵の誕生日プレゼントを買うために買い物に行ったとき、パン!と銃声が鳴り響き、防火シャッターが一斉にガシャン!と降りた。
プレゼントを買い終えた私はゲーム機器を新調する為に電化製品売り場にいたのだがそれが運の尽き。テロを起こした犯人達により、手を拘束されたのです☆
どこかで見た光景だなぁ、と他人事のように思っていると左側から喋り声がするではありませんか。ふむふむ、ほうほう。
「お兄さんや、きっかけあればいけるんだね?」
「あ、ああ。確実にな」
「分かったよ、私が囮になるからその間に済ませてね~!」
「へ~、君に何ができるの?」
「さぁ、どうだろう?でも、私武道の心得あるんだ。時間稼ぎくらいにはなると思うよ?あ、自己紹介が遅れました蒼葉彩香です!」
「え、あの有名な・・・?あ、僕はカノだよ」
「私は普通だよ。すごいのは奏でしょ?」
「奏って葉沢奏のことか。俺は「如月伸太郎でしょ?知ってるよ」なん「何故かというと同じ学校に通ってるから。」そ、そうか」
「テレビをあまり見ない人でも知ってる有名人は普通ではないよ?」
カノはそんな事を言う。はて、お兄さん・・・如月伸太郎君の方が凄いと思うんだけど?
「お前があの──」
「おい!さっきからごちゃごちゃうるせぇんだよ!クソガキども!殺されてぇのか!」
あっちゃ~、バレちゃった。ま、遅かれ早かれどうせ目を付けられていただろうから問題ない。
というか、どう考えてもそっちの方が声が大きいと思うんだけどな~・・・。よし、拘束解けた!
「んー、君にそれができるならね。それじゃあ行くよ!」
まずは近くの敵を排除しにかかる。銃を撃とうとしたので手首に蹴りを入れて銃を奪う。慌てる隙に後ろに回り首に手刀をいれる。まずは1人。
「はい、一丁上がり!おーい!シンタローさん、早く早く!」
「お、おう!」
シンタローさんは後ろの方へ走って行く。彼が原作通りエネを送り出すまで耐えればこっちのものだ。
「な、なめんじゃねぇ!」パァン!
「っ!」
「彩香ちゃん!」
考え事をしながら敵をいなしていたら、親玉に銃でお腹を撃たれてしまった。んー、やっぱ当たり前だけど素手と拳銃じゃ相性悪いね。
「カノ、私のことは良いから。シンタローさんまだ!?」
「オッケーだ!エネ頼んだぞ!」
「了解です!ご主人!彩香さんもお疲れ様です!」
周囲のテレビの液晶の中を青いジャージに青い髪のツインテールの少女が駆けていく。
「さて、君らには少し眠ってもらおうかな」
お腹から血が流れていく感覚を無視しながら残りの数人へと駆け出す。
「は、はやっ!ぐはっ!」「がぁっ!」「ぐっ!」「がはっ!」
「く、くそぉっ!」
「さて、君で最後だ。さよならおじさん!」
「ぐふぉっ!」
テロリスト全員の意識を狩り終えたその瞬間、防火シャッターが一斉にガシャガシャと音を立てて上がる。あ、流石にもうヤバイかも。
「っ!」ドサッ!
「彩香(蒼葉)ちゃん(さん)!」
「救急車は要り、ません、じきに私は死にます。そこで、みなさん・・・。頼まれちゃ、くれま・・・せんか?」
「なんだ・・・・?」
「私が・・・すわっていた、場所に紙袋が、あるはず、です・・・・。妹に・・・・届けて、欲しいんです。そ、れと・・・・っ!」
ああ、もうダメだ。ムリしたおかげで喋る気力もないや・・・・。2度目の人生も10代で終了かぁ。ま、人を助けて死ねたしいいかな?
まぁ、私がいなくてもメカクシ団が上手くやってくれたんだろうけど・・・・。
じっとしてるなんてガラじゃないし。
さよなら・・・・、2度目の世界・・・・。
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うん、やっぱり私死んでる。しっかり死んでる。これで死んでなかったらなんなのってレベルで死んでるよ。というか、エネ!エネに会えたよ!キャー!
「あ、あの。蒼葉さん。」
「はいぃっ!?」
「言いにくい事ですが、貴女は先程亡くなりました。テロリストから皆を守って・・・・。
とても立派な事です。あの場に貴女がいなければ少年が動いたことでテロリストが増援をよび、多数の人が殺されていた事でしょう。貴女に協力した少年も。」
「え、でも。その前にシンタローさんが・・・。」
「???まぁ、それは置いとくとします。
貴女は亡くなりましたが、3つ程選択肢があるのです」
あ、この流れ・・・・。思い出した。このすばの冒頭だ・・・・!さては、アクア、エリス様に仕事押しつけたな?とりあえず、知らないフリをしないと・・・・。
「み、3つってなんですか?」
「はい、1つは天界でゆったりとした生活をすることです。ですが、天界には何もありません、暇過ぎて死ぬかと思います。死んでるので死ねませんが。」
「なんというブラックジョーク!?」
「ツッコミありがとうございます。
2つ目は、もう1度人間に生まれ変わるんです。生まれ変わるので今の記憶は失われます。
3つ目なんですが、こことは全く別の世界で、第2の人生を過ごす事ですね。その世界は私が担当しているのですが、近年魔王軍の動きが活発化していて、だいぶ危険な状況なんです。しかも、その世界で亡くなった方々は魔物に殺された人がほとんどでその世界での生まれ変わりを望まないので、人口も減っているのです」
悲痛そうな面持ちで、エリス様は語る。というか、説明丁寧。流石、エリス様!
「なるほど、そこで別の世界から人生に未練のある若者を送り、魔王軍討伐を目指している。そういう事でいいんですかね?」
「はい。転移の際には最低限のお金と、所謂チートと呼ばれる武器や能力のうちどれか1つに加え、その世界の基本的な知識及び文字の読み書きが出来るように天界側でサポートします。」
「それなら転生します!」
「ほ、本当!?いや、本当ですか?助かります。では、こちらがカタログです。
もし、これに載っていないモノを望む時は私に聞いてください。
持っていけるモノには制限があるんです。」
「分かりました!」
パラパラとカタログを捲っていく。んー、あんまりピンと来ないなぁ~。ん?これは?
「あの、これって?」
「あぁ、その刀は持ち主を選ぶんですよ。女子が良いとかそういう選び方じゃなくて、自分を最も上手く使える人にしか反応しません。どこかの鎧と違って。それが《蒼紺刀》です。ステータスや選ばれた人が最も扱い易い重さに合わせて自動調節するとっても良い子です。どこかの鎧と違って」
「は、はぁ・・・・。そうなんでってうわっ!?なんか光り始めたんですけど!?」
「・・・・・・・!!蒼葉さん、貴女は選ばれたみたいです。どうしますか?」
「持たせてもらうことは出来ますか?」
「ええ、もちろんです!両手を前に出してください。」
そう言うとエリス様は指を鳴らした。するとパッ!とどこからとなく刀が現れた。
「お、おもっ!くない?」
一瞬重かったがすぐに持ちやすい重量へと変わった。柄を掴んで軽く刀身を露にする。長年使った竹刀のようにスッと手に馴染んだ。
「・・・・・!エリス様、この子にします!」
「そうですか。では、早速ですが今から転移を開始しますのでその場で動かないでください。」
とたんに金色の円陣が足下に広がる。
「幸運の女神エリスが微力ながらに祈らせていただきます。貴女の冒険がより良き物になりますように・・・・。」
「ありがとうございました!エリス様!」
目の前が暗くなる寸前、エリス様はニコリと微笑んだ。
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「げに面白き人の子よ。そうは思わぬか?エリスよ」
「そうですね、まさか転生を1度経験していたなんて・・・・。」
「私の『目』も持っていった。厄介で強力で捉えようには呪いとなるあの『目』を。
『目』は元は私が強く望んだものがカタチとなったモノだった。あやつと出会い、娘を育て、孫までできた。今でこそ、孫達は・・・マリー達はアレに囚われたままだが、すぐに脱け出すだろう。」
「ええ。私は彩香さんのフォローをしましょう。貴女の・・・いえ、今は彩香さんのでしたね。彼女の目はあまりに強い。」
「だが、あの蛇は彩香を気に入るだろうな。ほぼお主にすることなど無いと思うのだが?」
「ですね、でも、彼女を手伝い友になりたいと思うのです。」
「そうか。あの者が魔王を倒した暁には私からも謝罪と礼を言わねばな。」
「状況が状況とは言え貴女から人の子の前に出るとは珍しい。楽しみです」
「では、私は戻ろう。あの宴会神には絡まれとう無い」
「ははは・・・・・・」
先程まで、彩香がいた空間には女神エリスと別の者がいたが、それも束の間。話終えれば空間に融けるように消え、そこに残ったのは女神エリスの苦笑いのみであった。
|д゚)ジー( ゜_ ゜)ススッ ジー(・д|