「鬼滅の刃」世界のあの世が「鬼灯の冷徹」世界だったら   作:淵深 真夜

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ようやく多少は時間が取れるようになったので、まずはコツコツ書き溜めていた鬼灯原作で、短編にもならない小ネタ会話劇集を投下。
一部、鬼灯の冷徹スピンオフの「シロの足跡」ネタもあるけど、一応わからなくても楽しめるようにしているつもり。



原作小ネタ会話劇15連

1:5巻34話「シロの一日」

 

シロ

「さすがに補佐官ともなると、休日返上もざらみたいだね。

 一回、鬼灯様が……『閻魔(ジジイ)を椅子に打ち付けて仕事させたら、休めるだろうか……』って、クマ出来た目でのたまったことがあるけどね。

 

 そのあと鬼灯様は狛治さんに『寝てください。休んでください。頼みますから。大王なら俺が打ち付けておきますから』って説得されて寝たよ!

 大王は……顔真っ青にして仕事してたから、椅子に打ち付けられずに済んだかな?」

 

 * * *

 

2:7巻56話「雪鬼」、8巻57話「八寒地獄」

後日、不死川にその時の話をシロたちがしたら

 

シロ

「それでね、春一さんっていう雪鬼に会って……」

 

実弥

「春一? ……あぁ、あいつか。自由人だったろ?」

 

ルリオ

「え? 不死川さん、あの雪鬼のこと知ってるんですか?」

 

実弥

「……70年くらい前に異常気象で、ただでさえ暑い地獄が更に暑くなった所為か頭茹った煉獄が、『今ならいける気がする!!』とか叫んで半裸で八寒地獄に突入した時、保護してくれた奴だ」

 

桃太郎ブラザーズ

『何してんの煉獄さん!?』

 

実弥

「鬼灯はもちろん、俺や狛治、宇髄に伊黒に悲鳴嶼さんも捜索に参加したんだけどなぁ……、あいつ、保護されてかまくらで石狩鍋食ってやがった。

 吹雪の中で悲鳴嶼さんがあいつの『うまい! うまい!』が聞こえたとか言った瞬間、俺達の目的が救助から襲撃に変わった」

 

 * * *

 

3:28巻238話「シロが賢い」

 

狛治

「ん? シロ、どうしたんだ? 書類を出しに来たのか?」

 

シロ

「こんにちは、狛治さん。すみません、書類の提出はまだ少々時間がかかります」

 

狛治

「……………………!?

 ど、どうしたんだ、シロ!? 何があった!? 無惨様でも食べちゃったのか!?」

 

柿助

「そう来たか」

 

鬼灯

「ちょっと面白いので、鬼殺隊の方にも一度見せてみましょう」

 

 

 結果、ほぼ全員が狛治と同じ発想。

 珠世さんだけ、ちょっと違ってた。

 

珠世

「!? どうしたの、シロさん!? 無惨を食べてマイナスの掛け算で賢くなったの!? それでもその程度にしか賢くなれない程、あいつ馬鹿なの!?」

 

鬼灯

「珠世さん、無惨を罵りたいだけですよね?」

 

 * * *

 

4:31巻263話「猫の紳士は悪気がない」

 

ルリオ

「イヤ、ま~だいぶ脱線してきているが真面目な話、本当に十王補佐官が挙式しようってなったらどーすんですか?

 流石に全員、来賓になりますよね? 裁判は一日なしですか?」

 

鬼灯

「実は前例がないんですが、そうなるでしょうね。

 それか、朝~昼で式に参加して、昼~夜で全員礼服のまま仕事に戻るかです」

 

ルリオ

「亡者、意味不明だろうな」

 

狛治

「間違いなく裁判内容が頭に入らなくなるので、せめて着替えましょうよ」

 

ルリオ

「てことは、アレか。チュンさんが嫁になる暁にゃ、白無垢角隠しで亡者にドロップキックしてる様子が見られる日が……」

 

シロ

「暴力花嫁!!」

 

狛治

「いや、来賓はともかく新郎新婦は一日休め。そしてやっぱりせめて着替えろ」

 

 * * *

 

5::シロの足跡5巻53話「追尾」

烏頭が精度の甘い追尾ミサイルを発明して使ってみたら……

 

狛治

「烏頭さん! あのミサイル、ちゃんと精度の実験をしてください!

 法廷を見学中だった縁壱さんご家族に向かって行ったんですよ!」

 

烏頭

「なら平気だな」

 

狛治

「そうですけど! そうでしたけど!! 反省しろ! 謝れ!

 確かにうたさんはミサイルが飛んできたことにも気づかなかったし、縁壱さんも自分が切ったものを危険物だったと認識してなかったけど、一応は謝ってください!!」

 

烏頭

「むしろ縁壱がミサイルに謝れ」

 

 * * *

 

6:22巻183話「逝き先は地獄の方で宜しかったでしょうか」

葉鶏頭さんVS烏頭さんの「言葉はキッチリ派かわかればいい派か」の多数決にて

 

伊黒

「キッチリに決まってるだろ。ただでさえ言葉は誤解を招きやすいのに、適当に使うなんて信じられんな」

 

蜜璃

「私は……ちゃんと正しい日本語を使えている自信がないから、烏頭さん派かな?」

 

鏑丸

「わかればいいと思うよー。あんまり考えすぎると疲れちゃうもん」

 

伊黒

「俺もそう思う。言葉なんて移ろうものなんだから、互いに通じ合えばそれでいい」

 

鬼灯

「あなたは言葉がどうこうよりも、自分の主張をちゃんと持て」

 

 * * *

 

7:17巻138話「色・色々」

「女性の下着の色や柄、デザイン、上下揃ってる派か揃ってない派か」などで法廷の話題が染まっていた時

 

ゲスメガネ

「いや、人によって似合う色や柄、デザインが千差万別なのは下着によらず当たり前なのだから、そこを言い争うのはナンセンスですよ。重要なのは、それが拝めた時の反応です。あ、閨で拝めるリア充の話はしてないんで帰れ。何なら土に還ってどうぞ。で、話は戻りますけどやっぱり油断してた時、無防備な瞬間にちらっと見えるのがいいんです。いや、無知ゆえに恥ずかしがりながらも大胆に肌を露わにしてるのも最高、ご馳走様です本当にありがとうございましたですけど、ちらっと見えてるのに気づいていない、周りがなんか拝んでてもきょとんとしてるのだって最高です。そして気付いて赤面する様は、もうそれだけをおかずに3杯は白米いけますね、茶碗でじゃなくて釜で。あれを見れた時は、栗花落隊士のキュロット丈を胡蝶様に気付かれないようこっそり上げ続けた甲斐があったというものです」

 

鬼灯

「実弥さん、こいつです」

 

実弥

「よし来た任せろ! 伊黒と胡蝶にも連絡しとけ!!」

 

鬼灯

「衆合地獄の刑場を開けておきますね」

 

 * * *

 

8:31巻264話「名前は言霊」

 

鬼灯

「最近は亡者の名前もなかなかハードです。

 先日も、『白鳥……愛和(あいわ)……? 愛和(あいかず)か?』と思って確認したところ、愛和(ラブアンドピース)という名前の方でして、私の心が今ラブ&ピースじゃねぇわ、どうにかしろと一瞬思いました」

 

狛治

「俺はそのパターンを疑い過ぎて、海幸(みゆき)さんを『海幸(シーフード)か!?』と思ってしまったことがあります」

 

 * * *

 

9:12巻98話「三途の川」

三途の川の説明後

 

鬼灯

「ちなみに、三途の川は善人なら『有橋渡』という橋を渡らせて、罪が軽い人は浅瀬で水の化け物も少ない『山水瀬』、罪が重い人なら水深が深くて化け物もウジャウジャいる『江深淵』を渡るのですが……、問題です。狛治さんはどこをどのように渡ったでしょう?」

 

ルリオ

「え? 狛治さんって……事情はともかく罪だけなら江深淵でしょう?」

 

柿助

「いや、あのばあさんのことだからイケメンって理由で有橋渡って出たのか……」

 

ルリオ

「それならそれで、本人勝手に江深淵泳ぐだろうよ」

 

シロ

「わかった! 江深淵だったけど、化け物が襲う前に泳いで渡り切っちゃった!」

 

鬼灯

「シロさん、惜しい。

 正解は、『江深淵を1分足らずで渡ってしまった為、本人が間違えて山水瀬を渡ってしまったと勘違いして戻ってきてしまった』です」

 

 * * *

 

10:26巻222話「むじな」

 

実弥

「おう、鬼灯。どうした、その妖怪は。新顔か?」

 

鬼灯

「獄卒志願で、ただいまどこの部署が向いているかを見ながらの面接です」

 

実弥

「動物の妖怪なら、不喜処(おれんとこ)一択だろ」

 

鬼灯

「いえ、彼らは見ての通り愛嬌がありすぎて向いてません。シロさんのように豹変できるタイプでもありませんし」

 

実弥

「別に豹変なんかしなくていいだろ。つーか正直、俺が襲われる側なら夜叉一みたいなのに襲われるより、こいつらや普段のシロに食われる方がよっぽど怖いわ」

 

鬼灯

「なるほど。一理ありますね」

 

実弥

「こういう見た目の方が亡者も油断するだろうし、妖怪なら前足が器用だから猿みたいに出来る呵責の幅も広がるし、カワウソなんて泳ぐのが得意だから水辺の拷問もできるな。それと猫又は……えーと、ほら、小汚い見た目のわりに結構毛が柔らかくて撫で心地が良い」

 

鬼灯

「さては実弥さん。ただ単に可愛い動物獄卒増やして癒されたいだけだな」

 

 * * *

 

11:30巻260話「大役だろうが何だろうが」

 

シロ

「ちなみに犬と猿と雉をやる子は、俺達に質問とかはないかな!?」

 

「えーとね……めめちゃんが犬役だよ!!」

 

シロ

「めめちゃんって……」

 

ルリオ

「焙烙斎の孫娘だな。苺々子。よく座敷童とも遊んでる」

 

「それでねー、凄いんだけど……めめちゃん猿と雉のラジコン作って、一人三役するんだよ!!

 義勇先生と鱗滝園長先生がそのラジコンに被せる猿と雉の着ぐるみ作って、また錆兎先生と真菰先生に『やりすぎ。本物の毛皮か剥製かと思ってビビった』って怒られてた!」

 

ルリオ

「着ぐるみまで作ってんのに、子供がやるんですらねーのか……俺らの役……。

 何で猿と雉は無機物がやるのに、木の役はあるんだ……」

 

「ちなみに桃役もあるよ」

 

ルリオ

「何でだよ!?」

 

「義勇先生が作った桃が大きすぎたから、『もういっそ園児に着てもらおう』って錆兎先生が言ったから」

 

 * * *

 

12:5巻33話「地獄定例会議」

 

モブ獄卒

「私は受鋒苦処(じゅほうくしょ)(お布施の内容にケチつけた罪)について、一つ提案します。

 ここの定義はお布施に限らず、もっと広くていいと思います。例えば……」

 

女A

『マジ、イラネ~~』

 

女B

『彼氏、センス最悪だね』

 

女C

『売っちゃえば?』

 

モブ獄卒

「こういう女も堕ちていいだろ!

 まぁ、確かに『男の独断プレゼント』は惨事なこともあるけれども!!」

 

狛治

「? 独断にしなければ良いだけじゃないか?

 何で普通に何が欲しいのかを訊かなかったんだ?」

 

モブ獄卒

「え!? えっと、そりゃサプライズで驚かせたかったから……」

 

狛治

「何で喜ばせることより、驚かせる方をメインの目的にしてるんだ?

 喜んでもらえなかったのが悔しい、残念なのはわかるが、そもそも『相手が喜ぶもの』を考えて贈ったか? 『自分が贈りたいもの』を押し付けただけなら、相手は悲しむと思うぞ。

 それは相手が何を望んでいるのかを知ろうともせず、自分の好みを押し付けて感謝を要求しているということだからな」

 

モブ獄卒

「がはっ!!」

 

唐瓜

「狛治さん、ストップストップ!! 正論のオーバーキルしてる!!」

 

伊黒

「本気で疑問に思ってるのはわかったから、もうやめてやれ!!

 けど、あとでもうちょっとそのあたりの事を詳しく教えてくれ! 頼む!!」

 

 * * *

 

13:15巻127話「怪奇娯楽」

本編後、鬼灯が「ホラー映画を見ていたら、のめり込んでつい映画館でも大笑いしてしまう」という話を唐瓜がしのぶにした時

 

しのぶ

「鬼灯様とはまた違った感覚でしょうけど、ちょっとわかります。それ。

 私とか亡者って、幽霊でしょ? だから心霊もののホラー映画だと幽霊側の視点に立ってしまって、『あぁ、主人公を驚かせるためにずっとここにスタンバっていたのか』と思って、つい吹き出しそうになる時があるんですよね」

 

唐瓜

「あぁ……、それはわかる気がします。俺も心霊ものだと、『お迎え課呼ばなくちゃ』としか思えなかったりするんですよね」

 

しのぶ

「獄卒あるあるですね。あとこれは亡者あるあるですが、死んで年月が経つと、自分の死に様は笑い話にしか思えなくなるみたいです。

 私はそこまでではないですが、時透くんは浄玻璃の鏡で改めて自分の死に様を見た時、あまりのバラバラ加減と、そんな状態なのにお兄さんに『帰れ』と言われたことがツボにはまって、呼吸困難になるほど笑ってました」

 

 * * *

 

14:シロの足跡2巻19話「チャームポイント」

カマーさんにより桃太郎ブラザーズモチーフファッションブームが起こり、3匹がモデルと共演して撮影することになって桃太郎を誘ったが、桃太郎が「モデルと並んで比べられるのが嫌だ」と断った後の、極楽満月での雑談

 

カナエ

「あらあら、残念。見たかったわ、桃太郎君とシロちゃんたちがファッション雑誌に載っているの」

 

桃太郎

「いやいや、勘弁してくださいよカナエさん。俺がプロのモデルと並んだら、下ぶくれが悪目立ちするだけっすよ」

 

カナエ

「そこはほら、キビ団子入れですって言えば大丈夫よ!」

 

桃太郎

「シロと同じ発想じゃねぇか」

 

白澤

「というか、そうだとしたらシロちゃんたちはそこに入ってたキビ団子を食べたことになるよ……」

 

 * * *

 

15:31巻266話「令和桃太郎典」

桃太郎が出店の資金繰りについて鬼灯と狛治に相談

 

狛治

「俺も詳しいことはよくわからないのですが、クラウドファンディングはどうですか?

 これなら天国の住人というのも、『桃太郎』という英雄としてのネームバリューも信頼につながって出資してくれる人が期待できるのでは? それに桃太郎さん自身もちゃんと獄卒とかに信頼を得てますから、やるなら俺は絶対に出資しますよ」

 

桃太郎

「ははっ! 俺の名前よりも出資者が狛治さんってことが、すっげー信頼に繋がりそう!

 リターンは奮発しますから、その時はよろしくお願いしますよ!」

 

鬼灯

「リターンは、一生薬代や診察料を無料……でも足りないかもしれませんね。たぶんこの人、1千万くらいポンと出しますよ」

 

桃太郎

「ガチの出資じゃねーか!! え!? 狛治さん、そんなポンと出せるくらい持ってんの!?」

 

狛治

(かなり気まずそうに目を逸らしながら)

「……正直、俺というか俺の家は俺の給料を持て余してます」

 

桃太郎

「一生で一度、言ってみたいセリフだなそれ!!」

 

 




次回は悲鳴嶼さん回にするつもりだったけど、間を開けすぎたのでリハビリがてらにすごく書きたかった芥子ちゃんと鬼滅キャラたちの話を書くことにします。
一応この話にも出て来るけど、ごめん悲鳴嶼さん。

あと、職場で鬼滅グッズと関わる機会があったので、それで面白かった出来事を活報に載せるので、気になられた方はぜひどうぞ。

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