哀れな哀れな少女
力ある
人望ある
未来ある
そんな有能な彼女の命は、無能な社会の犬として未来を奪われた
それは一瞬の出来事で……
誰にも、彼女自身も、神様までも、この空虚な街は勿論、知る由もなく……
不意に命を……
ーーーー落とした
──────────────────────
ーーーー2014年 9月31日
姉が死んだ
突然のことで、現実か、それとも悪い夢に犯されてるのか
意識は暗闇の中で置き去りになったまま、"坂ノ上おじゃる"は姉に会いにきた。
姉の顔は白い布で隠れていて、その"死"が現実のものであると……
悪い夢は覚めないと、語っているようだった。
姉はヨツンヴァインという男にいいように騙され、週に114時間働かされ、114514時間の労働の対価を払わされなかった挙句、最後は死で終わる……
そんな人生あっていいのか?
あっていいわけないだろ
クキキキキ……
男は白い布を投げ、自分の未熟さを悔やみながら……叫ぶ
その時、奇跡は起こった。
白い布は落ちずに宙を舞ったまま
「……なんスカ……? 何が起こってるスカ?」
「YYSショピングのお時間です!? 大切なオネェさんが死んで、自分が守ってやれなかったのが悔しい……そーゆーこと、よくありますよねぇ!?」
「……君は妖怪すか? 神様すか? ……それとも……」
小さな鬼はニヤリと笑う
「ううん、私はタイムジャッカーのYYS、君がお客様なんだから、私からしたら君が神様なんだよねー」
悪意が混じっているその笑顔に、目を奪われる男の前にウォッチが差し出される。
「お客様は神様です! これを使えば神にでも妖怪にでも悪魔にでもなれます……勿論、貴方のオネェさんも救うことができる……かもよ?」
「それを俺にくれ! お願いします、なんでもしますから!」
「……ん? 今、なんでもするって言ったよね? じゃあ、なってもらいます! ……私達の王にね」
ウォッチが埋め込まれたムキムキな体を光が包み、体はバキバキに割れた虫の装甲に割れる、何処か巫女の様相を残しながら……
「……おめでとうございます! 貴方が……今日からSNNM姉貴よ?」
──────────────────────
「クキキキキ……なぁ、あんた何処いく気すか?」
「き、君はくりーふさんところの……!? き、急な夜勤が……入ってしまって……」
「……それで海外逃れってことっすね……反吐が出る、お前のいく道は海外じゃなくて……」
地獄に堕ちろ!
ーーーー堕ちたな
──────────────────────ー
白衣の博士……いや、巫女は語る
「9月31日……ABSNZUが東方のボイスドラマを作る為に、しょうがなく追加した幻の日、それは2014年からの導入でした、そして、その記念すべき日に起きた悲しい事件……その不可解な事件は私の脳味噌にぎっしりと刻まれていました……」
「そういや、9月31日って2014年からの導入だったな……っていうかどうして一国の総理がそんなことしてるんだよ……」
「私がセクハラで立教大学を追い出されて、この学校に飛ばされてきた時、あの子を見て、確信したんです! あの子はあの日に死んだ女だって……! 私は興味を惹かれた、ハッハッハッ!」
「oh……セクハラっ??? what??」
「私はくりーふさんと接触して全てのことを聞いた……そして今回の事件を企てたのよ……? 私がくりーふさんを完全に殺すことで弟さんから引き放つ為にね……貴方達も来ることもなんとなく感じてたのよ?」
「あ、これかぁ!? なんかいける気がする何故ってやつだよな? オレモソーナノ」
「まぁ、だから私は不幸な女の子がなぜか生きているのに興味を持っただけー、別に生徒がどうなっても知らないわー」
「そんな事ないんじゃないか? あんたが悪役ぶってるのも、くりーふと自分自身に爆弾つけたのも、SNNMなりの時間稼ぎだったんじゃないの? それってぇ……少なくともくりーふや他の生徒のことを思ってたってことだよね?」
「さて、どうでしょうかねー、皆さんの想像に!!! お任せ!!! します!!
……ってことでこの爆弾もいらないですねー」
二人の首の爆弾が外れる
「ウンウン、やっぱり、くりーふさんのことを思ってでしたか! アナタもgood teacherデスネ! ワタシは最初からそう思ってたデース!!」
「WEBさん最初そんなこと言ってなかったじゃないですか……掌を返すのはやスギィ!」
「そうだよ(便乗)
……ここにいる皆が、誰かを救いたいと思ってるんだよなぁ……でも、このままじゃ誰も救われ、ないです」
「あーっはっはは。見せて貰いますよーもう待ちきれない! アナタ達がどんなサイコーな未来を見せるのか」
「大丈夫だって、へーきへーき、ヘーキだから、だって俺は最高最善の王になるからね!」
「じゃあ、皆さんにお願いします……!
おじゃるくんを止めてください」
──────────────────────
ーーーー2014年 9月31日
「やっちまったよ……俺は……クキキキキ……」
「おじゃるくん……!? 元気ないね? 一万円くれたらしゃぶってあげようか?」
「そうだ……お前……12月2日産まれだったよな……1万円でもなんでもやるから……死んでくれ!」
〜SNNM〜
女を本物の化物が鷲掴みし、命の光を奪い去る
まるで化物の顔をした女は、真っ黒にまるで焼け焦げたかのように黒ずんで炭になって消えた。
「この力が有れば……ねえちゃんを蘇させることができるってことっすね……」
「理解はやいジャーン、イイゾ〜イイゾ〜その調子だゾ〜」
「なるほどね、その力が有れば、あぁ^~生き返るわぁ^~ができるわけ?」
「邪魔者は……消すっす!」
「やめときなさいな」
YYSは時を止め、アナザーSNNMの動きも止めた。
「そこの筋肉ダルマは一人しかいない姉を救う為に、特定の誕生日の人間の魂を奪う、だがその力もくりーふを生かす為に24時間365日ぶっ通し使うから、力がなくなり、新しい力を手に入れる為、もう一つのアクターの力を取り込んだ……ってとこね」
「え、なにそれ、もしかして、KTGIJGKGDUSIMN姉貴……⁇ねぇ、なんでそーゆーことするのぉ?
……あ、そうだ(唐突)彼が倒されれば、彼女は死ぬ、いいのぉ?」
「"坂ノ上くりーふ"は死んだ……その事実は変えられない、時間は残酷なものね」
「ヘェ〜じゃあ君は誰も救わないンスね〜たまげたなぁ」
「勝手にたまげてなさい、私は救うわよ、彼が約束の為に投げ売った、姉の為に捨てた彼自身の"時間"をね……!」
「あ、そう……(適当)」
時が動き出し、アナザーSNNMも動き出す
アナザーSNNMから繰り出されるパンチをMGはいとも容易く捌き、渾身の一蹴りをお見舞いする
「無双封印!」
「(苦悶の表情)」
ピロピロピロ.ムギ!! .
ピロピロピロ.シノノメ!! .
ー変身ー
アクター↑タ淫夢!
淫ク☆↓アクタームギ!
アー↑マー↓タ淫夢!
あーっはっはは。ホタル捕まえたぁー‼︎ SNNM‼︎
変身したMGの顔に【SNNM】の文字がくっつき、新たな姿へと導く。
淡い光が照らす真の救世主の姿
──────────────────────
ーーーー2019年
「さぁ、お前の命を寄越せ……!」
「Forgive me! (やめちくりー)」
「まずいですよ! …………おりゃぁあ!」
KNが留学生を襲うアナザーWEBにタックルをかますも、そのまま投げ飛ばされてしまう。
「今のうちに逃げて、どうぞ」
「また君かぁ……!」
「もう犠牲を出さなくていいんだよなぁ……!?」
ー変身! ー
ベルトを一回転させる。
アクター↑タ淫夢!
淫ク☆アクター↑キノウ……
『こっちも刺して差し上げろ』
ピロピロピロ……WEB……‼︎
アー↑マー↓タ淫夢!
What a wonderful morning! WEB!!
「お前がどうしようが知らないが、俺は邪魔者を排除するだけだ!」
「ねぇ、待っておじゃるくん」
「……ねぇ、ちゃん……」
「私……おじゃるくんが私のことを大事に思ってくれてるのすっごく、嬉しいよ、でもね、お姉ちゃんさ、他の人を犠牲にして生きるのなんてやっぱり無理だよ」
「ねぇちゃん……それ以上は言わないでくれ……!」
「それにさ、おじゃるくん? おじゃるくんには大切な未来があるんだよ? 私なんかのために時間を無駄にしちゃダメだよ、おじゃるくんの幸せが私の幸せなんだから」
人形の造りのもの耳は、本当の事を聞かないために、遮断する為のものなのか
なのに、アナザーWEBは耳を塞ぎながらながら、後ずさる
「嫌だ……そんなの嫌だ! 今度は俺の番なんだ! ねぇちゃんは俺が守るって約束を果たすんだ! 俺は救う! ねぇちゃんを絶対に!」
アナザーWEBはキノウを殴るも、カウンターをもろに喰らってしまう。
『あんたは彼女を救ってなんかない!』
──────────────────────
『あなたは彼女を苦しめているだけよ……だから……』
私が……
──────────────────────
俺が……
お前達を救う!
──────────────────────
お前達を救う!
ーーーー2014
「うわぁぁぁ!!」
フィニッシュタイム! シノノメ!
ホタル! .タイムバ-スト!!
「俺の光を奪うなぁぁぁぁ!」
アナザーSNNMの繰り出す豆電球のような弱い光を纏ったキックを
MG SNNMアーマーの繰り出す、太陽にも匹敵するような強い光を纏うキックが打ち砕く。
哀れな虫の断末魔が響き渡り
アナザーSNNMのウォッチは破壊され、肉おじゃは元の姿に戻る。
『………………こっちは救ったわよ……キノウ!」
──────────────────────
ーーーー2019年
フィニッシュタイム! ウェブ!
イースター☆‼︎タイムブレ-ク!!
『レオパルドンキックビッカー!!』
糸を巧みに使ったKNのキックがアナザーWEBを貫く
「うぎぎぎぎ」
アナザーWEBウォッチが……
『や っ た ぜ 』
地を転がって……
ーーーー割れる
──────────────────────
ーーーー2019年
「キノウ、やったのね」
「や っ た わ 」
「俺の……俺の希望がぁ!! ……糞ォ! 糞ォ!」
地で這いつくばる肉おじゃに
くりーふが寄り添う
「ねぇ、おじゃるくん、こんなこと言うと不謹慎かもしれないけど、なんだか成長したよね、喋り方とか、昔はよく、なになにっす! とか言ってたのにさ」
くりーふは……少しずつ消えていた。なのに普段と変わらない笑顔でそこに、確かに存在していた
「ねぇちゃん……ごめん、ごめんよ……俺、ねぇちゃんとの約束……守れなかった……」
「いいんだよ、そんなことあなたはよくがんばったんだね……えらい、えらい」
よしよしするくりーふの姿はほとんど消えていた
「今のおじゃるくるならこれから先も一人で生きていけるよ、私なんかいなくてもね、
でも! 人様に迷惑をかけてはいけません!」
「ねぇ……ちゃん、ありがとう……」
「ありがとうっていうのは私の方、本当の私は死んじゃったけど……いっぱい、いっぱい……楽しい時間を貰ったちゃったから……」
おじゃるくんといっぱい喋って……
おじゃるくんに沢山プリン作って……
おじゃるくんの顔をいっぱい見て……
………………だから…………私…………
幸せだよ?
──────────────────────
少女は
目が覚めると
くりーふになっていた
くりーふは
目を閉じると……………………
──────────────────────
「さよなら……ねぇちゃん……! 俺生きるよ………………
生きるっす! 俺はまだ未熟です……ねぇちゃんを安心させられるような男になる可能性が濃いすか? 見てて、ねぇちゃん」
くりーふは沢山の光となって消えていった。
その光は、まるで生きているかのようにーーーーいやそれは蛍であると断言できるその光は
包み込むように暖かい光を溢して
確かな希望を
新しい明日を
導いているようだった
「ホタルぅ! ホタルだぁ! あーっはっはは。ホタル捕まえたぁーはっはー!」
「STOP! teacher SNNM‼︎どこいくんデスカ!? 待ってください! ワタシたち教師仲間でしょー!!」
「……仲間、MG好きだよ?」
「嫌いじゃないけど、好きじゃないよ」
「あああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「ち、ちょっと!? 魔理沙さんどこ行くんですかー?」
──────────────────────
────────かくして、我が魔王は SNNMの力を奪った。
そんな彼の前に新たなレジェンドが現れるですねぇ! これが
それは小さな勇気のお話
next:「はたたん・ショー・タイム」
おま○けのコーナー!
アナザーSNNM
変身者:肉おじゃ
モチーフ:
蛍 フランツカフカ「変身」
詳細:(裏設定?)
フランツカフカの「変身」を読んだことはあるだろうか?
主人公がある日目覚めると虫になっていた…という大胆なストーリーなのだが、勿論このアナザーSNNMもそれをモチーフにしたつもりでした。ダメでした。最後の方の文書はその名残です(後悔)
さて、大事なモチーフが消滅したこのアナザーアクターですが、残されたのは蛍要素のみ、という訳で急遽、ホタルの墓要素を追加しました。
ダメでした。
被害者が黒焦げになっえ消えるのはその名残です。
アナザーSNNMの力を手に入れた肉おじゃは姉であるくりーふを生き返らせる為、特定の誕生日の人を姉の命日に襲うという儀式を始めます。
しかし、2年経ったある日、彼はアナザーSNNMのチカラを突然失ないます。
…というのもくりーふを生かす為に364日24時間フルで力を使っていたので力を使い果たしてしまったのです。
…という訳で新しい力、アナザーWEBの力を手に入れるのですが、かなりわかりにくくなってしまいましたね…申し訳ないス!
…といっても一番動きがおかしくなってしまったのは SNNM自身なんですけどね、初見さん
とにかく何回か方向転換が起きたアナザーアクターなのです。許し亭許して