この本によると、普通の高校生 霧雨KN 彼には魔王にして時の王者 "オーマキノウ" となる未来が待っていた。
彼は、2010年の時空にて、アナザーUDKを倒し、UDK の力を奪った。しかし、力には大きな代償が伴う。不幸にも彼は、歴史をUDK のいない歴史へと変えてしまう。
そして、そんな彼と出会う新たなるレジェンド…えーと、………………
…………誰…でしたっけ?
…こほん、読みすぎてしまいました。ここから先は未来のお話…なんですねぇ!これが!
『時代を駆け抜けたクッキー☆声優達、今、彼女達の力が、未来へと受け継がれる!祝え!新たなる王の誕生を…』
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ーーーー2019年
ふぁぁぁ…
「眠すぎィ!」
「おっはー!おっはー!(激寒)」
「あはようございナス…おじさん。」
リビングではもう、BBANとMGは食事を進めていた。
この二人が住み始めて数日になる。
殺したくてウズウズしているという割には、一度も寝込みを襲われることは無かった。
33ー4
66ー8
香ばしい匂いと共に、パンが飛び出す。
時代を感じさせるポップアップトースター、年季が入っているにも関わらず、未だにお寺の鐘のような心地良い音を鳴らすので、おじさんは我が子のように可愛がっている。
…嬉しいことに今日は月に一度のベーコンエッグデー。ベーコンの肉厚、半熟の目玉焼き…見ているだけで涎が溢れてきた。
「あっ、バターみっけ!いただきまーす。」
…ない…バターがあってもバターナイフがないです。
塗れないです。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
「バターナイフ…ない!」
パンを片手に呟くと、パンは一瞬で手元から消え、いつの間にか壁に突き刺さっていた。
「使って、どうぞ。」
MGがこちらをベーコンを口に運びながら、こちらを睨み付ける。…どうやらささやかな抵抗らしい。
…目が怖い、やめてください!
ここで、変なこと言ったらキレられる気がする…!
当たり障りのない言葉で返すか…。
「素敵な手品をありがとう!」
…だめか!一層目つきが悪くなった気がする!
「あーヤベェ…いい忘れてたわ…マジごめんなんだけど…」
おじさんが仕事場のスペースからバタバタ走って来る。ギザ歯が見えるくらいに口角を上げると、
「KNくん、KNくん!今日から二人とも学校行くらしいぜ〜嬉しいダルォ!?」
と言い放って仕事場に戻って行った。
「…え?二人とも学校行くの!?」「えーまずい年齢を教えてくれるかな?」
「私も霊夢さんも、同じ18歳、
この時空でいうところの高校三年生です。」
「はぇ〜同い年だったんすね〜」
壁に刺さったパンを抜くと、角っこを齧ってみる。
…うん、おいしい!
やっぱ…焼き立てのパンを…最高やな!
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街は忙しなく動き出す。人々が群れになって歩いていく姿は蟻の行進みたいでとにかく気持ち悪い…というか、なんとなく落ち着かなくて嫌い。
そんな人混みも、時を止めてしまえば一人一人動かない、障害物でしかないのだ。みんなゴミだ。ゴミ以下だよ。
「MCY〜だめじゃ〜ん。」
背後から高い声が歩いてくる…誰か推測するまでもない。
この止まった時空に割り込める人は限られている。
「…1回目は様子見みたいなもんだからいいのよ。」
「それよりあんたどうなのよ?YYS?」
よくぞ聞いてくれました!…という顔。そのニヤニヤはどうにかならないのか。
「大丈夫だって、安心しろよ〜、逸材は見つけたつもりだ!」
「あんたのいうことなんて信用出来るかよ、ボケ!」
「…ねぇ〜、なんでそゆこと言うのぉ〜?」
「…気をつけたほうがいいよ、若いキノウが邪魔しに来る。」
「…若いキノウ…面白そうジャン…
このYYSちゃんに任せなさい!」
…お酒がすっからかんになったのか、酒瓶を投げるとギャハハハと笑い出した。
(こいつまじなんなの…)
ゆっくり、ゆっくり…地面に触れた酒瓶は、大きな音を立てて砕け散った。
ゆっくり、ゆっくり…ゆっくりと…
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「…」
チラチラチラチラチラチラチラチラ
「キノウ…貴方チラチラ見てたでしょ?」
「いや…だってさぁ…」
チラチラ見ていたのには、それ相当の理由というものがある。
…そもそも今は登校中…いつもと違い、BBANもMGも制服を着ていた…着ているんだけど…
「なんでMGは男装してるの…?」
「え…いや私男だよ。」「兄貴です。」
「…は?」
「だから…男です。男なんだよなぁ」
?????????????????????????????????????????????????????????????????????
…えっだってどう見たって女だし…
声も女声にしか聞こえないし…
というより、そもそもいつも巫女服着ているのに男な訳ないやん!
ーーーーーーーーーその時、KNに電流走るッ!ーー
…これってもしかして、もしかするかも知れませんよ?
そう…あれ!…"男の娘"…って奴なのでは…???
「顔がにやけてて気持ち悪い。」
「あっ、ハイ、スイマセン…」
「そもそも…私達が普通に通学する…なんて思ってないでしょうね?」
「え…違うの?」
「あほくさ、私達の目的は貴方の監視。」
「…まぁ、魔理沙さんはいつも通りの生活を送ってくれれば大丈夫です。私達も私達で勝手に活動するので。」
「うん、おかのした…。」
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……確かに…確かに勝手に活動するとは言ってたケド…
「なんでトイレの個室にいるんですかね…?」
トイレの個室にもいるとは思わなんだ
「これも貴方の監視なの。覚悟を決めなさい。」
「いや、無理」
「男なら、背負わにゃいかん時はどない辛くても背負わにゃいかんぞ!」
「ウワアアアアアアア……マアアァァァァ……」
「ちょっと!どこいくつもり!」
「お前のいない所さんだ!」
…どうやら撒いたみたいなんだぜ…
「ぬわあああああん疲れたもおおおおおおおん」
今日、どこに行っても彼らは先回りしていた。
いつも見られているというのは、気が滅入る…
トイレもゆっくりさせてもらえないならせめて、昼ご飯だけでもゆっくりと食べたい!
「こ↑こ↓」
体育館倉庫なら…ばれへんか!
「おおーここかぁ…ええやん!」
体育館倉庫は思ったよりも快適だった。埃や砂が少し舞うのは玉に瑕だが。
幸運なことに、ここにはBBANもMGもいない…
ここは俺以外の人間が存在しない俺だけの天国なんだぁ…
「こんなところで何やってんだ、霧雨。」
「ファッ!!」
「そんなに驚くなよ。俺、KYN だよ。」
KYN …俺のクラスメイトだ。
頭から爪先まで、ゲスい。
喋る一言一言が、ゲスい。
彼の目のやり所が、ゲスい。
何から何までゲスいのだ。
ゲスゲスのゲス人間…それがKYN だ。
彼は会話しているというのに、視線は持っているスマホの方に行っていた。
「…なんでこんなところにいるんだよ」
「授業だるいじゃん?それに、最近はTwitterで、ユーザーアカウントを乗っ取ったり、凍結させるのにハマってるだよね。それがTwitterの醍醐味だってそれ一番言われてるから。」
「ゲスゥイ!」
やっぱりゲスいじゃないか…一日中見かけなかったことを考えると、彼はずっとここにいたのだろうか…?
彼にいくつのアカウントを凍結させたのか聞くと、36‥普通だな!、と返してきた。…どこまでゲスいんだよぉ…
少し時間が経って、俺もお弁当を食べ終わった頃、
「なんだこのアカウント…誰も反応しないのに宣伝ばっかりしやがって… やっちゃうよ?やっちゃうよ!?凍結させてやるからな…」
どうやら、新しい標的を定めたらしい。
ここらでお暇しようと立ち上がると、彼が呻き声をあげていること気づく。
俺は目を疑った。
スマホからKYN の首に向かって、骸骨の腕が伸びていたのだ。
手の骨がKYN の首に思いっきり突き刺さり、首から血がダラダラと出ていた。
俺は思いっきり、スマホをKYNから遠ざけようと引っ張る。肉の抉れる嫌な音を立てながら骸骨の手が首から離れると、今度はスマホが爆発した。
俺は後ろのロッカーに思いっきし叩きつけらる。
体育館倉庫の蛍光灯がチカチカと点滅し、暗闇を作り出す。
…顔に何か触れた。どうやらトランプのカードのようだ。
体育館倉庫にトランプが舞っていた。
蛍光灯のチカチカが終わると、KYNが宙に浮いているのを見た。
すいませへぇぇ〜ん!と情けない声を上げている。
彼を持ち上げているのは、化物。
濡れた服を身につけ、長い耳だけが毛を纏っている、骸骨。
「お前アナザーUDKの仲間か…!」
ー変身!ー
淫ク☆アクター↑キノウ…
思いっきり化物に向かって殴る!
しかし、そこにはもう化物はいなかった。
『ファッ!?』
変身を解き、首元から血を流すKYNに近づく。
彼は普通ではなく、目の焦点が合っていなかった。
「お、大丈夫か?KYN !?」
「…お、お前誰だよ?…俺は誰なんだ、ここは何処なんだ…?」
「えっ!?」
ガシャン!! とドアの開く音とともに、BBAN達が入ってきた。
「一体…どうしたんですか!?」
「…アナザーアクターだ…!」
ーーーー2019年
鍋☆…というよりjoker編です。
今回登場したアナザージョーカーについては、川に流れてきた白骨死体を連想してくれればいいな…と思います。
ここまで読んで頂いた方…本当に申し訳ない!