明久達のSAO (凍結)   作:セイイチ

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ついにボス戦!!

まぁあんまり戦闘シーンないんですけど‥‥‥

戦闘シーンはほとんどないですけど本編をどうぞ!!



第十三話

 翌日、アルゴが昨夜教えてくれたようにディアベルの部隊がボス部屋を発見したようで本日も昨日に続き攻略会議が行われていた。

 「皆! 聞いてくれ!」

 ディアベルの声で場が静まり返る。

 「昨日、俺達のパーティーがボス部屋を発見した。ついに‥‥‥やっと1層目のボス部屋が発見されたんだ!」

 ディアベルの言葉に拍手を送る者、「おおぉぉぉお!!」と叫び声をあげる者、「良くやった」と称賛を送る者など皆の反応は人それぞれだった。それだけ皆、ボス部屋が見つかったのが嬉しいんだろう。

 「皆ありがとうな! じゃあここらで本題に入ろうと思う。今日の朝早くにアルゴの攻略本の新刊が発売されたのを皆は知ってるか?」

 会議に集まった皆はこれにどう反応するか戸惑っていた。それも仕方がないと言えるだろうなぜなら

 【情報はSAOベータテスト時のものです。現行版では変更されている可能性があります】

 なんて赤字で裏表紙に書いてあったからだ。

 これは、アルゴが「誰かは分からない匿名のテスターから情報を買っているだけの情報屋」という今までの立ち位置を崩しかねないものだ。

 これは読んだ人は全員、アルゴは元テスターでは? という疑念を抱いているはずだ。今後テスターと新規プレイヤーとの溝が深まった時、僕の次に吊るし上げられる可能性が高くなったという事だ。

 ディアベルがこの何とも言えない空気の中、真っ先に口を開いた。

 「皆もこの攻略本を見て思う事も色々あるだろうけど、今はこの情報に感謝しよう。攻略で最も死人がでる確率が高かった偵察戦を省く事ができるんだ。正直この情報はありがたい」

 まぁそうだろうね。僕もアルゴが情報を提供していなかったら僕がこの場で情報提供しただろう。それくらい偵察戦は危険な物だからできる事なら回避するべき物だ。

 「じゃあ反対意見もない事だし、皆パーティーを組んでくれ! 昨日は何やかんやで組めなかったからさ!」

 そう言えば昨日パーティーを組もうって時にキバオウが乱入したせいでパーティー組んでないんだっけ? 

 ‥‥‥キバオウ、僕の剣を何故か買おうとした人物。彼は一体何が目的であんな大金を払おうとしたんだろう? キバオウについては分からない事が多い。あの後、雄二にも一応言っといたんだけど、雄二は「それは後で考えろ。今は明日のボス戦だけ考えろ」と言われてしまったので、キバオウの目的は全く分からない。

 「おい。明久! 聞いてるのか!? ったくこのバカは!」

 ゴンッ!! という鈍い音が響き僕は思考中断させられる。

 「イタッ!? 何するんだよ雄二!!」

 今の鈍い音は雄二が僕の頭を殴った音だった。あれから優子や翔子だけじゃなく、雄二と僕もシステムが感知しない力加減を覚えたため僕等も圏内でダメージは与えられないが痛みを与える事はできるようになっていた。

 「何するんだ。じゃねえよバカ。この人の話聞いてたか?」

 「え? この人って?」

 雄二が顎で僕の前方を指す。僕が前を見ると、そこには身長190センチほどある巨漢が立っていた。デカッ!

 「聞いてなかったみたいだから改めて自己紹介しとくぜ。俺はエギルだ。後ろの4人のパーティーのリーダーをしている。アンタ昨日自分の事をテスターだって言ってた人だろう? アンタの事は昨日見た時から気に入ってたんだ。気が合いそうだってな。良かったら俺達と合同パーティを組まないか?」

 1パーティーは6人までしか入れない。だから僕達は7人いるので、4人と3人のパーティーの2パーティに分けようという話だったけど、エギルのパーティーの4人も入れば合計11人で6人と5人のパーティーができる。ボス戦をやる時なんかはなるべくパーティーメンバーは多い方が良いに決まっているので僕はこの提案を受けるべきだと雄二に伝えると

 「そんな事は分かってる。どういう風に分けるべきかを相談してんだよ。バカ」

 なんて言われてしまった。クソッ! それならそうと先に言えよ! 余計な恥かいちゃったじゃないか!

 「ははは。ほんとにアンタ達を見てると楽しいな」

 「止めろよエギル。このバカを相手にしてたら結構疲れるんだぞ?」

 「バカ、バカうるさいよ! このバカ雄二」

 僕だって雄二の相手をするのは疲れるんだからお互い様だ。

 「ほら2人ともケンカしない。せっかくエギルが誘ってくれてるんだから早く決めちゃおうよ」

 「愛子の言う通りよ2人とも。ケンカなんか止めて、さっさと決めてくれないかしら?」

 愛子と優子に急かされて僕と雄二のケンカは一時中断した。

 「エギルのパーティーって全員タンクの奴でできてるんだったか?」

 「ああ。アンタ達のメンバーでタンクできる人がいるならその人をコッチのパーティーに入れてくれるならタンク専用のパーティーになりそうだな。アタック系の人なら壁は任せて攻撃に専念してくれればいい」

 「どうする? 明久?」

 「うーん。選択肢的には、タンクとして行くなら雄二と愛子のペア、僕かムッツリーニか秀吉かな?」

 「お前も俺と同じ意見か‥‥‥」

 なんだ雄二も同じ事考えてたのか。じゃあ最初から自分で決めればいいのに‥‥‥

 「よし。ムッツリーニと秀吉、2人ともエギルのパーティーに入ってくれ」

 「‥‥‥了解」

 「心得た。じゃがどうしてワシ等2人なのじゃ?」

 秀吉が雄二に何故自分達なのかと聞いてくる。

 「俺は他のメンバーを指揮を取るからエギルのパーティーには行けない。タンクとしてエギルのパーティーに入るメンバーが愛子1人になっちまうから却下だ。で明久がエギルのパーティーに行っちまうと、何か想定外の事が起こった時にゲーム慣れしてない優子が危なくなっちまうから、明久は優子と同じパーティーの方が良いって事だ」

 「成程のう。了解したのじゃ。ではエギルよ、これから宜しく頼むぞ?」

 「あ、ああ。勿論だ。けど雄二って言ったか? お前一瞬で今のを考えたのか? どんな頭の構造してるんだ?」

 「ん? 別に普通だと思うが? 明久以外の人は全員頭の構造なんて皆似たようなもんだと思うぞ」

 「雄二それは僕の頭が‥‥‥」

 「ああ。明久。お前の頭は俺達とは別次元のものだからな。お前の頭は‥‥‥」

 「「皆とは違い天才って事だね(大バカって事だ)!!」」

 「「‥‥‥‥‥‥‥‥」」

 僕は雄二と睨み合い、いつでも飛びかかれるように準備する。対する雄二も迎撃態勢に入りいつ取っ組み合いが始まってもおかしくない状態だった。

 「さて行くとするかのエギル? ディアベル達はもうボス部屋に向けて出発するようじゃしな」

 「え? いいのか? この2人をそのまま置いといて?」

 「‥‥‥この2人がこうなるのはいつもの事。気にするだけ無駄だ」

 「そ、そうなのか。分かった」

 秀吉とムッツリーニはエギルを連れて先にディアベル達の方に向かって行く。

 優子と翔子は

 「ほら! 明久も行くわよ! アタシ達だけ置いていかれちゃうでしょ?」

 「‥‥‥雄二。早く行こう。置いてかれる」

 2人は僕等の耳を引っ張ってディアベル達の方に向かっていく。

 「「痛い痛い痛い!! 優子(翔子)もうケンカしなから離してー(くれー)!!」」

 僕等は悲鳴を上げ、愛子は

 「あははは。2人とも本当に面白いね。あははは」

 思いっきり楽しんでいた。

 「「笑ってないで助けてよ(ろよ)!!」」

 結局僕等はディアベル達と合流するまで耳を引っ張られたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

             ☆

 

 

 僕等の目の前にはボス部屋がある。ボス部屋なだけあって他の部屋とは雰囲気が違う。

 「皆! 俺から言える事は1つだけだ。勝とう」

 ディアベルは静かに、しかしメンバー全員に届く声で告げる。

 僕等は全員で頷きボス部屋へと入っていく。

 ボスの名前は《イルファング・ザ・コボルドロード》僕の記憶にある通りだった。右手に斧を持ち、左手にはバックラーを携え腰には湾刀(タルワール)をぶらさげている。

 コボルドロードは斧をA隊リーダーに向けて力任せに叩きつける。それをA隊リーダーは盾で防ぐと、それが合図だったのか左右の壁にある穴から《ルインコボルド・センチネル》が三匹でてくる。

 コイツ等はコボルドロードの取り巻きのモンスターだ。今日僕等のパーティーはコイツの討伐をメインに任せられている。

 ディアベル曰く『ボスの方はアルゴの攻略本があるから大丈夫だ。それよりも取り巻きの方をお願いしたい』との事だった。

 当然、優子と愛子、翔子の女性3人組みは元テスターである僕をボスとの直接の戦闘させないのは変だとディアベルに食って掛かろうとしたが、雄二がディアベルの頼みを引き受けてしまい結局、僕等はセンチネルの方と戦う事になった。

 雄二の事だから何か考えがあるんだろうから僕は何も言わなかったが正直センチネルの相手だけでは面白くない。

 センチネルはコボルドロードのHPが4段ある内の1段減るごとに3匹ずつでてくるようになっている。つまりセンチの方は合計12匹とい事だ。

 センチの討伐は雄二率いる僕等の部隊とキバオウの率いる部隊の2つだ。

 こちらの方は、かなり順調でセンチの数が3匹より増える事はなかった。

 ディアベル達、ボス討伐隊の方がロードのHPを2本削りきり3回目のセンチが出てきた時にキバオウが近づいてきて小声で話しかけてきた。

 「あてが外れて残念やったのう?」

 「‥‥‥どういう意味?」

 昨日僕に正体を知られたばかりで普通に僕に話しかけてきた事にも驚いたけど、僕は今キバオウの言ってる意味が分からずにキバオウに振り向く時にそう声を上げる。

 「ふん。ヘタな芝居するなや。こっちは自分がこのボス戦に紛れ込んだ動機をしってるんやからな」

 「動機? ボスを倒す以外に何があるの?」

 「開き直りかいな。それが狙いやろうが!」

 ん? どういう事? そりゃボス倒すのが狙いだけど皆もそれが狙いでボス戦にきてるんでしょ?

 僕とキバオウの会話はまるで噛み合っていなかった。と僕が会話が成立しないで困惑していた時、キバオウはついに核心的な一言を告げた。

 「わいは聞いたんや。あんたが昔、汚い手でLAを取りまくっとった事をな!」

 「‥‥‥え?‥‥‥‥‥」

 LA。ラストアタック。

 確かに僕はベータの時にボスのHPを測りつつ、最大威力のスキルを使ってLAを取りまくっていた。けどどうしてキバオウはそれを知ってるんだ?

 僕は昨日、自分が元テスターだとは言ったがLAの事は一切話していない。

 という事はキバオウも元テスターだったから僕がLAを取りまくった事を知っていた? いや、キバオウはさっき『聞いた』と言った。という事はキバオウは他の誰かに聞いた事になるんじゃないだろうか?

 「‥‥‥キバオウ、それ誰に聞いたの?」

 「ふん。大金はたいて情報屋から買ったに決まっとるやろ!」

 嘘だ。アルゴは誰がテスターでどんな事をしたかなんて情報は絶対に売らない。

 「まぁ、お前さんはおとなしく雑魚コボの相手でもしとき。雑魚コボのLAならいくらでもやるわ」

 そう言ってキバオウは僕から離れセンチを狩りに行く。

 「どうした明久? 何か言われたのか?」

 キバオウの入れ替わりできた雄二に今のキバオウとの会話を話すと、急に目つきを変えて考え込んでしまった。

 「まさか‥‥‥アイツが? いや、でも確かにそれなら筋は通る‥‥‥」

 「1人でブツブツ言うのは止めてくれない? 凄く気になるんだけど?」

 雄二が僕に雄二の仮説を話してくれた時、僕はディアベルの方を向いてポツリと呟いた。 

 「ディアベル‥‥‥君なの?」

 雄二の仮設はこうだ。

 本当はディアベルも元テスターでLAを狙っている。理由はこれからの攻略でリーダーとして自分は最強でないと攻略メンバーをまとめられないから、LAのアイテムで自分を強化するしかなかったから。

 そしてそのためには、元テスターであり昔LAを取りまくっていた僕が邪魔だった。だから僕の剣をキバオウ経由で買い取り僕の戦力ダウンを狙った。キバオウに与える報酬は会議の時のテスター糾弾だろう。結果は僕のせいで失敗に終わったけど。

 で僕が剣を売らなかったから、今度は僕をボスから遠ざけてLAを取れなくした。という物だった。

 「ちょっと2人とも!! いつまで話込んでるのよ!?」

 「いい加減こっちを手伝ってくれないかな!?」

 「‥‥‥雄二、早く戻ってきて」

 僕等が話込んでる間に戦ってくれていた3人が痺れを切らし僕等に助けを求めてくる。

 「明久。この話は後だ。先にセンチ倒すぞ」

 「分かってるよ!」

 僕と雄二は再び戦闘に戻る。3匹のセンチを倒し終えると同時に穴から次のセンチが出てくる。だがその数は今までと違い5匹だった。

 「な!?」

 「5匹だと!?」

 「‥‥‥急に数が増えた?」

 センチが5匹に増えた時、ロードは雄叫びを上げ腰の湾刀(タルワール)を抜いた。ベータ時にはロードのHPが残り1段になった時あの武器を使い始めていた。それは現行版も変わってないみたいで、ロードのHPは残り1段だけになっていた。

 まだ1人も死んでないんだから、この調子で行けば向こうは大丈夫だろう。

 そう思い僕がセンチに集中しようとした時、

 「皆下がれ!! 俺達が出る!」

 というディアベルの声が聞こえてきた。

 なんで!? そこは全員で一度距離を取るか、全員で攻めるしか選択肢はないでしょ!? 

 この場面で1つの部隊だけで突っ込んでいくなんて真面な選択じゃない。やっぱりディアベルは雄二の言う通り‥‥‥

 僕はそこまで考えてから思考が停止した。

 違うのだロードの持っている武器がベータの時と違い湾刀(タルワール)でなく野太刀になっているのだ。

 「だ、ダメだ!! 今すぐ回避するんだ!!」

 僕はディアベル達に向かって叫んだがその声はディアベル達に届かず、ロードの刀スキルである《浮舟》が発動しディアベル達を襲った。続いてロードは3連撃《緋扇》を放つ。

 ここからでは誰かは見えないが、タゲられたのは3人いたようだ。

 ロードの攻撃が終わり攻撃を受けた1人が僕のすぐ近くまで飛ばされてきた。

 僕はセンチに急いでスラントを放ちセンチのHPを削りきり、飛ばされた人の下へと向かって走る。

 そして飛ばされてきた人の顔を確認するとその人物はディアベルだった。

 「何でこんな無茶をしたんだ!?」

 僕はディアベルに回復ポーションを飲まそうとしたら、ディアベルは手でポーションを押しのけ、首を振ってきた

 「どうして‥‥‥」

 「後は任せたよ明久さん。‥‥‥皆のためにボスを倒してくれ」

 ディアベルはそう告げると体を青い欠片に変え四散した。

 これが騎士ディアベルの最期となった。

 

 

 

 




思ったよりボス戦まで時間かかりました(汗)
 
しかも戦闘シーンほとんどなかったし‥‥‥

次話で1層は終了する予定です!
作者に文才がないせいで長くなったら2つに分けるかもしれませんが‥‥‥

疲れたので今回はこの辺で終わっておきます。
感想、評価お待ちしてます。
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