これも偏に読者の皆様のおかげです。
本当にありがとうございます!
僕達が第二層迷宮区に入って早5時間。
僕達は既に10階にまで上がってきていた。
迷宮区は基本的に20階建になっている。まだ上には10階残ってる計算になるが、迷宮区が開通してから、まだ5時間と考えるとこの速さは異常な早さだった。
何故僕達は、開通から5時間で半分もの階を攻略できたのか?
その理由はただ一つ。
「いやー、何故か第二層の迷宮区は凄い記憶に残ってるんだよね~。宝箱の位置もある程度は覚えてるし、この層の迷宮区は楽でいいね~」
僕が第一層の迷宮区の中を全く覚えていなかったのに対し、この第二層の迷宮区は、ほぼ完璧に覚えている事が理由だ。
「本当にな。まさか普段は記憶力皆無なお前が迷宮区の中を覚えてる。なんて言い出した時は、何の冗談かと思ったが、今回は素直に褒めてやるぞ明久」
雄二は凄い上機嫌で、珍しく素直に僕の事を褒めてくれる。
僕もこの時は凄い上機嫌だったので
「いやーそれ程でもあるけどね。けど、雄二の指揮能力も流石だね~。フィールドボス攻略の時のリーダーも雄二がやれば良かったのに~」
「お、それもそうだな。よっしゃ! 次のボス戦では、いっちょリーダー狙ってみるか!」
「いいね~。頑張れ雄二!」
「おう! 任せとけ!」
「「あーはっはっはー!!」」
2人で終始こんなテンションだった。
「‥‥‥翔子、2人のこのテンションの高さは‥‥‥なに?」
「‥‥‥分からない。こんな2人を見るのは初めて‥‥‥もしかして壊れた?」
「そうね。そうとしか思えないわ‥‥‥」
優子と翔子が何か言っているようだが、僕達は気にせず騒ぎ続ける。
だって今の僕は、何を言われたって、全然かまわない気分なんだから。
「おいおい。優子、翔子お前等何を言ってるんだ? そんな事言ってないで、お前らも少しは喜べよ。明久のおかげで俺達はここまで宝を独り占めできてるんだぜ? こんな最高の気分なのに、なんで2人はしけた面してんだよ?」
そう。僕達は雄二の言う通り、ここまでの10階までの宝箱を片っ端から開けまくってここまで来ている。
これはもう軽く大富豪にでもなった気分だ。
皆も考えてみて欲しい。行く先々で宝箱があり、それを全部自分達だけの物にできる時の気分を。それはもう最高の気分になる。
「アンタ達‥‥‥少しは宝箱を残しておいてあげようとか思わないわけ?」
「‥‥‥2人とも、少し独占しすぎ。そして、かなりうるさい」
「もう、2人ともなに遠慮してるのさ? ほら、さっき僕達が3階にいた時の事を思い出してみてよ? あの時下の階で、キバオウ達が『なんでや!? なんで開ける宝箱、全部空っぽなんや!?』って言ってた時の声を。キバオウ達が開けた宝箱の中身は全部、僕達が持ってるんだよ? これってすっごい優越感じゃない?」
「アタシはさっきのキバオウ達の声を聞いたから言ってるのよ。あれだけ頑張ってフィールドボスを倒した人達に、1つもアイテムを譲らないって酷くない? しかも、これ明久の記憶を頼りに最短ルートでボス部屋目指してるわけでしょ? と言う事は、ボス部屋に近づけば近づく程、アイテムを手に入れられないって事でしょ? なんだか可哀想じゃない」
‥‥‥優子、君は優しいんだね。けど
「ねぇ優子? 宝箱は見つけた人に、開くことができる権利がある物なんだよ? 僕達が見つけた宝箱なんだから僕達が開けても何ら問題ないんだよ?」
「ああ、それに卑怯汚いと言われようと、そんなのは敗者の戯言だから、気にする必要はねえ」
「アンタ達、ゲスイわね‥‥‥」
はて? なんで優子はそんな事を言ってくるんだろうか?
と僕が思ってると、雄二がまた新しい宝箱を見つたようで声をかけてくる。
「おっ! 明久! また、新しい宝箱発見だ。しかも3つもあるぞ」
「あ、ホントだ。僕の記憶にはない宝箱だけど、3つも見つかるなんてついてるね!」
「へ~明久が覚えてない宝箱ね‥‥‥よっしゃ! とにかく開けてみるか!」
僕と雄二はハイテンションのまま、それぞれ1つずつ宝箱に手をかける、優子と翔子はローテンション、プラス申し訳なそうな顔で僕達を見ている。
2人とも、そんな顔してないでもう一個の箱開ければいいのに‥‥‥
まぁ、今はそんな事よりもお宝お宝♪ なにが入ってるのかな~?
僕と雄二は中身がなんなのかワクワクしながら、2人同時に箱を開ける。
運がよかったら、レアアイテムでるかな~
なんて思ってたんだけど
「「な、なに――――――――!!」」
僕と雄二の目の前にはアイテムなんかなく、メッセージだけが出てきたいた。
その内容を見た、僕と雄二は同時に絶叫していた。
僕と雄二に届いたメッセージは
『トラップ発動。この箱を開けた者が、この迷宮区で30種以上のアイテムを手に入れていた場合、そのアイテムから5個を除き、全て箱に戻す』
こんな理不尽なものだった。
僕と雄二は急いで自分のアイテムストレージを開く。
すると、このメッセージに書いてある通り、僕のアイテムストレージの中にあった、この迷宮区で手に入れたアイテムが5個以外、全て消え去っていた。
僕は茫然となって雄二の方を見ると、雄二も茫然として僕の方を見ていた。
どうやら、雄二も僕と同じ目にあったらしい。
僕と雄二は、しばらく口をパクパクさせたまま、茫然としていた。
「「僕の、僕の(俺の、俺の)アイテムが‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」
「まぁ、これで皆平等になったし、2人は因果応報って事で」
「‥‥‥変な揉め事もなくなる。一件落着」
2人の声は僕と雄二には聞こえておらず、僕と雄二は圏外にも関わらず、しばらく動かなかったそうだ。
しばらくして、ようやく僕達が復活した時
「あ、おはよう。2人とも。ようやく復活したのね」
「‥‥‥2人とも、起きるの遅い」
2人はMobから僕達を守ってくれていたようで、復活するのが遅いと言われてしまう。
「ん、ああ、すまん。‥‥‥俺達は何をしてたんだ?」
「ん~、なんか凄く嫌な夢を見た気がするよ‥‥‥」
「はぁー。覚えてないの?」
いや、覚えてないというか、思い出したくないような事が起こった気がするんだよね‥‥‥
横を見ると、雄二も同じような事を考えているのか、不機嫌で凄く嫌そうな顔をしている。
うん。やっぱり思い出さない方が、僕にとっては良い事の様に思えてならない。
そうと決まれば、早速2人に事情説明はいらないと言わなければ!
と思い至り、僕は口を開こうとしたのだが
「‥‥‥2人とも、ここで手に入れたアイテムの大半を失って、その後しばらく動かなくなった」
起き既に遅く、翔子に現実を教えられる。
というか、そう言えば、そうだった。
僕と雄二は命の危険はないけど、凄い理不尽なトラップに引っかかったんだった‥‥‥
「ちくしょう! やっぱりあれは夢じゃなかったか‥‥‥!」
雄二は凄い悔しそうにしている。
雄二の気持ちは良く分かる。非常に良く分かる。だって僕も同じ目に合ってるんだから。
「まぁ、アイテムを独占しようとした罰だと思って今回は諦めなさい」
「‥‥‥何事も諦めが肝心」
優子と翔子は、諦めるように言ってくる。
確かに、確かに今失われたアイテムは、もう僕達の元に返ってくる事はないかもしれない。けど、僕と雄二の心はまだ折れてはいなかった。
「上等じゃねぇか。どうせ俺達は迷宮区で手に入れたアイテムを失ったんだ。なら、こっから上のアイテムは全部、俺達が貰ったって独占した事にはならねぇだろう!!」
「勿論だよ雄二! 現に僕達は今、10階より下のアイテムをほとんど持ってないじゃないか! なら、ここより上の階にあるアイテムを貰ったって、誰にも文句は言われる筋合いはないよ!」
「だよな。なら、手始めに」
「うん。そうだね」
「「ここに残ってる最後の宝箱から頂く!!」」
そう言って、僕と雄二は2人で宝箱に手をかけ、2人で宝箱を開けると、いきなり目の前が真っ白になり何も見えなくなる。
ようやく、目が見えるようになり、僕達が目を開けると、そこは
「迷宮区?」
目の前には、さっきまで僕達がいた迷宮区10階ではなく、迷宮区の入り口があった。
僕達4人がポカンとしてると、4人同時にメッセージが届く。
僕は皆よりも先にメッセージを開き、内容を読み上げる。
「ええっと、なになに? あなたはトラップにかかったので迷宮区入り口に強制転移させられました」
なんだか、普通のRPGみたいな説明文だな? ってそうじゃなくて!!
「「またトラップとか、どんなゲームだ! こんちくしょう!!」」
僕と雄二の絶叫が、またもや響き渡った瞬間だった。
僕等は再び迷宮区を攻略する気にはなれず、今日の攻略はここで止める事にして、僕達はここから一番近い村《タラン》に向かう事にした。
結局、この日は僕と雄二の戦果は経験値とコル、迷宮区の10階までのマップデータ、アイテム5個で終わってしまった。
優子と翔子は、経験値とコルは一緒だろうけど、獲得したアイテムは多分2人で30前後だろう。これは、普通に迷宮区でマッピングしてるプレイヤーのアイテム獲得の平均位の量だ。
途中から2人は遠慮してアイテムを取らなくなったので、2人はこの数しかアイテムを取っていないのだ。
あぁ、僕のアイテムたち‥‥‥
☆
僕と雄二がアイテムを失ったショックを引きずりながら、《タラン》の村に入ると
カン! カン! カン!
という音が東の広場の方から聞こえてきた。
「‥‥‥! この音は!」
「とにかく一度行ってみよう!」
僕と雄二はそれに一早く気づき、さっきまでショックを受けていた事も忘れて、顔を上げて音のする方へ行くことにする。
僕達4人は、全力で走りたいのを我慢して、急ぎ足で広場に到着した僕等は、そこに予期した通りの光景を見てしばし立ち尽くした。
僕達がこの広場で見た物。それは畳2枚分ほどの赤いカーペットに並べられた鉄製武器と、木製の看板。携行型の炉と鉄床。折り畳みの椅子に腰を掛け、一心にハンマーを振る”レジェンド・ブレイブス”の一人ネズハだった。
「‥‥‥ど、堂々としたものね。昨日、明久と雄二に詐欺を見抜かれたっていうのに、営業を止めるどころか、最前線で営業するなんて」
「ほんとにね‥‥‥。流石に僕でも、こんな事できやしないよ‥‥‥」
詐欺を見抜かれた次の日に、いきなり営業なんて僕だったら絶対にできない。
ああ見えて、ネズハは実は胆が据わってるのかもしれない。
と、僕がネズハの評価を上げていると横から雄二が、それを否定してくる。
「いや、これは警戒した結果だろうな。向こうは俺達が来てるなんて、分かりっこねぇんだから、一度バレた《ウルバス》を避けて、一時こっちに移ってきたって方が自然だろう」
「って事はネズハはまた‥‥‥」
「ああ。相手は選ぶだろうが、やるだろうな」
これは多分雄二の言う通りだろう。ネズハが”レジェンド・ブレイブス”の一員なら、これから攻略組に入ろうとしている”レジェンド・ブレイブス”は攻略組に不信感は持たれたくないだろうから、攻略組は避けるだろうけど、まず間違いなく攻略組以外の人からは、詐欺を行うだろう。
「明久。しばらくここでネズハを見張るぞ? アイツを監視してれば詐欺の方法が分かるかもしれねぇ」
「え? 今から? ん~、それ、先に用事を済ませてからでいい? 僕これからアルゴと会う事になってるんだよ」
《タラン》に来るまでの道中に、アルゴには迷宮区のマッピングデータを渡すと伝えると、今から10分後に《タラン》の酒場で落ち合おう。と返信が返ってきたので、僕はこれからアルゴに会いに酒場まで行かないといけない。
だから、雄二の要件は後回しにしてくれるように頼んだんだけど
「ん? お前今からアルゴと会うのか? ん~‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
雄二は何かを考え込んで、黙り込んでしまった。
はて? 雄二は何を考えてるんだろうか?
僕は雄二が長い事、黙り込んでいるので、いい加減我慢できず、もう一度僕が口を開こうした時
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥分かった。俺も一緒に連れてけ明久」
先に雄二が口を開きこんな事を言い出す。
「別にいいけど‥‥‥‥なんでそんなに考え込んでたの?」
「明久‥‥‥‥‥俺はこの前、アルゴのせいで地獄を見たんだ。正直、まだあの時の感覚が忘れられん」
あの時? ああ。雄二が翔子と一緒に結婚のリスクを聞きに行った時の奴ね。
けど、それなら心配しなくてもいいと思う。だって
「どうせ近い内に結婚するんだから、そんな事気にする必要ないじゃない」
「やかましい!! 俺はそんな事は絶対に認めないからな!?」
「‥‥‥雄二、いい加減覚悟を決めて」
「そんな事できるか!!」
もう、本当に諦めの悪い奴だな。
どうせ、いくら足掻いても翔子と結婚する事になるんだから、さっさと諦めて結婚して、殺されればいいのに。
と僕が雄二に対する感想を内心で思っていると
「ほら、そこ! いつまでも遊んでないで、さっさとアルゴのとこ行くわよ? それで、その後はネズハの見張りするんでしょ?」
突然優子がしきりだした。というか、え?
「そ、そうだけど‥‥‥優子もアルゴのとこに行くの?」
「当たり前でしょ? 雄二もアルゴのとこ行ったら、ここにはアタシと翔子だけになるのよ? アタシ達が、何か変だと思っても、アンタ達が2人ともいないんじゃ、原理まで分からないじゃない」
え~‥‥‥。確かに優子の言う通りかもしれないけど、皆で行くの? 僕は元々マッピングデータ渡しに行くだけの用事だったから、皆が行くなら僕行く意味ないんだけど‥‥‥‥
なんて思ったが、僕がアルゴを呼んだんだから、行かないわけにもいかないので、結局
「はぁ。分かったよ。それじゃ皆で行こうか?」
僕達はネズハの監視は後回しにして、4人でアルゴに会いに行くことになった。
ホント、こんなに人数がいるなら、僕行く必要ないんだけどな‥‥‥‥
今回もいつもと同じように、進んでるようで全然進みませんでした。
相変わらず進むのが遅くて申し訳ないですm(__)m
今回は前半での話では、ゲスイ事ばかりやってる2人には、因果応報を体験してもらいました。
作者は原作のゲスイ2人を見るのが好きなのに、なんという仕打ち‥‥‥‥
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正直、書き終わって読み直したら、何故こうなったと思ったりした‥‥‥‥
それでは今回はこの辺りで
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