UVSさとりのオーラス。さとりは早上がりを狙うが、Uの必要牌の読めない連続鳴きで単騎待ち。更に安牌の連打で、海底でさとりは確実な安牌が何一つない窮地。さとりは悩みに悩んだ挙句、遂に牌を切った………
さとり)これなら………通る!
さとりは強気で選んだ牌を切った。その選んだ牌とは………二筒だった。
U)………
Uの表情は何一つ変わっていない。これでは感情だけで把握は出来ない。
勇儀)まさか………!
勇儀は何かを勘づいたのか、Uの伏せてあった単騎の牌を手に取り見る………
勇儀)そ………そんな………馬鹿な!?
勇儀は声を上げ驚いていた。
さとり)………まさか!
さとりは勇儀から牌を奪い取り見る。
さとり)………なっ!?
さとりは驚きのあまり牌を卓に落とした。そしてUの待っていた待ちが発覚する………
燐・空)リャ………二筒………!!
U)ああ、ロンだ。ダフ南、ドラ4、跳満。………逆転だ。
さとり)(ま………まさか………私が暗刻で抱えていた二筒待ち………!?あ………有り得ない!)
U)有り得ないだろ?アンタからすれば。
さとり)………貴方、私が二筒を暗刻で抱えてるのを知ってたんですか?
U)ああ。じゃなきゃこれで待つわけがない。通ってないと分かりつつも安全だと思える二筒暗刻落とし。単騎待ちって言うのは本来無法、出来ればやりたくない待ち。でもそうでもしなきゃ勝てなかった。オーラス、アンタは断么を狙える手の配牌だった。でも僕のドラ南カンでアンタは自信が立ち止まった。次にチー、ポンで意味のわからない手の進め方をする。そして北で意味のわからないポンで意味のわからない単騎待ち。こうしたらもう安牌の連打はやむを得ないしかし海底でアンタの現物は種切れ。もう自らの勘と運に頼るしかない。で、なんで暗刻を切る結論に至ったか。僕は張った時からこれが来るように水を撒いていた。筒子をある程度撒いてたお陰で切ってくれた………ってのもあったが。アンタが取り乱していた………ってのも理由。アンタは予想外の展開に弱い。ドラ鳴きやポン、チーはまだ沼にはめる為の道。奇想天外の北ポンでアンタはハマる一歩前に陥る。そうすれば頑丈そうな暗刻の糸を掴む。罠にしかけた糸にな………
さとり)私は貴方の掌で踊らされていたわけですか………私の負けです。
こうして、Uとさとりの死闘決着………勇儀達は10億を得た。
勇儀)U、助かった。お前に3億渡す。この報酬なら組の連中も納得するだろうし……
U)………興味無いね。
Uは席を立った。
さとり)あ、送りましょうか?
U)要らねえ、僕は今どこに行きたいのかわからないから。
勇儀)ならうちの組に来いよ!お前が退屈しないように………
U)退屈………ね。僕は今、この麻雀以上の刺激を与えてくれる相手と戦いたい。
勇儀)何………?
U)僕の本心が満足していない。その相手を探すために………僕はまたふらつく事にする。
こうして、Uは再び表舞台から消えた。その後、勇儀は彼のその後を妹紅に伝えた。
妹紅)アイツらしいな………
勇儀)何故アイツらしいと言ったんだ?
妹紅)アイツ、昔から口数が少ないのはもちろんだけど、死にたがってるんだよ。
勇儀)死にたがる………か。
妹紅)もちろん野垂れ死ぬ事でアイツが満足する事は無い。アイツは自らの戦場で………全力で打って死にたいんだろうな………ま、そんな相手はいつ現れるのかね。
勇儀)そうだな。そういえばUからなんだが………
勇儀は妹紅にUに渡すはずだった3億を渡した。
妹紅)なんでまた金を………!?
勇儀)本当はUの取り分なんだがUが興味無いとな。どうせアイツがこれを手にしても浪費するか寄付するだろうからな。Uが世話になっていたアンタに渡す。
妹紅)全く………アイツは意味わからない奴だな。
Uは再び伝説となった。誰にも真似出来ない逆転劇。それが彼の代名詞と後々まで語り継がれる事となった………
後書き
どうも!毎度恒例の作者です!今までのシリーズと比べると短かった麻雀編はいかがだったでしょうか?1番難しかったのはUを完全に口数の少ないクールキャラとして書く事でした(笑)今回は自己満足のように書いていましたが、自らの麻雀の経験、麻雀漫画なんかを参考に書いてみましたが如何だったでしょうか?連続投稿は終了となりますが、Uの伝説はまだまだ続きそうです。またそう遠くない未来に帰ってくるかもしれません。強大な相手と戦った伝説と共に………それでは別作品でお会いしましょう!