「ピカ!!」
「コン!!」
互いに声を張り上げながらでんこうせっかにて向かって行き、頭をぶつけ合うピカチュウとロコン。その闘志を宿らせた目を向けつつ、一度距離を取る。チャンピオンの霊夢からしてみれば、ただの初心者に近い者同士のポケモンバトルだが、彼女が笑みを浮かべていた理由は必ず負けたくないと言う二匹の意思。そんな中で私とメリーも息を呑みながら…
「ひのこっ!!」
「でんきショックっ!!」
私っメリーがロコンら二匹に指示を出し、二匹は指示に頷いた後にその場からロコンはひのこを、ピカチュウはでんきショックを放つ。ひのことでんきショックは一瞬にして相打ちとなり、霊夢とにとりの元にくる程までに広範囲の爆煙にへと様変わりする。霊夢達も見えない中で、見えない事に関して言えば私達も同じ事。そんな中、先に動いたのは…
「その場から動いていない筈…っ!!ピカチュウ!!でんきショックッ!!」
ロコンはまだその場から動いていない、そう読んだメリーがピカチュウに再度でんきショックの指示を出す。当然狙いなんて定まる筈がない為、外れた時は外れた時。ピカチュウもメリーと同じように思っていたのか、一切技を出すにあたり迷いなく、電気を溜め込み放出する。一方の私はロコンがどこにいるか分からない為、指示を出せず仕舞いでいたが…
彼女の視界に入って来たのは一筋の雷光…
「っ!?ロコン!!その場から…!!」
ロコンはその場から動いていない。その事は爆煙がかかる前から私が確認していた事。これはまずいと思った彼女がロコンに指示を出そうとするが、電撃は自らの前で光り輝き、爆煙を払い除ける。一瞬目を瞑った私が目を開けるとそこには、でんきショックを食らったと思われるロコンが痛そうな表情を浮かべていた。蓮子は声にならない声を出して悔しがると…
「命中したようだね…!!それもクリティカル…!!」
「(これ以上動かせる訳には行かない…っ!!) ロコン!!でんこうせっか!!」
メリーはピカチュウのでんきショックが命中した事により、少しばかり浮き足立っている。これ以上彼女に好き勝手させる訳には行かない。苦しそうなロコンを見て、自身も息を呑みながら私はでんこうせっかの指示を出す。メリーが気づいたのは、ロコンがその足元を蹴り出した後。彼女が指示を出そうとした瞬間、ロコンがピカチュウの目の前に。
何の指示を出す前にロコンのでんこうせっかがピカチュウに命中。ピカチュウは少々ながら吹き飛ぶが、さすがに先程のウールーとの戦いにて攻撃力を下げられているせいか、ピカチュウは余裕の表情を見せるが、私はさらに近くから一かバチかの賭けでもう一度指示を出す。
「ロコン!!かなしばり!!」
「ほう?」
この蓮子の指示に驚いたのは勝負を見ていた霊夢だった。ロコンが後一撃喰らえばやられるだろうと言う事を察した上の私の指示に、微かながらも霊夢はニヤリと微笑んでいた。ロコンの目が赤く光り、封じられたのは先程放ったでんきショック。メリーはしてやられたとばかりに歯を食いしばるが…
「何の…!!他にも技がある…!!ピカチュウ!!でんこうせっか!!」
ロコンはかなしばりを放ったばかりで連続して行動出来ない。メリーはそこを狙った。私の指示がロコンに飛んでくる前にピカチュウに指示を出し、ピカチュウはでんこうせっかの指示に従った形で、ロコンの前に行き思い切りぶつかった。
「ロコンッ!!」
ピカチュウにでんこうせっかでぶつかられたロコンは戦闘不能となり、蓮子の前まで吹き飛んだ。そんな倒れたロコンを私は抱き抱えると、お疲れ様と笑みを浮かべながら告げてモンスターボールの中に戻す。メリーも一体、自分も一体だがピカチュウはでんきショックを封じられている。いずれ使ってくるとは思うが、その分ハンデがある。私は気を楽にし…
もう一つのモンスターボールからイーブィを繰り出す。早くも2回目となった両者の対面。私、メリー共に軽く息を吐くと…
「ピカチュウ!!でんこうせっか!!」
「イーブィ…ほしがるッ!!」
両者声を張り出して、向かい合っているイーブィとピカチュウに指示を出す。先手を取ったのはピカチュウで、軽い足取りでイーブィに迫って行くと思い切りぶつかった。イーブィはそれにより少しだけ吹き飛ぶが、すぐに踏ん張り私に言われた通り、ほしがるの技を近づいて来ていたピカチュウにぶつける。でんこうせっかしか食らっていないとはいえ、既にピカチュウはダメージを負っている。多少堪えている様子だ。
「一気に行くよ…イーブィ、でんこうせっか!!」
「っ…!!なきごえっ!!」
メリーの前まで吹き飛んだピカチュウ。それに対して蓮子は追撃するとばかりにイーブィに指示を出す。イーブィは足場を土を蹴り上げながら、走り出すと一気にピカチュウの前へ。ピカチュウのなきごえにより、多少怯んだものの、イーブィの攻撃はピカチュウに命中。後退しながらもピカチュウは何とか踏ん張り、気を引き締めた表情を浮かべる。
「近くにいていいのかな…!!ピカチュウ、でんこうせっか!!」
「!! イーブィ!!すなかけ!!」
イーブィとピカチュウの距離はほぼ目の前。当然高速の動きで向かってくるピカチュウのでんこうせっかをかわせる筈がなく、そのまま命中するが、イーブィも黙って食う程呑気ではない。私の指示によりイーブィは少し体勢を立て直した後に、砂を思い切りピカチュウにかけた。ピカチュウは多少怯みはしたが、目に砂とかが入った訳ではないようだ。
「今度はこちらの番…!!イーブィ!!ほしがるっ!!」
「ピカチュウ!!でんこうせっかでかわして!!」
その距離未だ目の前。今度はこちらが、とばかりにイーブィに指示を出した私だが、さすがにメリーも危機感を感じていたのか、ピカチュウにでんこうせっかでかわすように指示した。これによりイーブィの一撃がピカチュウにかわされ、さらに後方に回り込まれる形となったが…
「かわされた!?でも…」
「ピカチュウ!!もう一発でんこうせっか!!」
「かわしたらそう来るのは想定内っ!!イーブィ!!でんこうせっか!!」
私が驚きの表情を見せたが、すぐにニヤリとした笑みを浮かべる。後ろから向かって来るピカチュウのでんこうせっかをまともに食らったイーブィだったが、イーブィは蓮子の指示通りに技を行うために振り返ると、ピカチュウに思い切りぶつかった。これによってピカチュウは吹き飛び…戦闘不能となった。
「ピカチュウ!!」
イーブィのでんこうせっかを喰らい、戦闘不能となったピカチュウの元に駆け寄り、急いで抱き抱えるメリー。一方の私は最初はピカチュウが倒れた事を理解出来ていなかったが、メリーが駆け寄ったのを見てようやくホッとしたかのような表情を浮かべた。心なしかイーブィも嬉しそうにジャンプしている。2人のバトルを見て、霊夢は微笑みながら拍手をすると…
「2人共見事な勝負だったわ。見ている側からしても楽しかったわ」
「霊夢さん……あれ…?」
勝負に夢中になっていたせいか、その場に駆けつけていたにとりさんに気づいたのが勝負を終えた後だった。いつの間に?と言う気持ちが強かったがそれ以上に、見てくれていたんだという事にホッとしていると、にとりさんは軽く息を吐きながら…
「お疲れ様。2人共ちょっと強くなったんじゃないかな?」
「ちょっとじゃないですよ!!かなり!!ですっ!!」
にとりさんの言葉を聞いてドヤ顔をするメリーに対して、思わず苦笑いをする私。そんな中、上空が光ったのを確認した私がキョトンとした表情を浮かべていた…
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