「ポニータ!サイケこうせん!!」
「ロコン!!かなしばり!!」
霊矢は少々焦りつつもサイケこうせんを指示。私もその焦りを突くかのようにかなしばりを指示する。後は素早さの問題だが、先手はポニータ。ロコンはサイケこうせんをまともに食らった後に、かなしばりをしサイケこうせんを封じる事に成功。
少しニヤリとする霊矢であるがこちらも厄介な技を封じれた事は事実。少しばかりのお返しをする為に、攻勢に出る。
「ロコン!!でんこうせっか!!」
「ポニータ、ねんりき!!」
でんこうせっかは先制技。必然的にロコンの素早さが上回り、ポニータに一撃を喰らわすもののそのダメージは微々たる物。ポニータはすぐにロコンの方を見つめると、霊矢の指示通り、ねんりきの攻撃を敢行。念により浮かばせられたロコンは私の元まで吹き飛ばされる。
「おやおや…少し不利じゃないか?」
「サイケこうせんがないだけいいって物…!!ロコン…やきつくす!!」
サイケこうせんは高火力の技。今は封じているが、指示されると厄介。私はこの不利を計算に入れつつ、ロコンにやきつくすを指示した。ロコンの口から炎が吐かれるが、ポニータにはやきつくすに対抗する技が今はない。霊矢は歯を食いしばり、ようせいのかぜを指示。
やきつくすの前ではそよ風に等しく、あっという間に炎が風を飲み込みポニータにまともに当たる。これにて少しよろけたポニータを見て私は表情を引き締めると…
「ロコン!!そのままでんこうせっかっ!!」
「くっ!!ポニータ!!ねんりきだ!!」
私とロコンの攻勢に一矢報いようとする霊矢はポニータにねんりきの指示を出す。だがでんこうせっかのスピードを上回れる筈はなく、ロコンの体当たりをまともに喰らいポニータは少々吹き飛ばされる。
ポニータがそのまま立ち上がらないのを見た霊矢は戦闘不能になったのを確信。少し俯きながら舌打ちをし、歯を食いしばると戦闘不能となったポニータをモンスターボールに戻す。どこにも当てられない怒りを拳を握りしめる事でぶつけ、霊矢は三体目のポケモンをモンスターボールから出す。
「行け…エーフィ!!喜べ…僕のラストにしてエースのポケモンだ!」
「…?」
霊矢の言葉には違和感を抱かなかったが、少し不思議に思ったのは私のモンスターボールが少しではあるが揺れた事。恐らく今揺れたイーブィのボールと関係するポケモンなのだろう。エーフィ。少しピンク色の身体をした猫のようなポケモンを霊矢はそう呼んだ。
ラストまで取っておいたという事は彼が言うようにエースで間違いないだろう。私は少し深呼吸をし、気を引き締める。
「ロコン!!やきつくす!!」
「エーフィ!!でんこうせっか!!」
私が指示を出したやきつくす。そして霊矢の出した指示はでんこうせっか。
ロコンが炎を吐き出している隙にエーフィは驚異的な素早さでロコンに迫り行くと、そのまま体当たりにてロコンを吹き飛ばす。それに次いで、ロコンの攻撃はあられもない方向に逸れてエーフィには当たらなかった。
「くっ!!ロコン!!でんこうせっか!!」
「あまえる」
「!?」
せめて一撃を与えたい私の考えが読まれたかのようにエーフィに指示を出した霊矢。エーフィの方がスピードが上であり、ロコンはあまえるにより攻撃力を下げられた状態でエーフィにでんこうせっかを食らわせる。
だがそのダメージはあまりにも貧弱。私は息を呑み、霊矢はニヤリと微笑むと…
「トドメ…エーフィ!!ねんりきだ!!」
「ロコン…でんこうせ…!!」
エーフィの素早さが勝り、私がロコンに指示しようとした瞬間にねんりきをぶつけられ、ロコンは宙に浮かばせられた後に地面に叩きつけられる。砂煙が少し舞う程の威力で、ロコンはポニータとの戦いにて受けたダメージが蓄積していたのかここで戦闘不能に。
霊矢はこれにニヤリとした表情を浮かべながら勝ち誇ったような感じだ。私は一息吐きながらロコンに「お疲れ様」との一言だけ呟くとモンスターボールに戻し、相性が悪いとはいえまだイーブィを出すまいとリオルを出そうとしていたのだが…
「ブイ!!」
「い、イーブィ!!まだ出番じゃ…!!」
「いいじゃないか。蹴散らしてあげるよ」
既にモンスターボールから出ていたイーブィが私の前に。これにかなり驚かせられたが、霊矢の意見もありイーブィを出すことにした。一息吐くと何故かイーブィが睨みを効かせているエーフィに対し、私から指示を出す事にした。
「イーブィ!!びりびりエレキ!!」
「エーフィ、ねんりき」
イーブィとエーフィとでは素早さはエーフィの方が上。エーフィの念で浮かばせられたイーブィはそのまま地面に叩きつけられるが、その間にエーフィに雷の一撃をぶつけ、エーフィを少し吹き飛ばす。イーブィとエーフィ、互いに身体を震わせて態勢を立て直したのを見て…
「エーフィ…でんこうせっか」
「イーブィ!!わるわるゾーン!!」
エーフィが霊矢の指示によりイーブィに迫り、体当たりを食らわせてくる中でイーブィは少し踏ん張りながら黒い衝撃波を出す。エーフィはこれを喰らい吹き飛ばされるが、霊矢の表情が少し疑問を感じた表情になっていた。
「何なんだその技…!!イーブィは本来、そんな技を覚えない筈だ!!」
「そうね。特別な技だからね。その技の先生から見ても、この子は特別な体質を持つ子らしいよ」
「………」
霊矢をここまで怒らせたのは恐らく、聞いたことのない技ばかりだったからだと思う。然もイーブィが覚えている一つの技がわるわるゾーンという、エーフィにとっては効果抜群のタイプの技。エーフィの正確なタイプは分からないが、嫌がっているのは間違いない。
「特別だと…!!ふざけるなぁ!!エーフィ!!かみつく!!」
「イーブィ!!もう一度わるわるゾーン!!」
霊矢の怒りに乗せられ、エーフィは表情を引き締めながら向かって来る。イーブィの目の前で口を思い切り広げるが、私の指示を受けたイーブィのわるわるゾーンが再度炸裂。エーフィがイーブィに噛み付いたタイミングで、エーフィは再度吹き飛ばされる。
「エ…フィ…!!」
「何が違う!!お前のイーブィと僕のエーフィ!!同じ種族の筈…!!」
「そんなの私が知りたいよ…!」
霊矢の怒りはほぼ頂点に達しているだろう。そんな中で高火力技であるわるわるゾーンを2回食らったエーフィはフラフラしている。私がトドメの一撃を指示しようとした瞬間にエーフィは霊矢の前でダウン。そのまま戦闘不能となった。
「エーフィ!!まさか…クリティカルを食らっていたというのか…!!」
「効果抜群の技を何発も耐えられる訳がない。然もクリティカルだとね」
霊矢は歯を食いしばりながらエーフィをモンスターボールの中に戻していく。イーブィは勝った事に喜んでおり、思い切りの笑みを浮かべている。私自身、安心した表情を浮かべると元々ここが分かれ道だった事を思い出し…
「出ておいでリオル!!」
この道が間違っていないかリオルに確かめてもらう。リオルは私の言葉を聞いた後に目を瞑ると、合っているという事を告げるかのように頷く。それを見てホッと安心した表情を浮かべると、少しショックを受けている霊矢に何も言わずにその場を後に…
しようとしたのだが…
「この借りは必ず返す…!!次は僕が必ず勝つ…!!」
「その時はまた受けて立つわ」
気合い十分に告げてきた霊矢の一言に私も軽く言い返すとイーブィとリオルを再びモンスターボールに戻し、そのままジムに向かったのだった。
後書きまで見てくださりありがとうございます。