霊矢との一戦を勝利で終え、また最初のスタジアムがある紅魔館にへと歩みを再開した私。その道中、霧の湖と呼ばれる場所にてポケモンセンターを発見し、傷ついたポケモン達を一度、センターの人に預けたのだった。
「この先、とんでもない人がいたなぁ…多分そこにジムがあるんだろうけど…」
ポケモンセンターに入る前に目撃した大量のジムチャレンジャーの姿。私はその姿に驚かされながら、ここに入ったのだが…既に挑戦を開始している人もいるのだろうか。一息吐きながらそんな事を考えていると…
「あれ?蓮子!!蓮子じゃん!!」
「ん?」
ポケモンセンターの窓から少々霧ががっている外を見つめていると、自動ドアが開いたと同時に聞いたことのある声と共に、足音が聞こえて来た。私は窓を見るのをやめ、声の方に振り返るとそこにいたのは先程、人里のポケモンセンターにて別行動となったメリーの姿。
私はもう追いついたのか、という驚きがあったと同時に…
「メリー。アナタもここに来たばかり?」
「ううん。一度、スタジアム前に行ったよ。でも見てみればもう大渋滞。だから少し落ち着くまでここにと…」
辺りを見渡せば見えるのは一般人には見えるものの、ちゃんとモンスターボールを持っているトレーナーの姿。全員がジムチャレンジャーなのか…メリーの言葉を聞いて少し納得したような気がする。
「後、30分くらいかな…そうしないと落ち着かないと思うよ」
「そっか…魔美の姿は?」
メリーが来たという事は魔美も行動していると思うのだが、メリーは私の言葉に首を横に振ると「姿も見なかったよ」と呟く。私は「そっか」という一言を返すと、メリーにとある事を聞かれた。
「そういえばさっきアフロみたいな奴をもう一度見たんだけど…やたら不機嫌だったんだ。蓮子、何か知らない?」
「ああ…アイツか。アイツも霊夢さん推薦のジムチャレンジャーなんだって。さっきそこでバトルしたよ」
メリーは私の言葉を聞き、大きく驚く。そしてバトルした事を聞かされると名前を聞く前にその結果を尋ねて来た。私は勝ったという事を告げると、ようやく何か納得したかのように笑みを浮かべた。
「だからあんなに不機嫌だったんだね…」
「ちなみに名前なんだけど…」
「ああ、いいよ別に。魔美みたいに関わる訳じゃないしさ」
知らない奴は眼中にないという感じでメリーは私の言葉に対して首を横に振った。意外とも言える対応で私は少し驚いたが、表情に出ることはなかった。そんな中、ポケモンセンター内のアナウンスにて私が持っていた番号を呼ばれ…
「あ、メリー。ちょっと行ってくるね!」
「あ、うん。分かった」
呼ばれたのは私だったのかと言わんばかりにキョトンとした反応をしていたメリー。そんな彼女の表情を一度横見しつつ、センターのナースさんから改めてボールを受け取る。本来はここで終わり…かと思いきや…
「あ、お客さん」
「はい?」
「ドラメシャ…って珍しいポケモンを持っているんですね。アナタに会いたがっていましたので、大事にしてあげて下さい」
ナースの方からドラメシャに関する事を聞かされると、私は若干苦笑いを浮かべながら頷く。そっか…という思いと共に、私はドラメシャが入っているモンスターボールを少し握りしめる。そして一度メリーの元に戻ると…
「あ、蓮子!聞いて聞いて!行ってる間にスタジアム関係者の人が来ていたよ。私と蓮子を探していたみたい」
「え?私とメリーを?」
スタジアム関係者がジムチャレンジャーに何の用なのだろうか。メリーが言うには外で待っているから私と共にそこに来いと言われたらしい。言われるがまま、私はメリーと共にポケモンセンターを出て関係者が待っているという場所に向かう。
近くにそれらしき姿はない。私とメリー、2人で見渡しながら歩いていると一つの木の陰にて日傘を持ちながら待っている少女が。その肩には羽らしき物が生えている。
「メリー。もしかして…」
「そうそう!あの人!おーい!!」
メリーは私の言葉に頷くと少女の元に近づいていく。完全に背も低く、私達より年下みたいに見えるが近づけば近づく程に彼女の出す雰囲気から、そうではないと思い知らされる。私が少々息を呑みながら足を止めると…
「ふぅん?アナタがメリーと共に霊夢から推薦を受けたトレーナーね?霊矢とはまた違った雰囲気ね?」
「………」
霊矢に会ったという事を口に出そうとしたが少女は全て読み切っているような反応を見せていた。「皆まで言わなくていい」と言わんばかりに微笑んでいる彼女に、少々息を呑んでいるとそのままゆっくりと語り始めた。
「私はレミリア・スカーレット。ここのジムリーダーである紅美鈴の主人よ。そしてチャンピオンの霊夢とはちょっとだけ因縁深い関係にあるわ」
少女はレミリア。ジムリーダーである紅美鈴の主人だという。霊夢さんと少々因縁深いと話す彼女の言葉を無言で聞いていると、レミリアは少し息を吐き私達の目をじっと見つめる。
「…いい目をしているわね。大抵ここに来るジムチャレンジャーは自信なさげの奴らが多いけど、アナタ達は違うみたいね。自信に満ち溢れているわ」
「あ、ありがとうございます…」
レミリアさんの言葉に少し言葉を詰まらせながら礼を述べる。メリーは明らかに嬉しそうな表情を浮かべていたが、私は緊張しぱなしでそんな余裕はない。レミリアさんはクスクスと笑みを浮かべると…
「そんなアナタ達に少し教えてあげる。美鈴はかくとうタイプを使うわ。ジムチャレンジを突破出来る自信があるなら、紅魔館にいらっしゃいな」
レミリアさんは美鈴がかくとうタイプを使うという事を教えてくれると、軽く挑戦状を叩きつけるかのようにその場から去って行く。レミリアさんの言葉に闘志を燃やすメリー。一方の私は緊張していた。
「絶対かぁつ!!それじゃ蓮子!!私、先行くね!!」
「あ、ちょっとメリー!!」
勢いよく走り出したメリーは私の言葉で止まる気配すら見せず、その場から一気にジム前にへと走って行く。レミリアさんが言った因縁という言葉も気にはなるが、まずはジムチャレンジに挑まなければ…
「よし…!!私も頑張ろ…!!」
覚悟を決めて紅魔ジムに向かってゆっくりと歩き始める。先程よりは少なくなったものの、遠くから見ても分かるぐらいの並んでいる人の多さ。まずはその行列に並びつつ、集中力を高めて行く。
聞こえてくる歓声にどこか緊張が入れ混じり、集中出来ない気持ちも湧いてくるが今はそんな事言ってられない。
「………」
待つ事数分。ようやくの思いで紅魔スタジアムの中へ。紅魔館そして紅魔スタジアムと2つの建物が横並びで立っているらしく、レミリアさんは普段は紅魔館という建物に住んでいるとの事だ。数分しか見えなかったが、赤色をした巨大な館だった。
一方の紅魔スタジアムは最初に見た人里スタジアムとは少々内装が違い、オレンジ色を中心とした塗装がされている。ジムリーダーの方がそういう色を好んでいるのだろうか…
「……(ゴクリ)」
並んでいる中でメリーが一足先に更衣室に入って行く姿が目に入る。いよいよかという思いが私の緊張を高めて行く。行列を少々進み、ようやく受付の前へ。ジムチャレンジについての説明を聞いた後に…
「ここでのジムミッションはポケモンバトルになります」
「ジムミッション?」
「ジムリーダーと戦う前に行う前哨戦です。今回はバトルですので、お気軽に」
今回はという事は色々あるのだろう。受付に更衣室に向かうように言われた私はそのまま向かうのだった…
見てくださりありがとうございますー。