魔美と別れた私は、最初のジムリーダーとの対戦の疲れを癒すために旅館に泊まる。起きて早々2人目のジムリーダー慧音さんと当たる前にリオルがルカリオに進化した経緯もあり、少し技を調整。キズ薬も購入し万全の状態で人里スタジアムへ足を運ぶ…
「2人目…どんなミッションとポケモンを使ってくるんだろう…!!」
少し緊張しながらジムの中へ。すると昨日の美鈴さんのスタジアムの時よりは人が少なくなったものの、やはり受付前に出来ている行列。受付前の列に並ぼうとした瞬間、誰かにトントンと肩を叩かれそちらに振り向くと…
「昨日以来だね、蓮子」
「魔美!ここにいるという事はもう…?」
「うん。相性のいいジムだったからね。何とか押し切る事が出来たよ」
私の視界に入って来たのは少しドヤ顔気味の表情を浮かべている魔美。彼女が受付に並んでいないという事を察して、問いかけるとそのまま二つ目のバッジを見せてくれた。相性が良いと話したがどのタイプを使うジムなんだろう…?
「魔美。ここのジムって…」
「ん?ノーマルタイプだよ。でもかくとうタイプだけで突っ切るのは難しそうだから、色々戦術を考えた方がいいよ」
「ノーマルタイプ…とりあえず分かった。頑張ってくるよ」
魔美のアドバイスを受け私は行列に並びに行ったのだが、その列にメリーの姿はない。あまり気にせず魔美に一言告げたのだが、その事に気づいたのは並んだ後。魔美に声をかけようとしてももう後ろには人が。気にはなるが、しばらくはジムチャレンジに集中しよう…
ノーマルタイプのジム…私で言うとイーブィのタイプのジムか。かくとうタイプのルカリオがメインになってくるだろうとは思うが…と魔美の言葉について考えながら一歩ずつ前に進んでいくと…
「ようこそ人里スタジアムへ!!受付ですね!!」
「ふへ!?あ、はい!!ジムエントリーしに来ました!」
「分かりました!!では更衣室にてユニフォームに着替えて下さい!!」
受付の方の元気な声に押されて、戦術についての考えが全て吹っ飛びとりあえず私は更衣室へ足を運んでいく。一瞬受付の後ろから何か悩んでいるような声が聞こえたが、一体どんなジムミッションをしているのだろうか…
何て事を考えながらとりあえず更衣室へ。82番のユニフォームに着替えてバッグをロッカーにしまって出てきたのだが、どうやら今回のジムミッションは1人で受ける感じでは無さそうだ。とりあえず受付に近づく。
「似合ってますね!それではジムミッションについて説明しますね!ジムリーダーの慧音さんは寺子屋の先生!と言う事で30人のチャレンジャーと共にテストを受けて貰います!」
「ポケモンバトルとかは?」
「しません!!それはジムリーダー戦でお願いします!!」
無茶苦茶だとは思ってしまったが、言い方を変えればとんでもなくテストを難しくしていると言う事。大丈夫かな…と思いつつ、とりあえず受付の方の言われるがまま、30人のチャレンジャーとと共に中へ。
少し通路を歩いていると何やら机と椅子が30人分並べられており、その机と椅子の前にある黒板付近には羽を生やした小さな少女が立っており足音とと共にこちらに振り向く。
「ようこそ。私はジムミッション担当の大妖精と申します。立ちながらと言うのも酷なので、ひとまず適当に席について下さい」
「(どうなるんだ私のジムチャレンジは…)」
これじゃまるっきり勉強会だ。こんな事をしにきたのではないが、文句は言ってられない。目の前の大妖精という方に視線を向けると同時に席に着く。そして大妖精さんは黒板に…
「受付の方から説明があった通り。ジムミッションはポケモンに関するテストです。ポケモントレーナーとしての知識が試されると思って下さい」
私は思わず息を呑む。黒板にはリタイア可能という事とジムリーダーに挑む順番はテストの点数が一番高い者からという。制限時間は50分。大妖精さんの近くには待つ時間の削減の為だろうか、何人かの妖精が待機している。
するとチャレンジャーから最下位になるとどうなるかという質問が大妖精さんに出てくる。大妖精さんは席に着いているチャレンジャーの方を全く見ることなく答える。
「最下位の方は勉強し直しという事で強制リタイアです。尚強制リタイアの対象は…」
黒板に書かれたのは30人中15人が強制リタイアになるという事。かなり厳しいがポケモントレーナーなら知っていて当然というような問題が出てくるのだろう。昨日も見たが厳しそうな人だった、正にイメージ通りかもしれない。
最下位には絶対ならない…!!そう心に決めていると大妖精さんからジムミッションのテストが配られて行く。テスト内容は本当にポケモンバトルや戦術などの基礎知識みたいな感じだ。
「制限時間は50分。私が測ってますので始めて下さい」
ピッというタイマーのような音と共にチャレンジャー達が用意されている鉛筆を使って、テストの解答用紙に書き始める。中には速攻で頭を悩ませている者も。ちなみに1問目はノーマルタイプに対する立ち回りについて。
いきなりこれは…少しハードルが高いような気がするがこれも問題…やるしかない。魔美やメリーそして霊矢さらに美鈴さんと対戦した時に得た経験と知識をフル活用して、解答用紙に書き込んでいく。
「(あれ?周りから鉛筆の音がしなくなったような…)」
30人いるのに聞こえてくるのは私の鉛筆の音のみ。全員悩んでいるような声が聞こえたり、机をつつくような音も聞こえてくる。無理もない、内容が全てバトルに関して、それも立ち回りだ。ルーキーのトレーナーもいるだけに確かに立ち回りについて問題にするのは酷かもしれない。
私もルーキーだが今のところはどうにか書き進める事が出来ている。丁度全て終えたのが30分を経過したぐらいの事。何とかなったと信じつつも待つ事20分。タイマーが鳴ったと同時に待機していた他の妖精がテストを回収して行く。
「こんなんじゃ一生ここのジムリーダーに挑めねえよ…」
「……」
やっちまった…と言わんばかりのチャレンジャー達の声が聞こえて来る。早く終えた私も何点かによっては強制リタイアもあり得る。あり得ないスピードで採点して行く事数分。大妖精さんが息を整えると…
「今からベスト15を書いていきます。番号順に書いていきますので、呼ばれた人は他の妖精の案内に従って下さい」
大妖精さんが黒板に書いた最初の番号が82番。100点中95点で堂々の1位でジムリーダーと対戦出来る事に。私は小さくガッツポーズをすると、他の妖精の方の案内を受け、スタジアム前の通路に足を運ぶ。
そして小さく息を吐きながら通路を歩いて行くとバトルコートに出てきた。既にジムリーダーである慧音さんが待機。私が目の前に姿を見せると少し驚いたようなそんな表情を見せ…
「ああ…君だったのか。さっき昨日バトルしていた相手と対戦したよ。良いポケモンを使っていた。いいトレーナーだと思ったよ」
「私も負けないように頑張ります…!!」
「その意気だ。テストで1位通過したその知識はよし…後は実力だね。バトルで見極めさせてもらうよ」
慧音さんはそう笑顔で私に告げると、少し距離を離れてモンスターボールを手に持つ。私も距離を空けモンスターボールを持とうとしたその瞬間。私のボールケースからイーブィが勝手に出てきた。
「い、イーブィ!?」
「ほう…?やる気だな、そのイーブィ。じゃあ私も出すとしようか。行っておいでウールー」
メリーが出した事のあるウールー。イーブィとウールーの対面にこのスタジアムにいる観客が大きく盛り上がりを見せる。そんな中私と慧音さんによるジムマッチが始まろうとしていた。
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