灯火の星   作:命 翼

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久しぶりに投稿します。遅くなりました。


後継者を求めるジムリーダー

 その歓声はいつも以上に大きく感じた。永琳さんが言うにはジムチャレンジに挑んだチャレンジャー達はここで諦める事が多いという。いわゆる第一関門。今席にいる観客達はどんな思いでコートに足を踏み入れた私を見ているのだろうか。

 

 一歩一歩歩きバトルコートに足を踏み入れて行く中でその反対側の通路から長い黒髪を靡かせ、一人の女性が歩いて来た。まだ後継者を求めるのが要らなく感じる程の美人だが、何か思う事があるのだろうか。

 

「さて…ようこそジムチャレンジ、エントリーの方。私は輝夜。美鈴、慧音、妹紅と退けた実力はモニターから確認させてもらったわ」

 

「試されるような感じだったので少し緊張しました」

 

「ごめんなさいね。でも試験はまだ続くの。この私が試験官よ。ポケモンにどんな反応させるか見せて頂戴」

 

 輝夜と呼ばれるジムリーダーは私との会話の中でクスっと笑みを浮かべると、クルッと私に背中を向けて距離を開けて行く。彼女につられるように私も輝夜さんから距離を開けてモンスターボールを取り出す。小さく息を吐いて気持ちを落ち着かせようとする中、輝夜さんが手を叩き…

 

「合図お願い」

 

 と一言呟く。その一言呟く間に輝夜さんはモンスターボールを取り出す。観客席の後方にある鐘が力強く鳴り響き、輝夜さんは表情を整えてボールを投げる。私も彼女に再びつられ…

 

「行きなさいトゲキッス!!」

 

「頼んだよキュウコン!!」

 

 輝夜さんがフィールドに繰り出したのはトゲキッス。若干付いている羽で空を浮遊しているポケモン。フェアリージムという事でフェアリータイプというのは確定している。私の先鋒はキュウコン。ウッウで行きたかったが先程の疲労も考慮してこの選択となった。

 

「キュウコン…だったらトゲキッスで対処しないとね…トゲキッス、しんそく!!」

 

 トゲキッスは輝夜さんの指示を聞くとその場から目にも止まらぬ速さで動き、キュウコンに接近するとそのまま体当たりをかましキュウコンを少し吹き飛ばす。地面を少しだけ抉りながら何とか踏みとどまったキュウコンに対し私は…

 

「キュウコン、おにび!!」

 

「トゲキッス、おにびをエアスラッシュでかき消して!!」

 

 キュウコンから放たれた複数の紫の炎がトゲキッスに向かって行くが、トゲキッスは羽を羽ばたかせて風の刃を巻き起こすと炎を切断しかき消して行く。その間に私はさらに畳み掛ける。

 

「キュウコン、じんつうりき!!」

 

「トゲキッス、マジカルシャイン!!」

 

 トゲキッスの始動がほんの僅か遅れたその瞬間、技を放つ前にキュウコンのじんつうりきによる波動がトゲキッスに命中。その命中したダメージにより怯んでしまい、マジカルシャインを出せなかったがそれでも輝夜さんは怯む事なく…

 

「エアスラッシュ!!」

 

「やきつくす!!」

 

 トゲキッスが少しふらっとしながらも何とか体勢を立て直し、再び羽を羽ばたかせて風の刃を放って行く中私も応戦しキュウコンに指示を出す。炎の弾丸が風の刃に命中し、相打ちを起こし爆煙を巻き起こす。爆煙により前方が見えない状況だが…

 

「キュウコン、かえんほうしゃ!!爆煙をかき消して!!」

 

 爆煙の中に紛れ攻撃される恐れがある。その心配から私はキュウコンにかえんほうしゃを指示。キュウコンは左から右へ炎を吐き続けた瞬間、これがいい方に転がりトゲキッスに攻撃が命中。炎をまともにくらいトゲキッスは歯を食いしばるが…

 

「トゲキッス、しんそく!!」

 

「キュウコン、応戦してやきつくす!!」

 

 トゲキッスは再び目にも止まらぬ速さでキュウコンに接近。キュウコンが技を出し切る前に体当たりをかましてキュウコンを吹き飛ばす。さらに吹き飛んだキュウコンを見てさらに輝夜さんが畳み掛ける。

 

「エアスラッシュ!!」

 

 若干後ろめの体勢からトゲキッスは羽を羽ばたかせて風の刃を巻き起こし、吹き飛んでようやく踏みとどまったキュウコンに刃を命中させていく。風の刃により巻き起こった爆煙を見て心配していた私だったが、その不安は的中。ここでキュウコンは戦闘不能となった。

 

「優勢かと思ったのに…!!さすがに簡単には行かない…!!」

 

「あら?期待はずれかしら?」

 

「何の!!ここから巻き返します!!」

 

 トゲキッスにかなりのダメージを与えていた筈だったが、倒れたのはキュウコンの方。少し余裕を見せる輝夜さんの笑みに対して対応しつつも、キュウコンを戻し悪い流れを断ち切るために私はこのポケモンに場を託す。

 

「頼んだよ、イーブィ!!」

 

「ブイ!!」

 

「(ただのイーブィと思いたいけど、ちょっと特殊らしいわね。慎重に行きましょう)」

 

 観客は私が出したイーブィに対して拍子抜けといった感じで笑っていたようだが、輝夜さんはそうでも無さそうだ。ただキュウコンとは違いイーブィにはフェアリータイプに対して耐性がない。仕留めるなら1発…1発で行かないと…!!

 

「トゲキッス、マジカルシャイン!!」

 

「行くよイーブィ!!かわしてびりびりエレキッ!!」

 

 トゲキッスの体が突如光だしその光から無数の光の弾丸がイーブィに向かって放たれて行く。イーブィは軽い身のこなしでマジカルシャインの弾丸を全て避け切ると、タンっと地面を蹴り出して空中へ。そのまま身体に電気を溜め込みトゲキッスに向かって放出して行く。

 

「ッ!!トゲキッス回避!!」

 

「!!」

 

 かわそうとしたトゲキッスにびりびりエレキの電撃が命中。それが蓄積していたダメージに影響したのかトゲキッスはそのまま地面に落下し、戦闘不能に。長引かせればこちらが不利だっただけにこれは心底ホッとした。

 

「ナイス、イーブィ!!

 

「ブイ!!」

 

「ただのイーブィと侮るなかれ…ね。なら徹底的に潰しに行く!!行きなさいクチート!!」

 

 トゲキッスをボールの中に戻して繰り出したのは二体目のクチート。身体を常に後ろに向けており、その後ろの髪のような所には牙がついた巨大な口が。フェアリータイプというのは間違いないが、先程みたいにいい流れで行けるような相手ではないだろう。

 

「気をつけて…行くよイーブィ!!でんこうせっか!!」

 

「そのまま受け切ってクチート!!」

 

 イーブィにでんこうせっかを指示した瞬間に輝夜さんが微笑んだのが目に入る。イーブィはジグザグに動きながらクチートに接近すると、そのまま体当たりをかますがクチートは何も食らっていないような反応を見せ…

 

「ッ!?効いてない!!」

 

「タイプぐらい、しっかりと見極めるものよ!クチート、アイアンヘッドッ!!」

 

 クチートがこちらに振り向き、イーブィに向かって思い切り頭をぶつける。イーブィはその一撃を喰らい、かなり吹き飛ばされたがコートの芝を抉りながら何とか踏みとどまった。アイアンヘッドははがねタイプの技…まさかはがねタイプ…!?

 

「はがねタイプ…!!だから出してきたのか…!!」

 

「そう。生半可な技じゃ返り討ちにしてあげるわ、クチート、ようせいのかぜ!!」

 

「イーブィ、いきいきバブル!!」

 

 クチートの後ろの口が思い切り開き、そのままピンク色の風が放たれて行く。私も応戦しイーブィにいきいきバブルを指示。イーブィは口から無数の泡を放って行くが、ようせいのかぜといきいきバブルがぶつかり合い相打ち。再び爆煙が巻き起こった。

 

「っ…!!(どう攻める蓮子…!!先制技が通用しないのなら…)」

 

 立ち塞がる最初の難関。少し浮き足立っていた私の感情はこの時にはすっかりと消え、いつのまにかこの状況をどうやって打破しようかという気持ちに変わっていた…




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