「一気に押し切るわよクチート!!アイアンヘッド!!」
「(ここは無茶な戦法でも攻めるしかない!!)イーブィ、きらきらストーム!!」
攻めなければ勝ちは見えてこない。頭をグッとこちらに向けてイーブィに向かってくるクチートに対して、私が取ったのははがねタイプであるクチートに対してのフェアリータイプの技を放つ事。一瞬びっくりしていたイーブィだったが、頷くと声を張り上げる。
すると空からクチートに向かって衝撃波が落ちて行くが、効果があまりない影響からかその動きが遅くなっただけ。
「こんなの蹴散らしてあげる!クチート、ようせいのかぜ!」
「(来た!!)イーブィ、身構えて!!」
クチートはアイアンヘッドを中断すると衝撃波に向かって思い切り口を開き、ピンク色の風を放って行く。衝撃波とドンピシャのタイプでぶつかり合い、爆煙が巻き起こったのだが攻めづらい状況の中イーブィに身構えさせていた私は…
「イーブィ、でんこうせっか!!一気にクチートに迫って!!」
イーブィがここに来るまでに見せてくれていた嗅覚を信じ、攻勢に出る。イーブィは爆煙の中に突っ込んで行くと、爆煙で周りが見えなくなっているクチートに接近し声を張り上げる。
「あの爆煙をかき分けて!?」
「今だイーブィ!!びりびりエレキッ!!」
イーブィは間近で身体に電気を纏うとそのまま一気にクチートに向かって電気を放出。クチートにダメージを与えたがまだ倒れない。このタイミングで爆煙が晴れていき、輝夜さんがクチートに指示を出す。
「近くにいるのは好都合!!クチート、アイアンヘッドッ!!」
クチートは大きな頭のような物をこちらに向けるとそのままイーブィに思い切りぶつけ、イーブィを吹き飛ばす。イーブィはかなり吹き飛んだが最後は地面を抉りながら私の手前で踏ん張る。少しよろけるイーブィに対して輝夜さんは好機と見たのか…
「クチート、とどめにするわよ!!かみくだく!!」
「(信じるしない!!)イーブィ、びりびりエレキ!!」
大きな頭のような物に付いている口を思い切り開き、自身は背を向けながらイーブィに向かって飛んで向かって来る。その間にイーブィは身体に電気を溜め込み、クチートに向かって一気に放出。クチートは命中しながらもイーブィに接近。
そのままイーブィの身体に思い切り噛み付いたのだが、数秒もしないうちに耐えられなくなり頭を離しそのまま俯けにダウン。それに連れられる形でイーブィも倒れ、ダブルノックアウトとなった。
「へえ…やるじゃない。私の2体目まで倒すなんて。まあいいわ」
「お疲れ様、イーブィ。あとは任せて…」
私の残るポケモンは二体。ウッウは先程の疲労がある影響からか、選出しづらい戦況であるイーブィもキュウコンも倒れた。だったら託せるポケモンは一体しかいない。
「後は任せるよ…ルカリオ!!」
「参ったわね、中々相性悪い奴で来たじゃない?まあ覆して見せましょうか」
輝夜さんが繰り出したのは若干蝶のような羽を持ったポケモン。彼女の口からはアブリボンと呟かれた。私のポケモンはルカリオ。こういう逆境の中で必ず頼りにして来たのがルカリオ。現状の私のエースとも言えるポケモンにこの場を託す。
「行くよルカリオ!!がんせきふうじ!!」
「アブリボン、かふんだんご!!」
ルカリオは地面を思い切り叩きつけ砂煙を巻き起こすと、どこからか取り出した二つ程の岩をアブリボンに向かって投げつける。アブリボンは自ら作ったかふんだんごにて岩を粉砕したのだが、私の思いを汲みとったルカリオが砂煙の中に突っ込んで行き…
アブリボンの目の前へ。そして…
「バレットパンチッ!!」
「!!」
相手に指示を出させぬままにルカリオの先制技であるバレットパンチがアブリボンに炸裂。高速のパンチをアブリボンは何発も喰らい、少し怯んだようなそんな仕草を見せたがすぐに体勢を立て直すと…
「ドレインキッスッ!!」
フラついたので少しルカリオを離れさせようとしたのだが、予想以上に立て直すのが早く指示を出せなかった影響もあり、アブリボンの攻撃がルカリオに炸裂。キスされた頰をさすりながらルカリオはアブリボンから距離を取ったのだが…
鋼タイプが入っている事もあり済んだダメージは最少限で済んだ。
「アブリボン、あまいかおり!!」
これで終わりという訳にもいかずに輝夜さんは畳み掛ける。アブリボンは身体全身からピンク色の煙を出し、ルカリオの視界を妨げるように放ったが極め付けは煙から香る匂い。目も鼻もあまいかおりに持ってかれる中で…
「アブリボン、再度ドレインキッス!!」
「(アナタなら行ってくれる…!!)ルカリオ、バレットパンチッ!!」
私からの言葉を聞いた瞬間にルカリオは目を瞑り、向かって来ているであろうアブリボンの気配を探る。すぐに目を開けると近づいて来たアブリボンに対し、再度高速のパンチをお見舞い。最後の1発を受けて吹き飛んだアブリボンはそのまま戦闘不能となった。
「あちゃあ…やっぱり不利だったか…」
「ナイス、ルカリオ!!」
「さて、こっから本番で行かせてもらうわよ」
観客のボルテージが最高潮に達して行く中でアブリボンを戻した輝夜さんが繰り出したのは、マホイップというクリームのような素肌をしたポケモン。輝夜さんはスゥ…と息を吸い、大きく吐くと…
「簡単に負ける訳には行かないからね、粘らせてもらうよ。マホイップ行くよ…キョダイマックス!!」
「キョダイマックス!?」
輝夜さんはマホイップをボールに戻すとダイマックスバンドからのパワーにてボールを大きくし、後方にへと投げつける。ボールから出てきたマホイップは普通の姿とは違い、ケーキの上にいるかのようなそんな姿に。私はその姿に驚かせられたが…
「グウ!!」
「へ?あ…ごめん…こちらも行こっか!!ダイマックス!!」
ルカリオに喝を入れられ、気合いを入れ直した私はルカリオをボールに戻すとダイマックスバンドからのパワーでボールを巨大化。そのまま後方にへと投げ付け、出てきたルカリオは巨大な姿で声を張り上げた。
「キョダイマックスとダイマックス、どちらが上だろうね!!マホイップ、キョダイダンエン!!」
「ルカリオ、ダイスチルッ!!」
大歓声が湧き上がる中、マホイップが放った星達とルカリオが放った鋼の岩。ギリギリのタイミングでマホイップの放った星からの光がルカリオに命中し、ルカリオが放った鋼の岩もマホイップに命中した。互いにダメージを負い、少しよろける中で…
「もう一度!!ダイスチル!!」
「キョダイダンエンッ!!」
どちらも強気に攻勢に出てお互いの技がお互いに命中。二度目のキョダイダンエンを受けたルカリオがよろめきを見せる中で、マホイップの方は爆発し鳴き声を上げながら撃沈。元の姿に戻ったかと思えばそのまま戦闘不能となった。
「…ふぅ…」
輝夜さんが一息吐いた瞬間にルカリオも元の姿に戻り、このタイミングで少し地面に膝をついた。
「お疲れ様、ルカリオ。戻って」
このタイミングでルカリオをボールに戻す。輝夜さんが一息吐きながらマホイップを戻し、そのまま私の元に近づいて来たのを見て私も歩み寄って行きすぐ近くに。私が手を差し伸べると輝夜さんはその手をがっちりと掴み握手を交わす。
「いい勝負だったわ。お疲れ様」
「はい!ありがとうございます!あのジムリーダーの試験の奴は…」
「ああ…不合格よ」
「え」
笑みでそう教えてくれた輝夜さんではあったが、何が悪かったかとかはそういうのは教えてくれなかった。この後少しだけ疑問に思いながら、ジムを後にする事になるのだった…
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