「サーナイトによる2連勝!それで決着をつけてあげます!サーナイト、サイケこうせん!!」
「ルカリオ、かわしてバレットパンチ!!」
最後の一体になったという事で気合いを入れ直した霊矢はサーナイトにサイケこうせんを指示。サーナイトは手を叩くと念力の光を作り出し、両手を突き出し光線として一斉放出。ルカリオは少ししゃがみ気味でサイケこうせんをかわし…
その場を一気に蹴り出しジグザグに動きながらサーナイトに接近。そのまま殴りかかる。
「サーナイト、めいそう!!」
咄嗟にサーナイトがめいそうにより小さなバリアを作り出したが、リフレクター並みの硬さにはならず、ルカリオの拳の前にあっさり粉砕。高速で繰り出されたパンチが数発、サーナイトに命中しサーナイトは少しだけ吹き飛ばされる。
「サイコキネシスッ!!」
少し吹き飛ばされたサーナイトではあったがすぐに体勢を立て直すと念力にてルカリオを宙に浮かし、一気に地面に叩きつける。砂煙が多少巻き上がる中霊矢は攻撃の手を緩めず…
「サーナイト、マジカルシャインッ!!」
「ルカリオ、がんせきふうじッ!!」
サーナイトの身体が突如として光始め、その光から生成された光の弾丸がルカリオに向かって放たれる中、砂煙の中で立ち上がったルカリオは地面を叩きつけ岩を宙に浮かせると光の弾丸を岩に当てさせて攻撃を塞ぐ。
「小癪な手を!!」
「攻勢に出るよルカリオ!バレットパンチッ!!」
立ち上がったルカリオは砂煙を巻き上げ、走り出すと一気にサーナイトに接近。またしても数発パンチを叩き込むが今度はサーナイトが地面を抉りながら踏ん張り切る。また攻勢に出られるかもしれない…その事を危惧した私は賭けに出る。
「ルカリオ、はっけいッ!!」
「4倍半減の技に何が出来ますか!!サーナイト、めいそうッ!!」
体勢は崩していなかったサーナイトは迫ろうとするルカリオを前にして、自身が瞑想する事で小さなバリアを作り出す。ルカリオのはっけいはバリアが粉砕したと同時に防がれ、サーナイトの能力を上昇させる結果となったが今はこれで構わない。
攻撃させなかった事がこの場面では重要だから。
「サーナイトは特殊技を使うタイプ!!このめいそう2段積みは勝ちと言ってもいい!!サーナイト、マジカルシャイン!!」
「(迂闊な手は直撃を招くだけ…!!)ルカリオ、バレットパンチ!!」
「血迷いましたかっ!!餌食になるといい!!」
サーナイトの身体が光始め光の弾丸が至近距離で放たれて行く中、私はあえて攻撃技を指示。ルカリオは弾丸を何発か喰らいながらもサーナイトに接近。拳を突き出し、サーナイトの身体に一撃を加えると先程と同じく何発も高速でパンチを叩き込む。
攻撃はもうさせない!!少しふらつくルカリオを見てそう感じた私は思い切って指示を出す。
「ルカリオ、はどうだんッ!!」
「そんな物!!消し飛ばしてあげます!!サイケこうせんッ!!」
ルカリオが波動を溜め込み、サーナイトは手を叩き両手を突き出し、はどうだんとサイケこうせんを一斉に放出。両者の一撃はお互いに端の方に当たった事により微妙に変化し、そのままサイケこうせんはルカリオに、はどうだんがサーナイトに直撃。
ただお互いにダメージを蓄積していた影響か、地面を抉りながら耐え切りはしたものの耐え切った後にそのまま両者倒れ込み戦闘不能。ダブルノックアウトという形での決着となった。
「負けた…!?馬鹿な!?僕がまたアナタに負けた!?」
「霊矢選手!!」
こちらには戦闘には参加していなかったウッウが残っている為、この瞬間に私の勝利は確定。だがその現実を受け止めきれない霊矢は唖然と言った表情を浮かべ、何度も同じ言葉を呟いていたがこういう事をすればすぐにバレるというもの。
違う声が聞こえて来たものでふと背後に振り返ってみるとそこにはスタジアムスタッフの方とジムリーダーである輝夜さんの姿が。
「何をしてるんですか二人とも!!竹が燃えてるじゃないですか!!」
「これには事情があって…」
「事情あるでしょうねこれは。言い分を聞きましょう」
輝夜さんの目は若干怒りに満ちていたが言葉自体は冷静だった。ボソボソ口だった霊矢とはっきりと無関係である事を伝えた私。さすがにトレーナーに対してなみのりを指示した事は怒られたが、信じてくれたようでその矛先は霊矢に傾く。
「どういう意図があってやったのか説明してもらえる?」
「と、トレーナーが通りやすくする為ですよ!!ややこしいの何の!!トレーナーの為にやって!!ジムチャレンジの難易度を下げてるんです!!」
「難易度はこれでいいの。迷ったらウサギ達が人里に送る仕様になってるから」
輝夜さんの話を聞いて初めてその事を知ったが、今は黙っておこう。声を張り上げて口を開く霊矢に対し首を左右と一回ずつ動かし、ため息を吐く輝夜さん。若干眉間に皺を寄せた表情を見せつつ霊矢を指差し…
「いい?妹紅はね、この迷いの竹林で迷わない事をミッションにしてる訳。普段はムカつくし、殺してやりたい奴だけど!私もそれを了承してる訳ッ!!」
「古臭い風習が何だというんですか!!甘ったるい考えで希望を摘み取ってどうするんです?何の為のジムチャレンジで…」
「ジムチャレンジはッ!!勝ち上がる事の厳しさを叩き込む大会なの!!希望は勝った奴が吐ける台詞なのッ!!」
徐々にながら輝夜さんの語気が強くなって行き、怒りの表情を見せた彼女が霊矢に詰め寄っていく。自分の為に怒っているのではない。ジムチャレンジや妹紅さんの為に怒りを露わにしている…
「スタッフ!!」
「は、はい!!」
「霊夢に報告して!!コイツの根性、しばらく叩き直してやるって!!」
「り、了解しました!!」
輝夜さんは言葉では治らないと思ったのか、霊矢の事について霊夢さんに伝える事を指示。自身は霊矢の手をがっちりと掴み、ジムに向かって引っ張って行きその場を後にしていく。どういう事か分からないままその場に取り残された私だったが…
その場にてゐさんが歩いて来て…
「何か大変な事になっていたみたいだね?」
「て、てゐさん…!!そうなんです…霊矢が…」
「皆まで言わなくても分かるよ。アンタはアンタの事に今は集中しな。どうなったかは勝ち抜いてから分かるだろうし」
てゐさんの言葉に納得した私はひとまず霊矢については輝夜さん達に任せる事に。てゐさんが言うには次と次のジムリーダーはダイマックスを使わないという。その事に驚きを隠せずにいたのだが…
「後、今にとりから連絡が入ってね。人里に戻ったら慧音がいる寺子屋に向かえって。アンタが預けているドラメシヤが元気になって、アンタを待ってるって」
私にとってその言葉が何よりのサプライズだった。どんなトラウマを植え付けられていたのだろうと。モンスターボールから出てこなくなった時はどれほど心配しただろうか。私はふと笑みを浮かべ、てゐさんの言葉に深々と頷いた。
「分かりました…!!ありがとうございます…!!」
「礼は慧音に。アンタが預けていた間ずっと世話していたんだから」
私はもう一度深く頷き、てゐさんにお辞儀をしてその場から去っていく。迷いの森から戻ったその時、まずはポケモンの回復など色々用事はあるがドラメシヤを迎えに行ける…!!
ルカリオ達が戦闘不能の為、道をゆっくりと思い出しながら人里に戻って行く。私の心は既にドラメシヤと再会出来る思いで一杯となっており、ジムリーダー二人を倒した疲れを吹き飛ばしてくれていた…
戦闘描写は上手くいったと感じてます。