灯火の星   作:命 翼

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次の20日が今年ラストになります。


あの時以来の再会

「お待たせしました!ポケモンはみんな元気になりましたよ!!」

 

「ありがとうございます」

 

 ドラメシヤとの再会に向けすぐに寺子屋に向かうのではなく、まず倒れたルカリオ達を回復させる為にまずポケモンセンターに寄った私。回復してもらったポケモンのボールを受け取った後、すぐゆっくりと息を吐く。変…ではないだろうか。

 

 寺子屋に進もうとした足がナースさんからボールを受け取った所から少しだけ進み、ポケモンセンター出口付近で止まる。苦渋の決断だったとはいえ、私はドラメシヤを置いて行った形に見てもおかしくない行動を取った。

 

「………」

 

 再会に浮かれていた私を何かが引っ張り込んでいるようなそんな気がした。拳をぎゅっと握りしめ、自分自身に「大丈夫」と言わせるかのように私は首を縦に一回頷く。竹林から抜けた後の空を見てみれば、夜空の雲がかかった薄暗い空。

 

 ジムチャレンジ開催中という事もあり、開いていたスタジアムからも観客の声が聞こえなくなり、そろそろ閉じる時間なのだろう。

 

「行こう…!!絶対大丈夫…!!」

 

 自身にそう言い聞かせて私は止めていた足を一歩一歩前へと踏み出していく。前へ、前へ。ただ寺子屋に向けた足を止めない為に。邪心を今は頭の中に入れずただ前へと歩いていると、ポケモンセンターと寺子屋の距離がそんなに遠くない事からあっという間に寺子屋にたどり着く。

 

 たまに夜間授業をやっているとの噂らしいが、この日はさすがにジムチャレンジ中という事もあり子供達の声は聞こえて来ない。だが私の前に聳え立つ寺子屋の門がいつも以上に大きく見えるのは確か。

 

「……?」

 

「ブイ!!」

 

「大丈夫…だよね。分かった、行こっか」

 

 門に近づき緊張する私に見かねてだろうか。ボールの中にいたイーブィが外に出てきて私を激励。そんなイーブィの笑みを浮かべての声に私も笑みを浮かべて一回頷くと門をゆっくりと押していく。ギギギ…という木の乾いた音が辺りに響き渡って行き…

 

「どこにいるんだろう…ドラメシヤは…」

 

「そこにいるのは誰だ?」

 

 門を開け、寺子屋にいるドラメシヤを探そうと辺りを見渡していると背後から聞こえてきたのは一人の女性の声。ビクッとした私はすぐに背後に振り返るとそこにいたのはジムチャレンジから戻って来たと思われる慧音さんの姿。こちらにゆっくりと近づくと…

 

「何だ蓮子だったのか。もう3つ目、4つ目のジムリーダーを制したんだな」

 

「お久しぶり…ではないですね。伝言を受けて戻って来ました。ジムも苦戦しながらですが…」

 

「それでいいんだ勝てればな。それで伝言の事か。ついて来い。少々説明するには難しい状態となっていてな」

 

 慧音さんはこちらを見るなりニンマリとした笑みを浮かべて一回頷くと、私の前に出て付いてくるように一言。病気や怪我はしていないとあらかじめ言った上で寺子屋内にへと歩いて行く。そんな慧音さんに私はついて行くと、案内されたのは寺子屋の裏側で…

 

「ドラメシヤはゴーストタイプだ。日中はどうしても太陽が苦手で陰のあるここに…」

 

「…?」

 

 少し暗めの裏側。慧音さんがドラメシヤはゴーストタイプであるが故にここにいると呟いたのだが、その予感が的中…?したかどうかは分からないが視線の先に映ったのは一体のドラメシヤと若干黒めの顔をしているドラメシヤに似たポケモンの姿。

 

「ブイブイ!!」

 

「あ、い、イーブィ!!」

 

「ふ…イーブィはしっかりと仲間の匂いを覚えているみたいだな」

 

「え…?」

 

動揺する私を置き去りにし、イーブィは一体のドラメシヤと共に一緒にいる黒めのポケモンの元に。黒めのポケモンはイーブィとの会話に盛り上がった後にゆっくりとこちらに振り返ると、そのままゆっくりとこちらに近付いて来る。

 

 緊張からか鼓動が早くなる中、黒めのポケモンはこちらに近づくなり一つ鳴き声を上げた。

 

「…!!ドラメシ…ヤ…なの?」

 

「数時間過ぎた辺りかな。やってきた一体のドラメシヤと共に進化したんだよ」

 

「進化…!?ドラメシヤが…!?」

 

「ああ。名前はドロンチ。ドラメシヤの進化系さ」

 

 私がジムリーダー二人を倒している間に元気になり、あっという間に進化した事に私は大きく驚き、ドラメシヤの進化系「ドロンチ」に私は緊張しながらもスッと手を差し伸べると、ゆっくりと顎を乗せてきた。溢れ出しそうな涙をグッと堪えながら…

 

「ドラメシヤなんだね…?間違いないんだよね…!?」

 

「グオン」

 

「良かった…元気になって…本当に…」

 

 こぼれ落ちそうな涙を拭き取った瞬間、イーブィが私の元に戻って来て肩の上に乗る。ドロンチは私の手からゆっくりと離れると、どこかしらに移動。私が探そうとした瞬間にモンスターボールを持って戻って来た。

 

「ずっと竹林の方を眺めていたんだよ。多分、お前の方を見ていたんだろな」

 

「許してくれないと思っていた…!!自分が苦しい時に助けなかったって…!!傍にいてくれなかったって…!!」

 

「だがコイツにとってのトレーナーは蓮子。お前なんだよ。コイツはお前の為に強くなり、進化したんだ」

 

 ふと溢れ出した私の弱音。それをかき消すかのように慧音さんは軽く微笑みながらドロンチの方を見ながら呟いて行く。まるで何も感じなかったかのように首を傾げたドロンチに対して私は、込み上げる物を抑えきれなくなり…

 

 地面に涙をポタポタと落として行く中でドロンチが持って来たモンスターボールを受け取り…

 

「ドロンチ。私は平気でアナタの傍にいずにジムチャレンジを進む事を選んだトレーナーなんだよ?それでもアナタは…私と一緒に…」

 

「グオン」

 

 許す。そう言わんばかりに笑みを浮かべるドロンチに対して私も涙を再度拭き取り肩にいるイーブィも頷きながら声を発する。スッとモンスターボールを差し出すと、ドロンチは自ら近づいて行きその中へ…と思いきや、私のボールの中がモゾモゾしたかと思いきや、ウッウが出てきた。

 

「ウッウ…!?どうしたの…!?」

 

「クワっ!!」

 

「グオン!!」

 

「ウッウ…そうか。仲間に入ったんだな。だったらコイツなりに歓迎してるんだと思うよ」

 

 別れた後にウッウが仲間になった為、ドロンチとはほぼ初対面となるウッウ。ウッウがドロンチに声をかけ、ドロンチもそれに応えるかのように声を張り上げる。一言だけの会話ではあったが通じ合ったようで、ウッウもモンスターボールをじっと見つめ…

 

「グオン!!」

 

 ドロンチが発した声と共に少し吹っ切れた私はスッとモンスターボールをドロンチの前に差し伸べると、ドロンチはそのままモンスターボールにコツンと当たり、モンスターボールの中にへと入って行く。私はそれを見て小さく笑みを浮かべ「お帰り」と呟いた後…

 

「ようやくあるべきところに帰ったなドロンチも」

 

「慧音さん…」

 

「次は無名の丘と呼ばれる場所に向かう事になる。最後の舞台がある所とは正反対の所で二人のジムリーダーが待ち受ける。二人共ダイマックスは使わない」

 

「…!!」

 

 安心したように息を吐いた慧音さんが次に私が向かうべき所を呟く。次は無名の丘。5人目と6人目のジムリーダーが待ち受けるという。何と妹紅さん同様に二人共ダイマックスを使わないという。

 

「ダイマックスに頼れない戦いが続くが…行けるよな?」

 

「…はいッ!!」

 

「よし…じゃあ行って来い。頑張れよ」

 

 己の力とポケモンだけで戦うバトルが続く為、慧音さんから呟かれる言葉の語気もかなり強かったが、私は力強く返事。そこから慧音さんにもらった一言と共に一日挟んで5人目、6人目の元へ向かって行く…




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