3人目の妹紅さん、4人目の輝夜さんを見事打ち倒し5、6人目がいるという無名の丘へ歩き始めた私。ドロンチも加わり、万全の状態で向かって行くのだが無名の丘は人里からかなりの距離がありその道中では太陽の畑という場所に差し掛かる。
バッジ集めも後半戦。二人共ダイマックスを使わないという妹紅さんと同じタイプのジムリーダー。気合いの入れどころかもしれない。
「無名の丘まで9キロで太陽の畑まで7キロ…遠いな。でもジムバッジの為だもん、頑張らなくちゃ」
自らにそう言い聞かせ一歩ずつながらも前へと進んでいく。魔法の森や最後の舞台がある妖怪の山とは全く別のルート。当然見た事のない景色で、右も左も分からない状態なので地図を片手に進んでいくしかない。
ちょくちょく止まりつつ、地図を確認し再度前へ。その繰り返しでただひたすらに歩いていると視界に入って来たのは一人の女性がキョロキョロしながら待っている姿。
「女の人?」
遠めの場所にいた為一瞬誰か分からず、私はそう呟いてしまったがその女性に近づくように前に進んでいくと、その女性がメリーという事が判明。以前のような暗めの雰囲気は感じ取れないものの、どことなく真剣味などは伝わってくる。
メリーは私を見るなり、寄りかかっていた看板から体勢を戻すとゆっくりとこちらに歩いて来た。
「1日ぶりだね蓮子。来るのを待っていたよ」
「メリー…」
「先に行っても良かったんだけど、あんな姿を見せちゃったから。私の中でずっとモヤモヤしていたんだ」
この前はこれっぽっちも見せなかった笑みを浮かべ、来るのを待っていた事を呟いたメリーは私に対してあの時は本当に申し訳なかったとばかりに思いを語って行く。私は無理に言葉を発さずに黙って聞いていると、メリーは私の方をグッと見つめながら…
「蓮子。私とバトルしてくれない?アナタとのバトルで私のモヤモヤを吹き飛ばしたいから」
メリーは笑みを浮かべ元気よく呟きながらモンスターボールを私に向ける。その目に全くの迷いも感じられなくなった事にホッとした私は頷くと、バッグからモンスターボールを取り出し同じく彼女にモンスターボールを向ける。
「よし!じゃあ全力で行くよ蓮子!行っておいでウオノラゴン!」
「久しぶりにやるよドロンチ!」
少し距離を空けお互いに繰り出したのはウオノラゴンとドロンチ。ウオノラゴンはメリーにとって新参だろうか、腕がないのには少々驚かせられる物があるが何タイプなのだろうか。戦いながら探って行くしかない。
「加減しないでよ蓮子!ウオノラゴン、げんしのちから!」
「ドロンチ、りゅうのはどう!」
ウオノラゴンは念力で地面から無数の岩を浮かばせると、そのままドロンチに向かって放って行く。一方ドロンチの口から放たれた波動が岩を粉砕したのだが、破壊できたのは一個。残りはそのまま直撃しドロンチは少し怯む。
「ウオノラゴン、かみつく!」
「っ!ドロンチ、ダメおし!」
ドロンチに岩が命中している間に接近していたウオノラゴンにまともに噛み付かれたドロンチではあったが、自らダメおしの技を放つ事で何とかその噛みつきを振り解く。そして…
「たたりめ!」
少し体勢を崩しかけたウオノラゴンに対して、ドロンチは目を光らせウオノラゴンの周りに魂を浮かばせるとそのままぶつけ体勢を崩させそのまま倒れさせる。
「ドロンチ、ロックオン!」
「ウオノラゴン、まもる!」
ドロンチの狙いを確実にしようとロックオンを指示したが、そうはさせまいとメリーはまもるを指示。ドロンチはウオノラゴンに狙いを定めようとしたが、ウオノラゴンが発したまもるのひかりによりそれが妨害され狙いを定めるには至らず。
「ウオノラゴン、みずでっぽう!」
「かわしてりゅうのはどう!!」
腕がないウオノラゴンにとっては起き上がる事さえ至難の業。メリーはその事を十分熟知しているためか、遠距離攻撃のみずでっぽうを指示。ウオノラゴンは顔だけドロンチに向け、水を放出するもドロンチはあっさりとかわし空中からウオノラゴンに波動を放つ。
ウオノラゴンに波動は直撃。爆煙が巻き上がりその爆煙が晴れるとそこにはウオノラゴンが戦闘不能になっている姿が。
「ふふ…さすがにやるね。だったらコイツはどうかな!」
戦闘不能になったウオノラゴンをメリーはボールに戻し、次に繰り出したのは妹紅さんと対決していた時に見たマルヤクデ。前に持っていたヤクデが進化したのだろう。一度は戦った相手だが今回はトレーナーが違う。気を引き締めないと…
「気を引き締めて行くよドロンチ!りゅうのはどう!」
「かえんぐるま!」
マルヤクデは回転し始め炎を纏いながらドロンチに向かって突進。ドロンチは応戦するためにりゅうのはどうを放ったが、マルヤクデの回転が勝りかき消されるとそのままドロンチに衝突。そのままドロンチを吹き飛ばした。
爆煙が出てきてドロンチは起き上がるかと思ったが、ウオノラゴン戦のダメージが響いたのかそのまま戦闘不能に。効果イマイチの技で戦闘不能にまで持ってかれるなんて…やはり強い!
「お疲れ様ドロンチ。ナイスファイト。ほのおタイプなら…!」
私が次に繰り出したのはウッウ。妹紅さんのマルヤクデの時と同じ対面になった。気合い十分のウッウに対しマルヤクデも睨みを効かせる。私とメリー、両者一息吐くと…
「行くよウッウ!なみのり!」
「かえんぐるま!」
ウッウは地面を叩きつけ地面から水を溢れさせ、津波を巻き起こしてマルヤクデに向かわせて行くとメリーのマルヤクデは先程同じくかえんぐるま。自身を回転させ、そのままウッウに向かって行く際に水に衝突。ダメージは受けなかったが炎が消されたが…
「マルヤクデ、そのままかみくだく!」
「ドリルくちばし!」
ウッウの目の前で回転は止まったが、そのままマルヤクデは噛みつこうとウッウに接近。私はそうはさせまいとドリルくちばしを指示、今度はウッウがドリルのように回転しながらマルヤクデに接近して行く。マルヤクデの牙とウッウのくちばしがぶつかり合ったが…
勝ったのはウッウ。そのままドリルくちばしをマルヤクデに食らわせ、マルヤクデををウッウの近くから離れさせる。
「ひのこ!」
そのままドリルくちばしでマルヤクデを追撃しようとするウッウに対してメリーが出した指示がまさかのひのこ。マルヤクデはひのこを放つとそのひのこはウッウのドリルにて着火。大爆発を巻き起こした。
「ウッウ!」
あんな小さなひのこなのに大爆発を巻き起こすなんて…私はびっくりして息を呑んだがウッウは軽く爆煙を晴らして大丈夫ということをアピール。そのウッウを見て私はホッとしたが、メリーも一息吐いているのに気づくと…
「上手く行ってくれて良かったよ」
「どう言う事?」
「あんだけ回転してるからひのこが一番効くんじゃないかって思って。何の考えもなく、咄嗟に思いついたような感じだけどね」
咄嗟に思いついた戦法がまんまと上手く行き、ウッウのドリルくちばしを遮った訳だ。当初のメリーはガンガン行く感じでこんな戦法がなかった為、一筋縄では行かないなと言う事を実感。小さく私は息を吐くと…
「なるほどね…でも勝負はここから!全力で行くよ!」
「そう来なくちゃ…行くよマルヤクデ!」
ウッウ、マルヤクデ共に声を張り上げ臨戦体勢に入る。私とメリーも気合いを入れ直しこの対面でのすべき事を考える。私はメリーから確かな自信とその自信を体現する力を感じ取っていた…
今年も見てくださりありがとうございます。また来年もよろしくお願いします。