「見事な勝負だったな2人共」
「慧音さん!」
村人達による拍手が巻き起こる中でスッとその場に姿を見せた慧音さん。ジムに行く途中だったのか、その近くには何人かジムトレーナーを引き連れている。魔美と共に私は慧音さんに頭を下げると慧音さんは笑みを浮かべながら私達に語りかけて来た。
「勝敗は付いたが紙一重だったと思う。お前達と一緒にいたメリーも同じように鍛えに鍛えているんだろうな」
「メリーも強かったけど、やっぱり蓮子だよ。メリーには引き分けだったから」
「私もギリギリだった。迷いを吹っ切ってからとんでもなく強くなってると思う…」
「噂によれば…メリーはパーティを入れ替えているらしい。会話したというにとりが教えてくれたよ」
私達のバトルについて語った後慧音さんの口から出たのはメリーの名前。魔美ですら互角の引き分けに終わり、私ですらキュウコンがいなかったら引き分け。相当強くなっているなという話をしていると慧音さんが口にしたのはパーティを入れ替えているという話。
それについて魔美が驚き、私が息を呑んでいると…
「博麗神社に行く近くの道はとんでもなく強いポケモンが沢山いる。その事は2人共知ってるな?」
「はい。見ただけでバトルはしてないですけど…」
「どうやらメリーは通い詰めているらしくてな。修行がてらにバトルして何体かゲットしているらしい」
「あそこのポケモンを…!?」
リオルが仲間になった博麗神社への道。そこにいたポケモンはその時じゃ敵わないポケモンばかりでスルーするかのように通り過ぎていたが、慧音さんの話がもし真実なら太陽の畑行くまでとは比べ物にならない程強くなっている筈。慧音さんが驚く私達を見ながら…
「お前達も頑張れよ。気合い入れないとチャレンジャートーナメントで負けるかもしれないぞ」
「大丈夫ですよ慧音さん!私には私のポケモン達がいます。絶対負けないです!」
「期待してるよ。チャレンジャートーナメントで上がって来ないと元も子もないからな。2人…いや勝った勢いを見せた選手が上がってくる事を期待してる」
慧音さんの口から出た言葉はこの先必ず行く事になるだろうチャレンジャートーナメントやセミファイナルなどの大会。ジムチャレンジを勝ち抜いてもまだ終わりではない。期待をかけてくれた慧音さんが去って行く中で私がチラッと見つめた山の方のスタジアム。
「あそこに行く事になるんだよね8つ集まれば」
「そうだね。…ねえ、蓮子」
「ん?」
「私蓮子やメリーと会えてよかった!勝ちたいと思える目標にもなってくれて感謝だよ!何回も言うけど、次は絶対に負けないから!」
幻想入りしなければポケモンにも会えなかったし魔美にも会えなかった。まだ終わりではないが、終わりが近づいている事を考えれば後一踏ん張りと思える。魔美の言葉に一回頷くと魔美は笑みを浮かべながら、その場を後にして行く。少し離れた所から私の方に振り向き直し手を思い切り振る。
後もう少し。皆が見てくれていると言う事と霊夢さんに挑むと言う目標を胸に今はやって行く。魔美に対して手を振りながら私はもう一度グッと気合いを入れ直した。
「よーし!ポケモンセンターで回復してからアリスさんの元に行くぞー。絶対ジムチャレンジを突破してやるから!」
大きく独り言を呟きながらまずはポケモンセンターへ。向かったポケモンセンターにてポケモンを預けている間、私はこの人里のフードコートにいる教え技おじさんにへと近づいて行く。1人だけタキシードなど洋風な服装を着ている為毎回見つけやすい。
「ご無沙汰してます。おじさん」
「ん?ああ、蓮子ちゃんか。見ていたよ6つのバッジを手に入れたんだって?」
「はい。残るはアリスさんと魔理沙さんだけです」
人里に通りかかった際にはイーブィの技の調整等で世話になっていたおじさん。私が声をかけると若干笑みを浮かべながら6つジムバッジを獲得した事を話して来た。私も彼に対して笑みを浮かべながら後二つという事を報告する。
「そうか…アリスと魔理沙はな。他のジムリーダーから聞いたかもしれないが、ジムチャレンジを突破させる気のないジムリーダーだ。メディスンを突破したチャレンジャーが2人で諦めると言う事は珍しくない」
「何人かはテストのような感覚で勝負してくれてました。2人は…」
「バッジどうぞのスタイルじゃないのは確かだな。成績にこだわって本気でチャレンジャーに向き合っている。一筋縄では行かないと思うぞ」
「メディスンさんを突破したチャレンジャー…に私も該当するんですよね。という事は…」
「最後の難関になるのは確かだろう。だが君なら突破出来ると私は信じておるよ」
今まで当たって来たジムリーダー達はどちらかと言えば突破される為に戦っていた。アリスさんと魔理沙さんはおじさんの話によればその形にはハマってなく、ジムチャレンジだろうがなんだろうが真剣に戦ってくるという話。久々とも言えるダイマックスしての戦いになる。
拳を握りしめ私は正直な思いをおじさんに話した。
「何?イーブィがダイマックスしてくれない?」
「今まで戦って来たジムリーダー。ダイマックスしてくれたのはドラパルトとルカリオだけ…他はタイミングが合わなかったとはいえ、イーブィは嫌がって…」
「なるほど…もしかしたらあの子はダイマックスを嫌うタイプなのかもしれないな」
「どうしたらいいのか…最初に仲間になったのはあの子です。ルカリオも才能がありますけどあの子を蔑ろにする感じは本望じゃなく…」
「確かに君のエースはファンの人が見ている限りだとルカリオだろうな。あの子は君を信頼し切っている。技の使い方、呼吸などが全て噛み合っている。逆に聞くが…ルカリオかイーブィ。どちらが大将だと思う?」
私の中の時がおじさんの一言で止まったような気がした。それは今までイーブィの事をあまり考えて来なかった私への罰なのだろうか。ファンから見たら確かにルカリオだ。スタジアムでの試合は大体がルカリオでフィニッシュを決めている。
私は表情を引き締めながら言葉を発しようとしたその時。ポケモンセンターの呼び出しのチャイムが鳴り響き、私を呼ぶアナウンサーが聞こえて来た。
「あ…」
「どうやら呼び出しだね。話はここまでにしよう」
「…っ!」
「そう迷った顔を見せるな。大事なのはイーブィを信じてあげるという事。ルカリオが応じてくれたんだ。きっと…君次第だと思うよ」
イーブィを信じる事。そう一瞬迷った私の心に深々と刻まれたその言葉を胸に私はおじさんに頭を下げてその場から去って行く。ポケモンセンターのナースさんから回復してもらっていたポケモンを受け取り…
「蓮子さん。ユキハミを連れてますよね?」
「え?あ、はい…」
「凄い楽しそうなのがボール越しでも伝わって来ました。今この子はきっとアナタとジムチャレンジしているのが楽しいんだと思います」
「ジムチャレンジが…」
ルカリオを持っている私は進化方法が分かる。その幽香さんの言葉を思い出した。ナースさんの言葉を聞いて私は一言お礼を告げると覚悟を決め、イーブィを一旦ボールから出す。
「ありがとうございます。ナースさん。少し覚悟が決まったような気がします」
「そうですか。良かったです」
「イーブィ。今度ダイマックスしてくれと言われたら…行ける?」
見つめてくるイーブィに語りかける私。一種の賭けだった。イーブィがダイマックスしてくれたら私の戦術やこの子の戦い方の幅も広がる筈。一瞬困惑したようなそんな表情だったが、私の真剣な表情を見たイーブィは力強く頷く。少しだけではあるが語りかける事で心の距離が縮まったような気がした…
見てくださりありがとうございますー。
次回は進めていこうと思います。