「イーブィ、ダイバーン!」
「ダイウォール!」
両者ダイマックスしてのぶつかり合い。イーブィが放った炎をブリムオンはバリアを貼って防ぎにかかる。炎はバリアによって完全にかき消されたが残った火の粉がスタジアムの天候を日照りに変える。観客の熱気からの日照りの熱、この時ばかりは私は気持ち良く感じた。
アリスさんも笑みを浮かべるとブリムオンに再度指示を出す。
「今度は攻勢に出る!ブリムオン、ダイサイコ!」
「ダイバーン!」
日照りはほのおタイプの技を2倍の威力に変える。イーブィから放たれた炎は日照りの熱気により勢いを増し、ダイサイコとぶつかり合う事なくそのど真ん中を通過。ブリムオンに直撃。然しイーブィにもダイサイコによる念波が直撃。イーブィに当たったダイサイコが特殊な空間を作り出す。
エスパータイプに有利なフィールドに加え、さらに日照りによるほのおタイプの技が2倍と化す天候。それより私の気持ちをさらに昂らせていたのは観客による熱気。歓声に後押しされているような気がした。
(後1発…!どうかは分からないけど落とせるとも思わない…!)
「キョダイテンバツ!」
「イーブィ、キョダイホーヨー!」
空中から星が降り注ぎイーブィの体に直撃。イーブィの放った衝撃波も地面からブリムオンに伝わり直撃。ダイマックス技は必ず直撃するが問題はここから。少しふらついたイーブィはキョダイテンバツの影響により、目を回転させながら混乱状態。ブリムオンもメロメロ状態とアリスさんの声が届いていない。
「イーブィ、めらめらバーン!」
「ブリムオン、サイコキネシス!」
私とアリスさん、2人ともイーブィとブリムオンに指示を出したが両者混乱とメロメロで指示が届かない。それでもイーブィを信じずに変えるなんて事もうしたくない。私は声を張り上げもう一度イーブィに指示を出す。耳に入っているようで後はフラフラの体勢を戻せるか。
アリスさんも必死に声を張り上げた瞬間ブリムオンに届いた様子。次の一撃で全部が決まる…!イーブィの可能性に賭けた私、イーブィが体勢を整えた瞬間に再度声を張り上げる。
「イーブィ、真っ直ぐにめらめらバーン!」
「マジカルシャイン!」
イーブィは身体に炎を纏わせ一気に放出。日照りにより増した炎の量。ブリムオンが放って来た光の弾丸をもろともせずにブリムオンに炎が直撃。こちらまでくるほどの爆煙を巻き起こす。だがブリムオンの一撃も確かにイーブィに命中。数発光の弾丸の直撃を受けたイーブィ。
ブリムオンがどうなったかを見届ける事なくその場に倒れ込み戦闘不能に。一方のアリスさんの周りにあった爆煙が晴れるとそこにいたブリムオンは晴れたタイミングで倒れ込み、戦闘不能となった。
「…!…ふぅ…」
観客の大歓声と共にまだポケモンを残している私は勝利を確信。アリスさんはブリムオンが倒れたのをみて自らを落ち着けるかのように大きくため息を吐くと、ブリムオンをボールの中に戻しゆっくりと私の方にへと歩み寄る。
「アナタの気持ちの強さに負けたわ」
「アリスさん…ありがとうございます!本当にいい勝負でした!」
「アナタとはまたファイナルでやり合いたいわね。まずはジムチャレンジを頑張って」
「はい!」
アリスさんからバッジを手渡され、私はやり切ったかのように一息吐きつつ笑みを浮かべる。バッジをひとまずポケットにしまい、次にアリスさんと握手。ファイナルでやり合いたいというアリスさんの言葉に嬉しさを覚えつつ、私は少し大きめの声で返事。
観客からの大歓声を浴びながら私はバトルコートから着替え室にへと戻って行く。戻る最中、バトルコート付近の通路にて待っていたのは何と霊夢さんだった。
「霊夢さん…!?」
「アリスからバッジを掴み取ったようねおめでと」
「ありがとうございます。どうしてここに?」
「アンタがいるという事と霊矢、メリーが準備してるらしいからどんな感じになってるから見に来たの」
通路にて姿を現した霊夢さんに思わず私は驚いたが霊夢さんは私がいるという事と霊矢、さらにメリーがここにいるという事でどうやら自分の推薦したチャレンジャーがどんな感じで戦っているのかを観察しに来たようだ。私が苦笑いを浮かべると霊夢さんが…
「ファイナルに上がってくるチャレンジャーはただ一人。それもジムリーダーかもしれない。そもそもセミファイナルでジムチャレンジャーが一人にされるからね」
「……」
「そんな緊張したような顔を見せなくて大丈夫よ。まあ…今残っているチャレンジャーの中ではアンタが一番勢いがあるでしょうし」
「…私が?」
霊夢さんは私の言葉に小さく頷く。ジムチャレンジャーの中で今私が一番勢いがある…嬉しい事なのだろうがイマイチピンと来ない。どんな表情を浮かべないと行けないか、分からない中で霊夢さんは私を見ずに遠くを見つめながら…
「強くありなさい蓮子。今のままで良いのよ。アンタらしくを貫けば魔理沙にも必ず勝てるから」
「霊夢さん…」
「私はアナタがセミファイナルまで上がってくる事を期待してこう声をかけているの。頑張りなさい」
「…はい!」
霊夢さんは私はもう少しここにいるからとだけ呟くと再びスタジアムの方を見つめる。私は霊夢さんにお辞儀だけするとその場から去って行く。激励されたという感謝を胸に私は最後のジムリーダーである魔理沙さんとの戦いに向け、気合いを入れ直す。
ジムバッジをバッジケースにはめ込み、チャレンジャーの服装から着替える。アリスさんですら今までのジムリーダーとは段違いだった。勝てたのは恐らくまだアリスさんが本気じゃなかったから。拳を握りしめ、闘志を燃やすと着替え室を出る。
「お?蓮子。さっき以来だね」
「メリー?」
「さっき霊矢がジムミッションに入った所。どうやら霊夢さんがいるんだって?」
「うん。さっき遭遇したよ。頑張れって」
私の前に姿を見せたのは霊夢さんの話しの中に出てきたメリー。霊矢もいたようだが私が着替え室が出たタイミングでジムミッションの挑戦を開始したようだ。私の言葉にメリーは笑顔を浮かべながら頷くと…
「次は魔理沙さんだよね。最後の難関。絶対セミファイナルで蓮子と戦うんだから覚悟してよね」
「強気になったねメリー。うん、絶対セミファイナルで戦おう」
一時期のどん底を見てしまっているだけに今のメリーがどれほどたくましく見えるか。メリーの言葉に私は笑顔で頷くとメリーも笑顔を浮かべながら…
「挫折しないでよ?魔理沙さん、相当強いらしいから」
「メリーの方こそ」
「言ったなぁ?私は絶対勝ってセミファイナルに行くんだから」
「私もだよ」
メリーの笑顔を見てさらにセミファイナルに行きたいという気持ちが強くなって行く中で、ビジョンでは霊矢がジムミッションを頑張っている姿が目に入る。負けてられない…!二人のライバルを目にしてさらに気合いが入った私だったが、アリスさんとの激闘を経てポケモンはボロボロになっており…
「勢いよくそのまま魔理沙さんに挑みに行きたい所なんだけど…」
「うん?」
「何体か倒れてさ…」
「回復しなよ…」
「だよね…」
さすがにメリーに苦笑いされながら同じく苦笑いを浮かべる私。この後再度人里のポケモンセンターに戻り、ポケモンを回復してもらう事に。運良くここまで無敗で来ているが、アリスさんとの戦いではそれなりの危機感は感じた。これからどうなるか全く分からない。
それだけに私の中では警戒がありつつも魔理沙さんに勝ちたいと言う思いが強すぎる程に身体の中を満たしていた…
一周休んでいるからワイにはそんなに休みが要らんのじゃ。