「ドリルくちばし!」
「エナジーボール!」
サシカマスを咥えた状態で回転し始めそのままアップリューに向かって突進して行くウッウ。ウッウに対してアップリューは緑の波動を放出。ドリルのように回転するウッウに緑の波動はかき消されたものの、ウッウは回転をアップリューの目の前でやめサシカマスを口から投げつける。
「っ!かわせ!」
「ついばむ!」
サシカマスをアップリューが回避している間にウッウは私の指示を聞き、一気にアップリューの間合いに接近。クチバシを思い切りアップリューにぶつけ、そのまま地面に吹き飛ばす。アップリューは地面に墜落、巻き上がった少しの砂埃が晴れると…
そこには戦闘不能となったアップリューの姿。魔理沙さんが少し驚き歯を食いしばる中で、私は小さくガッツポーズ。ウッウは私の目の前に戻って来て、再び魔理沙さんを視界に捉える。
「まだ行けるねウッウ」
「クワ!」
「ひこうタイプには不利なのは分かっていたが…お前も残り3体。一体は使い物にならないぐらいと聞いてる」
「!」
「つまり私が残り1体まで行けば勝ちも同然…大逆転といこうぜヌメルゴン!」
アップリューを戻し次に繰り出して来たのは若干紫色の巨大なポケモン。これもドラゴンタイプなのだろうか。使い物にならないのは多分ユキハミの事を言ってる筈。こっちは残り3体…向こうが残り1体ならウッウとイーブィで攻めれば…!
「ウッウ、ドリルくちばし!」
「かみなり!」
「かみなり!?」
ヌメルゴンは叫び声を上げると回転して地面を這うような形で迫って行くウッウに対して雲を作り出すと、雷を降らせる。その一撃がかわす素振りを見せなかったウッウに命中。一度はドリルのような回転でかき消そうとしたが、耐えきれず感電。
そのまま墜落し一撃で戦闘不能に。
「ウッウ!」
「勝負を焦ったな。やはりアリスから得た情報は本当みたいだな」
「っ…!」
まさかでんきタイプの技を持ってるなんて考えてもなかった…私は戦闘不能となったウッウをボールに戻す。私の手持ちは残り2体。イーブィは最後まで取っておきたいが、ユキハミにはいくら何でも荷が重すぎる。イーブィのボールを見つめながらイーブィを場に出そうとしたその時。
魔理沙さんの言葉をボールの中から聞いていたのだろうか。違うボールの中からユキハミが真剣な目つきでフィールドに出てきた。
「ゆ、ユキハミ!」
「なるほどな。幽香がとあるトレーナーにポケモンを預けたと言っていたが…」
「幽香さんが…?」
「ああ。でもどうするんだ?そんなポケモンでヌメルゴンに敵うとでも?」
「ハミ!」
魔理沙さんの言う通りだ。図体も実力も今のユキハミは絶対に敵わない。でもユキハミはヌメルゴンに立ち向かう気でいる。真剣な目つきを見てトレーナーが黙る訳には行かない。私は小さく息を吐き、真剣な表情で頷く。
「ポケモンの気持ちを粗末にする訳には行きませんから…!」
「ハミ!」
「やれやれ。後悔しても知らないからな。ヌメルゴン!りゅうのはどう!」
「ようせいのかぜ!」
魔理沙さんはかなり呆れ気味にヌメルゴンに指示。ヌメルゴンは口に波動を溜め込むと一気にユキハミに放出。ユキハミはヌメルゴンに向かって思い切り風を吹き付ける。波動の方が威力が勝ると思ったその時。ユキハミの一撃はまさかの相打ちに持ち込む。
「!?」
「むしのていこう!」
ユキハミは身体から光を出しそのまま光をヌメルゴンに向かって放出。電撃のような痺れを与え、キョトンとしていたヌメルゴンに微かながらダメージを与えて行く中魔理沙さんは一瞬驚いた後ニヤリと笑い…
「もういいか。トドメと行こうか!ヌメルゴン、なみのり!」
「こごえるかぜ!」
ヌメルゴンは地面を叩きつけると自身の後方から津波を巻き起こしユキハミに向けて放って行く。ユキハミは驚きながらも必死に氷の風を吹いて行く。だがそよ風のような物。やられる覚悟をしたその時だった。
「ハミ…ハミ…ハミ!」
「!?」
観客が驚いたようなそんな声を上げる。ユキハミから突如放たれた光は津波を回避すると言う行動に移させ、魔理沙さんも多少驚いた表情をする中光はユキハミに翼を生やし、ユキハミを空へと舞い上がらせる。ふと私の頭の中に幽香さんの言葉が蘇る。
「ルカリオを持っている私なら分かってる…でもこれは…」
「私の言葉がコイツの闘志に火を付けたと言うのか…!だが進化したとて!ヌメルゴン、りゅうのはどう!」
「ユキハミ…いやモスノウ!こごえるかぜ!」
おじさんが密かに教えてくれたユキハミの進化系。モスノウは私の指示に頷くと翼を羽ばたかせ強烈な氷の風を巻き起こす。りゅうのはどうはモスノウの目の前まで行ったが風の勢いに耐えきれず消滅。魔理沙さんが驚いた反応を見せる中さらに私は畳み掛ける。
「モスノウ、こなゆき!」
「かみなり!」
ヌメルゴンが再び叫び声を上げ雷雲を作り上げて行く中、モスノウから放たれた雪がヌメルゴンに命中。ヌメルゴンがその雪の当たる勢いに押されて行く中、よろけてしまい雷雲を作り上げる事が出来ない。
「っ!りゅうのはどう!」
「ようせいのかぜ!」
魔理沙さんは技を中断。ヌメルゴンに再びりゅうのはどうを指示。今度はモスノウより先に波動がモスノウの元に。爆煙を巻き上げながらぶつかって行く中、その爆煙をかき消しながら風を吹かせるモスノウ。向かって行った風は確実にヌメルゴンに命中して行く。
「っ!なみのり!」
「突っ込んでモスノウ!こごえるかぜ!」
ヌメルゴンが地面を叩きつけ再び自身の背後から津波を巻き起こして行く中でモスノウは突進。津波より遥か高くに舞い上がり、空中からヌメルゴンの元へ。そしてほぼ目の前で氷の風を巻き起こしてヌメルゴンを吹き飛ばした。
「ヌメルゴン!」
なみのりの津波が若干私にかかる中魔理沙さんの見つめる先のヌメルゴンがそのまま起き上がる事が出来ずに戦闘不能となった。観客から湧き上がる大歓声。魔理沙さんは悔しさを露わにしながらボールにヌメルゴンを戻すと私の元にモスノウが戻って来た。
「モス…」
「ナイスファイト。ありがとうチームみんなを救ったよ」
「モス!」
魔理沙さんは若干不服そうにしていたがすぐ笑みを浮かべると私の近くに歩み寄り、手を差し伸べる。
「今のが私の最後のポケモンだ。背番号82番。ジムチャレンジ突破おめでとう!セミファイナル突破したその時にまた戦おうぜ」
「…ありがとうございます!またファイナルで!」
私は魔理沙さんと握手を交わす。モスノウもこの姿を見て笑顔を浮かべる中、観客達も私達に大歓声を送る。私が魔理沙さんにとって最初のジムチャレンジャーという事は最初にジムチャレンジを突破した事になる。達成感と共にまだまだやらないと行けないと気を引き締める。
「あーあ…先に突破されたかぁ。やるなあ蓮子」
そんな大歓声を浴びる私をTV越しに見つめていたのはメリー。メリーがそう呟いている間に魔美と霊矢がやってくる。
「あの人が一番でしたか」
「まあ普通なら霊矢が一番だったんだろうけどね」
「ほっといてください。彼女はセミファイナルでねじ伏せますから」
「言うねぇ。じゃあ蓮子を倒した霊矢を倒すとするかな」
私が余韻に浸る中で悔しさとばかりに話し合うメリー達。当然この会話を私は聞いていない訳だが、この後にメリー達が魔理沙さんに挑む事になるが私はその光景を見ることなく、魔美達と会話を交わした後にセミファイナルの舞台に向かって行く…
若干しんどかったから休むべきやったかな…w