久々過ぎて書けるかどうか心配ですがとりあえずそこまで予定してます。
人里からは度々目には入っていた。聳えるスタジアムは一体何を意味しているのだろうという気持ちは常にあった。セミファイナル、ファイナルが行われチャンピオンマッチまで開催されるジムチャレンジ終焉の地である守矢スタジアム。
そこに向かう私の一歩はどれほどの大きな一歩になるのだろう。人里から一歩、一歩進んでいく足が少しフワフワしているようにも感じた。
(確実に今まで進む一歩じゃない。どこか遠い…重い道のりをしているなって感じる。でも嫌じゃない…)
そこに向かう私の足から不思議と緊張や不安という感情を抱く事はなかった。どこかワクワクしている。辿り着く前だというのにもう勝つイメージしかしていない。人里から妖怪の山に繋がる階段を一つ、また一つと上がって行く。適度に荒れる呼吸も今だけは心地よく感じる。
「…ふぅ…」
「…?」
階段を上がると1人の女性が私の視界に入って来た。文さんとは違う…どこかてゐさんに似たような耳を付けている。赤い眼差しで階段を登り切った私を見つめると、軽く一息つきながら木元からゆっくりと私の前へ。その胸の付近にはリーグスタッフの印がされている。
「ようやく上がって来ましたか。ジムチャレンジ突破おめでとうございます。宇佐見蓮子」
「ありがとうございます…どうして私の名前を?」
「この期間限定の仕事が始まるに辺り、全てのチャレンジャーの顔写真には目を通しています。一度見ればある程度は記憶出来ます」
全てって最初は何百人ぐらい居たはずなのに…軽く話しているがとんでもない方だ。ジッとこちらを見つめながら話してくる女性に何か言って欲しいと思いつつも息を呑んでいると…
「ああ、失礼。見ていたのではなく匂いを自らに覚えさせておこうと。後で通ったか上司に聞かれるので」
「は、はあ…」
「申し遅れました。私は犬走椛。今だけはリーグスタッフです。チャレンジャーが間違ったルートを辿らないようにいます。右側を通って進んでください。左側はとんでもないポケモンが一杯いるので物好きで無ければ通らないように」
「分かりました…犬走さんありがとうございます」
「告げないと被害者が出ますから。頑張って来てください」
犬走さんに一言礼を告げると左側の通路を通らないようにして立つ彼女を横見しながら右側の通路にへと進んでいく。鳥ポケモン達が自分の前を飛んでいき、左耳からは滝のような音が聞こえてくる。ちょくちょく聞こえてくるポケモンの咆哮は危ないと言われる由縁だろうか。
遠目ながら視界に入る守矢スタジアム。どんな観客の元戦うのだろう、どんな歓声を浴びながら戦うのだろう。ワクワクと勝つイメージが湧いても戦うイメージが湧かないという事に思わず笑みを溢しながら歩を進めていく。
「ブイ!」
「!イーブィ?」
歩を進めていく私のボールから出て来たイーブィが突如として声を張り上げると、イーブィも同じく笑みを浮かべながら私の肩に飛び乗って来た。イーブィを軽く撫でながら私は…
「ワクワクしてるように見える?」
「ブイ!」
「そっか。絶対勝とうね」
「ブイ!」
語りかけられたイーブィは満面の笑みだった。イーブィも楽しんでいるという証拠なのだろうか。笑みを浮かべながら頷いたイーブィに対して改めて背中を押されながら、私は守矢スタジアムにへと再び歩を進めて行く。人里の旅館にて夢に出て来たスタジアム。
夢に出て来たあの時は不安しかなかった。今足を進めて行く私の気持ちはずっと高鳴り続けているのは確か。ちょくちょく休憩を挟みながら歩みを進めて行く事1時間。スタジアム前の最後の階段が目に入る。
「ここを上がれば…!」
「ゴールはすぐそこだよ!ダッシュでもして上がって来な!」
「あの人は…?今はそんな事はどうでもいいか…」
階段の遥か上にいた女性に声をかけられるも声が届かないと思いひとまずは無視。言われた通りダッシュで階段を一段、二段と早いスピードで駆け上がって行く。ダッシュすれば長いと思った距離もあっという間。
大きく息を荒らす自分にどこからか何かから降りる音が聞こえ、ふと上を見つめるとフワフワと人がゆっくりと私の前にへと降り立って来た。
「ようこそ守矢神社へ。と言いたい所だけど今アンタが行くべき場所は神社の隣にあるよ」
「守矢神社?スタジアムではないのですか?」
「残念ながらゴールはもう少し先だ。ま、そうは言っても5分もかからないような場所だけどね」
カエルのような帽子を被りながらそう語りかけて来た小さめの女性は神社の左奥の方を見つめる。左側の方に確かにスタジアムが見える。後もう少しという所か。私は息を呑みながらもう少しだけ気合いを入れる。
「噂の宇佐見蓮子だね?早苗達から噂は聞いているよ」
「私、噂になっているんですか?」
「アンタには自覚はないようだけどリーグから見てみればアンタの名前は逐一上がるほどの有名人さ」
「あはは…そんなに言われると照れますね…」
女性に笑みを浮かべながら語られ私の表情が気合いを入れた感じから少し緩む。イーブィはそれを見てキョトンとしている様子。それでいいと小さく呟く女性に対して私は思わず疑問の表情を浮かべると…
「それでいいんだよ。気合いなんか入れなくても平常心でいれば勝てるさね」
「ありがとうございます。私、意識し過ぎたかもしれません」
「まあ気持ちは分かるけどね。そいじゃ行ってきな。アンタは必ず勝ち上がる。洩矢諏訪子が保証するよ」
「ありがとうございます…!全力を尽くして来ます…!」
激励を貰いながら神社の横にあるスタジアムにへと足を進めて行く。意識し過ぎと感じる程の大舞台。諏訪子さんの一言に大きく人押しされたようなそんな気がする。気持ちが昂り、歩を進めて行くとざわめきが聞こえ始めそして守矢スタジアムが視界に広がる。
「守矢スタジアム…最後の舞台…」
「ブイ!」
「大丈夫だよイーブィ。思った以上に緊張はしていない。さ、行こっか」
周辺にはこの期間だけのために作られた風に見える屋台。そしてその隣にはリーグスタッフの方が何かを売っている。ホントお祭りなんだなとそう感じながら気を引き締めて行く。私がスタジアム前の入り口に立ったその時だった。
背後から聞こえてくる足音にイーブィが気付いたのか、背後に振り向き声を張り上げると私の背後を振り返る。そこにいたのは…
「蓮子!はあ…はあ…やっと追いついた!早く進みすぎだって!」
「め、メリー!?い、1時間くらいの距離があった筈だよ!?」
「んなもん相棒達と共にすっ飛ばして来た!道間違えてポケモンに集中攻撃されそうだったけど何とかなったね!」
汗だくの笑みを浮かべながら語って来たのはメリー。私も来たばっかりなのにそれに追いつくとは…正直言って驚き以外の感情が出てこない。そのメリーに遅れるかのように魔美と霊矢がゆっくりと歩きながら到着。3人が辿り着き私は驚きが頭の中を支配して言葉が出てこない。
「驚いてるね。まあ理解は出来るよ」
「メリーさんのアーマガアに乗って来たんです。一応人を乗せても大丈夫なポケモンだそうなので」
「そういえばメリー、ひこうタイプ持ってたね…」
ようやくメリー達がどうやってここに私と同じ感じでたどり着いたのか合点が行った。それなら普通に私と同じ時間で辿り着く事なら可能だろう。発想のスケールで既に敗北したという感情になっていたが、思わず私は唖然とした感情しか出てこなかった。
偶然と言い4人が揃った。どんな舞台になるか分からないが夕方に雌雄を決する事になる。そこまでの時間。同期との時間を屋台巡りにて楽しんでいた…
見てくださりありがとうございます。
次回から本格的に始まる感じで。頑張ります。