慧音さん達数人の敗退が決まり、私含む数人の準決勝進出が決まった。ノックアウト方式とは理解はしていたが、負けた者はチャンピオンに挑戦出来なくなると決まっているのは残酷にも感じる。私は慧音さんの光を断ち切った。その光を胸に抱きながら勝たないと行けない。
息を吐きながら控え室に戻った私に1人の人物が声をかけてくる。
「勝ったのに少し嬉しそうじゃないね?」
「…?メリー…!?どうしてここに!?」
「一応敗退はしてるけど関係者だから入ることだけは出来るんだよ?コートには出られないけどね」
「そっか…」
「慧音さんを破った時から何か現実を受け止められていないような顔をしていたからちょっと顔出しに来た」
そこに現れたのはメリーだった。一応敗退したとはいえこのスタジアムで戦っていたメリー。控え室に入る権利というのはあるらしい。そんな彼女の言葉に核心を突かれて私は言葉に詰まった後苦笑いを浮かべながら私はメリーに語りかける。
「このノックアウト方式は当然ながら負かしたら相手のチャンピオンへの挑戦への希望を断ち切る訳だけど…分かってはいるんだ。でもどうしてもグサっと刺さる物があるというか」
「次の試合に切り替えられそう?」
「あ…そういえば魔理沙さんは!?魔理沙さんはどうなったの!?」
「今試合をしているよ。向こうのブロックだけは準々決勝が行われるらしいから先に試合を開催する予定みたい。妹紅さんとやってるけど終わったら次は蓮子。切り替えはしといた方がいいよ」
「…そうだね。いつまでもクヨクヨしてられないもんね」
メリーの言葉で私は少し頷くと切り替えるために大きく息を吐く。ビジョンではメリーの言った通り魔理沙さんと妹紅さんの試合が先に開催。そのどっちかの勝者が片方で待ち受けるアリスさんと試合を行う予定だ。然しアリスさんが試合を行うのは私の後だ。
試合風景を見て顔を軽く叩いて気合いを入れ直す。そんな私を見てクスクスと笑ったメリーが…
「気合いの入れ方が特殊だね」
「え?いつもの事だよ」
「そっか。まもなく呼ばれると思うから頑張って」
「ありがと。気合い入った」
メリーが私に激励の一言を送った後に再び控え室から離れていった時にスタジアムのスタッフさんが魔理沙さんと妹紅さんの試合が終わったから準備してくれと告げてきた。試合結果は知らされていない。私はそれに頷くと拳をグッと握りしめて表情を引き締める。
現在前の試合の影響を緩和するために整備中。そして次の相手は先程本人からも報告があった通り輝夜さんだ。スタッフさんがビジョンを見ながら一回頷くと…
「お待たせいたしました。お願いします」
「分かりました」
スタッフさんの語りかけから私は控え室を出て再びバトルコートにへと向かって行く。このバトルコートに入る通路に入ると気合いがグッと入る。ポケモンの回復は控え室に戻るまでに済ませた。後は私自体がしっかりするだけだ。
通路から響き渡る歓声を耳にしながら再びバトルコートに入ろうとその足を動かす。
「激闘の末の激闘!皆さん疲れているかもしれませんがこれが更に続きます!残る選手は5人!果たして先に決勝進出を決めるのはどちらか!では紹介しましょう!」
「まず右側から入場するのは先程メディスンを打倒する力を見せつけた輝夜!その力は決勝に届くのか!対する左側から入場するのはジムリーダー慧音を打倒して未だ無敗!最強のチャレンジャー蓮子選手!」
実況が私と輝夜さんを呼びかけ観客達が大歓声を上げる。私がもう一度息を吐きながら観客の声を聞かないようにすると右側から入場して来た輝夜さんと中央にて向き合う。私を見た輝夜さんは何かを悟ったかのように小さく息を吐くと…
「ちょっと慧音を破って落ち込んでいるのを期待したけどそうはならなかったわね」
「迷いなら親友との会話で消して来ました」
「それは残念。じゃあ始めましょうか」
「はい…!」
少しばかりの会話を交わした後に私と輝夜さんは距離を取る。真ん中に入ったレフェリーが私達に用意は出来たかどうかを語りかけると私達は頷く。レフェリーが試合開始の宣言をしゴングが鳴らされると私達はモンスターボールを取り出し…
「行くよルカリオ!」
「任せたクチート!」
輝夜さんはクチートを私はルカリオをフィールドに出す。クチートはフェアリータイプを持っているが同時にルカリオと同じくはがねタイプも持っているポケモン。弱点は付けないが不利という相手でもない。とりあえず強気な姿勢は崩さない…!
私は声を張り上げてルカリオに指示を出す。
「ルカリオ、バレットパンチ!」
「クチート、なきごえ!」
「なきごえ!?」
ルカリオが地面を強く蹴り出し一瞬にしてクチートの目の前に迫るとそのまま無数のパンチを浴びせるが地面を抉りながらも吹き飛ばされなかったクチート。そのクチートは思い切り声を張り上げルカリオを怯ませたその時に輝夜さんが笑みを浮かべ…
「不利は不利なりに戦い方という物があるのよ。クチート、アイアンヘッド!」
「対抗するよルカリオ、はっけい!」
クチートは後ろの大顎を振り回すようにしてルカリオに殴りかかってくると対するルカリオも身構えて拳を突き出す。大顎と拳がぶつかり合ったが先程の鳴き声の影響か押し返されてしまい、大顎がルカリオに直撃。そのまま吹き飛ばされるが地面を抉りながらもある程度で踏ん張ると…
「じゃれつく!」
「なきごえはこれのためか…!はどうだん!」
クチートが足元を蹴り出しそのままピンク色のオーラを纏いながら向かってくる中、ルカリオに指示を出した私。ルカリオは波動を溜め込むとそのまま波動をクチートに向かって投げつける。ルカリオの波動とクチートが火花を散らしながらぶつかり合うとそのまま爆発。
クチートが輝夜さんの前まで吹き飛ばされている間に私は少し不利だと感じ…
「戻ってルカリオ!」
「おっと蓮子選手ここでルカリオの交代を決断!どういう意図があるのか!」
「能力を下げられたから不利と悟ったみたいね。ある程度は予想出来るけど。クチート戻って。まだアンタを失う訳には行かない」
「輝夜選手も交代を決断!このサイクルがどう響くか!」
私がフィールドに出したのはキュウコン。一方私の決断を見た輝夜さんもクチートを引っ込めその場に出したのはトゲキッス。対戦はした事がない相手ではない。爆煙が晴れ私が一息を吐くとキュウコンに指示を出す。
「キュウコン、かえんほうしゃ!」
「エアスラッシュ!」
キュウコンが火炎を吐いている間にトゲキッスは羽を羽ばたかせ風の刃をキュウコンに放って行く。風の刃は炎とぶつかり合うが相打ちとなり同時に消滅。それを見た輝夜さんがさらにひと押しにかかる。
「トゲキッス、しんそく!」
「おにび!」
トゲキッスが身体をドリルのように回転させながらも目には追えないスピードでキュウコンに迫って行くとそのままタックルを喰らわせる。キュウコンは少し吹き飛ばされながらもおにびを撃ち込むと少し油断していたトゲキッスに命中。
輝夜さんが少し表情を変える中で私はキュウコンに指示を出す。
「キュウコン、やきつくす!」
「エアスラッシュ!」
キュウコンが口から吐いた炎をトゲキッスは少し苦しげの表情をしながらも羽を羽ばたかせ風の刃を放ったその時だった。炎が真っ二つにされキュウコンに命中したのだがその残り火がトゲキッスに命中した時、何か着火したかのように大爆発。
トゲキッスは大きく吹き飛ばされキュウコンは体を震わせながらも何とかその場に留まる。観客が大歓声を上げる中私は安心したかのように笑みを浮かべていた…
見てくださりありがとうございます。何か不利なら引っ込めるというサイクル戦になってしまってますが…次はどうなるでしょうか。お楽しみください。では。