灯火の星   作:命 翼

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お久しぶりです。一周開けて帰ってきました。とりあえず今回も頑張って書いていきますね。


見せる意地か、それとも決着か

 観客達から大歓声が上がる。それは三体という優勢である私への勝ちの期待か、それとも魔理沙さんの大逆転勝ちを期待しての声か。その歓声からは意図というのは当然分からない。向こうも当然気を抜いてくれないというのは理解している。そんな中私は気合いを入れ直し…

 

「行くよルカリオ!ダイナックル!」

 

「この一撃で沈める!キョダイゲンスイ!」

 

 ルカリオとジュラルドン共に声を張り上げルカリオは空中から拳の波動を降らせ、ジュラルドンは身体から発したオーラからルカリオの下に竜巻を巻き起こす。お互いの一撃が火花を散らす中大爆発を起こす。三度の爆煙に私と魔理沙さんも前方が見えなくなる中、ダイマックスの光が発せられたのを確認できた。

 

 爆煙が晴れるとそこには元の姿に戻ったルカリオと同じく元の姿に戻ったジュラルドンの姿。本来三発打てるダイマックス技。だがこのレベルが極限にまで達すると一発のぶつかり合いで効果が切れるのはよくある事だ。

 

「ダイマックス技のぶつかり合い!それにより両者元に戻ってしまった!」

 

「行けるよねルカリオ!」

 

「グウ!」

 

「跳ね返すぞジュラルドン!」

 

「グオオオ!」

 

 私の語りかけにルカリオが答え、魔理沙さんの檄にジュラルドンが声を張り上げる。ダイマックスの権限は今使い果たした。後はトレーナーの戦術とポケモンの頑張り次第となる。私は顔を両手でパンと叩き気合いを入れ直すとルカリオに指示を出す。

 

「ルカリオ、はどうだん!」

 

「ラスターカノン!」

 

 ルカリオが両手で溜め込んだ波動をジュラルドンに放つ中、ジュラルドンは口から鋼の波動を打ち込む。両者の波動が火花を散らしながらぶつかり合う中、相打ちとなり前方を曇らす爆煙を巻き起こす。それを踏まえて私はルカリオに指示を出す。

 

「ルカリオ、はっけい!」

 

「狙ってくるぞジュラルドン!ワイドブレイカーでかき消せ!」

 

 ルカリオが地面を蹴り出し爆煙の中を突っ込んでいく中でジュラルドンは前に一歩踏み出し、尻尾を振り回す。尻尾から発せられた衝撃波は確実に煙をかき消す中、ジュラルドンの視界に入ったルカリオは自分のほぼ目の前。しゃがみ気味の体勢から拳をジュラルドンにぶつける。

 

 そのまま押し出しジュラルドンの体勢を若干崩す。

 

「ボディプレス!そのまま飛びかかれ!」

 

「っ!?」

 

 崩れかかった姿勢のまま何とか倒れていない足に力を込め、ジュラルドンは思い切り空中に飛び上がり空中で体勢を立て直すとそのままルカリオに向かってジュラルドンは隕石のように勢いを増しながら落下していく。私はルカリオに向かって声を張り上げる。

 

「はどうだん!」

 

「グウ!」

 

 ルカリオが波動を溜め込み落下してくるジュラルドンに向かって放出していく。落下してくるジュラルドンとルカリオの波動がぶつかり合う中、両者の一撃が三度相打ちとなりジュラルドンは勢いを無くし地面に落下する。その一瞬を好機とみた私はルカリオに指示を出す。

 

「はっけい!」

 

「ドラゴンクロー!」

 

 着地したタイミングジュラルドンは一瞬だけ動き出すのが遅れた。ルカリオはサッと地面を蹴り出しジュラルドンに接近していく。ジュラルドンの爪にオーラが放たれる中、接近して来たルカリオにそれを振り下ろそうとする。渾身の一撃を叩き込んだのはルカリオ。

 

 腹部に叩き込まれた一撃と同時にルカリオの頬に爪が掠った後がついた。ルカリオを攻撃しようと前屈みになっていたジュラルドンはそのまま前方に倒れ込んだ。ルカリオが体勢を戻し審判が駆け寄る。

 

「ジュラルドン戦闘不能!ルカリオの勝ち!よって勝者蓮子選手!」

 

「決勝戦ですら冴えた戦術!アリス選手を6タテで沈めた勢いをチャレンジャーらしからぬ落ち着きでかわしてみせた!」

 

 会場から大歓声が上がる。魔理沙さんはジュラルドンが倒れた事に最初は受け入れられない様子だったが俯いて歯を食いしばるとジュラルドンをボールに戻した。私はルカリオに歩み寄りハイタッチをかわすと…

 

「ありがと。お疲れ様」

 

「グウ」

 

「……」

 

「魔理沙さん」

 

「現実を受け止められないが何かがお前を勝ちに導いたんだろうな。私も餓鬼みたいに怒り散らしたが負けたという現実は受け止めないと行けない。…悔しいがな」

 

 溢れんばかりの気持ちを押し殺しているのだろう。歩み寄って来た魔理沙さんは何回も息を吐きながら私に手を差し伸べる。私は彼女に対して何も声をかける事が出来なかった。ただ差し伸べられた手を取りギュっと握りしめた。

 

 この握手で会場から拍手が巻き上がる中控え室にて見ていた霊夢さんは無言でその場を去る。そしてスタジアムに映ったトーナメント表は私の勝利を映しそして実況も一つ声を張り上げる。

 

「魔理沙選手を突破しチャンピオンマッチに進出した蓮子選手!彼女にこの大会に挑む権利を差し伸べた霊夢選手に蓮子選手が挑む形となりました!チャンピオンマッチは3日後!皆様お楽しみに!」

 

「負けんなよ」

 

「…魔理沙さん」

 

「私を破ったんだあっさり負けるなら許さねえからな」

 

 魔理沙さんはそう言い残すと私から離れて控え室に戻って行く。遠いように感じたチャンピオン霊夢さんへの挑戦権。受け止められない…いや正直挑むという気持ちはまだ湧かないが勝負は3日後に迫っている。胸を張って私も控え室に戻る。

 

「恐るべき人ですね本当。無敗のままチャンピオンに挑む権利を得るんですから」

 

「お疲れ様蓮子。ナイスファイトだったよ」

 

「魔美、霊矢…うん。ありがと。…メリーは?」

 

「さっきまで一緒にいましたよ。アナタも見ていたじゃないですか」

 

「そ、そうだね」

 

「という冗談はさておきジュースでも買いに行くって言ってました。もう戻ってくるのではないでしょうか」

 

 私を出迎えるようにその場にいたのは魔美と霊矢。メリーは一旦この場にはいない。私の戦いぶりに苦笑いを浮かべる霊矢と笑みを浮かべながら私に労いの言葉を送ってくれた魔美。そんな2人と話していると控え室の扉が開く音が。そこからビンに入った飲み物が私に投げつけられる。

 

 私は割らないように慌てて受け取るとその視線の先にはニヤリと笑みを浮かべたメリーの姿。

 

「驚いた?勝っても負けても奢ってあげようと思ってさ」

 

「これビンじゃん!びびったよ本当!」

 

「随分すぐの帰還ですね」

 

「幻想郷に甘味処以外の飲食出来る場所があるとは思わなかったけど、あるんだったら利用しようって思って」

 

 してやったりのメリーと安心したように息を吐く私。そういえばポケモンセンターにこちらで言う自販機のような物があったがあれもポケモンが幻想入りした影響で生まれたものだろうか。すると魔美が何かハッとしたかのようにメリーに呟く。

 

「メリー、蓮子が…」

 

「知ってる。今じゃないけどチャンピオンマッチだね。技の調整しっかりしないとダメだよ」

 

「分かってるよ。実感は湧かないけど頑張る」

 

「そんな調子で勝てるんですかねえ?」

 

「う、うるさいなあ!大丈夫だって!」

 

 メリーのアドバイスと私の言葉に対する霊矢の語りかけに思わず苦笑いを浮かべる私。そんなやりとりに思わず魔美からは笑い声が漏れる。帰宅していく観客達の中ビジョンに映し出されたのは霊夢さんの文字。その場に立つ時自分はどんな気持ちになるんだろうか。

 

 今は全く想像も付かない。だが勝ちたいと言う気持ちでグッと身が引き締まる。そんな私を見たメリーが私を軽く押し…

 

「肩の力入りすぎ。蓮子ならきっと行けるって」

 

「メリー…ありがと」

 

 迫る3日後を控えて気持ちが昂る私。だがその中でとある事が動き出しているとは知るよしもなかった…

 




ブランクがあったので自分の中では納得が行く感じでしたが皆さんの中ではどうでしょうか。暇だったら意見もらえるとありがたいです。
では失礼します。
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