「っ!?」
「大丈夫かい?」
「え、ええ…何とか…」
諏訪子さんに抱き抱えられながらそんな私達の真横を通り抜けた一本の光線。地面は真っ黒に焦がされ周りにあった大木の根元だけが残る。根元から上はその光線によって消し飛んだようだ。一本なら良かったがかなりの威力だったらしく数本が消し飛んだみたいだ。
諏訪子さんから降ろされ再び地面に足を置いたその時。恐怖を感じていたのが分かった。殺気しか感じない一撃に思わず青ざめるしかなかったが深呼吸を2回繰り返し…
「驚くよね。ポケモンと人が共存してる中でこんな殺しに来てるとしか思えない一撃を放たれたら」
「霊夢さんはこんな殺気に立ち向かってると…?」
「そうなるね。私も正体は見てないからアナタと一緒に初めて見る」
諏訪子さんの言葉に頷き大きく息を呑んだ。その一瞬は感じた事のない恐怖を感じたが霊夢さんを助けなきゃと言う気持ちが先走り覚悟を決めた。諏訪子さんも私が落ち着いたのを見て口元を緩ませる。風切り音や物音が近づけば近づく程に強くなっていく。
森を抜けるとそこは神社にある鳥居が大量に設置されている湖。物音はこの奥。霊夢さんのポケモンと思われるオレンジの翼が生えたポケモンが身体奥にコアのような物を搭載したポケモンに対している。霊夢さんのポケモンを大きくコアのポケモンが図体で上回っている。
「捕まりな。ここからは湖だ。陸地がある場所まで運んであげる」
「よろしくお願いします…!」
「だいもんじ!」
「グルアア!」
諏訪子さんに運んでもらう間にも霊夢さんの声が聞こえて来た。その口から吐かれた炎がコアのポケモンに直撃するが何ともないかのように身体を大きく動かすとコアのポケモンも口から波動を放ち飛び回る翼のポケモンに確実に命中させ地面に叩き落とす。
そんなタイミングで私が霊夢さんの元に合流した。
「リザードン!」
「苦戦してるようだねチャンピオン」
「アンタ…守矢のとこの…!…蓮子!」
「大丈夫ですか霊夢さん!」
「大丈夫って言えたら良かったんだけどね…」
リザードンというポケモンをボールの中に戻し苦笑いを浮かべながら「手を貸してくれる」と一言呟いて来た霊夢さん。私がそれに頷くと相手が飛んでいるという事で飛べるポケモンの方がいい。私はボールからドラパルトを出す。霊夢さんのボールから出て来たのは…
「行くよラティアス!」
「キュワ!」
「後でメリーも合流してくれるからそこまではどうにか踏ん張って。アンタも責任持って居てよ!協力してくれてるんだから」
「そのくらいは責任を取るつもりだよ」
「了解です…!行くよドラパルト!りゅうのはどう!」
ドラパルトが口からコアのポケモンに対して波動を放つ中コアのポケモンはその巨大な身体とは思えない程の身軽な動きであっさりと波動をかわすとそのままドラパルトの方に突撃してくる。
「サイコキネシス!」
「グルアア!」
「りゅうのはどう!」
ラティアスの念波により突撃して来ていたコアのポケモンを食い止める中私がドラパルトにりゅうのはどうを指示。動きが止まっているコアのポケモンに波動を命中させる。爆煙が舞い上がる中雄叫びを上げながら煙を一気に振り払う。
怒りを任せるかのように口から火炎を吐きつけてくる中、霊夢さんが声を張り上げる。
「りゅうのはどう!」
「ドラゴンアロー!」
ラティアスが口から波動を吐きつけ火炎をかき消す中私がドラパルトにドラゴンアローを指示。2体のドラメシヤが一斉にコアのポケモンに向かって行く中咆哮を上げてドラメシヤを止めるとポケモンは身体を振り回し、ドラメシヤ2体を尻尾で吹き飛ばす。
「っ!?」
「グルアア!」
「ドラパルトかわ…」
「アイツポケモンを狙ってない!」
「え…?」
コアのポケモンに溜め込まれたエネルギーはポケモンを狙わずにトレーナーである私に向けられて放たれた。ドラパルトはあっさり回避気味で私も咄嗟に動こうとしたが足が動かない。そんな時に霊夢さんが私を突き飛ばす。
放たれた光線は地面を抉りながら霊夢さんを吹き飛ばす。そのまま水面に墜落した音が響き渡った。
「霊夢さんッ!」
「アンタはそっちに!霊夢は任せて!」
「は、はい!」
霊夢さんのラティアスと諏訪子さんが霊夢さんの元に急行する中私に向かってコアのポケモンが再び雄叫びを上げる。だが一発一発に物凄い労力を必要とされているのかその場から動く事はない。溢れ出す怒りを抑えつけドラパルトに指示を出す。
「ドラパルト、ドラゴンアロー!」
吹き飛ばされながらも戻って来たドラメシヤ達を再度発進させるドラパルト。今度は行動を起こせない為無防備の状態。ドラメシヤは2体同時にコアのポケモンにぶつかり地面に墜落させた。水飛沫が上がり飛沫で前が見えなくなる中…
「やるじゃん…」
「霊夢さん!大丈夫なんですか…?」
「数多の弾幕を受けた事あるからびっくりするぐらい丈夫みたいだね」
「ただこの場は無理…ちょっと任せた…」
「分かりました…!」
霊夢さんの言葉を聞いている間に地面に墜落したコアのポケモンが浮き上がる音が響き渡る。再び水飛沫が上がるまでに覚悟を決め表情を引き締める。拳をグッと握りしめドラパルトと顔を合わせている間にポケモンの雄叫びが辺りに響き渡る中聞こえて来た風切り音。
「ドラパルト、りゅうのはどう!」
水飛沫の中突撃して来ていたコアのポケモンにドラパルトは思い切り波動を顔面にぶつけて吹き飛ばす。霊夢さんが笑みを浮かべ諏訪子さんがガッツポーズをする中霊夢さんが私に聞こえないほどの声量で小さく呟いた。
「強くなった…ほんとに」
「つい最近までイーブィしか持ってないトレーナーだったらしいね。誰が見出したのかな?」
「私がやったとでも?まさか…本人の努力の成果だよ」
大きく私が一息を吐く。そしてゆっくりと立ち上がって来たコアのポケモンを見据える。そうしている間にもアーマガアに乗ったメリーが私達の元に合流した。コアのポケモンとは違う羽音を聞こえて私がふと振り返ると…
「大丈夫!?蓮子!」
「メリー!」
「遅いよ…メリー…」
「すいません。ムゲンダイナについて聞いていたら遅れて…」
「ムゲンダイナ?このポケモンの事?」
「うん、まあ…にとりさんから聞いただけ…」
メリーが隣で構えようとしたその時だった。ムゲンダイナというポケモンから発せられた雄叫びはただの雄叫びではなく身体から光が発せられムゲンダイナはその光に沿って大きく浮かび上がって行く。
「物語で良くある第二形態って事…?」
「ポケモンじゃないねここまで来ると…!」
空に浮かび上がったムゲンダイナは空の色を一気に暗くさせ巨大な手のような形に。今まで見て来たようなポケモンとはまるで違う姿に思わず青ざめるしかなかったが覚悟を決めるしかなかったが…
「ドラパルト!りゅうのはどう!」
「ドリルくちばし!」
ドラパルトとアーマガアが攻撃体勢に入ったその時だったがムゲンダイナから発せられた波動が技を出すのを防いでいるようで2体共に動けない様子。それに私とメリーは驚きしか出て来なかったがその間にもムゲンダイナはエネルギーを溜め込んでいる。
「どうするのこれ!?」
「私に言われても…!」
「何でもいいから起きるのを祈るしか…!」
「そんな都合良く起きる訳…!」
そう言い争いしている間にもムゲンダイナはずっとエネルギーを溜め込んでいる。霊夢さんを持ち上げるラティアスが目を瞑ったその時だった。遠くから微かに響き渡った鳴き声。それが突破口になるとは私達はまだ知らない…
見てくださりありがとうございます。ムゲンダイナとの戦いが始まりましたがしっかり書き切れるようにがんばりますので応援よろしくお願いします。