バトル回が増えてくるのは次回からになると思います。
その予定でよろしくお願いします。
ムゲンダイナとの死闘から1日が流れた。1日とはいえ世の中の動きというのは早い物。あの死闘からくたびれた私達のそばに諏訪子さんがいたという事が文さんから人里に伝わり、守矢が引き起こした大騒動は少しずつ鎮火の流れとなっていた。
ムゲンダイナの一撃をまともに喰らい重傷を負った霊夢さんは元々予定されていた3日間以内に状態を回復させると意地を張っていたが、永琳さんからドクターストップがかかり1週間後に延長。チャンピオンマッチを開催しようとする根性がとんでもないなというのが本心だった。
「1日かけて諏訪子さんが謝罪しまくったという話を耳にしたんですが…?」
「まさかあのブン屋に助けられるとはね。早苗と神奈子がヤケになって引き起こしたという面で許される事になったよ」
「原因は何だったんですか?」
「原因ねえ…本人達はムゲンダイナの力が必要とかほざいていたけど。あんな力が必要なら八雲紫とかが役目を失ってしまう。あの2人以外はそれを分かっていたんだと思う」
博麗神社の行く道にある強力なポケモン達が住み着くエリア。来るべき1週間後に向けて特訓を重ねる私の所に現れた諏訪子さんはくたびれた私達が休んでいる間に何があったのかを説明してくれた。諏訪子さんは2人の計画を知っていないからかもしれないが呆れ気味だった。
たまたま話し合っている時間が休憩時間。ポケモン達がそれぞれの事をして戯れている時間帯に諏訪子さんが来ていた。そんな彼女が気になったのはイーブィと戯れるムゲンダイナ。
「あんなに懐っこい性格だったの?」
「最悪な縁だったですけど、私のポケモンになったからは出迎えようと思いまして。…諏訪子さんが来る前に慧音さんが来てくださったんですけど、何も分からない状況で攻撃されたから暴れたんじゃないかって」
「霊夢の正義はムゲンダイナにとっては邪悪だったって事ね…」
「イーブィが中心に距離を詰めてくれて。今のところはトラブルなく…」
「なるほどね…」
ムゲンダイナが私のポケモンにすっかり馴染んでいるのを見て諏訪子さんはかなり驚いている様子だった。違うポケモンをほとんど捕まえる事なく突き進んできた私にとって、試合に出せなくてもチームメンバーと一緒にいさせるという事が必要だったんじゃないかと話した。
説明した私の言葉を聞き諏訪子さんは笑みを浮かべながら頷いた。諏訪子さんは私の方を見ながらとある事を呟いて来た。
「ねえ蓮子。ムゲンダイナ…チャンピオンマッチに出してみる気はない?」
「そんな…7体になりますよ?」
「チャンピオンの霊夢がムゲンダイナと当たらせろってうるさいらしくてね。紫を中心としたリーグ委員会が動いてるらしいよ」
「7対7…という事ですか?」
「向こうはエースのポケモン以外は色々組み合わせをして来た奴よ。受諾されても急に育てるなんて事はしないとは思う」
7対7と聞かされて驚いた表情を見せる私に対して私に語りかける諏訪子さんの表情はどこか堂々としていた。霊夢さんは7対7となった時7体目を選ぶ事に苦戦しないだろうと。確かにムゲンダイナは既にチャンピオンマッチに出していいぐらいの実力を持っている。
でもムゲンダイナは急な事でパニックになって自分を守るだけの為に戦っていたとしたら?人に急に指示を出された時にこの子は対応出来るのだろうか。もし試合に出すとなれば不安なのはそこだけだ。
「向こうが求めるのはムゲンダイナだから誰かを抜くのも選択肢だけど」
「出来ると思いますか?」
「言うと思った。霊夢には言ってないけどリーグは7対7で考えてるって。抜くなんて選択肢をさせるのはアナタにも失礼だもんね」
「まだ決まってないんじゃ?」
「大好きな霊夢の言う言葉だもん。意地でもって紫は思ってるよ」
大好きな霊夢さんと言うのがさすがによく分からないが、どうやら私のポケモンを7体で行かせようと言うのがリーグの方針らしい。早苗さんと神奈子さんがスタジアムの管理から少し離れたと言う事から、そのツケが諏訪子さんに来ているらしい。
私が諏訪子さんに苦笑いを浮かべる中で私は指笛を鳴らすとムゲンダイナを呼び寄せる。ムゲンダイナはゆっくりとこちらにやってくる。
「ねえムゲンダイナ。君を試合で見たいって沢山の人が言ってるんだって」
「蓮子?」
「グウ?」
「君はどうしたい?」
諏訪子さんから言われたのは私にとってはサプライズだがムゲンダイナはどう感じているのか。私の語りかけに諏訪子さんが疑問を抱いたようなそんな表情を浮かべる中、ムゲンダイナはじっと私を見つめる。そんなムゲンダイナの周りに集まってくるイーブィ達。
イーブィが率先してムゲンダイナの隣に歩み寄ると…
「ブイ!」
「グルウ!」
「グルア!」
「出る気満々みたいだねムゲンダイナは」
「君の力を借りれるならありがたいよ」
イーブィとルカリオがムゲンダイナに語りかけた後にムゲンダイナが私を前にして声を張り上げる。気合い満々のムゲンダイナに対してそれを見た諏訪子さんが私に語りかけると私がそれに頷き、笑みを浮かべてムゲンダイナに呟いた。
来るべき1週間後に向けてムゲンダイナの参戦に向けて私達が気合いを入れ直す中、スタジアムで特訓している霊夢さんの所に紫さんと魔理沙さんが近づいていた。
「まだ休めと言われてんのに。不死身かお前」
「こちらは出来るつってんのよ。1週間なんて怠けるわよほんと」
「休むのが苦手というか…で。7対7で本当にいいのね霊夢」
「今更アイツのパーティから誰かが抜けてるなんて想像出来ない。アイツは必ず7体を引き受ける。引き受けなければ辞退してもらうわ」
「随分手厳しいんだな」
強い口調で語りかける霊夢。魔理沙と紫の顔を決して見ることはなかったがその表情はどこか楽しみかのように笑みを浮かべていた。ポケモン達の調整の具合を見ながら霊夢が目を向けていたのは普段こういう大イベントには参加していない4体のポケモン。
その4体を見た後に霊夢の近くに魔理沙が近寄って来た。
「絞りきれてないのか?7体制を推進しながら」
「慣れてないのよ。当然向こうも慣れてない。あり過ぎる時間についてはその日いいポケモンを連れて来てる。20ぐらい候補があるからね」
「今日連れて来てるのはギャラドス、イワパレス、オンバーン…そして…ん?おい霊夢。4体目のポケモンは何だ?」
「あら珍しいわね。アンタがそんな事言うなんて」
「魔理沙の言う通りよ。あんなポケモン幻想郷にいたかしら?」
霊夢は紫と魔理沙の問いかけをかわすかのように笑みを浮かべた。青っぽいカラーリングをしたポケモンを見つめながら「候補だから出すかどうか分からない」とケムに巻いた。幻想郷のポケモンを長らく見ていた魔理沙と紫を持ってしても分からない霊夢のポケモン。
「あのポケモンはゲッコウガ。そうねえ…タイプまで答えを出すと楽しくないからそこは煙に巻いておくわ」
「その口ぶり…あのゲッコウガというポケモン以外に何体か隠しているわね?」
「さあ?何のことかしら。私はあのゲッコウガというポケモンを聞かれたから返事しただけよ」
「勝負事になるとお前中々に性格が悪くなるよな…」
「人聞きが悪いわね」
魔理沙に苦笑いを浮かべられ睨みつけるかのような表情を浮かべた霊夢。その後今その場に出していないモンスターボールを見つめ、グッと握りしめる。そして何かを思い出したかのように歯を食いしばる。冷静そうに見えて心の中はかなり熱くなっていた。
そして霊夢は息を吐きながら空をゆっくりと見上げたのだった…
見てくださりありがとうございます。最終章のバトルは本編でも話している通り7対7の予定です。7体目は今から考えます。それでは。