灯火の星   作:命 翼

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お疲れ様です。今回からチャンピオンマッチの予定です。
まああともう少しでマジで終わります。駆け抜ける予定なんでよろしくお願いします。


迎えた決戦の日

 ムゲンダイナとの死闘からあっという間に1週間の月日が流れた。霊夢さんが提案した事により幻想郷の話題を掻っ攫う事となった7対7のマッチ。私がムゲンダイナを仲間に入れた事も霊夢さんがこれから7体目を厳選しようとしている事も新聞を見た人は誰1人として分からない。

 

 遂に迎える事となったチャンピオンマッチを一目でも見ようと多くの観客が守矢スタジアムに詰め寄せた。多くのTVが無敗同士のタイトルマッチと私達の戦いを報じる。セミファイナルでは感じた事のない足元が揺れそうな地鳴りのような大歓声を私は浴びる事となる。

 

 拭い捨てた緊張もこの時ばかりは強くなる。溢れんばかりの観客が座り込む中、先に席を取っていた魔美、霊矢の元にメリーが駆けつける。

 

「試合開始間際ですよ。どこに行っていたんですか?」

 

「ごめん、ごめん。ちょっと蓮子の所に」

 

「緊張してるだろうね。チャンピオンマッチはジムチャレンジの集大成みたいな物。まして蓮子は無敗で勝ち上がったから…」

 

「片方の連勝が止まり、片方が初めての敗北を喫する事となる。勝負の世界は非常です。どちらともハッピーで終わるタイトルマッチなんて誰も望んでいない」

 

「霊矢…」

 

「それでも僕たちが出来るのは僕たちを破り頂点に挑まんとするライバルに期待する事だと思いますよ」

 

 3人とも今自分がジムコートにいない事の悔しさは感じ、この舞台に挑まんとするライバルの気持ちがかなり分かった。両方が幸せに終わるタイトルマッチなんて存在しない。あるのは共に突き進んできたライバルの背中をその目で焼き付ける事で精一杯押す事だ。

 

 挑むのは初の頂点を掴んで以来何人たりとも寄せ付けなかった絶対王者。その壁は今までのトレーナーなんて比にもならない。それは控え室で入場を待ち受ける蓮子が一番その偉大さを分かっていた。

 

「もうすぐだよイーブィ」

 

「ブイ!」

 

「私達が歩んできた集大成がこの一戦で出る。勝とうね」

 

「ブイ!」

 

「蓮子選手。入場時間です。準備お願いします」

 

「分かりました」

 

 地鳴りのような大歓声が控え室にまで伝わっていた。イーブィをボールに戻しスタッフの方の隣を通り過ぎてジムコートに一歩、また一歩とその足を踏み出していく。差し込む光と同時に大歓声が私の身に襲ってくる中、一度足を止め大きく息を吐く。

 

「お待たせいたしました!ムゲンダイナの戦いにてチャンピオン霊夢選手の謎の負傷から1週間!無敗同士のタイトルマッチはどちらがその無敗記録を継続するのでしょうか!さて選手の入場です!」

 

「多くのチャレンジャー、ジムリーダーを蹴散らしその積み重ねの一戦の中で刻んだ勝利は全て勝利!推薦状を渡したトレーナーが頂点に引導を渡すのか!蓮子選手の入場です!」

 

「やっちまえ蓮子!蹴散らせ!」

 

(凄い大歓声…気持ちが緊張よりとんでもなく昂ってくる…)

 

「対する逆サイド!幻想郷リーグ初代チャンピオン!その連勝記録を一切途絶えさせる事はありませんでした!今回もファンは彼女の連勝記録を期待します!その名前を呼びましょう!チャンピオン!霊夢ッ!」

 

「チャンピオンッ!チャンピオンッ!」

 

 私と霊夢さんの背中を後押しする声が中央に行くまでに大きくこだまして行く。その小さな姿が歩いて行く度に大きくなって行く。決して背丈は大きい方ではない。然しその存在感は私を覆い尽くそうとしていた。手汗が流れ始める中、私と霊夢さんは中央にて対面する。

 

「とうとうこの時が来たわね蓮子」

 

「霊夢さん」

 

「分かってるだろうけどかたやアンタのチャンピオンを期待し、かたや私の連勝を期待する。どちらかの敗北を期待する残酷な人々が私達の試合を見つめ、歴史の証人となる」

 

「分かってます。もう私はビビらない。アナタと真正面から向き合いチャンピオンの座を手に入れます」

 

「強くなったわねアンタ。じゃあその覚悟。私にぶつけてきなさい。私も本気という最大の敬意でアンタの覚悟を完膚なきまでに叩き潰す。それがチャンピオンとしての意志よ」

 

 霊夢さんはニヤリとした笑みを浮かべながら私から距離を取って行く。私も霊夢さんから距離を取りそこから少し離れた距離から霊夢さんと向き合う。大歓声がざわめきに変わる。表情を引き締め私はボールを握りしめたその瞬間。霊夢さんは羽織っていたマントを触れる。

 

 審判のロトムが私達の間に入り、一言声を上げる。

 

「両者準備はいいでしょうか」

 

「いつでも!」

 

「こちらも!」

 

「バトル!スタート!」

 

 ロトムの開始のコールと共に霊夢さんがマントを脱ぎ捨てボールを投げる。出てきたのはキテルグマ戦で助けてくれたタイレーツ。私の先手は決まっていた。振りかぶるとボールを投げつける。出てきたのはモスノウ。大歓声と共に多くの観客が息を呑んだ。

 

「行きます!マジカルシャイン!」

 

「はいすいのじん!」

 

 幻想郷の全ての人々がこの一戦を見つめる中、試合が始まって行く。先に声を張り上げたのは私だった。モスノウに向かって声を張り上げるとモスノウは羽を羽ばたかせながらタイレーツに光の弾丸を打ち込んでいく。霊夢さんのタイレーツは声を張り上げると身体を光らせ、マジカルシャインを何もなかったかのように耐え切る。

 

「はいすいのじん入り!霊夢選手特有の入り方だッ!」

 

「アイアンヘッドッ!」

 

「ゆきなだれで壁を作って!」

 

 タイレーツが身体を鋼に変色させ突撃してくる中、モスノウはどこかしらから召喚した雪崩をタイレーツに向かって降らせて行く。雪崩を粉砕しながらモスノウに向かって行ったタイレーツ。然し突き抜けた先にモスノウの姿はない。霊夢さんが声を張り上げる。

 

「来るわよタイレーツ!空中に向かってインファイト!」

 

「れいとうビーム!」

 

「ビームをインファイトで受け切る気か…!?」

 

 空中に舞い上がったモスノウから放たれたビームをタイレーツはグッと身構え目では追えない程のスピードで身体を押し出し、ビームを消滅させていく。ビームによる水蒸気がタイレーツの周りに上がる中私はさらに畳み掛ける。

 

「マジカルシャイン!」

 

「蓮子選手畳み掛ける!反撃の隙を与えない!」

 

「飛んでタイレーツ!アイアンヘッド!」

 

 地面が抉れる程の勢いで飛び上がったタイレーツは空中から羽から光の弾丸を飛ばしてきたモスノウの一撃を喰らいながら、身体を鋼に変色させてモスノウに思い切り体当たりを食らわし地面に向かって吹き飛ばす。地面に当たりそうになったその時。

 

 モスノウは羽を思い切り羽ばたかせ激突を阻止する。

 

「耐えたッ!」

 

「でも攻撃する体勢で言えばタイレーツの方が…!」

 

「アイアンヘッド!」

 

(気持ちで滅入る訳には行かない!)

 

「モスノウ、れいとうビーム!」

 

 モスノウがギリギリ耐え仰向けになっている中、空中から落ちてくるだけのタイレーツはモスノウに向かって行ける状態。然しここで回避という選択肢はなかった。私が声を張り上げるとモスノウがれいとうビームをタイレーツに向かって打ち込んでいく。

 

 アイアンヘッドを打ち込もうとしたタイレーツが顔をしかめるとその矛先がモスノウから少しズレる。そのままモスノウの隣に墜落し砂煙を巻き上げる中、モスノウはその位置から少し離れる。

 

「凄い戦い…!」

 

「バトルスタイルはどちらとも力で押し切るタイプ…ただそれがいいように繋がらないというのは2人とも分かっている筈…!」

 

「蓮子…!」

 

「1体目から何という死闘!さすが無敗同士の戦い!」

 

 メリー達が緊張の息を吐く中、私も大きく息を吐く。お互いに向き合ったモスノウとタイレーツ。その決着を焼き付けようと観客達は息を呑んでいた…




見てくださりありがとうございます。来年の序盤には完結予定です。
よろしくお願いします。
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