「一体どう言うことよ」
一夏とセシリアとの試合が終わって直後のことだった。
《白式》の姿が《ブラスター・ブレード》になっていたことについて私は一夏を問い詰める。
「いや、俺に聞かれてもな……」
一夏にもどうしてそうなったのかは解らない。
仕方ないので、私は《白式》の解析を始めることにした。
「多分、これね……」
表示された《白式》のシステム一覧を見て、その原因をつきとめた。
《ライド・システム》と書かれたそれが《白式》が《ブラスター・ブレード》へと姿を変えたのだ。
もちろん、それが解除されると《白式》へと元に戻る。
「一次移行と同時に現れた謎のシステムって……」
私はこのシステムに思い当たる節があった。
明らかに惑星クレイが関わっている。
「とりあえず、身体に何か異変があるかもしれないから、使用するのは程々にね」
「お、おう。わかった」
一夏は私から返却された《白式》を受け取る。
「それでは―――」
私の話が終わると、山田先生がISに関する注意事項の説明に入った。
「一体何を考えているかしら……」
惑星クレイの思惑が一体何なのかが解らない。
二年前の時は、一夏を救うために干渉して、今回はそれと言った理由がないのだ。
謎が謎を呼ぶ。
その答えが出ることは一向になく、その日は静かに終わりを告げた。
◇
「では、三人とも武装を展開しろ」
一夏がクラス代表になり、静かな日常が訪れる。
そして、本日はISを使った授業が行われ、専用機持ちの私たちが手本としてISを展開していた。
千冬さんに言われるままに、拡張領域から《エターナル・フレイム》と書かれたブレードを私は展開する。
「よらしい。では、次はその場から急上昇しろ」
「はい」
セシリア、一夏の順に急上昇を開始する。
途中で一夏に追いついてしまったので、私がそのまま引っ張る形でセシリアのいる位置まで連れて行く。
「サンキュウな、愛華」
「別にいいわよ」
あれから、一夏との同室生活が終わり、本来の住人がやってきた。
一夏はあの篠ノ之箒で、私は布仏本音と呼ばれるクラスメイトと同室になる。
「お前たち、急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表から十センチだ」
「了解です」
セシリアは楽々とそれをこなしたが、一夏がそのまま墜落したかのように、グランドをクレーターを作る。
「いくら出来ないとは言え、これはないわよ……」
私も完全停止し、一夏の前に降り立つ。
「誰がグランドに穴を開けろと言った」
「すみません」
「自分で開けた穴だ。自分で埋めておくように」
「はい……」
そして、本日の授業が終わる。
放課後、私たちは食堂に集まっていた。
「と言うことで、織斑くん。クラス代表決定おめでとう!!」
食堂を貸し切っての就任パーティーが開かれたのだ。
「あ、ありがとう……」
クラスメイトの気迫に押されながらもパーティーを楽しむ一夏。
私はジェスチャーで後で外に来てと一夏に伝え、外のベンチに座る。
「なんだ? 愛華」
「就任祝いをあげようと思ってね」
私は一夏に近づき、首に何かの装置を付ける。
「何だこれは?」
「ニューロリンカーよ。うちの会社がVRMMOして販売するのよ」
「へ~。今度はデジタル化か」
「そう。その試作品が送られてきたから、一夏にもβテスターを兼ねてやってもらおうと思ってね」
私も首元を見せて、ニューロリンカーを付けていることを見せる。
「じゃあ、もう入っているのか?」
私はその問いに頷く。
一夏はワクワクしながら食堂に戻り、私はその隣に座る。
ポケットからコードを取り出し、一夏のニューロリンカーに接続させて、私のにも接続させた。
「キーコードを言えばすぐに始められるわ」
私たちは、β版を起動させる。
「「リンク・スタート!」」
意識が吸い込まれ、虹のリングをくぐる。
そして、次の映った世界は別世界だった。
「じゃあ、デッキを作ってから始めようか」
そう言って、あらゆるクランが表示される。