インフィニット・ストラトス ~~   作:ぬっく~

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第一話

放課後。私と一夏は自室でカードを並べていた。

 

「ドラゴニック・オーバーロードでヴァンガードにアタック」

 

「堅強の騎士 ルノリアで完全ガード!!」

 

「ツインドライブ……ゲット、クリティカル。レフトのオーバーロードに乗せるね」

 

一夏の手札は残り1枚。

つまり、私のレフトにいるオーバーロードの攻撃を防ぐことはできない。

ダメージも5枚溜まっているため、最後の砦であるヒールを引き当てるしかないが、既に2枚見えている。

 

「オーバーロードでヴァンガードにアタック」

 

「ダメージチェック……」

 

一夏はデッキの一番上を捲るが、ヒールではなかった。

 

「あー、負けたぁ!!」

 

「結構いい所まで行っていたよ」

 

私のダメージは5で、ヒールも完全ガードも全て消化済みだったのだ。

もし、一夏にターンが返っていたら、完全に私が負けていた。

 

「なあ、このデッキを強化することは出来ないのか?」

 

「……できなくはないけど」

 

一応、強化用のカードは用意してある。

私は引き出しの中から白い箱と赤い箱を取り出す。

 

「強化することは、構築の幅だけじゃなく、プレイングも要することになるよ」

 

「いいぜ。次こそ勝ってみるから」

 

「言ったわね」

 

一夏の主人公補正が強すぎて、私もギリギリなのだ。

さらにブースターパックで強化されると、たぶん勝率がさらに下がる。

だから、今まで出さなかったが。

 

「じゃあ、出来たら言って」

 

「おう」

 

私と一夏は、今まで使っていたデッキの強化に入る。

晩御飯など忘れ、何十戦とファイトしてしまった。

 

 

 

 

あれから数年。

私たちは中学生になった。

主に変わったことは、クラスメイトの箒ちゃんが家庭事情により転校したり、中国からの転校生の鈴が来たぐらいしかない。

あとは、男友達が増えたぐらいかな……。

そうそう、あとは私…… PSYクオリアに目覚めました。

そのお陰なのか一夏との勝負は何とか五分を維持できている。

 

「あたしのターンね。パーフェクトライザーにライド!!」

 

「げっ!?」

 

「イマジナリーギフト アクセルⅡ」

 

鈴が使っているは、ノヴァグラップラーのパーフェクトライザーデッキ。

旧作より弱体化しているけど、使用者(鈴)のせいでエグいことになっている。

 

「うぉおおお!! 全てガードだぁ!! ヴァンガードには完全防御!! どうだぁ!!」

 

「あたしがそんなので止まるわけないじゃない。ツインドライブ、ゲット、ダブルクリティカル!!」

 

「馬鹿な……」

 

そう、鈴も一夏同様トリガー率がエグい。

ノーガード、完全防御、三枚抜きにしようが、ダブルクリティカルが飛んでくる。

 

「あたしの勝ちね♪」

 

「俺の財布がぁ……」

 

弾よ、頑張って。

 

「ウォーミングアップは済んだ事だし……愛華、あたしとファイトよ!!」

 

「いいよ」

 

そう言って、私は自分のデッキを取り出す。

神崎愛華。それが私の今の名前である。

 

「「スタンドアップ」」

 

「ザ」

 

「「ヴァンガード!!」」

 

 

▶︎

 

 

「パーフェクトライザーでアタック!!」

 

鈴の攻撃を受けて、私のダメージゾーンに5枚目のカードが置かれる。

だが、鈴の場にはもうすでに攻撃できるユニットがない。

 

「次で仕留めてあげる」

 

鈴のダメージゾーンはまだ2枚。

そして、手札には完全ガードが2枚ある。

普通であれば私が逆転する可能性は無比に近い。

そう、普通であれば。

 

「はぁ……。本当なら一夏が来てから見せるつもりでいたのだけど、仕方ないわね」

 

「なによ。まさか、この盤面を覆すことができるとでも言うの!?」

 

私は一枚のカードに手をかける。

 

「終わり無き探求の果てに、辿り着いた最終進化。 荒ぶる魂を昇華させ、今こそ真の姿を現せ! ライド・ザ・マイ・ヴァンガード!!」

 

私の最終兵器。

 

「 ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド!!」

 

その場にいた者たちは、見たことのないカードに驚きを隠しきれなかった。

 

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