昔、ヴァンガードで月に行ったシーンを私は思い出した。
あのシーンは明らかに人類が作り出すことのできない品物であり、ならそれは何処から持ってこられたのか?
簡単なことだ、あれは惑星クレイの技術であれば納得がいくのだ。
そう。だからもしかしたらと、私は思いISに乗り込む。
(転送地点は一夏のいるところ)
一夏が誘拐されたことを彼女らが知っていることは、デッキを所持していることが分かる。
なら、そこへ飛ぶだけ。
私はそれを起動させると、光に包まれた。再び眼を開けると、目の前には青空が広がっていた。
「あの倉庫だね」
体勢を立て直しながら、真下にある倉庫めがけて突っ込む。
「一夏!!」
「愛……華?」
私は一直線に一夏の下に駆け寄る。
両腕をがっちりに縛られいたが、特に大きな負傷は見当たらなく一安心した。
「もう、大丈夫だから……」
当然のことだが、私が盛大な侵入に誘拐犯が気が付く訳がない。
外からぞろぞろと入って来る。
「今……全てを終わらせてあげる」
私は一枚のカードを取り出し。
「Ride The Vanguard」
持っていたカードが輝き出すと、紅蓮の炎が私を包み込む。
「
帝国の竜王をその身に宿して、この地上に降り立った。
◇
「Shoot!! Shoot in!!」
異変を嗅ぎ告げた誘拐犯は人質のいる倉庫へと突入した。
そこには、ISスーツを身に纏った少女が一人だけいるだけだった。天井に大きな穴があり、あの少女がそこから侵入して来たことは一目でわかる。
しかし、今人質を連れてかれる訳にはいかなかった。
何故なら、まだ日本政府にはこのことを言っていないからだ。
だが、少女は誘拐犯を敵として認識していた。
そして、悪夢がその場を支配したのだ。
「Fuck!!」
少女はISを纏い、躊躇なく襲いかかって来たのだ。
紅蓮の竜をイメージしたような、見たことないISが剣を振り下ろすと、後から炎が追尾してくる。
いくら銃弾を撃ち込もうが、少女を取り囲んでいる炎の壁がそれを邪魔してしまう。
「Use the hostage as a decoy!」
「Fuck! No way」
誘拐犯も流石にこれ以上の被害を出す訳にはいかず、一夏を囮としてはしるが。
「何処に行くのかな?」
紅蓮の竜は決して、誰一人として見逃さない。
一夏の敵は私の敵。敵は一人残らず殺す。
「
紅蓮の炎は全てを焼き払う。
その手を赤く染め、全ての敵を殲滅した。
「…………」
私は自分の手を眺める。
紅く染まった手。あちこちらに飛び散った返り血。
きっと今の姿を一夏を見たら100%引くだろう。沢山の人を殺したのだから。
それでも―――
「終わったの……か……?」
「……うん」
一夏の腕を縛っていた鎖を切断し、私は一夏を抱える。
そして、そのまま日本へと転移した。