やはり俺のパートナーは・・・   作:バネア☆

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お待たせしました。若干アレな内容なのは
2人がそういう間柄ということでご了承ください


第十五話 旅行4日目 ~新潟駅へ~

AM5:50 〇〇〇〇の宿

 

 

スマホのバイブレータ音で俺は目を覚ました。

この宿は6時から大浴場が開いているとのことなので

朝風呂も浴びようと思い、この時間に起きることにしたのだった。

 

横をみるとまだいろはが幸せそうな顔で眠りについていた。

本当に感慨深いものだ・・・・・

付き合い始めの頃、人の好意というものに慣れてなかった。

無論、それまでの交流も、ただの利用しあう関係と割り切って考えていたのにだ

いつからかコイツの純粋の思いが7年以上の年月を経て

まさかこの俺が「失いたくないからこそ、今踏み出そう」なんて行動に至らしめた

 

 

高校当時では黒歴史認定する程の出来事だったが、今思えば一歩踏み出せてよかったと思う。

今でも交流のある奉仕部の2人、雪の下に由比ガ浜。本音で話し合える得難き親友、

それに天使戸塚。そして今や婚約者である「一色いろは」

 

ぼっちだった筈の俺が、中学時代までの俺が人に恵まれるとは本当に分からないものだ

高校入学当時の俺が今の自分を見たら、「ありえん」「別次元の俺」と言い出しかねないだろうな

 

そんなことを思いつつ、洗面台に立ちうがい・顔洗いを済ませて

和室部屋に戻るといろはも起きていた

 

 

「あ、おはようございます・・・」

 

 

にこやかに挨拶をしてくる

 

 

「ん、おはようさん。落ち着いたらひと風呂浴びに行くぞー」

 

 

「せんぱいも大概温泉好きですよね」

 

 

「そりゃシャワー浴びるよりは風呂に浸かるほうがいいに決まってる」

 

 

「せんぱい・・・実を言うと、この旅行で抱かれるのちょっと期待してたんですけどね・・・」

 

 

顔赤くしながらこっぱずかしい事をいう恋人に、こちらまで顔が熱くなっていくのを

自覚していくのを感じる

 

 

「・・・・今、朝っぱらからそれを言うか」

 

 

「だってせんぱいから求めてくるのって、そう多いわけじゃないですか」

 

 

「そりゃまぁ、あれだ、その・・・・」

 

 

「何ですか?ちゃんと言ってくれないと分かんないですよー?」

 

 

「くっ・・・・がっつき過ぎると幻滅されるかもしれんだろうが」

 

 

「せんぱいってほんと、草食系ですよね。

そういうところも好きなんですけど」

 

 

蠱惑的な笑みでこちらを見つめてくるいろは

 

 

「何なの、おまえ。俺を萌え殺すつもり?」

 

 

「いえいえ、そんな恐れ多い」

 

 

「どうだかな・・・てっきり帰ったら清算を求めてくるんだろう?」

 

 

「その通りですよ!最近ご無沙汰なんですから・・・」

 

 

「・・・・・落ち着いたらな」

 

 

「言質とりましたよ?忘れませんからね?」

 

 

「昨日からそればっかだな、全く」

 

 

「女として求められてない、手を出されないってのはちょっと複雑なんですよ?

倦怠期まっさかりな心境ってこんな感じなのかと思って・・・

でもプロポーズされたから心は満たされてはいるんですけどね。

やっぱり何と言いますか・・・・」

 

 

「そりゃ、こっちは大事な話し合いをするための旅行なのに、誘惑に負けて

たら馬鹿丸出しじゃねえか。こっちは自制するだけでなく、その上ご機嫌取り

しなきゃならんかったのだぞ?」

 

 

「ほんと、せんぱいって理性の化け物ですよねー。

行為の時だって、避妊具を毎回欠かさないんですから」

 

 

「そりゃ、一色家の一人娘なんだから。親父さんが溺愛してるのは想像に難くないだろ?

筋を通さないと、許してくれそうにないだろうが・・・・・」

 

 

「んーそういうもんですかね?」

 

 

「ちなみに俺の場合、小町が『授かり婚します』なんて言い出したら

相手の男を一発ぶんなぐってしまうまである」

 

 

「うわぁ・・・シスコン甚だしい・・・・」

 

 

「とまぁ、溺愛してる家族の情は決して侮ってはいけないわけだ」

 

 

「考えすぎかと思いますが」

 

 

「それはさておき、もう6時過ぎてるから大浴場行くか」

 

 

「わたしまだ洗面所使ってないですよ?」

 

 

いろはが洗面所を使い終わるのを待って部屋を出ることに

その前に不意打ちでいろはの唇を奪い、たっぷりと舌を絡ませあい堪能した。

 

 

「…ぷはっ、はぁ、はぁ・・・」

 

 

「…はぁ、今はこれで我慢してくれ」

 

 

「・・・はい。せんぱいから求めてくるまで我慢してあげます」

 

 

お互い顔が茹蛸状態なこの絵面は相当に滑稽なのではないかとは思ったけど

いろはの承諾が得れれば安いものだと考えてしまう俺も、相当にアレなのだろうな

 

 

大浴場で寝汗をかいた体を洗い、身をリフレッシュさせ

前日タクシーを使った際に頂いたティッシュ記載の番号でタクシーを呼び、

7時には旅館を出ることにした。

 

 

(まさか、ここでプロポーズすることになるとは・・・世の中本当に分からないもんだな

でも、あの時をおいていつするんだって場面だったし、後悔など微塵もないな)

 

 

そんなことを思いつつも宿玄関前に待機しているタクシーに乗り込み

駅まで向かうことになった

 

 

天気はみぞれ混じりの雨となっていた。にも拘らず駅周辺まで行くと積雪もないのに

スプリンクラーが作動していた事に、運転手さんに聞いてみると

 

 

「市の予算的に厳しいんですよ。センサーが高額になってしまうから」

 

 

と世知辛い話を披露されることとなった。

政治って本当にままならないのだなと改めて実感した

 

 

      村上駅  AM7:15

 

 

乗る電車のおよそ10分前に到着し、コンビニで軽い朝食として

おにぎりとサンドウィッチ、マッ缶の代わりにエメマンを買って電車内で

食べる事とした。

 

クロスシートの座席を確保し、新潟駅までの1時間ー道中のんびりと食べつつ

流れゆく山の車窓を楽しんでいた

 

 

「んー流石に朝早かったからちょっと眠いかもです」

 

 

「俺はコーヒー飲んでるからな。問題ない」

 

 

「せんぱいは日常的に飲んでるじゃないですか、効果あります?」

 

 

「ま、会議の前に飲むと睡魔には襲われないな」

 

 

「むしろカフェイン耐性があると思うんですけどねー」

 

 

      新潟駅  AM8:40

 

 

(なるほどな・・・・)

 

 

「せんぱい?一旦、駅の外に出るんじゃないんですか?」

 

 

「いや、以前ニュースで新潟駅の改築工事を見たことがあってな」

 

 

「そういえば、新幹線と在来線のホームが同じですね。

新幹線からの乗り換えがスムーズで楽でいいです。

年配の方には良さそうです」

 

 

「1階にまだ在来線のホームがあるから完成ではないらしいがな。

駅を出る前に、ちょっと見に行っていいか?」

 

 

「せんぱいも物好きですよねー」

 

 

「何言ってんだ?千葉駅の改良工事の過程を見るのも楽しかったろ?

完成したらどうなるかワクワクしたろ?下手に遠出するよりは身近なデートスポットに

なったのは嬉しい誤算だったしな」

 

 

「出不精な筈なせんぱいが、変わっていく過程を見るのもこちらも

楽しかったですけど」

 

 

「え?そうなん?」

 

 

「高校の時はめちゃインドアでしたよ?家デートも多かったんですけど

でもせんぱいのお母さんと仲良くなれたのは良かったので、それはそれで」

 

 

「俺の母さん、すぐに気に入ったもんな、いろはのこと」

 

 

「付き合うようになって、ご挨拶したら『今日はお赤飯ね』って言い出しましたからね。

あれでせんぱいが家庭内でどう思われてるか分かっちゃいました」

 

 

「基本俺に対しては放任だからな、彼女が出来るなんて思ってなかったんだろ

小町からは聞いてたんだが、実際に見て『息子には勿体ない』とでも思ったんだろうな

あざっとい部分が無ければ、母さんにも魅力的に映ったんだろうよ」

 

 

「ふふん、つまりは当時の魅力的なわたしに磨きがかかりそして今や

プロポーズをしないではいられない存在になっていた。

せんぱいの中ではそういうことなんですよねー?」

 

 

「人前でそういうことを言うな・・・恥ずかしいだろ」

 

 

そんなやり取りをしつつも、3階ホーム下の電光掲示板が千葉駅と同じ事や

待合室にコンセントがあり、スマホの充電が出来る事に有難く思ったり

1階のホームが完全な行き止まり方式で昔を偲ばせたりと

次に乗る電車まで退屈せずに待つことが出来たのだった。

 




今後の更新としては週1か2ペースで書ければと思っています
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