新潟駅 AM9:15
改札口外でそれぞれお土産を見繕い
今日の日帰り温泉の目的地に向かう電車に乗ることとなった。
「せんぱいが買った土産って『ぬれおかき』なんですね?」
「ああ、銚〇電鉄の『ぬれ煎餅』に連想してしまってな」
「以前、犬吠崎行った時に買ったんでしたよね」
「京葉工業地帯の穏やかな東京湾もいいけど
荒波の太平洋は迫力あったろ?」
「結構風が吹いてて大変でしたよ?」
「風に煽られるいろはを見るのも中々絵になったよ、今思えば・・・な」
「なんですか?それ?新たな一面を見て惚れたとか言うんですか?」
「・・・端的に言えばそうなる」
「わ。せんぱいがあっさり認めた・・・」
「何だよ?お前が昨日ああ言ったからだろう。それとも言って欲しくないの?
俺も恥ずかしいから言わないでいいならこっちは楽だけど」
「わー待ってください。素直に言ってくださいよー」
「精神力削られるから少しずつ慣れさせてくれ・・・
んで、いろはは『南蛮えび煎餅』を買ったのか。
無難なところを攻めたな?」
「新潟県は米どころなので。ご当地モノをと思いまして。
柿ピーとかで有名なあの製菓会社もこの県ですもんね」
「確かにな。日本酒も有名だけど荷物が重くなるから流石に厳しいわな」
発車2分前に電車に乗り、改めて目的地を確認することに
「これから行くのは1時間程度で着く岩〇温泉だ
事前に2つの日帰り入浴を候補に選んでいる
まずは駅に近いここに行って、次はこっちだな。
観光拠点道の駅っぽいのが近くにあるからそこで食事って流れで考えている」
「今度のは山間でもなく都会に近いからちょっと違う感じですね?」
「入浴は11時だからちょっと待つかもしれんけどな」
「時間が押してしまうよりはマシだと思います」
「うむ」
温泉の最寄り駅からはバスが出ているが、この時間帯は出ておらず
やむを得ずタクシーを使う事に。
一つ目の温泉宿を告げると、そこの宿は岩盤浴があるとのクチコミを頂き
県外からもそれ目当てで来る人が多いとの事だった。
一応下調べで存在は知ってるがどうしたもんかね・・・?
ほてる〇〇 AM10:45
明治創業だけあってホテルの規模としては、団体宿泊も受け入れ可能な三ツ星ホテルというだけあって
三が日であっても人人人、がごった返しておりフロントには常にチェックアウトの宿泊客で
いっぱいだった。予想通り早く着いてしまったので、ロビーにあるソファで寛いで待つことにした
暇つぶしに備え付けのスポーツ新聞でも見ることに
昨日催された箱根駅伝の結果が載っているな・・・・・
ふむ、あの大学が往路優勝だったのか、今日の結果次第では復権あるかもしれんなー
程よく時間を潰してると11時を過ぎたので日帰り入浴の申請を出すことに
話を聞くと岩盤浴は2000円とやや高めだったので遠慮することにした。
これだけ広いホテルだから温泉も期待出来るであろう・・・と。
結論からその予想は外れていなかったと言っておこう。
日本庭園に面した露天風呂では緑を眺めながらのんびり入浴、
内風呂にはジャグジー、寝湯、全身を大きく広げて入浴出来るのって
余りないかもしれん。
更にサウナもあったので何回かローテションで行き来して相当リラックス出来たとは思う
・・・・あいつも気に入ってくれたらいいけど
AM11:45
いろはと合流し、次の日帰り入浴のホテルへと移動することに
どうやらいろはも気に入ってくれたようで、移動中もずっとご満悦のようで
こちらも知らずのうちに顔が綻んでいた
約5分程で〇〇〇〇に到着した
丁度観光バスからの団体客がぞろぞろと旅館に吸い込まれていくのを
目の当たりにした。入り口横には団体記念撮影の看板が置かれていた
看板にはこの温泉地のPRキャラクターが描かれており、何処となく愛敬をそそられた
「三が日から、団体で温泉観光してる人多いもんですね・・・・」
「さっきの旅館も大概過ぎたが・・・な。さしずめ、
ここは昼食と温泉で立ち寄った感満載だな」
「せんぱい、昼食ここでも良かったですよ?」
「いやーここも老舗旅館で高いし・・・日帰り温泉でのクチコミが上位ってことで一つ。
予定通りあそこで食べようぜ。ああいった所の味が良かったりするしな」
「何気に貧乏性ですね・・・・」
「社会人3年目に多くを求めるなっつーの」
温泉は下調べで上位だけあって広々としており、
大きな岩を使ったダイナミックな浴場だった。
やや温めの温度でじっくりと浸かっていられそうだ。
露天風呂も同様に岩風呂だった、やや狭かったがこの時間は俺だけなので
貸し切り状態で満喫出来た。
旅の最後の温泉、いい形で〆ることが出来そうだ
~いろは視点~
せんぱい曰く、旅行で訪れる最後の温泉郷とのことで
わたしも目一杯満喫するつもりで楽しみにしていた
最初のほてる〇〇で入浴開始時間までロビーのソファーで
のんびりしながら、フロントの様子を見ていた。
今まで立ち寄った温泉・ホテルと違って格式ある由緒ある
佇まい、まるで都内にもある有名ホテル引けを取らない
と感じられて、期待は高まるばかりだった。
11時を回って受付開始になり、早速大浴場へと向かう事に。
この温泉地で唯一の岩盤浴が楽しめるというウリがあったけど、
せんぱいと話し合い、パスすることにしました
流石に普通の入浴の倍は高いもんね・・・・
10分後、ジャグジーでくつろいでいるわたしがいた
日頃のデスクワークで凝り固まった体がほぐされる~
(あああ~これたまらないわ~)
こんなゆるゆるになってる顔は、流石にせんぱいにも見せられるものじゃない
サウナに水風呂と揃っていたけど、わたしはこれで充分安らぐわ~
まだ24歳なのにこんなにハマってしまうなんて、まずいのかしら?
時間も忘れてただ癒されるばかり。露天風呂に入ってからの風情も楽しむのも
忘れてしまう程に。
大浴場から上がってほてるを後にした移動中も、わたしは終始機嫌がよく
最後の温泉も満喫させてもらうつもりだった。
〇〇〇〇
先程のほてると違って、バスの団体客以外の人はあまり見受けられなかった
こういう所で昼食もいいんじゃないかって、せんぱいをけしかけてはみたものの
あっさりと却下されてしまった。むぅ・・・ムードを楽しみたかったのに~
ここの温泉はどうやら入れ替え制みたいだ。わたしが今入浴中のこの湯が
木のぬくもりを感じさせる大きな丸太の露天風呂で、
自然の開放感を感じることができる趣きのある湯船
とあり、せんぱいの方が
大きな岩を使ったダイナミックなお風呂というのが特長みたいだ
あとわたしがそそられたのは貸切露天風呂の存在だ
今が冬ではなく暖かい季節だったらイチャイチャ出来たのに・・・
一昨日みたいにただ寄り添うだけでなく誘惑し放題だったのに・・・
と妄想をふくらましてみたりするが、帰ってからの確約はとってあるので
そっちに期待しよう、ふふん。
それに、旅行に誘ってくれたお礼も最後にしてあげよう、
いまのわたしに相応しいとびっきりの♪
~新潟市〇〇観光施設~
最後の温泉を存分に楽しみ、ここに昼食を食べに訪れていた
「せんぱい、本当~にラーメン好きですよね・・・・」
「俺のソウルフードにケチ付けんな」
「今度はとんこつラーメンですか…」
「お前はおにぎり定食か2つで夜までもつのか?」
「いざとなったら買い置きしたお菓子でも食べますよ
折角のコシヒカリ食べておきたいので」
「ん、そうか」
お互い食べ終えて、施設内をぐるりと回ってみることに
広場スペースでは鉄道模型を走らせてそれを興味深そうに
子供たちが眺めていた
「せんぱいも昔はああだったんじゃないですか?」
「小学校低学年くらいまではそうだったかもな・・・」
「可愛らしいじゃないですか、目を輝かせて鉄道模型を見ている姿」
「何言ってんだ?今の俺から想像しても引かないか?」
「あら?まだそこまで目死んでない頃なのでは?」
「いやどうだったか、覚えてないんだが」
「それだったら、両親の挨拶の時に聞いてみましょう!
せんぱいのお母さんなら間違いなく知ってるでしょうし」
「止めてください。本当勘弁してください。人の黒歴史弄らないでください」
「えー?純粋な頃のせんぱい、知ってもいいじゃないですかー?」
こうやって未来をはせてせんぱいを弄ったり、素直になったせんぱいの
カウンターに赤くなってしまったり、傍目にはバカップルなのだろうけど
わたしたちは幸せでいられるーそう今までと違った形で
お互いが分かりあおうと努力していく限りはーそう信じて