やはり俺のパートナーは・・・   作:バネア☆

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この話は短いですが、連載当初から絶対に描きたい事だったので
ここまで書けて満足です


第二十八話 フォトウェディング

GW旅行が終わり、6月に入った休日。

俺達は幕張にあるフォトスタジオに足を運んでいた。

 

「結婚式を挙げないなら、せめてウェディングドレスを着て

それを写真として残したいです、出来れば家族と一緒に」

 

そんないろはの願いで前々から調べていた所、幕張にある

フォトスタジオで請け負ってくれるのが判明した。

(流石に『ご家族様・ご友人様のお支度やお衣装レンタルは要別途料金』とはあったが)

 

 

(これであいつらとも、直に会えて、やきもきさせてしまった謝罪も出来るな)

 

 

今日は比企谷家・一色家だけでなく、戸塚、雪ノ下、由比ヶ浜にも事前に連絡し

撮影に加わる事となっていた

 

 

タキシードに着替えて、背広に白ネクタイ姿の戸塚と雑談しながら

いろはの支度が整うまで待つことに

 

「話には聞いてたけど、式は挙げずにフォトウェディングという形にしたんだね」

 

「いろはとも色々話し合ってだな、式を挙げた後を考えると若干心許なかった現状だったんだよ。

それでもあいつは俺と共にいる事が最優先だって言ってくれたんだ。後は両家と相談してこうなった」

 

「それで6月になったのには『ジュンブライド』にあやかってるの?」

 

「ご名答、いろはが『ロマンチックでしょう?』って言うんだ。相変わらずあざといだろ?」

 

「でもそういうところも、好きなんでしょ?八幡は?」

 

「正直それを無くしたら、アイデンティティーないだろ?」

 

「相変わらず捻くれてるなぁ、そういう時は肯定しちゃえばいいのに・・・」

 

 

 

一方女性陣の方は・・・

 

 

「わー凄い似合ってるよ、いろはちゃん!」

 

「純白のドレスではなく、サーモンピンクってところなのかしら?

高校の時着てたカーディガンも確かピンクだったわね」

 

「ええ、この色はわたしのお気に入りの色なんです

わたしが生まれたのが4月で丁度桜色なので思い入れがあるんですよねー」

 

和やかに談笑してる中、いろはの母しぐれさんがノックし入室してくる

 

 

「いろは・・・よく似合ってるわね。婿側も準備は整ってるし

チャペルとカメラマンも何時でもOKよ」

 

「うん、ありがとう。お母さん」

 

「じゃ、あたし達は先に行ってるね」

 

「いろはさん、また後でね」

 

2人が立ち去り、いろはの父ー兼人さんが入れ替わりに入室してきた

 

 

「いろは、そろそろ行こうか。結婚式は挙げられなくても

愛娘とバージンロードを共に歩けるとは感無量だ。父さんは・・・」

 

 

「ありがとう父さん。式は挙げられなくても、ちゃんとお世話になった

お礼を返したいと思ったら、やっぱりチャペルは外せないと思って」

 

 

「ちゃんと親孝行の出来る娘に育ってて嬉しいよ・・・

八幡君と幸せになるんだぞ?」

 

「今でもちゃんと幸せだよ?改めて認めてくれてありがとう・・・父さん」

 

 

___________________________________

 

 

バージンロードの先で戸塚・小町と共に静かに待つ

 

流石に牧師は呼ぶと予算が高くなる為、見届けを買って出たのが

この2人だった。2人が持つお盆の上には、ペアネックレスが置かれてある

誓いの言葉の後に、指環の交換が行われるのが常ではあるが、

代わりにネックレスを付けあうということで話がついた

 

そして扉が開き、いろはと兼人さんがバージンロードを歩き

こちらへと向かってくる。俺の前まで来るとそっと小声で

 

「いろはを・・・愛娘を宜しく頼む」

 

と囁き、席へと戻っていた。

 

(分かってますよ、こいつと2人で歩いていきますから)

 

「おにいちゃん」「八幡」

 

「「ネックレスの交換を」」

 

お互いにネックレスを付けあうと

 

「あなたを愛してます、八幡君。これからもずっと・・・」

 

「俺もいろはを愛している。不甲斐ない俺をこれからも支えて欲しい」

 

「はい・・・!」

 

そして情熱的なキスを交わし

 

参列者 比企谷家・一色家・雪ノ下に由比ヶ浜。そして見届け人の2人

そしてフォトスタジオのスタッフからの拍手に歓迎された

 

 

チャペル内で友人同士での撮影

一色家との撮影

 

終始皆笑顔で和やかな雰囲気で無事終了した。

 

 

後日撮影データを基にお互いの会社関係者と親戚にに入籍報告葉書を

送ることになったのだった。

 

 

「このたび4月16日に入籍いたしました。未熟なふたりですが、

力を合わせて温かい家庭を築いていきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします」

 

との一文を添えて

 

 

 

「これで一通り終わったか?」

 

「そうですね、あの旅行でやりたい事を一つずつ

成し遂げてきましたし、憂いはないかなーと」

 

「そいつはなによりだ」

 

「後は・・・・ですね」

 

「ん?」

 

「いつ妊活を意識しようかなーって」

 

「あーしばらくは旅行で思い出を作りたいって言ってたもんな」

 

 

 

「ですです。なのでお盆休みがもうじきじゃないですか?」

 

「近年、海の日が制定されて休みが長くなった。有難いことだ」

 

「なのでー西の方行ってみません?」

 

「西の方ねぇ。修学旅行で京都まで行った位しかないな」

 

「わたしもです・・・」

 

「宿も1か月以上前なら空きもあるかもしれんな」

 

「八幡君もこの際、京都での思い出の上書きしちゃいましょ?

いい思い出も作りましょ?」

 

「え?もう京都確定なの?」

 

「妄想するのはただですよ?ね?」

 

「全く調子のいい妻だな・・・おい」

 

「だから、お盆の旅行終わったら、お互いちょっと意識してやってみましょ?

気負わずに楽しくね?」

 

 

「ん、了解だ」

 

 

俺達の日常はこうして流れていく

 

 

 


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