全く後悔などしていないっ!!
筆が乗ったので公開します
第五話 旅行初日 ~カシオペ〇紀行~
大晦日 上野駅20:30
「問題なく到着しましたねー」
「昼間の時点で強風によるダイヤ乱れがあったからちと不安だったがな。
〇〇口の改札口外でとっとと受付終わらせよう。風寒いわ」
「ですねー」
無事に受付が済み、乗車証と乗る号車と個室番号が書かれた首替えホルダーを受け取った。
速やかに温い駅構内に入り、
「せんぱい、飲み物とおつまみ買っていきましょ?」
チューハイ、ハイボール、肴にスルメ等を買って、時間を潰していると
俺達と同じくカシオペ〇乗車証を首からかけている人達が見受けられた
「乗る人達、意外と家族連れも多いですね」
「盛岡到着後、そのまま3か所に別れるツアーがあったからな。函館と津軽に奥入瀬だったか。おそらくそっちなんだろう」
「わたしたちが体験乗車プランってのは異色かもしれませんよ?」
「・・違いない」
苦笑しつつも、カシオペ〇の乗降扉が開く時間が迫ってきたので
地下ホーム17番線に降りることにした
そこにはカメラを構えている集団ーいわゆる撮り鉄がいた
「せんぱい、あの人たちは?」
「撮り鉄・・だな。今やカシオペ〇はツアーでの稀な運行になったから
それをカメラに収めたいという人達だろう」
「確かにツアーになっては、そうそう乗れるシロモノでもないですもんね」
「折角だから、記念写真に撮っておくか」
「バックにして2人で撮りましょう!」
カシオペ〇スイート展望室側とけん引する機関車側、両方で撮影していると構内で
常磐線の遅延・運転見合わせを知らせる放送が繰り返し行われていた。
「・・・危なかったですね」
「カシオペ〇が通るのは東北本線は盛岡までだ。今のところは問題ない」
そうこうしていると乗降扉が開いたので乗る号車と個室にひとまず荷物を
置きにいくことにした。そこでいろはが目ざとくあるものに気付いた。
「暗証番号式ルームキー?」
「ああ、前に渡したパンフのコピーには載ってなかったか。
4桁の番号を打ち込む事で暗証番号になるー銀行とかと同じだ
盗難予防になるという点では有難いよな。部屋を間違えることもないしな」
「へー進んでるんですね」
「以前見せたブルートレインなんざ、こんなんなかったからな・・」
「あ、乗ったことあるんでしたね」
「モーター音が煩いわ、揺れが列車の揺れが上下になるわで結構辛かったわ」
「せんぱい、展望車行ってみましょうよ」
「おう行ってみるか」
~展望車~
そこには幻想的なライトが灯され、優雅なクラシックが流れる空間となっていた。
既に先客がおり、スマホやビデオカメラを構えている人たちが思い思いに楽しんでいた。
「ロマンチックでいいですね・・・」
「だな・・・」
横目で見ると、うっとりとしてる目をしていた
(気に入ったみたいでよかった)
駅ホームを見てみると駅係員と見られる方々が
思い出の旅カシオペ〇の旗を掲げているのが見えた
車内放送でもお見送りの旗を持ってのお見送りをしますと流れた
(ニクイ演出だな・・いやツアーを申し込んで頂いたおもてなしなのか)
ぼんやりと眺めていると上野駅を発車し、各車内の設備案内、翌朝の盛岡到着時刻案内が
なされていた。
そんな中列車の速度が抑え気味なことが体感で気付いた。仮にも寝台「特急」な位だ。
電気機関車でけん引する位だから100キロ以上は当然出せるのだろう。
だが普段東京都まで通勤で使う総武快速線は、100キロ以上でブイブイ言わせている
今感じてる体感でも間違いない
やはりその辺りも快適な乗り心地を追求したおもてなしなのだろう
ガキん時に利用したブルートレインとはえらい違いだ。
いや比較すること事態おこがましいか。モーター音や寝ている時に上下に揺れる乗り心地の悪さ
今思うと俺にはブルートレインは合わなかったようだ。
子気味良い走行音を聞いて、そんな思考に陥ってるうちに埼玉県は大宮駅に到着していた。
展望車も人が多く家族連れも多くなってきていた。
「いろは」
「・・・あ、はい」
(普段と違う場所からの車窓に見入ってたか)
「そろそろ、部屋に戻るか」
「は~い」
~〇号車△△番個室~
*俺達に割り当てられた座席
「「乾杯(かんぱーい)」」
上野駅構内で前もって買っておいたチューハイ・ハイボールを
スルメを肴にして飲んでいた
「特別オプションですか?」
「乗車証の裏側を見てみろ」
「あ、ダイニングカーパブタイムのところに〇がついてますね」
「申し込みの際に追加オプションで入れといた
内容は年越しそばとスパークリングワインの提供となる」
「メールでもその内容触れてませんでしたよ?」
「サプライズだ」
「・・・・・せんぱい。あざといです」
顔を赤くし、そうつぶやくいろはに
「お前には負けるわ」
「何ですかそれー」
お互いに笑みをこぼしあい
「でも、時間がこれって狙いすぎですよ?」
「いや、これは俺も驚いている」
「え?時間も予約出来るんじゃ・・・」
「これは抽選制でな、どちらかの指定は出来ないと申し込みの時に
書かれていたからな」
「日頃の行い・・・ですかね?」
「俺に限って其れはないだろ」
「自虐ネタもたいがいにしてください素直に喜んでください折角
恋人が喜んでるんですから水を差さないでくださいごめんなさい」
「お、おう・・・・」
「それはさて置き、その時間の直前にはベッドメイキングしておきしょうか」
「だな」
それから取り留めのない雑談を交わしているうちに買い置きのアルコール飲料を
飲み干し、ベッドメイキングが終わる頃
「特別オプション第2回目に該当するお客様、ご準備が整いました。
ダイニングカーが御座います3号車までお越しくださいませ」
車内放送があった。
~3号車内ダイニングカー~ 宇都宮を出発して程ない時間帯
席に通され、料理が席に運ばれるまでの間、優雅な空間を体感していると
「ワインをお注ぎしてよろしいでしょうか?」
「あ、お願いします」
2つのグラスにワインを注がれたのを待ち
「年越しそばはまだ席には来てないけど」
「新年に」
「「乾杯」」
そう俺たちに割り当てられたのは
22:30~23:30
24:00~25:00
と設定された時間の2つのうち後者だったのだ
新年明け同時に、カシオペ〇のダイニングカーでスパークリングワインで
乾杯なんて出来すぎじゃないの?と数時間前上野駅で渡された乗車証の裏を
見て思わず叫びたい衝動にかられたのだ
程なくして運ばれた年越しそばをすすり、ウェイターさんが持っていた
謹賀新年のフリップを前にカメラに収めてもらい
部屋に戻るのだった。
~〇号車△△番個室~ AM1:00 福島県白河付近を通過
部屋に戻り、お互いカシオペ〇浴衣に着替えて寝るだけとなっていた
(もちろん、いろはが着替える間は廊下で待っていた。それくらいは当然である)
____窓窓窓窓____
|枕 |枕 *いろは |
| |
|* _____ |
|俺 | | |
|__|洗面所 |___扉
これが俺達に割り当てられたカシオペ〇ツインでの寝床配置となったのである
そして食べた蕎麦の消化が済む頃、床についた
「せんぱいー」
閉じた目を開けると目の前に枕から伸ばした
いろはの手があった。
「ちょっとわたしの手掴んでください」
「なんだよ・・・っ!!!?」
次の瞬間、俺は唇を塞がれていた。
硬直している隙にいろはの舌が口をこじ開け、俺の舌を絡めて蹂躙していく
時間にして十数秒いやもっとだろうか妖艶な音を響かせた後
解放したいろはは口元に残った糸を舌で舐め余韻を楽しんでるかのように見えた。
・・・・・ではなくて!
「いろは、いきなりーーむぐっ!?」
再度、また唇を塞がれ舌を蹂躙される。さっきより妖艶な音を響かせ、より時間も長く繋がった後ようやく解放され
いろはは、顔を紅潮させ
「せんぱい・・・大好きです・・・・今年もよろしくお願いしますね♪」
俺は「ああ、こちらこそ・・・・・」と返すのが精一杯だった
その後いろはが寝息を立て始めても、俺は不意打ちで2回もディープキスを
食らった余韻が残り、宮城県に突入するまで眠れず悶々とした新年の夜を
過ごすことになるのだった
はい、最後まで閲覧された皆さん
当SSのいろはは、八幡特効の「本物」を見つけ、彼を絆し陥落させた恐るべき乙女です
(当時の八幡や小町からは畏怖同然に見られていることは作中でも描写済み)
そんな彼女が7年間育み、八幡と一緒に幸せになりたいという思いに
彼女の両親が今回の八幡の旅行の誘いの思惑を看破したこと。
カシオペ〇での思い出に刻まれるであろう空間でのひと時。
そしてダイニングカーで新年をワインで祝う。
これだけの事が連鎖的に起これば、溢れ出る思いに突き動かされて、
八幡の話抜きに衝動的にキスをしても可笑しくないわけです。
原作やゲームでもあんなアプローチをする彼女ですから。
お楽しみ頂けたら幸いです