お気に入りも50に迫る勢い・・・!
ありがとうございます。
~大〇温泉 客室~
~八幡視点~
混浴露天風呂でのぼせてしまった俺は、一旦部屋に戻ってきていた。
傍らには、湯上りの上気した顔をしたいろはが佇んでいた。
「ふぅ、ちと浸かりすぎて熱いな・・・」
「露天風呂にドライヤーがなかったんで、髪が濡れたままです。
どうです、せんぱい?水のしたたるいい女に見えます?」
「そんなんアピールせんでも、ここ着いてから混浴したいだとか
温泉でもスキンシップしてるだろうが。それでこっちは平静を
保つのにどんだけ、苦心してるとおもっ・」
あ、やべ・・・・口すべってしまった・・・・
のぼせた頭だとロクな事喋らんな。
かつて、理性の化け物と評されたこの俺が・・・!
なんとも情けない OTL
「そうですか・・・ちゃんと意識してもらってるんですね・・・
せんぱい、そういうのあまり口にしないから嬉しいです・・・」
顔を真っ赤にしてもじもじしながら言う姿がまた意識せざるを
得ないんだっての!
「さっきのもそういう事なんですよね・・・ふふっ」
ぐぁぁぁあ、なんかドツボにはまってしまった気が!!
「残りの湯に浸かってくる・・・・昼11:30にまた部屋でな」
「あっ、せんぱい!」
これ以上いたら、色々とまずい・・・
水風呂もある筈だからちょっと落ち着こう
内風呂の〇〇の湯、ここは露天風呂と違いぬるま湯でまったりと心を落ち着かせ
半露天風呂の〇〇の湯、ここからも川を眺められる場所であり、水風呂と湯舟の
ローテションで体もリフレッシュさせた
ふぅ、これぞ無。これぞ俺。さっきは俺らしくはなかったが、場に流されず
明日までは大事な話をする雰囲気すら作れない状態に陥ることない様に過ごそう・・
部屋に戻ると時間は11時になるところだった。
女性用の露天風呂もあるし、まだ時間はかかるんだろう。
座布団を敷き詰め、胡坐をかいて売店で買ったドリンクを飲んで水分補給をしているうちに
瞼が落ちてくる・・・・・・・寝不足がたたったか・・・・?
~いろは視点~
「残りの湯に浸かってくる・・・・昼11:30にまた部屋でな」
「あっ、せんぱい!」
行っちゃいました・・・。
でも本当に嬉しいですよ?恋人になる前もなってから年を重ねても、
中々そういう言葉を口にしないだけに。
照れ隠しだってことが分かっていても、
直接そう思ってる事を聞かされるっていうのは・・・ね。
温泉で温まった体と別の部分をさすりつつ、わたしも次に入る温泉に向かうことにしました
女性用露天風呂、内風呂、反露天風呂とタイプの違う3つの風呂に浸かる間に
(せんぱいのこれからの気持ちも知りたいけど、
この旅行で皹が入りつつある理性もまだ見ていたいなー)
と相反してるような願望を抱きつつも、温泉から上がり髪を乾かし部屋に戻ることに
「せんぱい、もう戻って・・・?」
そこには、座布団の上に胡坐をかいて船を漕いでいるせんぱいの姿がありました。
(ストーブは付けてない。それにジャケットも羽織ってもないのに寝たら、風邪引いちゃいますよ?)
わたしは、せんぱいを起こさないように体を横に倒し、毛布を掛けることに
枕は・・・そうわたしの膝♪
一度やってみたかったんですよね♪こういうの。
ふふ、起きたらどんな顔してくれますか?せんぱい
~八幡視点~
む・・・・・寝てしまっていたか。
あれ?俺なんで横になってる上に毛布を掛けられてるんだ?
それに頭に乗ってる感触・・・?
「あ、お目覚めですか?せんぱい♪」
超高速で覚醒し、体を起こす。
「な・・・何をやってるんの?お前」
「見ての通り、膝枕ですよ?」
「・・・ななな・・・」
「全く、ストーブも付けない部屋で寝てしまったら、体が冷えて風邪引いてしまいますよ?
わたし残りの日数をせんぱいの看病で過ごすの嫌ですからね?」
「・・・言葉もございません」
「ほら、もうちょっと時間あるんですから大人しく寝てて下さい」
無理やり体を横にさせられ、膝枕状態に戻させられる。
「結構恥ずかしいんだが・・・」
「可愛い恋人の膝枕なんです、むしろ喜ぶべきなんじゃないかと思ってください
それとも可愛くないから結構だと言うんですか?」
「それずるいだろ・・・分かってて言ってるだろ?」
「ちょっとずるいくらいの方が女の子らしいじゃないですか♪
なんなら、耳掃除もしましょうか?」
どうやら、俺はこいつには勝てないらしい・・・
流されないようにと思っていた矢先に、いつのまにか先手を取られるとは
「・・・・・・・飯の時間まででいい、耳掃除もいい、それ以上は勘弁してくれ」
「はい♪」
この際、下手に抵抗するよりは妥協案を出したほうが、
ひどくはならんだろうという判断をすることにした。
11:30を過ぎたころ、お食事処へ行き
肉料理を食べたいという思惑が一致し「鳥のきじ焼き」
を注文することにした。焼き鳥の食感と鰻のタレといった
馴染み深い味であったと言っておこう
客層を見ると、浴衣姿の家族連れが多く連泊してるグループもいるのだろう。
食べ終わる頃には満席になっていたので、部屋に戻ることに。
暖かいお茶を飲みつつ、窓からの雪景色をただただ眺めていた。
いろはも同じように景色を眺めており、落ち着いた表情をしていた。
~大〇温泉 バス停 PM1:00~
バスの時刻が近づいたので、バス停に移動していた。
「いい温泉郷でしたね」
「1200年湯めぐりの里は伊達ではなかったな」
「廊下も古き良き時代を思わせる趣があって良かったです」
「渋いな。お前・・・まぁ、同意はするがな」
そして程なくして到着したバスに乗り、俺たちは大〇温泉を後にした
~いろは視点~
わたしはバスからの雪が降り続く車窓を眺めながら、先ほどまでの事を回想していた。
せんぱいの膝枕をしながら、あどけない寝顔を見るわたし得なひと時。
目覚めてからの渋々ながら承諾しつつも、満更でもない様子で
状況を受け入れるせんぱいの照れ顔。
そして食事をしたあと、部屋に戻ってゆったりと過ごす
まるでおしどり夫婦になったかのような感覚・・・
・・・・・・はっ!気が早い気が早い!
まだ婚約も結婚もしていないのにそんな感覚をもってしまうなんて・・・
でも、そういう風に思えてしまうこと事態が距離が縮んだと思いたい
せんぱいがどう思ってるかはともかくとして、
せんぱいが本心を漏らしてしまうくらい緩んだひと時が、わたしの思い出になった事は
間違いないと言えるだろうと
そんな思考に浸ってると、バスは花巻駅まで戻ってきていた。
~花巻駅 PM1:40~
「ここからは在来線を乗り継いで行くんですよね?」
「一ノ関と小牛田だな。仙台からは山形へ向かい、米沢市にある駅が今日の宿になるな
んでもって到着が7時過ぎと」
「結構長いですね?」
「日々時間に追われてるんだ、のんびり行ってもいいだろ?」
「それは深く同意します、はい」
「分かってもらえてなによりだ」
一路は南下し、山形県まで
前回に引き続き甘い回でございました。