やはり俺のパートナーは・・・   作:バネア☆

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ちょっと長くなりました


第九話  旅行3日目 ~八幡の暴走~

<八幡視点>

 

 

 

 

    1月2日 AM7:00

 

 

 

部屋備え付けの目覚ましで、俺は起きた。

昨日の寝不足は早くに就寝することで大分解消したようだった。

 

横で寝ているいろはもどうやら起きたようだ

 

 

 

「あ、せんぱい・・おはようございます」

 

 

「ああ、お陰様でよく寝れたわ」

 

 

「そうでしょうそうでしょう、可愛い恋人の温もりですからね?」

 

 

朝っぱらから、絶好調だなコイツは・・・・

 

 

 

「せんぱいのあどけない寝顔も満喫出来ましたし♪」

 

 

「おい」

 

 

 

「それにこちらもとっても気持ちよく寝れました・・・( ´艸`)」

 

 

だから、朝からそういう顔するのやめてくれませんかねぇ?

 

 

 

「朝風呂行ってくる」

 

 

「あ、わたしも行きますよー」

 

 

熱い温泉で体を覚醒させ、食堂のバイキングで腹を満たす

 

 

「おせち料理もあるんですね、有難いです」

 

 

 

「そういやお前の家って毎年おせち作るの?」

 

 

「ええ、母さんが概ね。味付けの手伝いはここ数年してますね」

 

 

「ほう、うちは女性陣が毎年台所で忙しなくやってるな

もっとも今年は一人分いないから、材料費が浮いたと喜んでたが」

 

 

 

「こちらも帰っても、少ししかないかもですね。気分を感じられるってのは

いいものですね」

 

 

「・・・そろそろ部屋戻るか」

 

 

「はーい」

 

 

今日乗る電車は9時ちょっと前。のんびりと支度を出来る

部屋から臨める駅の様子や天気を見ながらまったりと寛ぐことにした

 

 

            <高〇駅発車5分前>

 

 

今日の移動が短いので券売機で買う事に。午前中の目的地は米沢市にある温泉だ

 

 

「あ、今日がせんぱいが18切符を使わない日なんですね」

 

 

「そうだ。宿泊地が新潟県の下越地方である村上市だからな、まずは米沢に向かう」

 

 

「そこからバスで30分の温泉郷なんですよね?」

 

 

「昨日みたいに雪積もってるだろうなー。だが晴れてる分マシか」

 

 

「ワイナリーで有名な高〇、冬でない時に来たいですね」

 

 

「結構ワイン飲むもんな、おまえ・・・」

 

 

程なくして到着した電車に乗り込み、米沢には10分程で到着した

そこからバスで30分、俺たちは温泉郷に到着した

 

 

 

    <〇野川温泉郷 AM10:00>

 

 

昨日夜まで降っていた雪も止んでおり、郷にはスプリンクラーでの除雪が進められていた。

売店も開いており、温泉饅頭・ラジウム卵などが売られており

いろはは無邪気にそれを眺めていた。そんな郷を見物しながら事前調べで

日帰り入浴する予定の宿が温泉点検で、利用できなかったのには落胆の色を隠せず

いろはに慰められることとなった。そんな中で見た郷案内に俺は愕然とした

 

 

「せんぱい・・・?」

 

 

「こ、小町だと・・・・?」

 

 

 

「あ、温〇むすめって書いてありますね。この温泉地の名前を取って〇野川小町ですか。

 

『四季を愛する雅で艶麗な歌人むすめ。動物が好きで、

よく猫を愛でたりほたるの観賞をしたりしている。

教養と気品があり、 立ち振る舞いがとても美しい』

おーなかなか詰まった設定ですね、大和撫子って感じのキャラです」

 

 

 

「・・・・・これは撮っておかないと」

 

 

 

「ちょっと、せんぱい!?」

 

 

「いや、小町だぞ?」

 

 

「せんぱいがシスコンなのはもう分かってますが、目の色変わりすぎですから!」

 

 

 

「小町と言ったら、福島県にもある温泉の名前でもあり、歴史上の人物でも「小野小町」って

あるけど、まさか観光大使でキャラとして使われるとは思わないだろ?

しかも観光庁が後援となってるじゃないか!」

 

 

「だからって小町ちゃんがせんぱいからそれを知らされても、純粋に喜ぶとは

限らないじゃないですか?」

 

 

 

「ええい、止めるな!帰ったら写真現像するんだ」

 

 

「キモイです!それよりもこの地図に『露天風呂 小町の湯』ってありますよ?

川向こうにあるようです」

 

 

「なん・・・だと?早速行くぞ!」

 

 

「あ、待ってくださいよ(ふぅ、何とかそらせた・・・これ以上はもう恥ずかしいですからね!)」

 

 

5分後、露天風呂の施設前に到着するも

 

※12月~4月中旬は雪のため休業します。

 

無常にも案内板が掲げられていた。

 

 

「なん・・・・だと・・・・

地図には書いてなかったじゃないか・・・」

 

 

 

俺は力が抜け、膝をついてしまった

 

 

 

「せんぱい!?ズボンが濡れちゃいますよ!?ヒートテックまで染みちゃいますって!!」

 

 

 

傷心に暮れたままとぼとぼと温泉街まで戻ることとなった。

 

 

 

「せんぱい、取り乱しすぎですよ・・・(げんなり)」

 

 

 

「いやだって、小町だぜ?」

 

 

 

「ほらほら、この旅館「こまちの湯」ってありますよ?わたしもう冷えてきたんで入りたいです」

 

 

「よし!早速いくぞ」

 

 

「(現金過ぎる・・・)」

 

 

旅館に入り入浴料を払い、館内の案内を受ける

5階に展望露天風呂、1回に大浴場とこまちの湯があるとのことだ

 

 

「まずは展望露天風呂だな」

 

 

「え、そっちからですか?」

 

 

 

「昨日の露天風呂だとドライヤーが無かったろ?大浴場なら確実にあるだろう?」

 

 

「あ、なるほど」

 

 

「今から1時間後にロビーでいいか?」

 

 

 

「分かりました、では後程~」

 

 

露天風呂からみる雪山の景色は雄大で、叶う事なら雪見酒をしたい

欲求に駆られるくらいだった。

 

 

続けて1Fの大浴場。蔵造りの中のゆったりした浴槽になっていた

温泉の注意書きには

『5号源泉と4号源泉3:7で混合し源泉100%』

4号源泉 = 温泉成分とても濃い

5号源泉 = 温泉成分少し濃い

と書かれていた。

確かに肌が荒れている俺にはいいかもしれん

 

 

 

最後にこまちの湯。これは昨日の大〇温泉と同じ内湯だった。

程よい温度なので、のんびりと寛ぎ時間を潰すことにした。

 

 

 

<いろは視点>

 

5Fにある露天風呂の絶景を見つつ暖まっている中

わたしはやられた感に陥っていた。

 

 

旅行の間、せんぱいを振り回し愛情アピールをして

それを満更でもなく受け入れているせんぱいも楽しい一時を

過ごしていたと思っていた。のに・・・!

 

 

まさか、このわたしが振り回される側になろうとは・・・

いかんいかん、こんなのわたしのキャラじゃない!

なんとかして元のポジションに戻らなければ。

 

 

そんな決意を固めつつも、1Fの大浴場・そしてこまちの湯で

身を清め火照った体を冷ましつつせんぱいと合流した。

 

 

「お待たせしました、せんぱい」

 

 

「おーだいぶ暖まったなー。後もう一つ事前に調べてた日帰り入浴の

場所行こうぜ、気に入ると思う」

 

 

「あ、オススメですか?期待していますよ」

 

 

     <〇〇〇旅館>

 

 

「ここはさっきの旅館と違って、湯は一つで大浴場ではない」

 

 

「?それだったら、なにか特徴があるんですか?」

 

 

「但し書きを見て見ろ」

 

 

 

 

激レア!特濃泉質【4号源泉】

特濃泉質4号源泉

温泉成分が濃厚なんです!

 

 

4号源泉 = 特濃温泉質 約80度

〇野川温泉において最も重要な源泉。

5号源泉 = 約35度

 

〇野川温泉には2種類の源泉があり、それぞれ温度や成分が異なります。

2種類の源泉の温泉成分をシンプルに比較しますと・・・

 

4号源泉 = 温泉成分とても濃い

5号源泉 = 温泉成分少し濃い

 

あえて比較するとこのようになります。

※5号源泉の泉質も大変良い物です

 

〇野川温泉の殆どの施設様では4号源泉+5号源泉をミックスした形で湯船へ供給されているのですが(当館調べ)

すべての浴槽に 特濃泉質の4号源泉(かけ流し100%)を供給しているのは当館一番のオススメポイントでございます。 

 

 

 

「循環しない」「沸かさない」「水で薄めない」

こだわり熱交換システム熱い源泉が流れるパイプを水の中に通すことで、

パイプから水へ熱が奪われていきます。この現象を熱交換と言います。

当館は熱交換システムにより、温泉の温度をコントロールしています。

熱交換をすることで、源泉の成分を損なわず温度だけを下げることができます。

当館では濃い温泉成分を含む4号源泉のみを使用。

濃厚でとろみのあるお湯を源泉かけ流しで提供しております。

 

 

 

 

「ほえー・・・」

 

 

「つまりは、この温泉郷でオンリーワンとも言えるし。

肌にもいいから女性向けとも言える」

 

 

「早速入りましょう!」

 

 

(えへへ、スベスベの肌になって、夜せんぱいを誘惑するってのも

悪くなさそうですね~。折角ですから、利用させていただきますよ?)

 

 

わたしたちは、フロントで荷物を預かってもらえるサービスを受け、

温泉に浸かることにしました

 

 

(確かに広くはないですが、化粧水を付けてるような感触ですねー。

しばらくのんびりしますかね)

 

 

と30分も浸かってのぼせてしまったのは、ちょっと失敗だったかも

でもせんぱいには

 

「そんなに気に入ったのか」「長く浸かって喉乾いてるだろ」と

ドリンクを奢ってもらったので、これはこれでいいかなと思ったり

 

 

リビングで涼んでいると、せんぱいがめざとくそれを発見した

 

 

「お、なにこれ!昔のゲーム機じゃん!」

 

 

「スーパーファ〇コン、ファミリーコン〇ュータですよね。

昔のリバイバルで最近発売したとかいう」

 

「ああ、昔は本体も手のひらサイズには持ちきれない大きさだったらしいな。

親父が90年代に発売されて大学時代やってたと言ってたっけ」

 

 

「せんぱいも小町ちゃんもその遺伝子を継いでるわけですね」

 

 

 

「まぁ、そうなるな。マリ〇ーカートもあるぞ!?元祖マリカー」

 

 

「学生の時、せんぱいの家で〇iiでよく3人プレイしましたよねー」

 

 

「ずるいよな、お前ら。テクニックで勝とうとはしないで、

ダイレクトアタックで注意をそらすんだもんな・・・」

 

 

「フフン、それくらいで惑わされるが悪いんですよー」

 

 

「実力で勝てよ、実力でよ」

 

 

「でもせんぱい的には役得だったでしょ?ドキドキしたんじゃないですか?」

 

 

「・・・・分かってて言ってるならずるいぞ」

 

 

「紛れもない肯定ですよね。えへへ・・・」

 

 

 

「さて腹減ったから飯食いに行くぞ」

 

 

 

「あ、置いていかないでくださいよー」

 

 

 

(軌道修正には成功出来たみたい・・・

それになんか幾つもの視線が感じたし頃合いかも)

 

リビングで寛いでいる他のお客さん達からの目が

明らかにこのリア充が!このバカップルが!と

目には口ほどに物を言う視線だったからだ。

 

 

でもこれが、わたしたちなのだから。

7年間も付き合ってきた軌跡なのだから

 

 

せんぱいが何を話すつもりかは分からないけど、

わたしはいつも通りにそれを待とうと思う

 

 

せんぱいは「いつも通り?いつも以上に過剰にスキンシップしてるだろうが」

って昨日と同じように言うだろうけど、わたしがそうなったのは

「せんぱいのせいですよー」って開き直るつもりだ

 

 

だって、こんなに思い出に残る温泉旅をしてて

我慢出来るわけがないじゃないですか。

そのあたりを察してもらえない辺り、せんぱいたる所以なのかもしれないけど

 

 

そんなことを思いながら、せんぱいの後を追うのでした

 

 




八幡暴走ネタは当初から書きたいことの一つでした
彼があのワードを目にして、何もしないはずがないではないか!
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