弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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第4層ボス

1月も半ばになった頃、とうとう第5層が実装された。

特にサリーが楽しみにしていたようで、実装当日、少し早めに俺とシオリがログインしたときにはすでにギルドホームで待っていた。

そして、サリーや俺たちと同じことを考えていたメンバーがほとんどだったようで、続々とメンバーがギルドホームにやってきた。

 

「おお、全員揃った!」

 

気付けば、()()()()のメンバーが集まった。

だが、1人いない。

 

「サリー、メイプルはどうした?」

 

そう、メイプルがまだ来ていない。

てっきり、メイプルもログインするものだと思っていたのだが・・・。

その答えは、サリーからすぐに出された。

 

「あぁ・・・メイプルは、インフルエンザにかかって・・・今年も。いつものことだから」

「いつものようにインフルにかかっているのか・・・」

 

元気の塊であるメイプルが毎年インフルエンザにかかっているというのも、なんだかなぁ。

ちゃんと予防接種とかしてるのか?いや、メイプルなら「痛いのは嫌だ!」って言って拒否していてもおかしくないかもしれない。ゲーム内でも痛いのを嫌ってVIT極振りにしてるわけだし。

そこで、メイプルラブなシオリが「それなら!」と腰を上げた。

 

「それなら!うちらもメイプルちゃんのお見舞いに・・・」

「メイプルの家がどこにあるかわからんだろ。ていうか、インフルがうつるかもしれんから却下だ」

「ぶぅ・・・うちはメイプルちゃんが心配なだけやのに・・・」

「そういう話は後でしよう」

 

俺たちだって暇なわけじゃないし、いきなりメイプルの家に押しかけても迷惑だろう。いや、俺は基本的に押しかけられた側だけど。

 

「それで、今日のところはどうする?一応、メイプルがいなくてもクリアはできるだろうが・・・」

「メイプルさんは・・・何人か都合がつけば、それで十分でしょうか?」

「そうだね。なら、今いるメンバーだけで先に進もうか」

 

結局この日は、メイプルを除くメンバー全員で挑むことになった。

とはいえ、それでも1パーティーに収まらないから、俺とシオリ、それ以外で別れることになった。

俺と栞奈なら、たいていのボスは行けるだろうしな。

 

 

* * * * *

 

 

ダンジョンまでの道のりは、俺のクローネとシオリのフウの背中の上に乗って移動した。

それでも10人近く乗せて移動するのは難しいと思っていたのだが、フウがこの階層で覚えたという【眷属召喚】を【巨大化】を使った状態で使用したことで、フウの半分ほどのサイズの眷属狼が2匹召喚されて、余裕をもって移動することができた。

道中のモンスターは当然のように相手にならず、ダンジョンに到着したのはすぐだった。

ここからは、俺たちは別々で行動することになる。

ダンジョン内のモンスターは、物理攻撃に耐性を持っているモンスターがほとんどだった。中には物理無効のモンスターもいたが、そいつらは俺がレーザー銃で撃ちぬいて、物理軽減のモンスターはシオリで一撃で倒せるから、大して苦にはならなかった。

そうして、割とすぐにボス部屋にたどり着いた。

 

「さて、対策はどうしようか」

「いつも通りでええんとちゃう?よほど面倒やない限り、うちが速攻でつぶしたるわ」

「それもそうだな」

 

シオリのスピードは、ちょっとやそっとのデバフではほとんど意味がないし、ボスで物理を無効化するような鬼畜条件は出さないだろう。

俺とシオリは軽く打ち合わせをしてから、ボス部屋の扉を開け放った。

部屋の奥にいたのは、艶のある黄色い毛並みの九尾の狐だった。

 

「んじゃ、やるか」

「はいよ!」

 

戦闘が始まって早々に、シオリは超高速移動で姿を消し、俺は拳銃を両手に生成して牽制の射撃を放った。

俺の銃撃は九尾の胴体に当たり、注意が俺に向けられる。

 

「【クイックチェンジ】」

 

それを確認した俺は、すぐに装備を変更して【備前長船長光】を抜刀した。

九尾は噛みつきや爪攻撃、尻尾の薙ぎ払いで攻撃してくるが、俺はそのすべてを避け、時には刀で逸らす。

そうしている間にも、シオリのAGIはさらに上昇していく。

 

「お~い、そろそろいいんじゃないかー?」

「わかったで!【樹海顕現】!【超加速】!」

 

それなりに【速度中毒】によってAGIが上昇したシオリは、さらに【超加速】によってAGIを上昇させ、それに加えて【木の女神の加護】を発動させるために【大樹の怒り】で森林を生み出した。

急に現れた森林に九尾がたたらを踏み、その一瞬の隙が命取りとなった。

 

「そこ!」

 

シオリが九尾とすれ違いざまに槍を一閃し、九尾はHPを全損させて光となって消えていった。

 

「ふぅ、楽勝やったな」

「こんなもんだろ。ほら、階段が出てきたから登るぞ」

 

勝利の余韻に浸るでもなく、俺たちはさっさと先に進んだ。

ふと、俺はサリーたちが大丈夫か気になったが、マイとユイがいるしモミジで動きを止めるのも簡単だろうから、問題はないか。




わりと久しぶりな感じのゲームメイン回でした。
なんやかんや言って、7話ぶりですか。
一応、「クリスマスパーティー その後」ではログインしてますが、スキル確認して終了しただけですし。

『メイプルちゃん、リアルでも「痛いのは嫌だ!」を貫いている説』を自分は推します。
それならそれで子供っぽくて可愛い。
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