弓兵と槍兵を人外にして魔境に放り込んだ結果   作:リョウ77

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第6回イベント シオリ・2

そのままアナちゃんをお持ち帰りしたうちらは、4層の和風喫茶に入って、席に座っていくらか注文した。

アナちゃんが高額なやつばっか頼んどったけど、誘ったのはうちやし、手持ちはそれなりにあるから目をつむるとしよか。

 

「それで、アナちゃんやっけ?いろいろと聞きたいことがあるんやけど、ええか?」

「はい、どうぞ」

 

うちから見た感じ、アナちゃんは感情の起伏が乏しいってゆーか、表現の仕方が事務的って感じがする。

でも、食べ物を待っている今は気持ちウキウキしてるようにも見えるから、好きなことには感情が表に出るのかもしれへん。

それを念頭に置いて、聞きたいことを聞いていこか。

 

「まずは、その武器なんやけど、なんの種類なん?」

「これですか?武器ジャンルで言えば大鎌になります。まぁ、かなりマイナーなので、シオリさんでも知らないのは仕方ないかもしれませんね」

 

やっぱりというか、大鎌って武器みたいやけど、少なくともうちは他に使っとるプレイヤーは見たことあらへんで。

 

「へ~、なんでそんなマイナーな武器を使おうと思ったん?」

「単純な話、誰も使わない武器を使ってみたかったからですね。それに、慣れれば使いやすいですよ」

 

アナちゃんはなんでもないように言うとるけど、うちからすればすごいの一言やった。

実は、うちも1回だけ鎖鎌を使ったことがあるんやけど、片手サイズでさえうちには持て余し気味やったし、クラルでさえも「積極的に使おうとは思わんな」って断言しとったくらいや。

それに対して、さっきの戦闘でも見た限り、アナちゃんは自分の身長よりもでかい巨大な鎖鎌を、それこそ手足のように操っとったから、どれだけ練習したかがよくわかるわ。

 

「それで、次やけど、アナちゃんはどっかギルドに所属しとるん?」

「いえ、どこにも所属していません。私は、基本的にソロプレイですから、パーティーを組むのも稀ですね。第4回イベントだって参加してませんし」

「へぇ~、そうやったんや」

 

アナちゃんほどの腕なら、いろんなギルドから引っ張りだこやと思うんやけどなぁ。もしかしたら勧誘は受け取ったかもしれへんけど、それも断ってたんやろな。

それでも、やっぱ理由は気になるわ。

 

「でも、なんでギルドに所属しとらんのや?アナちゃんくらいなら、引く手あまたやと思うんやけど」

「・・・リアルの話になってしまうんですが、私は学校ではけっこう人気なんですよ。それで、学校ではいつも大勢の人に囲まれてしまうので、ここでは1人でいたいんです」

「なるほどなぁ・・・」

 

そういうアナちゃんの気持ち、うちも分かる気がする。

うちも、ゲームではリアルと違うものを求めたりすることもあるからなぁ。

それに、アナちゃんの性格的に、たぶん人づきあいが苦手なんやろな。

・・・あかん、ついアナちゃんを抱きしめたい衝動に駆られそうになったけど、いきなりアナちゃんに嫌われるのは嫌やからグッと堪えな。

せやけど、せっかくやし仲良くなりたいなぁ。

こうなったら、

 

「せや!せっかくやし、うちと一緒にイベントを回らへん?」

「え?でも、配置場所はランダムですよね?」

「うちの優秀な戦略家が、ざっくりとした地図をすでに作ってくれとるんや」

 

実は昨日、クラルがイベントマップ一番乗りの報酬でゲットした特別な地図の地形をある程度覚えとったみたいで、簡単な地図を作ってもらったんや。

本当に、どこに何があるかって程度の簡単な地図やけど、待ち合わせをする分には十分や。

 

「アナちゃんにもコピーを渡すから、これで一緒にやれるで」

「・・・べつに、百歩譲って一緒に探索するのは問題ないのですが、そんな簡単に貴重なものを渡してもいいんですか?それ、公式の情報はもちろん、下手をすれば大型ギルドでさえ、今は持っていないかもしれないのに」

 

アナちゃんの言う通り、この地図はクラルの一番乗り報酬を元に作った地図やから、まだマッピング途中やろう他のギルドやプレイヤーは持っとらん。その気になれば、高額で取引することも可能やろな。

せやけど、うちは、

 

「えぇねん。アナちゃんには特別や」

「・・・何でですか?」

 

アナちゃんは、うまい話があるわけないって警戒しとるけど、うちもそっと解くように話しかける。

 

「そうやなぁ、勘、やな」

「勘、ですか?」

「せや。うちの勘は良く当たるんや。そのうちが、アナちゃんに渡しても大丈夫やって言っとる。それに、アナちゃんもこれを悪用する気はあらへんやろ?」

「それは・・・はい」

 

うちの指摘に、アナちゃんがちょっと顔を赤くしながら視線を逸らした。

その反応を見て、抱きしめたい衝動を抑えながらも最後の一押しを加えた。

 

「それに、うちはアナちゃんにもっと楽しんでほしいんや。せやから、まずはうちと一緒にやらへん?それで、もしよければ、うちのギルドにも来てや。きっと歓迎してくれると思うで?」

「・・・わかり、ました。考えておきます」

 

アナちゃんも、顔を俯かせながらも頷いてくれた。

これで交渉成立や。

また後で、クラルにも紹介しとかな。

そんなことを話しとるうちに、頼んだ品がやってきた。

 

「おっ、頼んだお菓子がやってきたで。まずはこれを食べよか」

「はい。そうですね」

 

気を取り直したアナちゃんは、フォークを手に取ってケーキとかパフェを食べ始めた。

心からおいしそうに食べるアナちゃんにほっこりしながら、うちも自分の頼んだケーキなんかを楽しんだ。

 

 

 

 

この後、アナちゃんがさらに追加で注文してうちの財布に無視できないダメージを与えたんやけど、必要経費として割り切ることにした。

これは必要なダメージなんや。ぐすん。




実際のところ、鎖鎌って実用性ってあったんですかね?
使いやすさで言えば、他にもっといいやつなんていっぱいありますからね。
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