光が収まると、うちが立っていたのは広場みたいな場所やった。周りは樹で覆われているから、たぶん森の中のどこかなんやろうけど。
マップを確認してみると、他にも荒野や廃虚なんかがあったけど、ここからは少し遠いところにあるから、ちょっと移動が面倒かもしれへん。
「とりあえず、走ってプレイヤーを探そか」
うちのスキルはとにかく走らなあかんし、【白狼の疾駆】のおかげで森の中も荒野も関係あらへんし。
でも、クラルなら荒野にいそうな気もするし、この平原の周辺を周りながらにしとこ。
方針を決めて、うちはさっそく槍を取り出して走り始めた。
狙いは特にあらへんけど、せっかくやし強いプレーヤーとやり合ってみたいなぁ。
そんなことを考えながら、さっそく森の中に入ってプレイヤーを探し始めた。
するとさっそく、【白狼の呼吸】に反応があった。
ちなみに、匂いで索敵するっちゅー説明文で、いったいどんな匂いなんやろうと不安になったけど、なんやろ、しいて言うなら、風の香り?みたいな感じで、そこまで臭いわけやなくてホッとしたのはここだけの話や。まぁ、ぶっちゃけた話、【毒竜の迷宮】ではキツイ臭いがして辛かったけど。
それに、このスキルの一番便利なところは、一度探知できればマップに反映されるってところや。一度匂いを嗅げば、その匂いに集中する必要は低くなる。マップを見る手間を省くなら、ちゃんと匂いを嗅いだ方がええんやろうけど。
敵の場所がわかったうちは、さらに加速して距離をつめに行った。
【狩人】の障害物の定義は、完全に身を隠す必要はないらしい。こうして視界の悪い場所でも効果が発動するみたいで、試しに森の中でクラルに使ったときも「まったく目で追えなかった、っていうか見えなかった」って言うとったし。そのときは、視線を向けないで矢を顔面に寸止めされたから、勝った気はせぇへんかったけどな。
このスキルのおかげで、うちは相手に全く気付かれずに接近し・・・喉元めがけて槍を薙ぎ払った。
相手は何をされたのか全く分からないって顔で、そのまま光になって消えていった。
せやけど、それを見送る暇もなく、うちは次の獲物を探しに走っていった。そもそも、走り続けなあかんうちにとって、止まって相手の最後を見送るなんて論外やし。
次に【白狼の呼吸】に引っかかったのは、2人やった。たぶん、戦闘中なんやろうな。
これは、漁夫の利のチャンスや。
【速度中毒】でさらに上がったAGIで現場に向かうと、大盾使いが魔法使いにとどめを刺そうとしとるところやった。
このまま1人倒されるのはもったいない!
「ちょっと失礼するで!」
「え?どわっ!?」
「うおっ!?」
軽く断りを入れてから、うちは間を通って槍を二閃した。2人ともボロボロやったらしくて、大盾の方は盾越しでも倒すことができた。
それにしても、やっぱり【疾風】の効果は反則やわ。実質、AGIを上げたらSTRも上がるようなもんやし。
正直、いつか下方修正が入りそうな気もするけど・・・まぁ、その時はその時や。そこまで劇的に弱体化されるとも限らへんし。
今は、大会で上位10人を狙うことに集中・・・いや、いっそ狙うなら優勝や!せっかく、こんなに強いスキルがあるのに10位以内で満足するなんて、そんなのはただの恥や!
クラルもええとこまでいくやろうし、うちもさらにエンジンかけていくで!
* * * * *
「ふぅ、今どれくらいやろな」
走り始めてからもうすぐ2時間、一度ステップで速度を殺さないように止まりながら確認することにした。
今のところ、撃破数は400人ちょっとってところか。
それなりに遭遇はしたけど、やっぱ森の中やと遭遇率はあまり高くあらへんのかな。優勝を狙うには、プレイヤーが集まっとるところを狙った方がええか。
でも、この2時間で廃虚にも荒野にも行ってみたけど、廃虚はメイプルちゃんが無双しとったし、荒野はクラルが狙撃しまくっとった。残るは平原やけど、それやと【狩人】を生かせないし、どうしたらえぇかな・・・。
悩んでいると、ちょうど残り時間が1時間になったところでアナウンスが入った。
「現在の1位はペインさん、2位はドレッドさん、3位はメイプルさんです!これから1時間、上位3名を倒した際、得点の3割が譲渡されます!3人の位置はマップに表示されています!それでは最後まで頑張って下さい!」
は?メイプルちゃんが3位?あの子、大盾やろ!?スキルは前に見たけど、それでもここまでやるとは思っとらんかったわ!
これは、うちも負けられへん!ていうか、メイプルちゃんに負けかねない!
ここは、一気にポイントを稼ぐためにも、上位2人を狙おう!
メイプルちゃん?論外や、論外!
とりあえず、一番近くにおるのは・・・
「・・・おった。ちょうどええのが」
ちょうどすぐ近くに、いい獲物がおった。
せいぜい、うちが優勝するための糧になってもらおか!
いきなりUAとかお気に入りが増えて何事かと思ったら、日間ランキングに載っていてびっくりしました。
正直、1日投稿のためにだいぶ楽して書いていたつもりだったので、驚愕半分うれしさ半分で思わず手を叩きながら笑ってしまいました。
これからも、変わらず自分のペースでやりたいように書いていくつもりです。